なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか? 6時に帰る チーム術
- 日本能率協会マネジメントセンター (2008年12月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820717348
感想・レビュー・書評
-
2008年の本ではあるけど、在宅勤務の推進等、先駆けた取り組みをしていたんだなぁと驚く。仕事以外の時間も充実できると仕事は楽しくなりそうだ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マネージャーとか、チームをマネジメントする人向け。
今の私には合わないかなー -
残業ゼロをチーム全体でパフォーマンスを下げずに達成する為に、チーム内での徹底した情報共有化が非常に大事なことであり、その為の複数担当制やメールの活用法など、有用な情報が沢山書かれている。この本が書かれた時にはパンデミックで多くの人が在宅ワークになるとは想定されていないが故に、働き方の本質的チェンジが必須になる前提で書かれた良書。
-
この本を読む前に、朝メール夜メールなど部署方針で実践したことがあったが、あまり効果は感じられなかった。
それはこの本が役に立たないという訳ではなく、恐らく著者の心理的安全性をつくるスキルが高く、それが組織運営に効果を発揮しているのだと思う。
そのスキルにはフォーカスされていないが、随所に感じられる部分があり、せめて数日間でもご一緒に働けたらなと思う。
あと個人的にズルいけどうまいやり方と思ったのが、AさんとBさんをそれぞれ影で互いを褒めてましたよって言う技術。影で褒められてたって言われると嬉しいですよねー(自分だけ?) -
”小室さんの表紙が素敵な本。タイトルに魅かれて購入。「6時に帰るチーム」ぜひ実践したい!
---
T:自宅30分→自宅30分+電車往復40分+職場昼休み10分
P:6時に帰る術のうち、自チームで試すものをいくつか見つける
O:関連本も合わせてさらっと下読み→…のつもりがしっかり読みになっちゃった。
---
★私の会社は毎日が「残業禁止」です。(中略)「残業は評価面でもマイナス」ということをはっきり打ち出しています。例外的に残業が発生しても、その分は必ず同じ月のどこかで休まねばならず、総労働時間の超過は認めません。(p.7-8)
・ワークライフバランスの言葉で言えば、「ライフ」の場でのインプットが、「ワーク」の場でのアウトプットのために必要不可欠なのです。(p.17)
・毎朝、マネジャーからメンバーに挨拶し、折につけて自分自身のことを話し、メンバーの調子を聞き出し、チームの情報を積極的にメンバーと共有していきましょう。(p.51)
・マネジャーに期待されているのは、メンバーが仕事の壁を打破するために「レベルの高い情報」「人脈」「異なる視点」「気付きを与えるアドバイス」などを提供することです。(p.54)
・彼女たちの勤務時間の多くが、ルーティン業務に割かれていることに気付いたのです。(中略)お客様への対応や売り場づくりなど、彼女たちが本来力を入れるべき業務に時間を割けていない状況が見えてきました。(中略)
「ルーティン業務を効率化することが先決」。(p.66-67)
・シフトを自分たちで考えはじめると、お互い休みの予定も融通し合うので、私が間に入って調整する手間がぐんと減りました。(p.70)
・「6ステップ」と「25のツール」(p.76-)
-朝メール、夜メール
-課題発見シート
-3つの評価ポイント(人を育て合うこと、時間を意識すること、結果に至るプロセスを重視すること)
-プラスα評価 (年間時間外数も記載する!)
