機械との競争

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249212

作品紹介・あらすじ

「これからがデジタル革命の後半戦。飛躍的に能力を拡大していくコンピュータに人間はますます仕事を奪われる」
ーーMITスローン・スクール、デジタル・ビジネス・センターの研究者2人が2011年に自費出版しアメリカ国内外で
大きな反響を呼んだ。

「テクノロジー失業」の襲来!MIT(マサチューセッツ工科大学/研究チーム)による恐るべき最新レポート。

感想・レビュー・書評

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  • テクノロジーが雇用を奪う。

    身近でも機械化によるコスト低減の話はよくあり、
    そういったことにあまり違和感は感じなかったが、
    経済全体に及ぼしている影響を知り驚いた。

    また、テクノロジーの急速な発展を改めて考えると、
    その伸びを脅威に感じる。
    5年後、10年後、今やっている仕事の何割かは、
    機械に任せているのだろう。

    機械が得意なこと、人が得意なこと、その違いをよく理解し、
    上手にパートナーとして付き合っていかなければならない。

    自分も機械に取って代わられ無いよう、
    人が得意とする分野を、もっと磨かねば!

  • テクノロジーは雇用を破壊する。

    コンピューターは雇用に影響を与えず、近年低迷しているのではないか、と言われていたが、むしろ逆だ。発展が早すぎて人類が進化に追いつけていない。
    コンピューターの発展は雇用体系を大きく変え、失業を起こしている。
    労働力を節約する手段が、その労働力の新たな活用先を見つけるペースを上回ることで、失業率が高くなっている。

    技術の発展の恩恵は存在がするが、誰もが技術の恩恵にあずかれるという保証はどこにもない。むしろ大半の人が恩恵を得られるかどうかという法則すら存在しない。
    現にアメリカの平均賃金に変化はなくとも、中央値は下がっている。テクノロジーの発展により格差が広がり、富めるものは富み、貧しきものはより貧しくなる。


    富めるものと貧しきものの差は何かが言及されている。

    ・スキルの高い労働者 ↔︎ スキルの低い労働者
    これからの時代を生きぬくにはSTEAM ( Science , Technology , Engineering, Art , Mathematics )らしい。
    仕事を奪われると嘆く人は、コンピューターにもできる仕事しかしていない。

    ・スーパースター ↔︎ 一般人
    コンピューターの発展により誰でも世界に発信できることや、様々なもののコピー可能なことが大きな影響を与えている。
    現在 ( 2007) の アメリカの0.01%の人間が、アメリカの6%の資産を持っている。

    ・投資家 ↔︎ 労働者
    労働者は機械に変わるが、投資家は変わらない。投資家は労働者の賃金ではなく機械に投資するようになる。


    これから我々はどうするべきか、筆者は提案している

    ・教育
    1.とりあえず先生の報酬を増やし、よりよい人材にとって訴求力の高いものとす2.る。
    2.教師の終身在職権を剥奪し、裁量制とする。
    3.学生の指導と、試験・資格認定を切り離す。学校は学生の募集や評判や社会的地位向上を考えるのでなく、教育を重視するべき。
    4.義務教育の時間を増やす。(そして経営学やプログラミングなどを学ぶ)
    5.スキルを持つ移民の積極的な受け入れ行う。

    ・企業家精神
    6.全ての高等機関で企業と経営の基礎を教え、起業家層を育成する
    7.起業家ビザを作り、企業家精神の発展に努める
    8.起業の手間を簡略化。意見交換の場も揃える。

    投資
    9.通信、輸送インフラの強化に投資する(アメリカはインフラが弱いらしい)
    10.基礎研究や、政府の重要な研究機関への予算を増やし、無形資産や組織改革を新たな研究対象に設置する。

