ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

制作 : 山岡 洋一 
  • 日経BP社
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レビュー : 159
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822248178

作品紹介・あらすじ

メルク、モトローラ、HP…。かつて取り上げた偉大な企業は、なぜ衰退したのか。転落を阻むポイントは何か。克明な調査・分析で明らかになった「偉大な企業」衰退の真実とは。シリーズ総括の書。

感想・レビュー・書評

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    ビジョナリーカンパニー3

  • おもしろかったです。
    前に1,2を読んでいて、4作目が最近発売したのでとりあえず3を読んでみました。
    本自体は分厚かったけど、今回は付録が多かったので正味の文量は少なめでした。

  • 強大な企業が衰退するステップとして、著者は以下を指摘して
    います。

     第一段階:成功から生まれる傲慢
     第二段階:規律なき拡大路線
     第三段階:リスクと問題の否認
     第四段階:一発逆転策の追求
     第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅

    このなかで、私が一番気になったのは「第三段階」。
    こんなふうに著者は表現しています。

     この段階には指導者は悪いデータを小さくみせ、良いデーター
    を強調し、曖昧なデーターは良く解釈する。上にたつものは
    後退の原因として外部要因を指摘するようになり、自分で
    責任を引き受けようとしない。業績が好調だったときの経営
    陣は、事実に基づいて活発な議論を戦わせていたが、そうした
    議論は低調になるか、まったくみられなくなる。

    ドキッとさせられます。おかしなこと、厳しい現実に目をそらし、
    他責にしていてはダメなんですね。
    我が社も気をつけなければいけませんね。。。

    著者は、上記の衰退ステップに陥った企業でも、その事実を
    理解し再建にむけて資源を活用すれば反転は可能と主張して
    います。

    この本の終盤で、著者が示した希望の言葉が下記。
    染みますね。。。

    ・真に偉大な組織がそこそこ成功を納めているにすぎない
     組織と違う点は、困難にぶつからないことではない。一時
     は後退しても、壊滅的な破局にぶつかったときですら、
     回復して以前より強くなる能力をもっていることである。
     (中略)
     完全に打ちのめされて退場するのではいかぎり、つねに
     希望がある。

    ・決して屈服してはならない。戦術は変える意志をもたなけれ
     ばならない。だが、基本目的をあきらめてはならない。
     たとえ自分が長く苦労した部門を閉鎖することになっても、
     失敗に終った事業アイデアは放棄する意志をもたなければ
     ならない。だが、偉大な企業を築くというアイディアは決して
     放棄してはならない。これまでとは重なる点がまったくなく
     なるとしても、違う事業構成へと進化していく意思をもたな
     ければならない。だが、自分の企業文化を特徴づける原則は
     決して放棄してはならない。創造的破壊が不可避であること
     を受け入れる意思をもたねばならない。だが、みずからの
     将来をみずから作り出す規律は決して放棄してはならない。
     損失を受け入れ、痛みに耐え、一時的に自由を失う意思を
     もたなければならない。だが、いずれかならず勝利するとの
     確信は決して放棄してはならない。過去の敵とも手をつなぎ、
     必要に応じて譲歩する意思をもたなければならない。だが、
     基本的価値観は決して、絶対に放棄してはならない。
     暗闇からの脱出の道は、このように腹立たしいほど頑固な
     人物、そもそも屈服することができない人物からはじまる。
     強烈な敗北を喫するのはやむをえない。永続する企業や社会
     団体なら、その歴史のなかでほぼかならずそういう時期が
     ある。だが、長期にわたって苦闘する価値があるのは価値観
     と目標があるからであり、これを放棄してはならない。失敗
     とは外的な状態ではなく、心の状態である。成功とは、
     倒れても倒れても起き上がる動きを果てしなく続けることで
     ある。

