脱・中国論

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249137

感想・レビュー・書評

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  • 自分にとって中国は唯一海外での駐在生活をしたことがある国で、そういう意味でも特別な国のひとつです。

    不幸な出来事もあり、必ずしも満足できる日々ではありませんでしたが、あれから数年経って中国ビジネスから離れた今でも未だに自分を魅了し続け、気になって仕方ない存在です。

    そんなわけで、中国関連の情報収集は訪問や書籍を通じて続けているのですが、現在中国で最も有名な日本人と言われる加藤嘉一氏による著作に勝るものはそうありません。

    自分の広報経験から言っても、マスコミの報道は初めに結論ありきの裏付け取材が基本だと思いますし、物事のある一面は言い当てているかもしれないですが、それ以上ではない。

    その点、加藤氏は共産党の要人から大学や企業の首脳、さらには学生から街角のおばちゃんまで幅広いネットワークを通じて情報収集や議論を行い、考察と発信を続けている方なので、視点の幅広さと奥深さが全く違うわけです。

    そんな加藤氏が、高校卒業後に単身で北京大学に留学し、苦労を重ねながら現在の地位に至るまでの経験を通じて語る「日本人が中国とうまく付き合うための56のテーゼ」が面白くないはずがないですよね。

    中国ビジネスに関わる方から、留学を考えている学生の方まで、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。

  • 単身中国に乗り込んだ著者。
    北京大学での学生生活以降に、見聞き、経験してきた中から、
    現在の中国と、日本人の抱く中国との齟齬を述べる内容。

    この類いの本を読むといつも思うが、
    中国に限らず海外のことは、決して日本にいては分からないということ。
    現地に乗り込んで自身が経験し、感じることが必要。

    その意味では本書に書かれた内容を、自分が現地でどう感じるか?が大事。

    中国の見方が変わると同時に、これからどう付き合っていくのがよいのか。
    グローバル世界が更に進む中、隣の国としても避けては通れない道だと思う。

  • にわかに自分の中で中国付いて来たので購入。
    はっきり言って無茶苦茶な国だと思うが、それでもその混沌としたエネルギーにそそられずにいられない。

    著者は若くして自身のステータスを築いており、相当努力したと思うし、たいしたものだと思う。ただ映像もネット上で幾度も見たことがあるが、時々?と思う発言が無きにしも非ず。

