- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822245887
感想・レビュー・書評
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ワタミといえば、居酒屋を思い浮かべるが、介護や弁当宅配をやっており、
自社(生協)とかぶるところがあって興味味を持っていた。
CSRレポートを見る機会があったので、さらに興味をもち、
ちょっとワタミというか、渡邉美樹の本を読んでみようと思い、適当にアマゾンで注文した。
結果、「もう、国には頼らない」は今年読んだ本の中で、最も興味をひいたものの一つとなった。
本書には、弁当の宅配は出てこないが、これは高齢者向けの
福祉分野に属するような事業である。
また、介護保険の制度そのものがもうかるようにはできておらず、
私の勤め先でも事業として成り立たせるのに大変な努力をしている。
そんなものに、なぜ居酒屋の経営者がわざわざ参入するのか?
ワタミはこのほかに、学校経営、病院経営、農業にも取り組んでいることが、本書で紹介されている。
いずれも、「官」との関係が密接で、上手くいっていない分野だ。
ひょんなことから、渡邉氏はそれらの経営にかかわるようになる。
事業のつまずきを分析すると、いずれにも「経営」の視点がないことに驚く。
「官」の呪縛のあるところ、「顧客」をわすれ、「なんのために」といった
「成果」や「目的」を明確にした「経営」の視点が失われる。
その結末が、事業の破たんとそこで働くものの人間性の喪失だ。
効率を優先するあまり、大型の食洗機のようなもので入浴をさせる
介護施設。おそらくそのことに違和感を覚えないまでに、働くものの
人間性も壊されているのだと思う。
渡邉社長の言ってることは、ドラッカーに通じるものがあると感じた。
「顧客」を中心にすべてのことを考える。甲子園出場や東大合格など、
目標を明確にすることで生徒の力を引き出す。
非営利組織において「マネジメント」すること、などなど。
ワタミが切り出したイノベーションで、世の中が変わるかもしれないと感じ、
こちらも勇気をもらった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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タイトルどおり「国に頼らなくても結構やっていけるよ。逆に規制が多すぎて非効率になってるよ。」って話
それが教育、医療、福祉、農業などの公的性が強いものや保護的要素が強いものなどでも
たしかに利用者はバカじゃない
だからそんなに規制ばかりしなくても割高なサービスは利用しなくなるんだってっていう市場原理的なところは好きかなあ。
確かに最低限の規制でも十分なんだよね。たぶん。
ちなみに魚民から損害賠償請求される原因となった本です(知らないで買ったんですけどね)
2011/09/10 読了 -
ワタミ会長の日経ビジネスオンラインの連載をまとめた一冊。
Web連載を書籍にまとめると避けられないのがエピソードの重複だが、日経BPさんもわりかしうまく編集してエピソードごとにまとめたんだなぁ、という印象。
居酒屋事業以外の話はあまりこれまできちんと読んでなかったと思うので、その点では教育にも福祉にも医療にも経営感覚が必要、という点は納得。
それを政治、行政にも持って行きたかったんでしょうねぇ。 -
経営の力で何ができるか?
→誰が顧客で、その人達に何ができるかを考える
そのためには、一定のセーフティネットがありつつ市場と競争がなくてはならない
それによりよりよいサービスが提供される
経営とは、できないことをできるようにすること -
どちらかというと、政治家よりも官僚の方が悪人な気がしてきた。
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28/89
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教育・医療・外食産業といったいずれの業種であろうと、経営感覚が必要であることがよくわかる。「まず、誰がお客様であるか、それぞれのサービスを受け取るお客様にとって最大の幸せとはなにかはっきりさせること。」「私と理想を同じくする人たちと仕事を改善していくこと。」それが彼の経営理念。非常に明確。