- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820527237
感想・レビュー・書評
-
この本もオンラインで読めます!
オンライン(青空文庫):
※オープンアクセスなので、どこからでも読めます※
https://www.aozora.gr.jp/cards/001749/card55797.html
---
読書マラソン感想カードより:
久しぶりに詩集を読んだ。昔の仮名遣いも多く、正直言って読めない箇所も多かった。
ただこの人はどこか「ないている」人に思えた。ある時は人として、またある時は鳥として。
でもひどく鬱屈した気分にはならない。暗い雰囲気はわかるのに。
時が経ってもう一度読んだら、また違う味わいを感じそうな、そんな気がした。
オススメ度:
★★★☆☆
ノブ(図書館職員)
所蔵情報:
品川図書館 911/Mi91詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
見たことのない漢字がいっぱい出てきた。でも景色がすごい鮮明に見える。詩ってこういう風に描くのかと……、変換ミスったけど正に詩を描くって表現の方が合う気がする。
散文詩を読んでみたくて手に取ってみた。
好きな表現↓
泣きぬれる夕陽
季節は空を渡るなり
風鐸(ふうたく)
空は夢のやうに流れてゐる
青い世界地図のやうな雲が地平に垂れてゐた
その足跡をつづけていつたのか
その風に秋が木葉をまくやうに私は言葉を撒いてゐた。
――さあみんな夜は早くから夢を見ないで深くお眠り、そして朝の楽しい心で、一日勇気を喪はずに風を切つて遊び廻らう。
空路(そらぢ)
隣の部屋で二時が打つ。 -
哀愁漂う美しい言葉の世界にとても魅かれた。「乳母車」のような音読したくなる言葉の連なりの中、「Enfance finie」や「アヴェ・マリア」はどこか不穏でゾクゾクしてまた良い。
-
三好達治の第一詩集。硬くて鋭くて刺さってくるのが多い。精緻で力強い才気が迸っている。教科書に載っている「雪」(有名な「太郎の屋根に雪ふりつむ」です)のほのぼの具合いが例外に感じる。
特に「鴉」「獅子」などの散文詩に、硬質で鬼気迫る幻想味がある。この結晶のような文章は、知ったら大好きという人が多そうな気がする。 -
美しいリズムで刻む抒情の世界。
初刊のデザインの香りをつたえる新しい愛蔵版シリーズ。 -
『測量船』は,三好達治の第一詩集で,昭和5年12月に第一書房から出版されている。
短歌あり,散文詩あり,四行詩あり,自由詩ありと,ありとあらゆる形式の詩形がこの『測量船』には詰まっていて,読むのになかなか楽しい書物である。
なんと言っても巻頭から続く三つの詩が圧巻である。
春の岬
春の岬 旅のおはりの鴎どり
浮きつつ遠くなりにけるかも
乳母車
母よー
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花いろのもののふるなり
(後略)
雪
太郎を眠らせ,太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ,次郎の屋根に雪ふりつむ。