マンガでやさしくわかるインバスケット思考

著者 :
制作 : 星井 博文  稲垣 まこと 
  • 日本能率協会マネジメントセンター
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820719496

感想・レビュー・書評

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  • 本書はインバスケット思考、すなわち「捌ききれない仕事がある中で、より成果を上げるための判断方法」について解説された本である。

    そもそも仕事とは、全ての業務を100%達成することは不可能であり、またその必要もない。
    そしてパレートの法則にあるように、物事は、ごく僅かな一部分が残りに多大な影響を与えている。

    つまり仕事で成果を上げるためには、その影響力の高い一部分を見つけ出し、優先度の高いものから的確に対応していくことが重要である。
    「どうやって全て終わらせるか」ではなく、「限られた時間の中でどれだけ成果を上げられるか」という発想が大切と言える。
    そのための思考法が「インバスケット思考」である。


    では、どうすれば正しく優先度を判断できるか?

    まず最も大切なのは、自分の優先度の軸を持ち、それをぶらさないこと。
    軸がぶれてしまうと、何を優先すべきか判断できず、結局場当たり的な対応になってしまう。
    お客が大事ならそれを軸にすればいいし、売上を求めるならそれでもいい。
    自分の価値観を持ち、それを保つことが重要である。

    そして次に、「見えない問題」を見つけられるようになること。
    例えば従業員の態度にクレームが来たときに、問題を「従業員の態度が悪いこと」として捉えたとする。
    だがその裏には「従業員の教育をしていない」という「見えない問題」があるかもしれず、それを見逃してはいけない。
    そして見えない問題に対処していかなければ、次々と「見える問題」になって降り掛かってきてしまう。
    なので表面的な問題に捕らわれず、いかに根本的に対処していくかが重要になる。

    加えて、正しく情報収集することの大切さも挙げられている。

    一つには、定性情報(主観の混じった情報)で判断すると間違いの原因になるので、定量情報(客観的な情報)に変換しよう、としている。
    例えば「近所に安いカレー屋ができた」という情報は主観が混じっており、本当に近いか、安いかどうかは、人によって基準が異なってしまう。
    従って「駅から50mの場所に、600円で食べられるカレー屋ができた」という定量情報を入手して、そこから判断すべきである。

    そしてもう一つは、複数の視点を持つこと。
    判断を間違える人の特徴に、「一つの情報だけで良し悪しを判断してしまう」というものがある。
    よって、複数の視点、つまり『鳥の目(全体を俯瞰する)・魚の目(流れを読む)・虫の目(細部まで見ること)』を持つことや、他の案と比較することが重要性である。


    自分を振り返ってみても、やはり仕事というのは忙しいもので、どんどん仕事が積まれてるのにさっぱり終わらない、なんてことは日常茶飯事である。
    そんな中で本書を手にとってみたが、「全て終わらせる必要はなく、時間内でいかに成果を上げるか考えるべし」という考え方は目からウロコが落ちるようだった。

    他にも優先度づけや意思伝達のノウハウが多数紹介されており、色々と参考になった。
    同じように悩んでる人に是非読んで欲しい一冊。

  • なるほど。これを『インバスケット」というのか。普段何気にやっていることを系統立てて考えると整理出来ますね。

  • ●読後の感想
    ・読み終わって、「確かに私も仕事中にインバスケット思考を無意識に使っていたのかも」と思える時もあるし、それによる仕事の影響力と言うのは、本書を読んでも重要だと言うことに行き着く。しかし、改めて思うが「インバスケット思考を使わなければならないような仕事」をしなくてもいいよなぁと。そんなワークスタイルを確立できるのが一番よろしいかと思う。

    <はじめに>
    ◎インバスケット思考とは
    →「限りある時間の中で捌き切れない仕事がある状態」でより結果を出す仕事の進め方や判断方法のことである。
    ◎インバスケットのトレーニングによる効果は3つ!
    1.仕事の進め方が劇的に変わる
    →正しい優先順位設定ができる
    2.トラブルが大幅に減る
    →本質的な問題解決力がつく
    3.自信を持って判断ができる
    →正しい判断の方法が身に付く
    ※絶対的な正解は存在しない
    ※何をしないのか決めることが重要
    < part 1 >まとめ
    1.優先順位とは?
    「何をやるか」よりも「何をやらないか」を考える
    2.緊急度と優先度
    →緊急度…時間軸の事/期限や納期等
    →重要度…案件を処理しないときに発生する影響
    < Part 2 >まとめ
    1.問題解決は問題発見から
    2.事実を確認する
    3.創造性を発揮するためのポイント
    4.洞察力を磨く5.組織を活用する
    6.当事者意識を持つ
    <part3>まとめ
    1.判断で重要なのは結論に至るまでのプロセス
    2.プロセスを重視した判断を行う
    3.客観的に判断する
    4.比較をする
    5.意思決定を明確に伝える
    6.判断のタイミングとは
    7.最後は自分で判断する

  • インバスケットでは問題発見、問題分析までで問題解決力までは問えないことが分かった。

  • タスクの優先順位付けの方法が驚くほど分かりやすく、漫画も相まって理解しやすい。
    最初は「インバスケットってなに?」から始まったが、読み終えた今はどういう風に仕事に取り込んでいこうかと考えるほどに。仕事だけでなく日常生活にも使える思考法だと思う。
    これからB象限を意識して仕事に取り組んでいきたい。そしてこの本も何回も繰り返し読みたい。

  • 実践で自分なりに磨く、ですね。

  • インバスケット思考を仕事だけじゃなく、プライベートでも取り入れることによって、より充実した人生が送れそう。

  • 内容はいいこちゃんだが実践的な感じだ。
    インバスケット思考について学ぶことができる。
    ストーリーも割としっかりしている。

  • インバスケットの考え方がマンガなので分かりやすい。
    判断力を磨く。

  • 主人公視点になって、どの選択肢を選ぶか考えさせる→解説、がマンガ内で進んでいく形式なのは面白いと思う。

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著者プロフィール

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社し、販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出会い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かしてインバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする、日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、2万人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)、『マンガでやさしくわかるインバスケット思考』(日本能率協会マネジメントセンター)など54タイトル、累計85万部に達する。

「2023年 『上司との悩みを成長に変える賢い方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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