「日本国紀」の天皇論 (産経セレクト S 16)

  • 産経新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784819113748

感想・レビュー・書評

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  • 天皇制について、著者2人の対談を本にしたもの。天皇制とはどういうもので、天皇が日本人にとってどういう意味をもっているのかを述べている。これまで続けてきた「万世一系」の継続が、にほんにとっていかに重要かがよくわかった。

    「東アジアにある島国、日本はただひとつの王朝のもと、現代に至るまで一度も別の国になったことがありません。こんな国は世界のどこにも存在しません。そのことがまさしく奇跡です」p3
    「日本という国は、天皇を中心とする家族のような国家」p4
    「(万葉集)素晴らしい歌を詠めば、そこには身分の差も何もない、和歌という芸の前には人は平等だという価値観が、8世紀、奈良時代の日本にすでにあったということを示している」p16
    「(万葉集)当時の日本人は身分の上下にかかわらず、皆、歌が詠めたということを表している」p16
    「神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本」p28
    「先例にないことについては極めて慎重でなければならないし、先例から変更することには、現代の政治家や、現代の感覚を持つ私たちは畏れを持つべきでしょう」p81
    「台湾は、教科書の検閲もなければ、天皇陛下を貶める占領政策もなかった。つまり日本の戦後がGHQの占領政策に乗っ取られなかった場合の姿が、そのままそこにあったということです。つまり台湾は、WGIP(War Gild Information Program:戦争への罪悪感を日本人の心に植え付けるGHQの宣伝計画)を施されなかった「日本のパラレルワールド」とも言えるのです」p157
    「(新教科書についての占領軍側の要求)軍国主義、超国家主義、神道の教義を説いてはならない。『国体の本義』に書かれてあるような歴史観に基づくものであってはならない」p182
    「(明治35年に、小学校の教科書採用をめぐり、府県担当官と教科書会社との贈収賄事件が発覚した。県知事をはじめ地方官や教員、教科書会社から召喚されたのは約200人、100人以上が処罰された。それ以後、教科書が国定となった)別に軍国主義で国定化したわけではない」p185
    「「(ウイグル人ラビア・カーディル)日本人がなぜこんなに強いのか、よくわかった。あなたたちの中にしっかりと柱のようなものがあるからなのね」と。たとえば、日本の明治以降の発展や戦時の戦いぶり、そして戦後復興のすごさをラビアさんたち、海外の方はよくご存じなのです。だから、なぜそんなに日本人は強いのかと不思議に思っているのです。日本人の不屈の精神はどこから来るのか。もちろん国土は大事ですが、でも国土は取られたら取り返せばいい。取り返すときに、もう一度立ち上がる時に、天皇陛下さえいらしてくださるのなら、日本人はそれを中心に立ち上がることができる。それが天皇という存在だと私は思っていて、ラビアさんにそう伝えました(「天皇とは」の質問に「たとえば、日本が仮に中国から侵略されたとしましょう。東京も含めて多くの都市が制圧されて、小さな島一つしか残らなかったとします。そして、生き残った日本人が逃げることを余儀なくされたとします。でもその小さな島一つ、そこに天皇陛下さえ残っていらしたなら、日本人はそこから立ち上がって反撃し、中国を撃退して、何十年かかっても再び世界一の国をつくることができると思います。天皇とはそういう存在です」と回答)」p193
    「子どもたちに、自分が日本人であること、他の何者にもなれないことを教育しないのは、罪ではないかとも思っています」p195
    「自分は「天皇を中心とした国に生まれたのだ」と知らなければ「他者」を理解できません」p195
    「(アメリカだでではなく)ヨーロッパの国々も今、同じように移民国家になって、アイデンティティが失われつつあります。でもね、これはある意味、未来予測ですが、反動が来ますよ」p200
    「5年くらい前にドイツに行った時、その景色に衝撃を受けました。若い時に見たドイツと全く違う。ドイツの中心部、ミュンヘンやベルリンは、まるでイスタンブールのようなのですよ(イスラム系の人々が多数行き来している)」p202
    「「富田メモ」は怪文書の類いであるにもかかわらずいまだに持ち出して「A級戦犯を合祀したから天皇陛下は参拝されない」と言い続けるわけです」p237

  • 令和と言う新しい御代になって、今上天皇陛下と我ら臣民が共に先祖代々大切にしてきた歴史や慣習や風俗、それに国を思う気持ちを確りと取り戻して行きたいと思うばかりです。しかしその為にはまず真当な教育が出来る教師教員を作らなければならない。そうするには我々一人一人が正確な歴史を知る必要がある。大東亜戦争がどんな戦争であったのか?戦前の日本がどんな国だったのか?戦後の日本で一体何が行われてきたのか?しっかり勉強して正しい歴史認識を持った大人を育てるために百田さんや有本さんは闘っておられるんですね。最近インターネットの良い効果で嘘はすぐにバレて正されるようになりましたので若い人達の歴史認識が少しずつ変わってきているように思えます。大人たちももっと頑張って勉強しておかないと未来を担う子供たちに良い顔出来ませんね。正しい歴史を知るって面白いですね

