- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822242633
感想・レビュー・書評
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前書『ビジョナリーカンパニー』の続編として出版されているが、内容としてはこちらが前編と言える。前書が扱ったのは偉大な実績をあげている企業を、偉大さが永続する卓越した企業にする方法であるが、本書では良い組織を偉大な実績を持続できる組織に飛躍させる方法を扱っている。
本書は企業の変化の過程を3つの大きな段階に分けて考えている。そして、各段階それぞれに2つの主要な概念を含んでいる。
①規律ある人材
②規律ある考え
③規律ある行動
この3段階を継続した行動で推し進めることで偉大な企業へと進化する。
その中でも第5章が最も印象的であり、②に関連する針鼠の概念は個人の考え方としても応用ができる。
針鼠の概念とは、ある3つの円が重なる部分に関する理解から導きだされる、企業の資質である。
・自社が世界一になれる部分はどこか
・経済的原動力になるものはなにか
・情熱をもって取り組めるのはなにか
この3つの円を深く理解することで針鼠の概念を確立できる。
針鼠の概念は企業だけでなく個人としても同様だ。
自分が働くうえで、持って生まれた能力にぴったりか、それで十分に稼げるのか、情熱をもって取り組めるのか(これが1番難しいか)、これらを考えることが自分の生き甲斐、天職を見つける大きなポイントになるのではないかと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作に続き良本
GOOD TO GREATに飛躍するための要諦がファクトをもとに分析され、述べられている
特に印象的なのは、会社として何をするかを決めるより、誰とするかが大切であるということ。変化に対応して、継続的に成長する組織においては、"適切な人員整備"が何よりも大切とのこと
その他学びは多い
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圧倒的な調査力に基づく説得力。1回じゃ理解しきれないので数回読み直そう。
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内容がいずれも実際に結果を上げている会社の分析から成り立っており説得力がある。また、独自の内容が多く、筆者自身もそう考えていなかったことが、結果として導かれる点は面白かった。第5水準のリーダーの特徴、最適な人をバスに乗せると言った点は特に印象的。
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15年前に上司から面白いと譲り受けて読んだが、内容はすっかり忘れていた。そもそも自分の視座が企業のGOOD TO GREATを想像できなかったので、頭に残らなかったのだろう。
今回読んでみて、第五水準のリーダーたる事の重要性が腹落ちする。また、具体事例に自社を照らしていちいち色んな事を考えながら読了した。
あとがきの野中郁次郎氏の分析で「規律の文化とは型である」「型には不断のフィードバックを通じて革新し続ける修・破・離という自己超越プロセスが組み込まれている」という箇所が、本書をどのように活用すべきかを凝縮していると受け止めた。 -
ドラッカーの本と同様に読みやすく感動する本である。企業のことを書いているが、人生の指針にしやすい。
しかし、紹介されている企業は、倒産している企業や、サププライムショック時に、倒れかけた企業もある。
カーネマンが、批判しているように、成功の因果関係に、多分にバイアスがかかっているのであろう。
だが、確かに勇気づけられたし、こういうふうに生きたいな、と多くの人が思ったのではないだろうか。私はそうだった。だからこの本が好きである。 -
【要点】
本書は、世界の偉大な11社を徹底分析し、
良い(Good)企業 から 偉大な(Great)企業
へ飛躍するための7つの法則(①~⑦)につい
て説明されている。
①第五水準のリーダーシップ(★が第五水準)
・有能な個人
(スキルが高い人)
・組織に寄与する個人
(他の人と協力できる人)
・有能な管理者
(ヒト・モノ・カネを組織化して
