シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

制作 : 西内啓 
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  • Amazon.co.jp ・本 (594ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249809

感想・レビュー・書評

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  • 何らかの形で予測を仕事にする人は読んだ方がいいと思いました。
    予測がなぜ当たるのか、そしてなぜ当たらないのか、について、様々な分野での事例を引きながら深く考察した本。
    よい予測者になるための心構えを学びました。

  • データを使う場合のみならず、物事の見方を示唆する内容になっていると思う。決して読みやすい訳ではないけど、事例は面白い。予測ってそういう捉え方を前提でするもんだよね。というのが腹に落ちる。

  • 著者は「マネーボール」でも取り上げられた、野球データ分析会社で予測モデルを立ち上げ、2008年の米大統領選では50州のうち49州の結果を的中させたデータアナリスト。

    本書では天気予報、地震予知、パンデミックの拡散など多くの社会的な取り組みをケースとして、如何に成功事例などの過剰適合がノイズになり得るか、あるいはどのような波形にこそ注目されるべきなのかに迫る。

    データ処理ではなく、データサイエンスが備えているべき未来に触れられるといっても過言ではない一冊。

  • 著者はマネーボールで有名になった予測モデルPECOTAの開発者です。テーマは面白いんですけど結論が明確には書かれていないですね。。。 どの章から読んでも入れる感じです。個人的に興味を引いたのが、チェスの人間対ソフトウェア対決(9章 機械との闘い)のところと、マネーボールは何を語ったのかその後10年経った今(3章)のところです。
    チェスは奇天烈な人形ターク(これはこれで一冊の本にまとまっています『謎のチェス指し人形「ターク」』)から始まり、カスパロフに勝つためにディープ・ブルーが専用にカスタマイズされていく様子がドラマチックに述べられ、その過程で6手〜8手の先読み程度と思われていたディープ・ブルーの読みの深さが、実はもっと先の20手ぐらいまで読んでいるらしいということ。ディープ・ブルーの繰り出す奇策が、もはやソフト開発者でもバグによるものなのか新機能なのか判断できない次元へ到達した点が書かれています。怖さを感じますが、盤上ゲームのように明確に定義されたルールのもとで繰り広げられる計算処理はコンピュータソフトウェアの得意領域のため、もはや人間が勝つ余地は残されていないでしょう。
    もう一方、野球の方は絡み合う条件が複雑ゆえに、マネーボールから10年経過してもスカウトの雇用が不要になったという事実はなく、ソフトウェアによる統計分析と従来からのスカウトとのハイブリッドな取り組みをとるチームがほとんどという話です。PECOTAと肩を並べる優れたソフトが複数存在し各チームで使用されており、いつ抜きん出たソフトが登場して来ても不思議ではない状態らしいです。

  • 今度ちゃんと読まなきゃ。

  • ■予測

    A.予測する際は、もっと確率と不確実性を受け入れねばならない。この点において役立つのが、条件付き確率を導き出す「ベイズの定理」だ。1 つのアイデアを違う角度から考える必要性を理解し、検証する方法を得る手がかりとなる。

    B.ある心理学者によれば、専門家は「ハリネズミ」と「キツネ」の2 つのグループに分類できる。
    ・ハリネズミ:大きな考えを信じ、社会には基本原則があると信じている。大胆な予測をするのでよくメディアに登場するが、予測する能力はキツネより劣る。
    ・キツネ:これといった原則を持たず、問題に向けて様々なアプローチを試みる。より良い予測を行うが、メディアにはなじまない。彼らは多くの問題は予測困難だという信念を持つため、自信なさ気に見えるからである。

    C.学者の中には、積極的に表に出たがる人がいる。彼らは自信たっぷりにドラマチックな変化が起こると言いたがる。そうすれば注目される。つまり、ハリネズミのように大胆な予測をすれば、テレビに出やすくなるのだ。

    D.キツネはテレビやビジネス、政治の世界になじまない。多くの問題は予測困難であり、不確実性には率直に向き合うべきだとする彼らの信念は、自信のなさと受け取られてしまうからだ。

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-11831906398.html

  • p17
    仮説は反証可能でなければ科学的とは言えない。つまり、仮説は現実の世界で、予測という手段を利用して検証されるのである。
    p32
    一方、不確実性とは測定が難しいリスクのことである。リスクは自由市場経済という車輪の潤滑油になるが、不確実性は車輪をすり減らしてしまう。
    p64
    ヒトは物語の中に身を置くと、道を失う。政治の分野で特に予想が当たらないのは、人間的な要素が強いからだ。
    p111
    よい予測をするためには、定量的なデータだけに情報を限定すべきではない。重要なのは、集めた情報を適切に評価するプロセスを持つことだ。
    p112
    情報が増えたのに予測の的中率が下がるようなら、あなたの姿勢に問題がある。
    p112
    場合によっては、定性的な情報を定量的な情報に変換することもできる。
    p119
    新しいアイデアは、ほかの人が面倒くさがって取り組まない問題の細部に宿っているものだ。そして、抽象的なことや哲学的なことを考えているときに、ふと見つけたりする。
    p183
    研究者が利用できる統計的手法はたくさんあるが、こうなると子供が雲を見上げて動物のように見えるというのと変わらない。
    p238
    病気などの医学的な症状もまた、この自己成就的な性質を持っている。原因となるメカニズムが分からない病気は、ニュースになることで報告例が増える。
    p362
    結果へのこだわりがなくなるにつれ、良い結果がでるようになるだろう。
    p430
    オッカムの剃刀、ほかの条件が同じなら、単純な説明の方が複雑な説明よりよい。
    p450
    ベイズの定理
    p495
    大きくジャンプし、その後小さなステップを重ねていくというものである。
    p499
    情報は文脈のなかに置かれてはじめて知識となる。そうしなければシグナルとノイズを分けることはできず、擬陽性にだまされてしまう。
    p499
    そのモデルがどれだけ過去のデータに当てはまるかを語りながら”予測”している人は、モデルにとらわれすぎていると思ってよい。予測とは将来の事象に関して行うものである。

  • 確率論的に考える。過去にしがみつかず常に軌道修正。1つの情報にとらわれず複数の視点から見る。自然科学、社会科学、スポーツ、ゲームの事例。

    銀の弾丸はない。どんなテクニックや能力があるんだろうと思って読んだのですが、著者の能力が高いのではなく、すべきことをしていないだけ。

  • ベイズの定理は、これから有用性が認識されていくのだと思う。

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