実践 行動経済学

  • 日経BP社 (2009年7月9日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822247478

作品紹介

市場には何が足りないのだろう?ごく凡庸な我々は、様々な人生の決断において自らの不合理性とひ弱さに振り回され続ける。制度に"ナッジ"を組み込めば、社会はもう少し暮らしやすくなる。"使える"行動経済学の全米ベストセラー。世界的な金融危機を読み解いた「国際版あとがき」も収録。

実践 行動経済学の感想・レビュー・書評

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  • この本を行動経済学の本と思って読むのは、いろいろと取りこぼしてしまうと思う。この本にとって、人間が合理的に行動しないことは明らかにすべき事実ではなく、与件でしかない。ここで主張されるのは、そうした与件を前提として制度をつくること。それこそが原題のNudge。

    そして、そこからさらに進んで、著者はリバタリアン・パターナリズムを提唱する。個人の選択権を残しつつ、社会的に望ましい方向へ誘導するよう制度を設計しようとするそれは、単なる技術論にとどまらずイデオロギーといってもいい。

    一見、科学的見地から演繹された技術論のようだし、極端なリバタリアニズムでも極端なパターナリズムでもない穏当な政策にもみえる。が、アーキテクトによる利益誘導の危険性は常に存在し、一定の価値判断が潜り込むことも避けられない。著者もそうした批判への一応の反論を用意しているが、読み手としても留意する必要がある。

    とはいえ、技術論としてのリバタリアン・パターナリズムには十分な魅力があることも事実。一つの可能性として注目できるものだと思う。

  • ファスト&スローと並び、行動経済学について学べる。特にデフォルトの選択肢をどうすべきかは非常に参考になる。

  • 値上げすると、売れにくくなる→経済学
    陳列場所を変えるとよく売れるようになる→行動経済学

    デフォルトの選択肢を選びがち。

    幸せですか→最近デートしましたか、だと相関なし。逆なら相関あり。

    フレーミング→この手術を受けた100人のうち、90人が5年後に生存している、だとよさそう。
    この手術を受けた100人のうち、10人が5年後に死亡しています、だと悪そう。ってこと。

    電気代の平均を教えるとブーメラン効果になる。ただし、平均以下はニコちゃんマークも送れば、上がらなくなる!平均以上は悲しみマークで一層効果あり!

    プライミング
    投票日の前日に、明日投票に行くかどうか質問すると、その人が投票に行く確率が25パーセント増える笑

  • 行動経済学という分野ができて、
    これまでさまざまな心理的バイアスが研究・整理されてきた。

    例えば、
    ・児童が食堂のどのおかずを取るかは、並び方に左右される
    ・どれだけ食べるかは、器の大きさに左右される
    ・選挙の結果は、ポスターの顔から予測されるものとほとんど同じ
    ・失うことはその費用のだいたい倍の価値に感じる
    ・先のことを考えて貯金や保険に入るのは難しい

    この本では、それを社会システムの設計に使うための、
    実例、提言で構成される。

    ただ、実践的な使い方は、ほとんどが
    ・初期値(デフォルト)を多くの人にとって安心なものする
    というもので、あまり目新しくない。

    この本の中でも紹介されている
    『誰のためのデザイン?』
    に書かれている、使いやすい工業デザインを、
    モノ以外に応用しただけに見える。

    というわけで「実践」の部分はもう少し他の心理学の応用が見たい。

    この本で本当にためになったのは、次の点。

    おかずの並べ方、入力フォームのデザイン、何かを話す順番、
    そんな何気ないことで人の選択は影響される。
    そういう意味で、私たちの誰もが「選択アーキテクト」になりうる。
    選択の仕組みの設計を間違えると、
    悪気がなくても、人に不適切な選択をさせるかも知れない。

    何かを提示するとき、その選択設計に無頓着であったことを反省した。

  • 社会全般の良識と判断をいかに経済的に結びつけながら実践行動していくか? アメリカのブッシュ時代の国内情勢への批判及び評価をしている点が読みづらかった。

  • お勧め。
    実験経済学でも、人々の行動のほとんどは積極的な選択の結果ではなく、習慣によって自動的に決まることが確かめられている。人々がそれを変えて意識的に選択するのは、今までの習慣ではうまく行かない新しい事態が生じたときだけだ。

  • ご多聞に漏れず、行動経済学、リチャードセイラーがノーベル賞受賞きっかけで読んでみた。

    内容の前に、ナッジを図る例として述べられるのが仕方ないけどアメリカでの例になってるので、ちょっととっつきにくかった。

    前半部分では、人間『ヒューマン』が何故ナッジの影響を受けるのか(アンカリングと調整、利用可能性バイアス、損失回避性等)が分かりやすく解説されてる。
    結局は人間は、周りの影響を受けやすい体質でその体質を上手く利用すれば良い方向に導けるのよ、ってことでいいのかな。

  • ノーベル経済学賞受賞者の割にはテーマがわかりやすいと思い、著作を手にしてみた。

    ちょっと言い方が大げさかもしれないけど、西洋的な「理性を持った自立した個人」という考え方は実は周囲の環境によって左右されているという足元崩壊的な話だと思った。
    「ナッジ」によって行動は良い方向にも悪い方向にも変わっていく。しかも自己決定という文脈を保ちながら。ナッジでも社会デザインでも何でも良いが、自分にとっては「個は周囲の環境に影響されて成立している」とエッセンスを学べたことが良かったと思う。

    アメリカ的なメディケアや投資の話の部分は若干理解が難しかったけど、翻訳も良いのでこの手の本にしては比較的読みやすい方だと感じた。

    行動経済学を学ぶ人だけではなく、社会福祉や心理を学ぶ人にも良書なのではないかと思う。

  • 好きなジャンルの本ですが、なんとなく文章が読みづらい。

    前半はなかなか面白く読めたが後半はテーマ自体があまり興味がなく読み進めるのがちょっと面倒だった。

  • 行動経済学の入門書。
    人は必ずしも経済合理性のみで動くわけではないということに気づくための端緒になり得る。
    ノーベル経済学賞を受賞した記念に読んでみることをお勧めします。

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