実践 行動経済学

  • 日経BP
3.54
  • (31)
  • (69)
  • (79)
  • (19)
  • (2)
本棚登録 : 1192
レビュー : 86
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822247478

作品紹介・あらすじ

市場には何が足りないのだろう?ごく凡庸な我々は、様々な人生の決断において自らの不合理性とひ弱さに振り回され続ける。制度に"ナッジ"を組み込めば、社会はもう少し暮らしやすくなる。"使える"行動経済学の全米ベストセラー。世界的な金融危機を読み解いた「国際版あとがき」も収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ◯内容は、まさしく実践的ではあるが、株式における利用の部分は難解に感じた。予想どおりに不合理と類似する一冊。
    ◯しかし、結局ナッジとは何かと考えると、中々説明が難しい。今まで無意識に行なっていた強制ではなく、示唆的な促しをナッジと認識するくらいにしか理解が及ばなかった。
    ◯経済学における議論ではあるが、本書にもあるとおり、より政策に活かすべき技術なのではないか。

  • 翻訳の問題もあるが、最初の理論編で、リバタリアンパターナリズムや選択的アーキテクチャーなどのキーワードが出てくるが、これを十分に理解しておかないと、後の具体例も理解が半減する。幸福な生活を送るたむに、人間には選択の自由は必要であるが、情報公開や公正さが保たなければ、間違えた選択をし、結果は悪くなる。ただ、それを規制しすぎると、自由度がなくなる。相反するこれらを選択的アーキテクチャーするのが、リバタリアンパターナリズムで、その一つの方法が、ナッジということか。前に読んだ仕組み学と重なる部分が多い印象。

  • この本を行動経済学の本と思って読むのは、いろいろと取りこぼしてしまうと思う。この本にとって、人間が合理的に行動しないことは明らかにすべき事実ではなく、与件でしかない。ここで主張されるのは、そうした与件を前提として制度をつくること。それこそが原題のNudge。

    そして、そこからさらに進んで、著者はリバタリアン・パターナリズムを提唱する。個人の選択権を残しつつ、社会的に望ましい方向へ誘導するよう制度を設計しようとするそれは、単なる技術論にとどまらずイデオロギーといってもいい。

    一見、科学的見地から演繹された技術論のようだし、極端なリバタリアニズムでも極端なパターナリズムでもない穏当な政策にもみえる。が、アーキテクトによる利益誘導の危険性は常に存在し、一定の価値判断が潜り込むことも避けられない。著者もそうした批判への一応の反論を用意しているが、読み手としても留意する必要がある。

    とはいえ、技術論としてのリバタリアン・パターナリズムには十分な魅力があることも事実。一つの可能性として注目できるものだと思う。

  • ファスト&スローと並び、行動経済学について学べる。特にデフォルトの選択肢をどうすべきかは非常に参考になる。

  • 値上げすると、売れにくくなる→経済学
    陳列場所を変えるとよく売れるようになる→行動経済学

    デフォルトの選択肢を選びがち。

    幸せですか→最近デートしましたか、だと相関なし。逆なら相関あり。

    フレーミング→この手術を受けた100人のうち、90人が5年後に生存している、だとよさそう。
    この手術を受けた100人のうち、10人が5年後に死亡しています、だと悪そう。ってこと。

    電気代の平均を教えるとブーメラン効果になる。ただし、平均以下はニコちゃんマークも送れば、上がらなくなる!平均以上は悲しみマークで一層効果あり!

    プライミング
    投票日の前日に、明日投票に行くかどうか質問すると、その人が投票に行く確率が25パーセント増える笑

  • 行動経済学という分野ができて、
    これまでさまざまな心理的バイアスが研究・整理されてきた。

    例えば、
    ・児童が食堂のどのおかずを取るかは、並び方に左右される
    ・どれだけ食べるかは、器の大きさに左右される
    ・選挙の結果は、ポスターの顔から予測されるものとほとんど同じ
    ・失うことはその費用のだいたい倍の価値に感じる
    ・先のことを考えて貯金や保険に入るのは難しい

