測量船 (愛蔵版詩集シリーズ)

著者 :
  • 日本図書センター
4.31
  • (7)
  • (7)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 52
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820527237

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本もオンラインで読めます!

    オンライン(青空文庫):
    ※オープンアクセスなので、どこからでも読めます※
    https://www.aozora.gr.jp/cards/001749/card55797.html

    ---

    読書マラソン感想カードより:

    久しぶりに詩集を読んだ。昔の仮名遣いも多く、正直言って読めない箇所も多かった。
    ただこの人はどこか「ないている」人に思えた。ある時は人として、またある時は鳥として。
    でもひどく鬱屈した気分にはならない。暗い雰囲気はわかるのに。
    時が経ってもう一度読んだら、また違う味わいを感じそうな、そんな気がした。

    オススメ度:
    ★★★☆☆

    ノブ(図書館職員)

    所蔵情報:
    品川図書館 911/Mi91

  • 見たことのない漢字がいっぱい出てきた。でも景色がすごい鮮明に見える。詩ってこういう風に描くのかと……、変換ミスったけど正に詩を描くって表現の方が合う気がする。

    散文詩を読んでみたくて手に取ってみた。



    好きな表現↓

    泣きぬれる夕陽

    季節は空を渡るなり

    風鐸(ふうたく)

    空は夢のやうに流れてゐる

    青い世界地図のやうな雲が地平に垂れてゐた

    その足跡をつづけていつたのか

    その風に秋が木葉をまくやうに私は言葉を撒いてゐた。

    ――さあみんな夜は早くから夢を見ないで深くお眠り、そして朝の楽しい心で、一日勇気を喪はずに風を切つて遊び廻らう。

    空路(そらぢ)

    隣の部屋で二時が打つ。

  • 哀愁漂う美しい言葉の世界にとても魅かれた。「乳母車」のような音読したくなる言葉の連なりの中、「Enfance finie」や「アヴェ・マリア」はどこか不穏でゾクゾクしてまた良い。

  • 三好達治の第一詩集。硬くて鋭くて刺さってくるのが多い。精緻で力強い才気が迸っている。教科書に載っている「雪」(有名な「太郎の屋根に雪ふりつむ」です)のほのぼの具合いが例外に感じる。

    特に「鴉」「獅子」などの散文詩に、硬質で鬼気迫る幻想味がある。この結晶のような文章は、知ったら大好きという人が多そうな気がする。

  • 美しいリズムで刻む抒情の世界。
    初刊のデザインの香りをつたえる新しい愛蔵版シリーズ。

  • 『測量船』は,三好達治の第一詩集で,昭和5年12月に第一書房から出版されている。
     短歌あり,散文詩あり,四行詩あり,自由詩ありと,ありとあらゆる形式の詩形がこの『測量船』には詰まっていて,読むのになかなか楽しい書物である。

    なんと言っても巻頭から続く三つの詩が圧巻である。

              春の岬

    春の岬 旅のおはりの鴎どり
       浮きつつ遠くなりにけるかも

              乳母車

       母よー
       淡くかなしきもののふるなり
       紫陽花いろのもののふるなり
            (後略)

              雪

       太郎を眠らせ,太郎の屋根に雪ふりつむ。
       次郎を眠らせ,次郎の屋根に雪ふりつむ。

全6件中 1 - 6件を表示

三好達治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×