効率的・効果的に成果を出す人)
・有能な経営者
(ビジョンへの支持し、組織を刺
激し動かす人)
★偉大な経営者
(謙虚さ・意思の強さの2面性を
持ち合わせている人)
②適切な人を選抜→行先(目標)を決める
×行先(目標)を決める→適切な人を選抜
③ストックデールの逆説
(困難にぶつかったとしても必ずやり遂げ
ること)
④ハリネズミの概念
次の3つの円の中の重なりあった部分を
攻める。
・世界一になれる部分
・経済的原動力
・情熱をもって取り組めるもの
⑤規律の文化
規律ある人材に恵まれていれば、過剰な
管理は不要。
⑥新技術に振り回されないこと
技術の流行に乗らなず、慎重に選んだ技
術の利用で先駆者になる。
⑦弾み車と悪循環(転換はゆっくりと進む)
→1.針鼠の概念に基づき前進する
→2.成果があらわれる
→3.成果を見て人が集まる(1.に戻る)
の循環で偉大な企業はゆっくりと走り
出す。
【感想】
経営者だけでなく、ビジネスパーソンにお
いても、より偉大(Great)になるための
内容が網羅されている。
必要となるビジネススキルが記されており
且つ、特に上記7つの法則の①~④は、
一個人でも意識し実践できるものであり、
全てのビジネスパーソンに一読してほしい
内容となっている。 -
この1冊も、私の中ではリーダーシップについて深く考えさせてくれる、座右の1冊。
近著のビジョナリー・カンパニー④で、この考え方を発展させているが、すべてここで述べられているコンセプトに基づいている。
その中でも、常に立ち返っている考え方は、以下のコンセプト。
『第五水準のリーダーは、職業人としての意志の強さと、個人としての謙虚さという、矛盾した性格を持ち合わせている』
個人としての謙虚さ
→驚くほど謙虚で、世間の追従を避けようとし、決して自慢しない
→野心は自分個人にではなく、企業に向ける。次の世代に一層の成功を収められるように、後継者を選ぶ
→鏡ではなく、窓を見て、他の人たち、外部要因、幸運が会社の成功をもたらした原因だと考える
→静かな決意を秘めて行動する。魅力的なカリスマ性によってではなく、主に高い水準によって、組織を活性づかせる
『まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどの方向に行くかを決めることである』
『偉大さを導く姿勢のカギは、ストックデールの逆説にある』
→ポジティブ:どれほどの困難にぶつかっても、最後には勝つ、という確信を失ってはならない
→ネガティブ:それがどんなものであれ、自分の置かれている現実の中で、最も厳しい事実を直視しなければならない -
○まずはじめに適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに行くかを決めること(71p)
○飛躍した企業の経営幹部たちはあきらかに仕事を愛していた。そしてそれは主に、ともにはたらく人たちに愛情を持っていたからだ。(100p)
○「なぜ偉大さを追求しなければならないのか、そこそこの成功で十分ではないのか」と問わなければならないのであれば、おそらく仕事の選択を間違えている。(330p)
★しっかりとした調査、研究を元に書かれた誠実な本だと感じた。
★偉大な企業に飛躍する法則は、個人が成功する法則にも通じる。企業は結局、人の集団である。 -
1より2の方が役に立つと教えてもらったので読んでみました。結論から言うと、おっしゃる通り一般的には本書、2の方が具体的であり実際のビジネスに活かしやすいでしょう。こっちを読んでから1を読んでも良い気がします。
本書の中でも語られている通り、2では「ビジョナリーカンパニーになるのに必要な要素とは?」という部分に焦点をあてられており、1では「ビジョナリーカンパニーがビジョナリーたる所以は?」という部分に焦点があてられています。
1と2、どちらも読みやすくテンションが上がってくる良書なのですが1を読んだ際は「ふーん」という感触が多かった気がします。BHAGとか基本理念という話をされても、社会人2年目の自分には少しイメージが大きすぎた気がします。
それに比べると本書2はかなり具体的な部分に突っ込まれて書かれており、各論において明日から試してみようと思えるほど新鮮なネタにあふれております。特に針鼠の概念の部分はとても参考になる内容で溢れていた。普通に読むと当たり前のような単純な事に思えるのだが、実際に出来ているかというと甚だ怪しい。1を改めて読み、本書の概念をまたしっかり身につけたいと思う。 -