  • 私たち日本人は何者のか。説明をするのに天皇を切り離して説明をすることは難しい。しかし今まで天皇について学ぶ機会もなく、マスメディアの情報しか触れてこなかった。新しい時代に改めて自分たちの歴史を振り返るべき。

  • 日本国紀の天皇論(産経セレクトs16)
    著作者:百田尚樹 有本香
    産経新聞出版
    個人的には天皇「天と地、神と民の仲介者」であると思っている。日本が天皇を軸となる歴史を歩んできたのは日本の「天災の多さ」と関係があると思っている。日本ほど天災のの多い国はない。地震・台風・洪水・竜巻・津波・噴火等の様々な災害がひっきりなしに襲って来る。日本人は誰もが生涯で生死に関わる大災害を経験する可能性が高いです。
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • 面白かった。
    対話形式で読みやすい。

    日本国民であれば、天皇に関してもっと知っておくべき。教科書では習わない天皇に関してよく知ることができた。

  • 最近、日本保守党の結党で注目されている2人の共著。
    帯にある『子供に「天皇」を説明できますか?』の通り、天皇という世界史で他に類を見ない存在がありながら、一方で自国民である私たち自身に認識が不足しており、適切に説明できない。説明できないのは、理解が不十分だからに他ならない。
    本書を読んで、おぼろげながら日本という国、そして天皇がいることの有難み、他国から見た特異さ、世界の中に特別,別格であることが見えてきた。本書で指摘されているが、自国を知り、他国を知ることで多様性が理解できる。それが真のグローバリズムというのはまったくその通りの指摘であると思う。
    歴代天皇の中でも特に昭和天皇に関しての記述が多いと思う。
    第1次大戦後のドイツ皇帝ヴィルヘルム二世を引き合いに出して、ポツダム宣言受諾後(敗戦後)に行われたマッカーサーと昭和天皇の会談の場面は、涙が出るほどの感慨を受けた。戦後、GHQによる検閲や情報統制、その後の日本国内での自主的な規制や教育の見直しにより、日本国と天皇の絆や、天皇が戦前・戦後に果たした役割について考える機会や考えるための情報、素材を失ってしまった。学校教育でこれらに触れたり、得ることは現状難しいが、現在の日本は他の独裁国のような情報統制下にはなく、本書のような志ある人によって刊行された出版物がまだ手に入る国であるので、自ら学び、過去の事績に則した省察と未来の適切な選択を行っていけるようにしたい。
    最後に、百田氏が本書で「近未来にナショナリズムの揺り戻しがある」と未来予測している箇所は少し将来に希望が持てる気がした。自分たちの国や民族について、再考、振り返る時代が来ると。その時、日本に住むぼくたちは、「天皇」という存在をそれぞれが考えることになる。その答えの一部について示されたのが本書である。

  • 右翼的で偏った見方だという意見もある一方で、日本という国を大切にする気持ちを学べた。
    個人的には天皇に対しても、日本という国に対しても愛着は全くない人間だったけれど、百田さんの本を読んで、日本に住む一人の日本人として、国を守る意識は大切だと思うようになった。
    その日本という国は天皇の存在があるからこそ成り立っているという主張自体も納得させられるものだったし、確かに世界中見渡してもこれだけ古い歴史から一つの王朝で続いている国はないという事実もあることに気付かされた。

    百田さんの指摘する「自虐史観」に自分は浸っていたのだと初めて自覚した一方で、国という枠組みに縛られない多様性や相対主義という考えも大切にしていきたいと思った。

  • 天皇の国や国民に対するお気持ちなど、読んでいて有り難く胸に迫るものがありました。 言いたい事は山ほどあるけど、どんな説明より一度読んでもらえたらと思う。 と言うより、日本国民は読んで知るべきだと思う。

  • 百田尚樹氏と有本香氏の対談形式の天皇論。「天皇とは何ですか?」という問いに対して明確な自信を持って答えられる日本人が今どれくらいいるのだろうか。戦後の占領政策による天皇切り離しの指針により日本の教育に天皇や万世一系は明確な説明はされていない。歴史の重要な出来事における登場人物の1人程度の紹介。改めて、神武天皇から現天皇までの万世一系の系譜の凄まじさは世界的に観ても日本だけで、まさに奇跡。日本国憲法で天皇は日本国民の象徴であるとあるが、そういう言葉ではな表すことの出来ない日本民族の心の拠り所が天皇である。国を想う、国を護る、そんな想いが脈々と受け継がれている我が国の奇跡に感動を覚えずにはいられない。恥ずかしながら、本著を読むまでは天皇ってそういえばどういう存在か説明出来ないな、、と思っていた自分が恥ずかしい。今こそ、正しい歴史認識と日本国民としての誇りを取り戻そう。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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