  • 原題は「HOW THE MIGHTY FALL : AND WHY SOME COMPANIES NEVER GIVE IN」。2010年刊行。

    「ビジョナリー・カンパニー(BUILT TO LAST)」と「ビジョナリー・カンパニー2(GOOD TO GREAT)」の続編です。
    前2作で調査されたかつての偉大な企業のいくつかが衰退した原因に焦点をあて、衰退の段階を5つに分けて論じたものです。
    すべての企業が盛衰を繰り返しており、消滅と永続のいずれの道を分け隔てるものを見出すのが本書の目的とのこと。
    衰退への道から回復するには、変革や改革等の一発逆転でも何でもなく、厳格に規律ある経営慣行を守り続けるべきだと説きます。
    衰退がテーマなだけに、全体を通して整理や破産といった暗い話題が頻出しますが、本書の最後にて、チャーチルの言葉を引用しつつ希望の光を燈して締めくくっています。

  • いろいろと参考になったが、読書メモを残してないので内容を忘れてしまった。

    規律なき拡大はよくない。
    問題解決のための組織再編は解決にならない。

    という点ぐらいをおぼろげに覚えている。
    もう一度読み直したい、

  • 五段階評価で企業について評価している、そして成功した企業のみ調査する失敗した企業のみ調査する、のではなく成功した企業と失敗した企業を比較して、そこから何が学べるかを提示している点で学べる事が本当に多い図書です。『日本の百年企業』末尾にも、この本を紹介してあります。特に評価できる調査結果は「リーダー1人が会社を成長させたり立ち直らせる事はできる訳ではないが、リーダー1人によって会社を潰す事が出来る」という点です。会社全体の業績や名声うんぬんよりも、リーダーとその人についてゆく幹部、彼らの言動を見極める必要がありそうですね。

  • ビジョナリーな会社の衰退していくさまを、5段階に分け、それぞれの特徴と、それから回復した方法を丁寧に分析。結論としては、ビジョナリー・カンパニーで著者が指摘していることと同じで、華美に走らず、正直な仕事をしなさい、と読み解きました。

  • 『失敗の本質』と合わせて読みたい。
    そして、前書きにある「周囲の世界が制御できない混乱状態に陥ったとき、勝利を収めるには何が必要かの研究」が、
    第4弾ということになるのだろうか。[more]

    【読書メモ】
    ・ つぎの著書のテーマ、周囲の世界が制御できない混乱状態に陥ったときに耐え抜き、勝利を収めるには何が必要かの研究(同僚のモーテン・ハンセンとともに取り組んでいる六年間のプロジェクト)が最終段階に入ったなかで、気分を変えるために書いてみようと考えたのである。しかし、強大な組織がいかにして衰退するのかという問いは、長さに制約のある記事では扱いきれず、この身近い本になった。 p7
    ・ わたしは組織の衰退を、段階的な病のようなものだと考えるようになった。初期の段階には発見するのが難しいが、治療するのはやさしい。後期の段階には発見するのは簡単だが、治療は難しい。 p24
    ・ 調査スタッフには、「今度はフォースの暗黒面を調べよう」と冗談をいった。 p36
    ・ 事実は逆になっているのに、企業が衰退するとき、イノベーションの欠如と自己満足が原因になることが多いと直感的に感じるのはなぜなのか。この疑問への答えとして、二つの点を指摘できる。第一に、偉大な企業を築いてきたものは、そもそもDNAのどこかに、意欲と情熱と猛烈さをもち、進歩への癒しがたい欲求をもっている。/第二に、人は誰しも、他人が没落したのは自分にはない性格上の欠陥があるためだと考えたがり、自分も同じように転落しうるという恐ろしい可能性を認識しようとしない。。「あの人たちが転落したのは怠惰になり、自己満足に陥ったからだ。わたしは信じがたいほど熱心に働いているし、情熱をもって変革し、革新し、指導しているのだから、性格上の同じ欠陥はない。わたしは安全だ。転落することなどありえない」というわけだ。 p92
    ・ 警戒信号として何よりも重要な現象を一つだけ選ぶとするなら、主要なポストのうち、適切な人材が配置されているものの比率の低下をわたしは選ぶ。 p103
    ・ 不適切な人材と適切な人材の違いでとくに目立つ点の一つは、不適切な人材が自分はこれこれの「肩書き」をもっていると考えるのに対して、適切な人材が字部んはこれこれに「責任」を負っていると考えることである。 p103
    ・ データが曖昧か矛盾している状態で高リスクの賭か決定を行うとき、以下の三つの問いをたてるべきだ。/一 良い結果になったときに何が得られるのか。/二 きわめて悪い結果になったときに、どのような打撃を受けるのか。/三 その打撃に耐えられるのか。確かに耐えられるのか。 p129
    ・ 問題にぶつかったとき、転落の瀬戸際にあると気づいたとき、生存本能によって、そして恐怖心によって、生き残るためには絶対にとってはならない行動を反射的にとってしまうことがある。必要なものとは正反対の行動をとり、もっとも恐れている結果を引き起こすリスクをおかすことになる p163
    ・ (チャーチル、母校卒業式の式辞)「これが教訓だ。決して屈服してはならない。決して屈服してはならない。決して、決して、決して、相手の大小を問わず、強弱を問わず、決して屈服してはならない。名誉と良識の確信に対してでないかぎりは屈服してはならない。力に屈服してはならない。敵の力が圧倒的だと思えても、屈服してはならない」/決して屈服してはならない。戦術は変える意思をもたなければならない。だが、基本目的をあきらめてはならない。 p204
    ・ 失敗とは外的な状態ではなく、心の状態である。成功とは、倒れても倒れても起き上がる動きを果てしなく続けることである。 p205
    ・ 適切な人材は「窓と鏡」の成熟した思考様式をもっている p255
    ・ 