★カエル!ジャパンを上手に活用する<名刺にもシールをはれる、個人登録も可能>
http://www8.cao.go.jp/wlb/change_jpn/index.html
・新入社員は短時間勤務者とペアにする(p.124)
・サイバーエージェント事例:トピックスメール(p.157)
部下の仕事上での成功(トピックス)を、マネジャーを含めたチームメンバーが部署全体にメールで紹介。その月の「ベストトピックス賞」を社長自らが表彰
・マネジャーはメンバーに対して、「自分のためにしてもらう報告」といった副次的な業務を減らして、コアな業務に注力してもらう方法を考えなければいけません。(p.164)
★ここまで読んでくださった皆さんは、まずは定時で帰ることからはじめてください。
ツールを使った仕事の見直しは必要ですが、まずは「早く帰ろう」と決めないことにはその必然性が生まれません。毎日とは言いません。週に一度からでいいのです。
こうこうと灯りが点き、自分以外のメンバーが忙しそうにするオフィスをあとにするとき、きっと不安や焦燥、そして肩身の狭い思いが迫ってくると思います。その感覚が、時間制約のある社員や非正規社員の気持ちをくみ取るための第一歩となります。
#なるほど!” -
ワークライフバランスを実現するための考え方とツールにあふれる本。勝間氏や吉越氏と考えが共通する部分多数あり。ただし、こちらはチームで成果をあげることに強く着目している。たくさんあるツールの存在する意味を考えるだけでも参考になる。
[private]以下注目点
・インターン生を含めた社内のコミュニケーションは、メールが中心です。あとから詳しいやり方を解説しますが、メーリングリストやメールの同報・転送機能を活用して、担当業務やチームごとに、社外とのやり取りまでを含めた、すべてのメールを共有しています。P.7
・「残業は評価面でもマイナス」ということをはっきり打ち出しています。例外的に残業が発生しても、その分は必ず同じ月のどこかで休まねばならず、総労働時間の超過は認めません。 P.7
・全員が残業禁止となると、こうした人は「なぜ自分は時間内で仕事が終わらないのだろう」と考えはじめます。そこではじめて、自分の知識・スキル不足や業務の標準化不足に気付き、仕事のマニュアル化に取り組んだり、定時後に自己研鑽をしたりするようになるのです。 P.9
・「この案件はこうしたいと思いますが、よろしいでしょうか?」と自分なりの結論を持った上で、私に確認をしに来るようになりました。 P.11
・仕事はどんどん任せますが、情報共有を徹底しているので、私はメンバーのやっていることが見えています。大きな問題が発生する前に手を打てるので、メンバーに権限を渡してもさほど怖くありません。P.11
・メンターをした相手が成長すると、メンター自身も評価されるようにしている。P.13
・時間制約のある社員は、これまで通りの「働いた時間でやる気をはかる」というような評価体系の中では、昇進・昇格を諦めて、そのままやる気を失ってしまいます。 P.15
・「ライフ」の時間をまったく確保できず、アイデアの引き出しは空っぽ、という状態の人が大勢集まって「ワーク」をしているのが、今の日本企業の現状です。」 P.17
・こうした会社では、マネージャーがメンバーに仕事を任せるときに、「こんな感じで」とあいまいな指示で渡し、上がってきたものを「違う、そうじゃない」と突き返して仕事を覚えさせる、といったやり方をしています。「自分で考えて育てる」と言えば聞こえは良いですが、要は自分と同じ思考・発想をすることをメンバーに強制しているのです。 p33
・マネージャーが「伸びるやつだけを育てよう」という考えでマネジメントしていると。チームには、そのマネージャーと同じタイプで、しかもそのマネージャーよりも一段能力の低いメンバーだけしか残りません。p.34
・できるやつがやるしかないは、いずれ燃え尽き症候群になる。p37
・価値観を変えるといった大げさな問題ではありません。変えるべきはマネージャーの役割の考え方と、それに伴う実際の仕事のやり方だけです。p.46
・最初は「工夫しているね」「助かったよ」といった程度の言葉でいいのです。こうした言葉をかけ続けるだけで、マネージャーとメンバーとの関係は驚くほど変わります。p.53
・マネージャーに期待されているのは、メンバーが仕事の壁を打破するために「レベルの高い情報」「人脈」「異なる視点」「気づきを与えるアドバイス」などを提供することです。P.54
・「アイデアや創造性が重要」と言いながら、「残業や休日出勤を厭わない人が貢献度が高いと見なされ、高い評価がつく」というのでは矛盾しています。P.55
・「技術=スキル」であって、情熱や人間力といった人の資質とは関係ない P.56
・ワークライフバランスは、「ワークとライフを両方充実させることで、結果として、どちらもうまく回るようになる」という考え方です。P.59
