2052 今後40年のグローバル予測

制作 : 竹中平蔵 解説 
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249410

作品紹介・あらすじ

全世界に衝撃を与えたベストセラー、『成長の限界ローマ・クラブ「人類の危機」レポート』から40年。新たなアプローチ法で、次なる混沌の40年を見通す。

感想・レビュー・書評

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  • 「成長の限界」という本が出て約40年。
    そこから約40年後の2052年の世界で
    消費(経済)はどう変わるか、消費(経済)はどのような
    社会や自然環境でなされるのかを予測した本。

    世界は成長が経済的利益をもたらすという信念で、今後も経済を推し進めようとする。アジアを成長の原動力にして世界経済を立て直そうとする西洋人やそれを求めるアジアの政府。だが都市化による出生率の低下により人口は2040年頃に頭打ちとなり、GDPは望むほどあがらない。
    自然環境や社会にとって、持続可能な経済は上記の信念や主流からはほど遠く、持続可能な幸福、つまり生存可能な経済への転換が求められていく。

    自体は思わしくない。
    これからの成長は弱肉強食ではなく
    協力がキーワードになる。

    この本の予測が当たらない世界にするのは
    今を生きる私たち次第なのだ。

  • 2052年までの将来を予測した本。

    色々な部分を予想しているが、前提として
    ・世界人口は2040年ごろに頭打ちになる
    ・人類は深刻になる気候変動に対処するための投資を必要とする
    の2点を挙げている。

    自分は環境・エネルギー問題中心にこのようなことを考える人間であったが、経済や食料など自分の専門外の分野についても多くの知識を得ることができた。

    現在地球は、将来気候変動の自己増幅が起こるかどうかの狭間にある。本書の内容が1人でも多くの人間に浸透し、人類が共通認識として持続可能な方向へ向かって進みだすことを切に願う。

  • ・汚染税
    ・二酸化炭素、疫病
    ・人間は5年以内にペイできることしかしない。対応するのは遅くなってから。
    ・70、80の日本の政治家が、2、30年後を想定できない。
    貧しくないと難しい。

  • 20200518 6年前に読んでいた。まったく記憶がない。

  • ふむ

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/2052.html【書評】『2052 今後40年のグローバル予測』〜「管理された衰退」か「自然任せの崩壊」か?

    <目次>
    序文 未来は何をもたらすか?
    第1部 背景
     第1章 未来についての懸念
     第2章 2052年に向けて危惧される5つの問題
      資本主義の終焉?
      経済成長は終わるのか?
      緩やかな民主主義は終わるのか?
      世代間の調和は終わるのか?
      安定した気候は終わるのか?
    第2部 私の世界予測
     第3章 私の予測の根拠
     第4章 2052年までの人口と消費
     第5章 2052年までのエネルギーとCO2事情
     第6章 2052年までの食料事情
     第7章 2052年に向かう非物質的未来
     第8章 2052年の時代精神
    第3部 分析
     第9章 未来についての考察
     第10章 5つのグループの未来
     第11章 他の未来予測との比較
     第12章 あなたは何をすべきか
    地球社会へ最後の警告 竹中平蔵

    Amazonレビューに本書の20のアドバイスが書かれていたので引用する。
    <blockquote>1)収入より満足に目を向ける
    2)やがて消えていくものに興味を向けない
    3)最新の電子エンターテインメントに投資し、それを好きになろう
    4)子供たちに無垢の自然を愛することを教えない
    5)生物多様性に興味があるなら、今のうちに行って見ておこう
    6)大勢の人に荒らされる前に世界中の魅力あるものを見ておこう
    7)気候変動の影響のないところに住みなさい
    8)決定を下すことのできる国に引越しなさい
    9)あなたの生活水準を脅かす持続不可能性について知ろう
    10)サービス業や介護の仕事が嫌なら、省エネ関連か再生可能エネルギーの分野で働きなさい
    11)子供たちに北京語を習うように勧めなさい
    12)成長がよいことだという考えから脱却する
    13)化石を基にした資産は、ある日突然、その価値を失うことを忘れないように
    14)社会不安に影響を受けないものに投資しよう
    15)相応の義務以上のことをしよう。将来後ろめたい思いをしなくて済むように
    16)現在の持続不可能性の中にビジネスの可能性を探ろう
    17)ビジネスで、高い成長性と高い利益率を混同しないように
    18)選挙で再選を望むなら、短期的に結果が出る公約を掲げよう。
    19)未来の政治は物理的限界(生産する土地がなくなること)に左右されることを覚えておこう
    20)政治において、限りある資源の平等な入手は、言論の自由に勝ることを認めよう。</blockquote>