    とはいえ今の中国を色々な側面からよく見ているように見受けられます。面白かった。

  • 2012/12/2

  • ・簡単に「入党」ができること
    ・13億分の3億
    ・中国人の学生のレベルの高さ
    ・加藤さんが私の5個上ということ

    これには驚くし、悔しい。

    チャイナ・リスク
    ・中国の体制崩壊
    ・日本に特有のリスク
    ・誤認リスク

    党員とは「普通につきあうのが一番である」

    など学ぶことがおおくあった。
    今後も加藤さんの本は読んでいこう。

  • これ読んだら中国行きたくなった。

    と思うのは少数かもしれません。私はその少数派ですが。

  • * 中国の学生達はニューズウィーク,エコノミスト,タイム,ハーバードビジネスレビューなどを回し読みする.
    * ウェイボー Twitter+Facebook www.weibo.com
    * QQ 中国版MSNメッセンジャー
    * 反日無罪
    * 民主化は2020年か?
    * 敬酒(ジンシュウ)といって飲む
    * 完璧な中国語など必要ない
    * 日本人は英語が下手だと思われているので,英語は戦略的武器になる
    * 10年以内に赤い帝国になる可能性が高い.真の共和国は劣勢
    * 党機関メディア 人民日報 新華社通信 中国中央電子台CCTV
    * 香港フェニックステレビは党の指導を受けない
    * 共産党のタブーは天安門事件
    * 愛国無罪 お国を愛するためなら何をしてもよい
    * 香港のメディアの記者のほとんどが大陸出身.
    * 香港の記者は紅包(賄賂)を受け取らない
    * 温家宝首相 原子力発電所 とにかく安全第一
    * 保守派 環球時報,リベラル 南方週末
    * 日本企業の社内マネジメント
    - 上から目線をやめる,言葉を学ぶ,ほめる,責任を与える
    - オープンに競争させる,報酬を与える,現場主義を貫く,プライドを捨てる
    * ユニクロのサービスに日本を見る
    * 中堅大学の卒業生を狙う
    * 日本はラグビーボール型,中国は鉄アレイ型 中産階級が少ない
    * 中産階級は年収6万から50万元(72万円から600万円)
    * 農民工は1000から2000元(1万円から2万円)
    * 中産階級という言葉は安易に用いてはいけない
    * 日本企業は給料は低いので,保険で挽回.
    * 大学に省毎の枠がある.山東省,江蘇省などは激戦,ハングリー精神がある
    * 共産党に入党すると就職が有利,国営企業なら幹部候補,政治的混乱で身を守れる,などのメリット
    * 中国でビジネスする日本企業,人で大事なこと
    1. 社員を中国の大学へ留学させる 大学は人脈などのプラットフォーム
    2. 留学先はたくさんある
    3. 学生とコミュニケーションをとる
    4. 新聞を読む
    * 中国人とつきあうための8箇条
    1. 相手のメンツを重んじる
    2. 歴史認識の問題は主張しつつも適度に交わす
    3. 意思決定できる立場の人間を送る
    4. 政治の話は慎重に
    5. 物事をはっきり,論理立てて伝える
    6. 三を有効活用.何事も3点にまとめる
    7. 日本での経験や教訓を共有
    8. 発信するには言葉がいる
    * キーワード
    - 80后,90后,00后
    - 海亀派 帰国子女
    - 中産階級 人口の1/4
    - 暇人 都市部で暮らす,持ち家あり,働かず,消費もしない.社会の安定に貢献
    - 蟻族 高学歴のワーキングプア

  • 加藤嘉一氏の本で読んだ二冊目。「われ日本海の」よりも更に深く突っ込んだ現代中国社会の現実と未来の予測。多岐にわたる着眼点と一貫した姿勢に磨きがかかった内容。ただ、中国に一度も触れた事が無い人に取っては、なかなか信じがたい内容もあると思う。実際に住んだり、旅行したりして、現地と触れた事のある人なら、「あぁ、分かる、分かる」と共感しながら、「なるほど、そう考えるべきか」と納得の行く部分が多い。

  • 前作に比べてより中国の全体的な部分に焦点を当てている気がする。内容は見たことあるものが時折でてくる程度で、新しい内容もある。とりあえず読みやすい文章なのですぐ読み終わる。

  • 加藤さんの本を読んでみたかったので、購入。現場感覚に満ちた話ばかりで、面白かった。中国も特別視する必要はなくて、ポイントを押さえてゆけば、理解できる、と言う感じ? ポイントとは、政治制度と文化。これは中国に限ったことではなく、現場の場数を踏んだ人ならではのバランス感覚が面白くて勉強になる。「ぼくは、中国を好きとか嫌いとかいう基準で見たことはない。」という一文が、意外でありつつ、腑に落ちた。

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著者プロフィール

1984年静岡県生まれ。2003年高校卒業後単身で北京大学留学、同大学国際関係学院大学院修士課程修了。英フィナンシャルタイムズ中国語版コラムニスト、北京大学研究員、慶応義塾大学SFC研究所上席所員、香港フェニックステレビコメンテーター。『従伊豆到北京有多遠』、『中国、我誤解イ尓了口馬?』など中国国内で著書多数。日本での著書に『中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。2010年、中国の発展に貢献した人に贈られる「時代騎士賞」受賞。 公式サイト:http://katoyoshikazu.com/

「2011年 『常識外日中論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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