    この本では、それを社会システムの設計に使うための、
    実例、提言で構成される。

    ただ、実践的な使い方は、ほとんどが
    ・初期値(デフォルト)を多くの人にとって安心なものする
    というもので、あまり目新しくない。

    この本の中でも紹介されている
    『誰のためのデザイン?』
    に書かれている、使いやすい工業デザインを、
    モノ以外に応用しただけに見える。

    というわけで「実践」の部分はもう少し他の心理学の応用が見たい。

    この本で本当にためになったのは、次の点。

    おかずの並べ方、入力フォームのデザイン、何かを話す順番、
    そんな何気ないことで人の選択は影響される。
    そういう意味で、私たちの誰もが「選択アーキテクト」になりうる。
    選択の仕組みの設計を間違えると、
    悪気がなくても、人に不適切な選択をさせるかも知れない。

    何かを提示するとき、その選択設計に無頓着であったことを反省した。

  • 社会全般の良識と判断をいかに経済的に結びつけながら実践行動していくか? アメリカのブッシュ時代の国内情勢への批判及び評価をしている点が読みづらかった。

  • お勧め。
    実験経済学でも、人々の行動のほとんどは積極的な選択の結果ではなく、習慣によって自動的に決まることが確かめられている。人々がそれを変えて意識的に選択するのは、今までの習慣ではうまく行かない新しい事態が生じたときだけだ。

  • 2017年にノーベル経済学賞を取得したのをキッカケに運用(長期投資)について言及しているということを耳にしたので手に取るに至る。

    「人間の行動・選択は構造によりコントロールでき、それを活かして人々を良い方向に導いていくことができる」というのが私の感じたこの本の主張である。

    確かに思えば何かの手続きをする時、営業を受ける時、文中にあるような誘導のされ方をしたと思う節もあり、私たちの行為は、無意識下の中で恣意的に誘導されるようにできていたのかもしれないと思った。

    内容としては、主に金融に関する事項はしっかりと読み、他の分野は流し読み程度だった。
    全体として固い言い回しと例え話等が多いので、事細かに読むのはオススメしない。
    自分自身が関わっている分野の事例を読むと新たな発見はあるのではないかとと感じる。(投資/貯蓄・医療・環境・婚姻制度)

    著書名の通り、1つの学問として知見を広めるという点では良い本だと思う。
    マーケティングや金融に携わっている人は、関連項目だけでも目を通してみると、今後の知識の一助になるかもしれない。

  • 前半の理論編だけでいいかなという印象。後半のナッジを使った事例はおおよそ予想がつく内容がメインであり、事例も米国の特殊事情のものが多いので日本人には参考にならいなさそうな内容も多い。したがって流し読みでつまみ食いすればいい感じ。普段こうすればうまく行くだろうな、という生活の知恵みたいなものの行動を検証するにはうってつけの本

全86件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1945年、9月12日生まれ。ニュージャージー州イーストオレンジ出身。専門は行動経済学、金融学。現在シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス教授、全米経済研究所研究員。
行動経済学の新たな分野を急速に拡大させ、多くの経済研究や政策に影響を与える。個々人の経済的意思決定の分析において経済学と心理学のあいだを架橋。個々人は完全に合理的な仕方で行動することができない、という仕方で描いた主体と経済モデルは、公共政策にも大きな影響を与えた。
評価を決定づけた著作は、1992年発行の『市場と感情の経済学――「勝者の呪い」はなぜ起こるのか』(”journal of economic perspectives anomalies”の人気コラム「アノマリーズ」を一般向けに再構成、現在は改題新版『セイラー教授の行動経済学入門』として邦訳入手可能)。
2008年、キャス・サンスティーンとの共著による世界的ベストセラー、『実践 行動経済学』を発行。近著は2015年発行、『行動経済学の逆襲』。
2017年ノーベル経済学賞を「行動経済学への貢献」で受賞。

リチャード・セイラーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
デールカーネギ...
ジョージ・A・ア...
ジェームズ・スロ...
J・モーティマー...
チップ・ハース
マルコム・グラッ...
有効な右矢印 無効な右矢印

実践 行動経済学を本棚に登録しているひと

ツイートする
×