はりねずみや弾み車の法則、バスから降ろす話 等々、たくさんの気づきを得た。
弾み車の法則は引き寄せと同じだな。 -
岩田松雄さん推薦のジム・コリンズさんの本。読むのは初めて。
121214読了。
最初に優秀な人財を集めてから、会社の方針を決め、事業をスタートする。
スティーブ・ジョブズも優秀な人財を集めることを重視していた。
優秀なメンバーが集まれば、自然と無能な者は自ら去って行く。
視点を優秀で大切なメンバーに置くこと。
日本でいちばん大切にしたい会社に通じることがあるなと感じることが何度かありました。 -
第五水準の経営者、まず最初にだれをバスに乗せるか、針鼠の考え方、どれも組織を考えるうえで、自分自身の成長と幸福を考える上で大切なことを教えられた。日々、世の中のこと、会社のこと、生活のことに目を向けるときに参考となるのだと思う。
なかなか長い本だったが、評判通りの良い本だった。 -
この本には、良い組織を偉大な実績を持続できる組織に飛躍させる方法が載っています。
2となっていますが、順序的には1の前編だと著者が書いています。
・第五水準のリーダーシップ
・最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
・厳しい現実を直視する
・針鼠の概念
・規律の文化
・促進剤としての技術
・悪循環ではなく弾み車
解説すべきことはありません。
興味のある方はぜひ読んでみてください。
私が読んだ感想は、このシリーズは哲学書であり、具体的な方法論は書いてありません。
巷では、魔法のようなテクニックを求めている人がたくさんいますが、成功者のテクニックを真似してもうまくいかないのは、これらの哲学をしっかりと理解し実践できていないからでしょう。
逆に言うと、テクニックは必要ないということになります。
これらの哲学は組織に役立つだけでなく、個人にも役立つと思います。
私は起業したいと思いながらも、そんな能力はないと諦めてきました。
しかし、この本を読んで実は起業に向いている部分がたくさんあるような気がしてきました。
起業には必要なものは特別なスキルやテキニックではなく、目標に向けて地道に努力できる能力、そして私利私欲に走らずに会社のために働く能力などではないかと思います。
もし、いまの仕事が嫌になったら、次は起業も考えてみたいと思います。 -
第五水準のリーダーにはなるほどと思う点が多いです。
第4水準のリーダーは確かに会社を飛躍的によくしますが、そのカリスマ的リーダーが去った後その会社は恐ろしいほど急降下します。圧倒的なパフォーマンスを示すリーダーは知らず知らずのうちに自分の取り巻きを弱くしてしまっています。考える能力がなく決断のできない人を集めてしまうのです。
第五水準のリーダーは恐ろしく謙虚で控えめです。しかし、本質的なものからはぶれない強固な意志をもっているのです。 -
読売新聞の書評で、「ビジョナリーカンパニー2では、組織が人を育てることの重要性について説き、それに涙し・・・」というような文章があったので、興味をもって読みました。
読んだ当時はバンカメとファニーメイの比較は後付では・・・?と思いましたが、リーマンショック後の動向を見ていると、どのような“ビジョン”が超長期的に正しいのか分からなくなります。。
1は読んでいませんが、原題は1、2という順序付けはないので、こちらから読んでもまったく問題はないです。 -
書かれている分析やデータをそのまま活用できるかはわからないし、実はそこが本質ではない。企業活動という不確かなものを本理的に説明しようとした事が画期的。
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第5水準のリーダーシップ、誰をバスに乗せるか、針鼠の概念など、経営の名著であるが故に多くの気づきと学びがあるが、中でも最も印象深いのは、誰をバスから降ろすかという考え方だった。残酷なように感じるが、これが結局はお互いのためなのだと思う。
以下、備忘しておきたい一文。
・このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ。 -
素晴らしい経営本!