電車をデザインする仕事 「ななつ星in九州」のデザイナー水戸岡鋭治の流儀

著者 :
  • 日本能率協会マネジメントセンター
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820718864

作品紹介・あらすじ

経済性や効率化だけを優先するな!利用する人の喜びを追求せよ!本当に優れたデザインとは何か-。未だかつて無いものを生み出す発想術・仕事術。

感想・レビュー・書評

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  • オンラインセミナーの予習として。
    「電車をデザインする仕事」というタイトルだが、前半は電車や乗り物に限らず、デザインに対する考え方や心得などについて分かりやすく記されている。デザイナー全般に当てはまる内容で、とても参考になった。
    後半はこれまで手がけた仕事をいくつか挙げたもので、これは他の著作でも取り上げられている内容と重なる。巻頭グラビア以外はモノクロなので、水戸岡氏の過去の仕事をメインに見たい場合は「電車のデザイン」など別の本がオススメ。

    ・新たな発想はひらめきではなく、そのデザイナーがこれまでに体験した「楽しかった、心に残っている思い出」から生まれてくるもの。

    ・デザインはデザイナーの感性で創造するものではなく、与えられたテーマからストーリーを描くこと。総合的で創造的な計画のこと。

    ・本来大人がすべき最大の仕事は子どもに感動を与えること、それが日本人の個々における五感が磨かれていくこと。五感は環境と好奇心により育まれる。

    ・いかにデザインするか=いかに生きるか
    理想を持つことが成長を生む。人としての作法が最も大事。

    ・デザイナーは好き嫌いを言わない。相手のことを受け入れることが客観性の力を生む。

    ・「比較しない」「不都合を受け入れる」「対立構造を作らない」デザイナーひとりひとりが自分の意見をしっかり持って自我を確立し、日本人のセンスと世界の文化を組み合わせていくことが必要。

  • 水戸岡先生の仕事における取り組みが分かる。1%のプライドというか仕事に対する矜持を感じられる。なるほど、だから1%なのか、と。後はよく言われている「掃除をしなさい」「利益よりもお客様を大切に」という仕事の根本を丁寧に解説されていた。どんな職業でも一緒ですね

  • 鉄オタの息子と鉄道関係の番組を見て、水戸岡さんのことを知りました。
    ななつ星in九州、ゆふいんの森、つばめ等をデザインされた方です。
    この本では、鉄道デザイナーである水戸岡さんの仕事への美学・流儀が記されています。

    電車という公のもののデザインにおいて、クライアント、お客さん、地域のニーズや望む姿を汲み取り形にしていくことが大切だと水戸岡さんは考えているようです。
    また「アイデアは自分自身の歴史が作る」とおっしゃっていて、自分自身の豊かな原体験が豊かなアイデアに繋がるとのことでした。

    デザイナーというと自分を表現したいものを表現する人というイメージが私にはあったのですが、水戸岡さんはそのような人をアーティストと表現されています。デザイナーはあくまでも「代行業」であり、関わる人の総意を形にする人であると。

    私はデザイナーではありませんが、水戸岡さんのデザイン(=仕事)に対する意識の高さが端々に感じられ、いち社会人として背筋が伸びる思いです。
    デザインに関わる人だけでなく、仕事との関わり方に悩む人にも読んでもらいたい一冊でした。

  • 電車のななつ星をデザインした人の考え方の話。

  • 仕事をする上でまず大切な事は、人間性だと改めて感じました。自分は、まだまだ修行しないといけないです。。

  • 2019年度第6回新歓ビブリオバトル

  • 20180226読了
    2013年発行。九州には乗って楽しい電車が多い。観光列車はもちろん、特急も新幹線も、内装に木材を使い伝統工芸の技術を取り入れ、特別感があって落ち着く車両で、粗末なことはできない、大事に乗らなければと思う。そんな電車をデザインしてきた水戸岡さんの著書。デザインの意図するところを知り、その目的はじゅうぶん達成されていると思う。●前半は「プロデザイナーの心構えと仕事術」。P58デザイン力を身につけるための人としての作法 掃除、お茶の淹れ方、来客に合わせたお茶菓子・お弁当の用意。P64人は環境によって育っていく P69デザイナーは好き嫌いをいわない 嫌いなものを受け入れることは有効。自分流でいいことはない。相手のことを受け入れることで客観性を身につけ、正しいデザインを生む。 P94米仕事と花仕事 経済性と文化性のバランスを保つと利用者が好むものが出来上がる。経済性だけを追い求めて異常な成長をしない。 ●後半は「デザインの現場」。787系特急つばめ、ソニック、ゆふいんの森、かもめ、新幹線つばめ、ななつ星in九州、SL人吉、指宿のたまて箱、MOMO(岡山市電)、コミュータートレイン、高速船ビートル、リゾート施設笠沙恵比寿、JR九州熊本駅、クイーンズスクエア横浜、JR九州の制服。デザイン画とともにコンセプトやポイントの解説が添えてある。●特急つばめは思い出深い電車で、リレーつばめが新幹線全線開通に伴い運行を終えてから、あの車両はどこにいったのかなーと思っていたら、まだ長崎線で頑張っているみたいだった。

  • 個人的にはこの方がデザインした列車にまだ乗ったことがないのだが、乗ってみたくなった。また、プロフェッショナルとして仕事に向き合う姿勢についても学ぶところが多いと感じた。

  • 【所在】3F開架
    【請求記号】536||MI
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/164193

  • <閲覧スタッフより>
    日本初のクルーズトレイン「ななつ星in九州」のデザイナー水戸岡鋭治の流儀をこの1冊で。電車にとどまらず、制服や駅舎、商業施設などまでトータルで公共デザインを手掛ける水戸岡鋭治のデザインとは?デザイナーとしての心構えや現場でのエピソードが惜しみなく書かれています。
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    所在記号:536||ミト
    資料番号:10222748
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著者プロフィール

1947年岡山県生まれ。県立岡山工業高校デザイン科卒業。サンデザイン(大阪)、STUDIO SILVIO COPPOLA(ミラノ)を経て、72年ドーンデザイン研究所設立。87年「ホテル海の中道」アートディレクション担当。88年「アクアエクスプレス」で鉄道デザインに進出。JR九州をはじめとする車両デザイン、公共デザイン、建築物・商業施設デザイン等に携わる。

「2023年 『水戸岡鋭治 デザイン&イラスト図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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