    <メモ>
    不経済成長の終焉(ハーマン・デイリー)
    ・経済成長はすでに終わっており、現在のそれは、不経済的な成長だと考えている。生み出される価値よりも生み出すための費用のほうが上回っているため、世界は豊かになるどころか、貧しくなっているのだ。(107)
    ・「経済成長」の二つの意味の混同(108-109)
     ・経済(人口と富など)が物理的に大きくなること
     ・費用を上回る利益をもたらすという「経済的」な側面の成長
    ・「財=良い要素(goods)」と「悪い要素(bads)」(110)
     ・自由市場では悪い要素には値段がつかない。
     ・代わりに「悪い要素」を打ち消す経済活動を形状する。
     ・天然資源の消費を経済資本の縮小としてではなく収入として扱うのは途方もない会計ミスだ。

    民主主義社会において、人々の前進を阻むのは知識の欠如ではなく、同意が得られにくいということである。(236)

    気候変動の自己増幅とは、現在の温暖化がさらなる温暖化を招き、その影響でますます温暖化が進むという、制御不能の悪循環が始まることを言う。(312)

    今後40年間の大気中のCO2濃度の上昇は、農業にプラスの影響を及ぼし、それは、温暖化によるマイナスの影響を相殺してあまりある。(392)
    私たちの反応と決定に時間がかかりすぎるため、世界はこうした限界を超えてオーバーシュートに至る、と予測した。そこから後退する方法は二つしかない。「管理された衰退」か「自然任せの崩壊」である。(395)
    オーバーシュートして崩壊するのは、人口でもGDPでもなく、人間の「豊かな暮らし」なのである。(399)
    「持続可能性を目指す」のではなく、「持続不可能性を避ける」ことを提案する。持続可能性は、持続不可能性をひとつずつ特定し、除いていくことによって達成できる。(402)
    現在、地球に生存する生物に対する人類の需要は生態系から生産される供給量、地球のバイオキャパシティを約40%も超えている。(406)

    15)相応の義務以上のことをしよう。将来後ろめたい思いをしなくて済むように
    将来子どもや孫に、「2000年代初期、温室効果ガスの排出がコントロールしきれなくなった時に、お父さん(おじいちゃん)は、何をしていたの。」と聞かれた時に備えて、答えを用意しておくことだ。(453)
    18)選挙で再選を望むなら、短期的に結果が出る公約を掲げよう。
    近年、賢明な長期的政策を人々に強制できた指導者は、EU(気候問題において)と中国共産党(経済発展において)だけのように思える。その理由はおそらく、大部分の政治家とは違って、どちらも民主主義によるコントロールが利かないところにあるからだろう。(457)

    (日本)人口減少によって1人当たり所得は成長(グロー)している。日本はグロークラインの先進国だが、今後の世界、とりわけ先進工業国は、このグロークラインの状況になるとランダースは言う。(470)

    2014.01.03 金内さんが2013年No.1の本に挙げている。
    2014.03.01 読書開始
    2014.03.12 読了

  • 40年まえの1972年の「成長の限界」の著者の一人による、40年後の未来予測。
    「成長の限界」とその続編が、複数のシナリオを示しながら、「まだ間に合う」かもしれない可能性と行動を呼びかけるものであったのに対して、今回は、基本的にはもっともありそうな未来の予測。

    本全体を通じて、人類の未来に対して悲観的なトーンである。未来を変えるために行動する、というよりそうした状況を受け止め、それに適応していく感じ。

    著者は、この数十年間、地球と人類の未来を案じ続けていたのだが、悲惨な未来を受け入れことで、なんだか肩の荷がおりたというか、諦観がひしひしと伝わってくる。

    ティク・ナット・ハンの本で、すべては無常である。人類も、地球も無常である、地球温暖化という大きな問題を前にして、私たちは絶望するが、この絶望を受け入れるところからしか、本当の行動、本当の平安は見出せない、といったことが書いてあったが、それと通じるものがある。

    「成長の限界」系の本をよむと、いつも、うつ状態になってしまうのだが、さて、どうしたものだろうか。

  • 請求記号:
    選書コメント:
    『成長の限界』から40年、著者の一人であったランダースが、これからの人類文明について詳細なデータから分析した本です。環境問題だけではなく社会システムについてまで広範な情報が載っています。
    (環境創造学部環境創造学科 鶴田 佳史 准教授)

  • 2052年の世界の姿を現在の様々な事実から描いているためリアリティも有りとても面白い。長いスパンでの予想になるため全てが正しいかは誰も分からないが未来を考えるための示唆を与えてくれる。

  • 当り障りのない観点からの未来予測なだけにほんとっぽさが漂う。
    しっかり読み込んで自分のポジションを決めないといけない。

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