- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820119685
感想・レビュー・書評
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”鋭い言葉をスパッと繰り出す宋文洲さんの新著。僕の頭のなかにない切り口での発言に、「うぐっ!」となったあと「なるほど…」と腹落ちすることが多い。本当に日本が生まれ変わるには、もっと異質な考え方に触れなくちゃいかんのだなと実感した。ここまで直言してくれる宋さんには、日本へのそこはかとない愛情(友情?)を感じる。
<トリガーフレーズ>
・「主語を入れて主観を入れろよ」(p.iii)
・この人たちはしばらく食べさせてもいいから新しい産業に移ってもらったほうが、日本は伸びると思う。
#お?!これは、また厳しい。
・もし日本人に何か、アドバイスするならば、日本人はもう三分の一ぐらい海外に出ちゃえばいい。そうすると三分の一の人間が、外で稼いで税金を払って外で消費するから同じことになる。それは輸入と一緒の効果だよ。(p96-97)
★日本が次のステージに行く本当のインフラというのは、教育なんだと思う。(中略)
底上げというのは、今中国に必要なんだよ。でも、日本ぐらいになったら、底上げじゃない。日本ぐらいになると、やっぱりそれこそもっと上に突出するような優秀な人間を育てる教育をしないと、これから人類に役立つような知識を次々創出するような国を目指すべきでしょ。そのようなビジョンと枠組みが必要です。(p108-109)
★言いたいことは、決して日本人の美学への否定ではなくて、もっと、あなたがどう思うかというのを自信を持って答えてほしい。名刺を捨てて、肩書きを捨てて、あくまで個人で考えて、答えを出して生きるということを願っているんです。(p134)
・日本で言う格差は、要は収入の差です。ギャップ・オブ・インカムですよ。格は人格でしょ。日本は特にそこの差別をしていないし。収入の差のことを格差と言うこと自身は、だれかの陰謀。(中略)言いたいことは、収入差と格差は違うということです。(p139)
#たしかになぁ。マスコミで言う「格差社会」は、単なる収入差かも。
・情報の標準化と業務の標準化というのは、はっきり言って、生産の領域では日本では当たり前だったはずです。(中略)
だからそうやって日本の販管費は少し安くなって日本企業はよくなるよと指摘した。(p146)
・大勢を見れば、やっと普遍性が出てくる。つまり、大勢の中で共通項のものが普遍性であって、決して個人の特殊性を抹殺する意味じゃない。(p149)
・間違った思い込みの例??日本には「資源がない」(p158-159)
資源のことだけど、確かに石油はない。でも、日本は、海洋資源や水や緑には恵まれている。(中略)
その簡単な理屈をだれも言わない。だから結局、資源がないといって、本当は日本にある資源にだれも気づかなくなる。
#なるほど、たしかに。
・もっと大きく広げて言えば、アジア人に尊敬される日本人になるために、はじめにアジア人を尊敬する日本人になれるかということを考えなければならないかもしれない。(p162)
・例えば、日本で最も人気があるイベントになっている高校野球の甲子園に、中国の代表と韓国の代表を呼んだらきっとそれぞれの国の人たちの意識が変わると思っているわけです。そう簡単には変わらないかもしれないけれど、人間と人間の交流の積み重ねのそういう地味な作業です。(p174)
・平和、繁栄、成長。そして価値、本質、ビジョン。我々が前の三つを求めたいならば、まず後ろの三つを求めないといけなmせん。口先だけで平和、繁栄、成長を言っても意味がありません。アジア、特にこれから世界の経済センターになる東アジア、この我々の故郷にあたる地域に存在する共通の価値、本質、ビジョンに気づく必要があります。(p179)”詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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宋さんのメルマガで前書きを読んだ。
なぜだろう?日本語ネイティブでないのに、宋さんの言葉は、ぐっと来るものがある。国が悪い、政治が悪いと他人ごとにしていないか?日本人は総評論家になっていないか?
きれいごとを言わずに、自分ごととして考えよう、本質を見よう、アジアの他国へ敬意を払おう。成長を止めてしまっている日本人への警鐘の言葉。
4月16日読了。
*目次
まえがき
第一章 体験と立ち位置の違いによって見えたこと、気づいたこと
第二章 中国を理解するための糸口
第三章 日本と中国の成長過程を考える
第四章 本質や原理・原則はどこの国でも変わらない
第五章 東アジアマーケットでの新しい可能性を考える。 -
■宋文洲氏の著書一覧
やっぱり変だよ日本の営業 :新版
君は今のままで中国人と互角に仕事ができるか? -さらに図太く、斬新に働く法-
英語だけできる残念な人々 -日本人だけが知らない「世界基準」の仕事術-
華僑流おカネと人生の管理術
「きれいごと」を言い合っても世の中は変わらない
営業の思想―なぜ毎日「日報」を書くのですか
人材いらずの営業戦略
宋文洲猛語録 -「チャンス」はいつも「困難」のフリをしてやってくる-
人生を面白くする!仕事ハッケン術 -アマゾン ユニクロ ローソンほか、話題の会社に学ぶ「新しい働き方」-
劣化する日本 再生への10のシナリオ(ディスカヴァー携書 078)
中国人の金儲け、日本人の金儲けここが大違い!(2時間でいまがわかる!)
夢を実現する技術 -「なりたい自分」になる5つのステップ-
社員は育てなくていい! -「会社の壁」を破る48のルール-(East Press Business)
仕事ができる人は「負け方」がうまい -
この本も一読の価値あり。
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日本人の自分の意見を言わずに、周りの意見に流されるところは、日本人の悪いところだけど、
内田樹さんの「辺境論」にもあるように、我々は常に大国の動きを気にしながら生きてきた辺境の民であるから、しがない性のように思える。
それなら、そのまま負け続ければいいと、宋文洲さんに言われそうだが、
私はそんな卑屈で遠慮がちな日本人が好きだ。
好き嫌いの問題ではないのだけど・・・。 -
宗文洲さんならではの軽妙な語り口の文章。口語が文章になると読みづらくなる感があるのは否めないが、中国の身近な事例を取り上げて、日本に対して提言してくれる。違う視点からの気付きが得られ、モノの見方が広げられる事が嬉しい。
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日本語が変なところが多いが、言ってる事は同意できる。本質を見極めろ、という本。
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私は在日外国人が書いた日本社会の評論エッセイ集の本を紹介しましたが、
今日は小説の方が多かったですね。
ミステリーの結末を言わずにストーリーを説明するのはタイヘンそう。