Ambarvalia (愛蔵版詩集シリーズ)

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  • 日本図書センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820595649

感想・レビュー・書評

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  • ブクロブの談話室に触発されて清岡卓行の初期詩集を捜し、大型書店や古本屋を歩いた。目的は果たせなかったが、日本図書センターの「愛蔵版詩集シリーズ」を見付ける。
    上田敏の海潮音、堀口大学の月光とピエロ、伊藤整の雪明りの路、村野四郎の体操詩集、等々を見付ける。
    幾つも食指が動く本があったが、「ambarvalia」を買った。
    35年前の大学時代から文庫の西脇順三郎詩集は何冊も買ったし、文芸読本なども所有している。
    でも、この赤い装丁を見てたら、田村隆一さんが早稲田まで、この本を買いに行ったんだと書いていたことを思い出した。
    文庫と違って、「旅人かえらず」など他の詩集からの詩はないし、言葉の解説はない。
    だから、判らない処は沢山あるが、何も考えず、キラキラした言葉にウットリ堪能した。

  • (覆された宝石)のような朝―詩集劈頭の「天気」と題された詩の1行目がこれだ。技法からいえば直喩に過ぎないのだが、実に驚くべきイメージの氾濫ではないか。まさに衝撃的な表現だとさえ言える。しかも、これに続く詩集全体のイメージ表象も、およそ旧来の詩とは大きくその趣きを異にする。抒情の質がウエットではなく、どこまでも晴朗なのだ。それは、エーゲ海にきらめく光の粒子であり、オリンポスの神殿を輝かせる透明な光なのだ。その一方で、第3詩集『近代の寓話』で自在に展開される西脇独特の諧謔もすでにその片鱗を見せてもいる。

  • ◆天気

    (覆された宝石)のやうな朝
    何人か戸口にて誰かとさゝやく
    それは神の生誕の日。

    詩集

  • じっくり読むには様々な辞書が必要になりそう。

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著者プロフィール

1894年新潟生まれ。詩人、英文学者。慶應義塾大学卒。1922年~1925年オックスフォード大学で英語,英文学を学び,帰国後、慶應義塾大学文学部教授。戦前のモダニズム・ダダイスム・シュルレアリスム運動の中心人物。また、生涯に多くの水彩画並びに油彩等の絵画作品を残した。小千谷市名誉市民。1957年にはノーベル文学賞候補に挙がる。1982年没。

「2019年 『無伴奏女声合唱のための あむばるわりあ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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