    【目次】
    1.静かに忍び寄る危機
     危機の瀬戸際にあって気づかない
    2.衰退の五段階
     調査の過程
     調査結果−五段階の枠組み
     脱出への道はあるのか
    3.第一段階 成功から生まれる傲慢
     傲慢な無視
     何となぜの混同
    4.第二段階 規律なき拡大路線
     自己満足ではなく、拡張しすぎ
     成長への固執
     パッカードの法則の無視
     問題のある権力継承
    5.第三段階 リスクと問題の承認
     方針の誤りを示す事実が積み上がるなかで大きな賭けにでる
     喫水線下のリスクをおかす
     否認の文化
    6.第四段階 一発逆転策の追求
     特効薬を探す
     パニックと必死の行動
    7.第五段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅
     戦いをあきらめる
     選択肢が尽きる
     否認なのか希望なのか
    8.充分に根拠のある希望
    付録1 衰退企業の選別基準
     出発点
     基準一−設立以来のいずれかの時期に偉大な企業であったこと
     基準二−偉大な企業から凡庸な企業かそれ以下に転落したこと
     基準三−その他の除外理由
    付録2 比較対象成功企業の選別基準
    付録3 ファニーメイと2008年の金融危機
    付録4A 自己満足仮説の間違いを示す事実の一覧
    付録4B 一発逆転策の追求を示す事実
    付録5 主要なポストに適切な人材の条件
    付録6A IBMの衰退と回復
    付録6B ニューコアの衰退と回復
    付録6C ノードストロームの衰退と回復
    付録7 良好な企業から偉大な企業への飛躍の法則 −枠組みの要約
     第一段階 規律ある人材
      第五水準のリーダーシップ
      最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
     第二段階 規律ある考え
      厳しい現実を直視する−ストックデールの逆説
      針鼠の概念
     第三段階 規律ある行動
      規律の文化
     第四段階 偉大さが永続する組織をつくる
      時を告げるのではなく、時計をつくる
      基本理念を維持し、進歩を促す

  • 規律の維持
    危機感ではなく緊迫感
    結局のところ、平時からやるべきことをやり、
    危機においてもブレないこと

  • 身につまされる話が多い。

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