・課題の解決策は、彼女たちの中に既にあったのです。こうした話を聞き出せるようになると、私がやるべきことは、それらを実行するための、ちょっとした支援だけになりました。P.68
・翌月の目標→毎月の目標→毎週の目標→毎日、何をどうすればいいのか、日々の業務にブレークダウンする方法を一緒に考えるようにしました。〜中略〜しつこく質問し続けていると、いつしか、売り上げ目標から自分勤務日を考え、自分以外のメンバーも含めた店舗全体の売り上げアップの方法を考えるなど、メンバー全員がそれまでよりも一段高い視点で物事を考えるようになりました。P.70
・「ちゃんと話しを聞いてくれる」「きちんと伝えれば、問題を解決してくれる」P.72
・他人の口を借りてほめ続けると、「自分が周囲から認められている」という安心感が生まれます。P.72
・朝メール P.83
(1) 時間は15分単位で考える。
(2) 業務とそれにかける時間(時間見積もり)をセットで考える。
(3) 残業は見込まず、就業時間内で終わるようにスケジュールを立てる。
(4) 各業務に優先順位をつける。
前日のうちに翌日やることをピックアップし、当日の朝、そこに予定時間を入れて提出する形がいいでしょう。
マネージャーは、時間見積もりと優先順位を確認します。
・夜メール P.85
1日の業務が終わる前に「朝メール」に次の3点を追記して送ってもらいます。
(1) 時間見積もりと実際にかかった時間の差異
(2) 反省点と良かった点
(3) 翌日の予定
マネージャーは、よい点、うまくできた点を探し、メンバーをほめることを心がける。
・苦手な仕事を1日の早い時間帯に済ませるようにアドバイスします。P.102
・「このチームが使っている経費は月にいくらか」「正社員を一人採用するのにどのくらいコストがかかるのか」といった経営情報も可能な限りオープンにしてください。〜中略〜経営者視点(マネージャー視点)を共有するのに有意義。P.105
・マニュアルの形式はシンプルで、作業の手順・主な連絡先・よく使うメールの文面の雛形・関連資料の保管場所などをまとめるだけです。P.115
・「引き継ぎマニュアル」は、引き継ぐ必要が出た時に作るのではなく、いつでも引き継げるよう、新しい仕事に着手したときに同時に作っておくものなのです。P.117
・マルチ担当制の利点 P.123
全社員が高い視点でものを見るようになり、「他の部門と張り合う」という意識が生まれにくく、常に経営視点の判断が下せるようになりました。
「この人でないとわからない」という仕事がなくなりました。サブに決済権が移る、メインとサブで相談することで決定が迅速になりました。
問題解決が早くなりました。一人のメンバーが複数部門の状況を知っているので、問題を解決するにあたっての連携がスムーズになったのです。
・緊急の対応が終わればその後に原因追求をします。ただし、それは再発防止のためであって、犯人探しのためではありません。P.127
・ほめるためのテクニック P.143
1. 人を介してほめる
「あなたのことを○○さんがほめていたよ」
2. プロセスをほめる
「あのフォローが良かったね」「その資料を見直したのが効いたよね」と言うことで、メンバーは「自分はきちんと見られている」という意識を持つことができるのです。
3. 人を助けたことをほめる
4. 皆の前で/皆でほめる。
5. 存在そのものに感謝する。
「あなたがいると会社の雰囲気が良くなって助かる」「いつもきれいに書類を整理してくれるので助かる」
・ほめワードを持つ P.146
「すごい」「助かった」「期待している」「ありがとう」
「○○をやっておいてもらえると助かります」
指示が完了したら、「○○をしてくれてありがとう」と伝えます。
・犬猿の仲の二人をお互いにほめあっていると言って、仲良くさせる。P.148
・プロセスを無視すると、数字だけ追いかける個人プレーになる。P.155
・人事が発案するよりも、社員から寄せられた相談に合わせて制度を作る方が実態に合う。という考え方。P.157
・「こういう状況ですが、AとBの対応案があります。Aにするべきだと思うのですが、よいでしょうか?」P.160
・分かりやすいメールや工夫したメールが来たら、お礼を言うとともに、雛形として保存する。P.160
・送られた方から見ると、MLの種類によって何の案件かすぐ分かるのが利点です。P.162
・全部議事録 P.164
「全部議事録」では、議題、日時、出席者を冒頭に書いたあと、次に「結論」と「必要なアクション」を書きます。これで、最後まで読まなくても概要が把握できます。議論の経緯は発言の要旨を簡潔に整理し、発言者別・賛成反対別などに分けて簡単な記号(○×■など)をつけて見やすくします。P.166