    法規制
    11.労働市場の流動性を保つ。解雇が処罰されるとなれば、企業にとっては雇うことがリスクになる。
    12.技術の導入より人間の雇用の方が相対的な魅力になるような状況を作り出す(これは雇用の観点なので、僕としては懐疑的である)
    13.福利厚生と企業を切り離し、市場の流動性を高める。医療保険やその他の福利厚生が雇用に義務付けられていると、転職や起業がしづらくなる。企業を考えていても、医療保険がなくなるかと思うと踏み切れないように。
    14.新しいネットワークの規制はゆっくり行う。実験段階の、とりわけ新しいプラットフォーム作りに関しては、最大限試行錯誤や実験ができるようにするべき。
    16.金融サービスに対して供給されている補助金を削減する。「金融機関が大きすぎて潰せない」と政府に存続を保障されることで、金融サービスに多くの優秀な人材とテクノロジーが吸われてしまう。
    17.特許制度を改革し、審査官を増やす。
    18.著作権の保護期間は伸ばすべきではない。新しいアイディアは既存のアイディアの掛け合わせで生まれるから。


    日本はアメリカを目指してすらいないが
    日本より教育が進んでるとされているアメリカでも、教育に関して問われているのだ。今こそ改革の時、ということなのだろう。

  • テクノロジーの発展はものすごく早く、コンピュータは、人間の領域を侵食し、雇用は減る。しかも、減った雇用は、創造性を求められる高所得の仕事と、肉体労働に二極化されていく。富の分配は、平等には行われない。といった主張。
    本の装丁は奇抜で、紙は色付きの厚紙。はっきり言って読みにくかった。

  • 10/09 23冊目。

  • 割と軽めの本。一日で一気に読めます。主張は割と単純で、これからコンピューターがさらに急速に発達して、人間の仕事を奪う、というものです。確かに、これまでコンピューターがどれだけ発達しても、いわゆる判断を伴う業務は苦手とされていましたが、そのかなりの部分をコンピューターが担うことになるということです。確かに、とにかく目的地に行く、とか必ず一定の結論に帰結するような、トラックの運転手や、弁護士、医師の仕事のかなりの部分がコンピューターが置き換わりそうですね。言わんや薬剤師なんて今でも不要な訳で。これからは、いかにもコンピューターに置き換わりそうな仕事をいかに避けるか、という社会になりそうですね。とにかくマニュアルに沿ってやりなさい、みたいのが一番危ない。いかにコンピューターにできなそうな付加価値というか、柔軟性というか、創造性といったものが求められそうです。

  • ITの進歩が早すぎるので、人間の雇用が脅かされている。提起されている課題は今後考えて行くことの種になりそうです。

    ただ、メインの対策は結局教育、に落ち着くことに何と無く違和感。どんなことでも、スーパー人間が教育できるようになれば解決できるもの…。どんな人材を育てるべきかのデザインが大きな課題なのでは。進歩が早すぎてどんな世の中になるか分からないのにそんなデザインできるのかな。

  • 分からん。どこにこの本がそんなに売れるだけの要素があったのか、分からん。ちゃんと当時買えばよかったなと少し後悔した。

    そのくらい、「まぁそうよね」って感覚くらいしかなかったなぁ。文量が少ないし、主張も視点も特別目新しいわけではない。変わった点といえば、装丁が面白いことくらいなんでなかろうか。

  • 主張は、
    「これまでの技術革新では、それによって失われた雇用は、新たに雇用が作られ補われた。しかし、今後は雇用は減り続けるだろう。なぜなら、機械の技術革新の速度が早すぎるからである」
    というもの。

    その事自体にそれほど新鮮味はない。

    どちらかというと、第3章の「勝ち組負け組」の煽りに反応する人が多いのではないか。

    1.スキルの高い人と低い人
    2.スーパースターと凡人
    3.資本家と労働者
    が、「技術革新がもたらす三通りの勝ち組と負け組」だそうだ。

    しかし、ここに拘泥しても、あまり得るものは無さそうな気がする。

    「次にどう行動するのか」がよく見えない本だった。

  • テクノロジーが雇用と経済に与える影響について論じた一冊。近年のコンピュータを中心とする情報技術の発展は技術の進歩が速すぎた結果、雇用を奪っていること、雇用の二極化が進んでいるとまとめている。以下メモ。(1)雇用の二極化とは、創造的な仕事、創造的なビジネスのアイデアを出す経営者、感動的な歌を唄を創る作曲家、肉体労働は置き換えることは困難であり、中間層の没落という事態に陥っている(2)希少性の経済学から豊かさの経済学に根本が変わっている(3)アイデアを組み合わせる為の組織改革の推進、人的資本の形成が必要。

