機械との競争

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249212

感想・レビュー・書評

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  • 産業革命以降、人間にしかできなかった仕事の多くが機械に取って代わられ、その結果として多くの人間が失業した。
    経済は発展して、世の中は便利になっているのに雇用は増えない。増えた富の大部分はごく一部の人に集中しており、多数派は貧しくなっている……

    内容はそこそこ。ただ装丁が良くない。読みにくい。
    --

    memo:

    49
    コンピュータは、パターン認識や複雑なコミュニケーションなど、これまで人間が独占してきた領域を侵食しつつある。

    54
    (NASAの報告書より)「人間は非線形処理のできる最も安価な汎用コンピュータ・システムである。しかも重量な70キロ程度しかなく、未熟練の状態から量産することができる」

    99
    スキルと賃金の関係が、最近になってU字曲線を描き始めたという。つまりここ10年間、需要が最も落ち込んでいるのは、スキル分布の中間層なのである。

    111
    幸いなことに、人間はまさにコンピュータが弱いところに強い。

    147
    情報は、消費されてもすり減ることはない。(中略)エリックは、読み終わった本をアンディに貸してあげることができる。この時、本の中身は少しも減っていない。いやそれどころか、エリックが読み終わった本はアンディにとってもっと貴重だと考えられる。なぜなら2人はその本に書かれていることを共有し、それをもとにして新しいアイデアを共同で生み出せるかもしれないからだ。

    171
    著者によれば、どうしてもコンピュータに置き換えることが難しい雇用には2つのタイプがあると言う。1つは、創造的な仕事で、(中略)もう一つは肉体労働なのだと言う。
    高所得を得られる創造的な職場と、低賃金の肉体労働に二極化するということだ。

  • 面白い。社会人になってから感じていた不安がやっとわかった気がする

  • [並走から、追い抜きへ]企業が莫大な利益を得る中で、雇用者数の改善が一向に見られない状況に目をつけた著者は、経済と技術の相関に目をつける。そして、雇用者数の改善が見られない理由を、技術のあまりにも急速すぎる発展にあるとし、多くの労働が機械にとって代えられるという事態が既に起こりつつあることに気づく......。ディストピアのような話が現実に生じていることを鋭く指摘した警句の書です。著者は、米国のマサチューセッツ工科大学に務めるエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィー。訳者は、経済関係の著書の翻訳に定評のある村井章子。原題は、「Race against the Machine」。


    機械が人間の労働にとって代わる事態が起きているという指摘に、「ホントかよ?」と疑問符つきで読み始めたのですが、読み進めていくうちに「ホントかよ!」と驚かされずにはいられませんでした。実証的なデータを示していますので、極端ながらも説得力のある帰結に読者は真剣にならざるを得なくなるはず。大著ではありませんが、その分研ぎすまされているようで、惹き付けられるものがありました。


    その一方で、著者の二人があくまでテクノロジーは良いものであるという立場を崩していない点が印象的。大胆に途方もない現実を突きつけておきながら、その現実を凛々しく越えていこうとする研究者の態度に、知的な強さを感じることもできた作品でした。

    〜言い換えれば、多くの労働者がテクノロジーとの競争に負けているのである。〜

    将来のことはよくわかりませんが☆5つ

  • 早過ぎるテクノロジーの進歩によって、労働力の削減が新たな雇用創出を上回るペースで進むことで生じる失業をケインズは「テクノロジー失業」と呼んだそうな。今、アメリカで起きている雇用なき景気回復はその現れ。所得の二極化は総需要の減少をもたらす。著者はテクノロジー失業の処方箋として、組織革新と教育を挙げている。

  •  ざっくり言うと、機械はものすごいスピードで進化しているので、機械と人間が競争するのはよして、機械を上手に活用していきましょうという内容でした。

  • 現代版ラッダイト運動の思想的根拠を示す本かと思っていたので、いまから予測不能なほど指数関数的に進むテクノロジーの進歩に対し、片方では憂慮を表明しながらも、そのデジタルフロンティアが約束する未来に希望を寄せるという著者の矛盾する立場に少しガッカリさせられた。デジタル技術の進展が驚天動地の結果をもたらすほど甚大かつハイペースなものなら、教育や法規制の改革などやる前から手遅れだと宿命づけられてると思えるのは、悲観的なのか? それでもテクノロジーが雇用に与えるインパクトの大きさは再認識できたので読んで良かった。

  • 機会が人の仕事を奪っていくので、人はより付加価値をつけていかないといけないということ

    技術的特異点ですね

  • 情報通信技術の指数関数的な発展に人々がついていけす、経済的な利益が生まれても雇用の喪失が生じるという話です。コンピューターが代わりにやってくれるような仕事の多く失われていき、企業経営の意思決定あるいは人にしかできないような肉体労働だけが残り、経済的な格差も大きくなっていくといいます。
    いまは有効でお金を生む技量を持っていたとしてもわずか数年で全くお払い箱になってしまうかもしれないという現実は怖いです。
    著者はいたって楽観的であるが、やはり教育が重要であると説きます。情報通信技術との競争ではなく共闘するのが良いということですね。

    装丁が無駄にオシャレです。

  • 不景気から回復しても、以前のように就業率は上がらない。それは、人間の仕事を機械が代わりに行うようになったから、というお話。

    将来、人間の仕事は二極化していく。一つは、何かを創造する仕事。もう一つは、肉体労働を伴う仕事。

    自分の将来の仕事は大丈夫だろうか、と心配する前に、自分の価値を高めていく方法を考えていこう。

  • 第1次産業革命や第2次産業革命と同様に、現在のコンピュータの発展によってコンピュータが人の仕事を盗むかというとその通りで、とは言ってもその代わりコンピュータにはできない複雑な仕事は増えるので問題はない。なのだけど、情報技術に対して順応するのが遅くまだまだ仕事が整っていないというのが現状の問題のよう。
    技術者の中で雇用の機会が多いのは低レベル、高レベルの人材で、中レベルの技術者は雇用が減っていくらしいが、何かを生み出すコストは減っていっているのでチャンスはどこにでもあるとも。

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