心理的安全性のつくりかた

著者 :
  • 日本能率協会マネジメントセンター
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820728245

作品紹介・あらすじ

いま組織・チームにおいて大注目の心理的安全性とは「何か」から、
職場・チームで高めるアプローチ方法をつかめます!

Googleのプロジェクトアリストテレスで、チームにとっての重要性が一気に認知された「心理的安全性」。
本書ではその心理的安全性を理解し、心理的安全性の高い職場を再現できるよう、
そのアプローチについて日本の心理的安全性を研究してきた著者が解説します。

これまで心理的安全性はチームにとって重要なことだけが伝わり、
指標もなくただ漠然とした概念だけが先行して語られてきました。
そして先行した概念は人づてに伝わり、誤解を生み出しながら広まっています。

本書では心理的安全性が「ヌルい職場」ではなく、健全な衝突を生み出す機能であることを解説し、
日本における心理的安全性の4因子「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」を紹介します。

また、研究でわかった心理的安全なチームリーダーに必要な「心理的柔軟性」と、
4因子を活性化させるためのフレームワークを解説。

さらに読者特典として、データサイエンティストでもある著者が開発した、
組織診断サーベイ『SAFETY ZONE®』で心理的安全性を計測できます!

本書によって曖昧に語られてきた心理的安全性が共通言語となり、
指標化とアプローチ方法によって具体的かつ効果的な高め方を導き出せます。

感想・レビュー・書評

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  • ずっと読みたかった本

    「心理的安全性」とは、組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見、素朴な質問、違和感の指摘が、いつでも、だれもが気兼ねなく言えること との定義です。

    心理的安全性の高いチームは、離職率が低く、収益性が高い、習熟度が高く、成功率が高いとの成果が示されています。

    聞かぬは一生の恥という言葉を思い出しました。

    組織運用のベストプラクティスとして方法論だけでも
    ご確認いただくことをお勧めします。

  • Googleのプロジェクトアリストテレスで注目された「心理的安全性」の解説本。
    きちんと心理的安全性を理解していれば、真新しいものはない。

    ○心理的安全性の必要性
    ・心理的に安全なチームは「学習ができるチーム」
    ・「学習ができるチーム」はそうでないチームと比べて、中長期にパフォーマンスが高くなる
    ※明日、すぐに成果がでるわけではない

    ○心理的に安全ではなくなるリスク
    ・「無知」だと思われたくない。だから必要な相談、質問をしない。
    ・「無能」と思われたくない。だからミスを隠したり、良い部分だけ報告し、自分の意見を言わない。
    ・「邪魔」だと思われたくないので、必要でも助けやフィードバックを求めない。
    ・「否定的」と思われたくないから、是々非々で議論しない。この4つのリスクです。

    ◯心理的安全性のメリット
    (1)アラートがすぐに上がる
    (2)主体性が生まれる
    (3)挑戦する

    ○雑魚が間違いがちな心理的安全性
    ・ヌルい職場でもなければ、意見がとおる環境でもない
    ・余裕がある=心理的安全性が高いわけではない

    ○日本の組織ならではの心理的安全性の4つの条件
    ・「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」
    話しやすさ:誰かが問題やリスクに気づいた時に、声を上げられるチームか。反対意見をいえる組織か
    助け合い:相互作用できているか
    挑戦:まずはチャレンジをして、それが成功しても失敗しても受け入れられるか
    新奇歓迎:新しい視点を取り入れることを歓迎されるか。役割に応じて、強みや個性を発揮することが歓迎されているか。

    ○心理的安全性の作り方 実践
    ・チームごとに4つの条件を目標に現状値を測る
    「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」
    ・一番低い項目から、取り組む内容を決める。取り組む内容はレベルを徹底的に落とす

    ○心理的安全性の作り方 基礎
    ・過去の積み重ねが、チームの心理的安全性の状態を生む
    ・リーダー及び幹部が心理的柔軟性をもつことが大事
    ・心理的柔軟性とは、「正論や正しいことを言う」のではなく「役に立つことをしましょう」という意識
    ・「この状況で役に立つことは何か」を考えることが、心理的柔軟性の中で大事

  • 組織やチームにおける「心理的安全性」が困難を乗り越え、成果を出していく。
    そのための理論や実践方法。
    それがひとつひとつ深く丁寧に説明されていて、とてもわかりやすかったです。

    心理的安全性、これは家庭内、親子関係にも、とても大切なことだなと感じました。
    安心して相談できる、失敗も伝えられる、罰や怒られることがない。
    「聞き方一つで、メンバーは自分が罰せられている、責められているような感覚を容易に持つのです。」
    これ、よくわかります。

    でも、わかっていても実践するのはなかなか難しい!
    うっかり感情に任せてNG声かけしちゃって、台無しにしてしまうという‥

    「結局、何か条件が満たされれば、いつか苦痛などなく、イヤな気分が完全に追い出せてイイ気分でいられる、という幻想を捨てなければなりません。そして、『人生には苦痛があることがノーマル』だし、『ビジネスでは、大変なことが起きるのがノーマル』だということを、心底受け入れ、理解していくことが重要です。」
    まずは自分の感情をコントロールできるようになること。
    そのあとの働きかけはもっと行動分析や言語行動を学んで改善していかなくては。