  • ■書名

    書名:機械との競争
    著者:エリク・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー

    ■概要

    「これからがデジタル革命の後半戦。飛躍的に能力を
    拡大していくコンピュータに人間はますます仕事を奪われる」
    ーーMITスローン・スクール、デジタル・ビジネス・センターの
    研究者2人が2011年に自費出版した本書の原書である
    Race Against The Machineの未来予測は、アメリカ国内外で
    大きな反響を呼んだ。

    リーマン・ショック後、世界的な経済危機は脱しても一向に
    失われた雇用が回復しない状況に、経済学者は頭をひねってきた。
    代表的なのはポール・クルーグマンが唱える景気循環説。
    雇用の回復が弱く、需要が不足していると見る。第二の説明は、
    タイラー・コーエンが提唱する技術革新の停滞説。経済を進歩
    させる新しい強力な発想が生まれてないからだと見る。

    これに対して、本書の2人は、技術の進歩が速すぎて起きる
    雇用喪失説の立場をとる。つまり、コンピュータとの競争に
    人間が負け始めていることこそ、雇用が回復しない真の原因で
    あると主張する。

    チェス盤の64の升目に米粒を一粒、二粒、四粒、八粒と倍に
    していったとき、最終的にはエベレスト並みの膨大な数字となる。
    いまやコンピュータの能力は、グーグルが実験したように、自動車の
    運転までこなせるようになったが、それはまだチェス盤の半分に
    さしかかったに過ぎない。未来の技術進化はより激しく、人間固有と
    思われてきた領域にもどんどん侵食していき、結果として人間は
    ごく一部の知的エリートと、肉体的労働に二極化されるーー。

    さて、われわれは、そんな未来にどう対処すればいいのか。
    (From amazon)

    ■感想

    書名にもあるように、ITの進歩による、機会と人間の生存競争に
    焦点をあてた一冊です。

    結論から言えば、機械と競争するのではなく、共存してお互いの
    利点を生かしていきましょう!という内容でまとめられています。

    本書の中では、経済が上手く回っていないのは、ITの真価が早すぎ
    て人間がそれに追いついていないためと言っています。
    それにより、格差が発生しているという解析となります。

    これは確かに、一理あるだろうな~と思わせる内容です。

    つまり、噛み砕いて言うと「ITで技術が格段に進化した。その進化
    に追いついて、機械(技術)を使えたものが格差の上位に立った。」
    という事です。

    そりゃそうですよね。

    ただ、面白いのは、単純にスキルが無いと職がなくなるかと言えば
    そうでもない事。というのも、一部の肉体労働は多種多様なコミュ
    ニケーションスキルが必要であり、IT技術ではまだ対応できないも
    のもあるからである。
    たとえて言えば、ウィエトレス、ウェイター、バーテンダーなどが
    そうです。
    ただし、これも絶対にコンピューターが出来ないかと言えばそうでは
    ないです。
    今は出来ないだけで、今の技術の発展速度であれば、20年後は分から
    ないと言っています。

    また、スキルが高くてもコンピュータにとって変わられるものもあり
    ます。例えば、医療分野、法律分野などでです。

    と言う事で、結論として、「どのぐらいのスキルを持っていようが、
    将来はどうなるか分からない。ただし、機械がどのような進化を遂げた
    としても、機械と共存(使いこなせれば)できれば、経済は回っていく
    だろう」という事になります。

    これ、言っている事は至極まっとうですが、具体策は皆無です。
    まあ、具体策が示せるぐらいなら、こんな本書かないで、自分でそ
    の事業を起こしていますよね。
    こうやって書いていて分かったのですが、読んだ後何か違和感があ
    ると思ったのは、これただの評論文だからですね。

    ■気になった点

    ・従来コンピュータに出来ないと思われていたものが、多くのコン
     ピュータで出来るようになっている。

    ・コンピュータはルールに従う仕事は得意である。

    ・今のところ人間が勝っているのは、実は肉体労働の分野である。

    ・コンピュータは創造性はほとんど能がない。

    ・「弱い人間+マシン+よりよいプロセス」は、
     「一台の強力なマシン」に勝った。
     さらに、「強い人間+マシン+お粗末なプロセス」にも勝ったので
     ある。

    ・私は一度も失敗をしていない。うまくいかない方法を一万通り
     見つけただけだ。

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