・全部議事録は、「仕事上の話合い」とされるすべての機会で作成します。P.167
・面談の目的はメンバーの課題や思いを聞き出すことまでです。早急に結論を出そうとしてはいけません。p.172
[/private] -
,時間の見積もりと優先順位を共有し現状の見える化をする。朝メールのルールは1)時間は15分単位 2)業務とそれにかける時間(時間見積もり)をセットで考える 3)残業は見込まず、就業時間内で終わるようにスケジュールを立てる 4)各業務に優先順位をつける。夜メールは実際にかかった時間を振り返る。1日の業務が終わる前に「朝メール」に5)時間見積もりと実際にかかった時間の差異 6)反省点とよかった点 7)翌日の予定 を追記。マネジャーは夜メールに承認とアドバイスを返す。
・時間の使い方の傾向を把握する。一週間という期間を区切って、出社から退社まで、会社でどんな風に仕事をしているか書き出す。
・業務の種類ごとに時間を集計する。大項目は「会議」「営業」「社内」の3つに分け、その下には直接的な業務時間だけでなくそのための準備に必要な時間も書き込む。
・ワーク振り返り5項目 →生産性、成果、直近1年間の月間労働時間、自分の生産性の高低を判断した理由、理想と今後の行動
・ライフ振り返り5項目→ 仕事以外の時間の充実度、成果、1日の時間の使い方、仕事以外の時間の充実度を判断した理由、理想と今後の行動
・会社の方針をチームに落とし込むのはマネジャーの責任。チームの役割や貢献、存在意義を自分の言葉で語ること。
・年に数回ビジョンを語り合う。1日かけて全社員が会社と個人の目標を話し合う。メンバー全員が目標・数値に関する背景について共通認識をもっているため、行動のベクトルがそろう。
・「ムダとり会議」の一番のポイントは単に時間を削ることではなく、最大の成果を上げるために見直しをするということ。ベース業務では やめる、減らすためのルールをつくる、人の力を借りる、標準化する、やり方を変える、部長決定の保留案件にする とさらにグループ化する。
・マニュアルは使うだけでなく、つくることを同時に求めることで、自分の業務をわかりやすく説明したり、非効率な業務を見直したりするきっかけになる。引継マニュアルは引き継ぐ必要が出てきたときにつくるのではなく、いつでも引き継げるよう、新しい仕事に着手したときに同時につくっておくもの。マニュアルは日々更新されていなければ意味がない。
・ポジションと役割で、人は成長する。
・チームを変える3つの評価ポイントは 1)人を育て合うこと、2)時間を意識すること、3)結果に至るプロセスを重視すること 。評価シートに「成果を上げるときに誰の情報提供やサポートを受けたか」「成果を上げるときにどれくらいの時間をかけたか」
・メンバーと話すときには、最初に9割ほめてそのあとで1割注意する「ほめ9 ダメ1」を適用する。注意したいことがあってもその場では我慢、言いたいことをメモするくらいに留めて、そのメンバーをほめるポイントが十分に集まるまで待つ。メンバーのほめる部分が見つけられないマネジャーはメンバーのメンターに長所を尋ねる。メンバーをほめるメンバーをさらにほめることを繰り返すことでほめ言葉が回るチームができてくる。効果的にほめるためには
1)人を介してほめる。
2)プロセスをほめる。
3)人を助けたことをほめる。
4)皆の前で皆でほめる。
5)存在そのものに感謝する。
・得意のほめワードをもつ。すごい、助かった、期待している、ありがとう、がテッパン。
・定量化しやすい仕事を担当する人が週に1〜2度使う福利厚生制度の域を脱する。特別な働き方という意識を抜け出し、仕事の生産性を上げるために積極的に取り組むべき戦略として打ち出す by日本ユニシス「変化報告シート」でチームの変化を人事部にみせ、人事部を味方にする。生産性の自己評価の変化、労働時間の変化などが見えると説得力が増す。
・日常業務で忙しいのは構造的に問題があるから。そこにメスをいれないといけない。
・ワークライフバランスは、仕事と生活の相乗効果を目指すもの。「ワークだけ」では成果も上がらなくなる。
・ワークライフバランスは10〜20年後を考えればむしろ中堅以上の男性社員のためのもの。
・助け合いの気持ちとともに大切なのは、相手を認めること。「あなたがいてくれて皆が助かっている」「あなたのお陰でこの利益があがった」メンバーに日々こうした言葉をかけ、やっていることを評価し、相手の存在を認める。これがメンバーの働く意欲の基盤となる。 -
短時間勤務は子育てに関わる世代だけではなく、近い将来には団塊世代の介護に終われる大多数の団塊ジュニア世代にまで波及する。
つまりワークライフバランスというのは日本の働き方における根元的な問題となる、という指摘にはハッとさせられた。
「昇進・昇格」ではなく「感謝・成長」というインフォーマルな評価を大切だ、という説明に共感。