  • 聞きかじっていた「心理的安全性」を、学術的な裏付けをともなって、しっかり学ぶ本。実践的な側面も強い。

    行動分析をもとに具体性、実効性がある。

    抜き書きをした。

    ☆は3.5かな。

  • 気づき
    ◯心理的安全性とは、組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見・素朴な疑問・違和感の指摘がいつでも誰もが気兼ねなく言えること。
    ◯心理的安全なチームとは、メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと。
    ◯心理的安全性を感じるには4つの因子が影響する。①話しやすさ②助け合い③挑戦④新奇歓迎
    ◯心理的柔軟なリーダーシップ
     ①変えられないものを受け入れる②大切なものへ向かって変えられるものを変える③それらをマインドフルに見分ける
    ◯客が欲しがっているものではなく客のためになるものを作れ
    ◯単純に何か聞きたい、話したいと思ったタイミングで話しかけるのは強力なノウハウ。

    ToDo
    ◯発言していない人はいないか、1人1人平等に話す。
    ◯相手の中に問題を見つけて指摘しても変わらない。自分の行動を変える。
    ◯やる気がない、自信がない、信頼や尊敬などの性格や心の中のラベルではなく行動を論点にする。
    ◯ トラブルが起きたときは「それはちょうどよかった」
    ◯何のためにやっているか言語化、成果をはかるための数値化。
    ◯自分の行動が相手にどんな「きっかけとみかえり」を与えるか想像する。

  • 前半理論、後半実践。
    筆者が伝えたいことはシンプルだと思った。
    組織に合った方策は、試行錯誤をしていく必要があると思われるが、その軸、視点を学ぶことができた。
    なぜ?どうして?、これはよく言葉にしちゃってるな…。相手よりも薄い鎧を身に纏っていけるよう、心がけていきたい。

  • 1.リーダーとして立ち振る舞うことが多く、関わり方に悩んでいたので読みました。

    2.リーダーとして「働きやすい環境を整える」ことは必須条件になる時代でした。昔は収入で釣れば誰もが食いついてきましたが、今は存在理由を証明していかなければ誰もついていきません。そのためには心理的安全性、つまり「自分が発言してもよい」「チームにいてもよい」というマインドを各自が作っていかなくてはなりません。ただそれは与えられるだけではなく、自ら作っていくことも必要です。リーダーはあくまでもそのきっかけと調整をしてく存在であり、フォロワーとして支える人たちも協力しなくては成り立ちません。
    本書では、様々な県境結果を用いてどのようにして心理的安全を担保していくかの術を述べています。

    3.自分が理想としているチームはこれだという確信を持てました。自分1人の意見はたかが知れており、視点も狭くなります。しかし、フォロワーと協力することで思ってもいない意見が飛び交うことがあり、それが結果として良い方向に行くことが多いという体験をいくつもしてきました。
    そのために、リーダーとしてやるべきことは「全員の発言権を平等にすること」だと思います。いかにしてみんなが話しやすい場を作っていくか、どうやってネガティブ因子を消していくかが課題だと思います。今のチームは残り2ヶ月で終わってしまうので、自分がどこまで安全性を担保できるか、楽しみになりました。

  • ①話しやすさ
    ②助け合い
    ③挑戦
    ④新奇歓迎

    ※何回か読み込まないと理解できないかな

  • 勉強用の本。

    チームの心理的安全性とは。
    「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム•職場のこと」と著者は定義している。

    心理的に安全でないチームでは、行動することで何らかの罰が与えられる、またはリスクが生じるために、それなら言わない、やらないでおこうという思考がもたらされてしまう。

    いやいや、でも心理的安全性が高いってことは、馴れ合いでヌルいチームになるってことじゃないの?というツッコミにも、一応答えてくれている。
    そこには「高い基準」=目標に向けて、妥協せず、粘り強く取り組むことを掲げる。
    (この辺りはちょっと理想的だと思うけど……)

    そして、組織の変わりやすい部分、変わらない部分を見極めるキーパーソンとして、第2章ではリーダーシップ論が述べられる。

    個人的には、リーダーシップのスタイルとして、
    トランザクショナル=取引型
    トランスフォーメーショナル=変革型
    サーヴァント=奉仕、支援型
    オーセンティック=自分らしい
    がまとめられていて、読みやすかった。

    サーヴァントリーダーシップについては聞いたことがあったけど、オーセンティックとの違いがやや分かりにくいので、ひとまず次はこの二つのスタイルを掘り下げてみるつもり。

    後半は心理的安全性なのか、仕事に対する気持ちの持ち方なのか(特にマインドフルとか出てくると)、きっかけー行動ーみかえりにそんなページ費やさなくても、と思った部分もありますが。
    そういう具体部分が必要な人も、いるかな。

    図表も含めて、分かりやすくまとめられた一冊。

  • Googleのプロジェクトアリストテレスで一躍有名になった「心理的安全性」。
    この「心理的安全性」をテーマに、深掘りした本。
    最近では、洋書(恐れのない組織)でも出版されていますね(こちらはまだ未読ですが)。

    ※恐れのない組織
    https://booklog.jp/item/1/4862762883?author-carousel=B08R8KBZKZ

    中身も結構実践的な内容で、読んでみると
    読者それぞれで学びになるポイントが見つかるのではないかと思います。

    会社の中だけでなく、家庭の中など、ありとあらゆる組織において、大事にしたい概念だと思います。
    偉そうに言う自分も、だいぶ反省することがありました。。

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著者プロフィール

ZENTech株式会社チーフサイエンティスト。慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究所研究員。シンガポール国立大経営学修士。東京大学工学部卒。在学中から3社を創業。
教育・研修領域、環境領域で、ひとの認知モデルを元にしたメソッドづくり・仕組みづくりを行う。官公庁、大企業、国際組織等とのプロジェクトを主導。環境領域で手がけたプロジェクトは、数百万人が参加し、CNN、BBC等のメディアでとりあげられる。
主著に認知行動療法ACTについての入門書となる「悩みにふりまわされて しんどいあなたへ」がある。

「2020年 『心理的安全性のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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