町工場の娘

著者 :
  • 日経BP
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本棚登録 : 325
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822250560

作品紹介・あらすじ

町工場を営む家の次女として生まれ、32歳の時に突然、主婦から先代の後を継ぐことになった女性経営者の奮闘記。

 幼少期に亡くなった兄の「生まれ変わり」として育てられた。「ひょっとして私が会社を継ぐのかな…」という“予感”はあったが、大学卒業後は父の会社(ダイヤ精機)の取引先でもあった自動車部品メーカーに就職。その後、父に請われ、ダイヤ精機に入ったが、経営方針の違いから、2度のリストラ宣告を受ける。しかし、32歳の時に父が急逝し、突然社長を継ぐことに。バブル崩壊の余波もあって赤字経営が続く中、再建の舵取りをいきなり任され、以後、様々な壁にぶつかりながら、「町工場の星」と言われるまでに社業を復活させた。
生産管理へのIT導入、「交換日記」による若手社員との対話など、「情と論理」のバランスの取れた、女性ならではの経営手法が注目され、ダイヤ精機には今や全国から見学者から訪れる。その2代目社長が初めて筆を取り、父や兄への思いを綴りながら、社長になってから10年の軌跡を克明に振り返る。

感想・レビュー・書評

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  • 同世代の女性として尊敬する。
    腹くくって経営者として仕事してるのが伝わってくる。
    気持ちいい。

    一人の女性の生き方の書としてももちろんだけれど、零細企業の経営者にも大変有益な本だと思う。
    従来の見て覚えろ的な職人の集団ではなく、ITの導入によるものづくり現場での見える化や、人材教育の在り方など参考になるのではないか。

    ダイヤ精機が成功している理由は様々あれど、彼女のように大手企業を経験した人だからこその成功だと思う。
    そう言う意味で、会社を継ぐ前の修行って必要なのね。
    ま、失敗例も多々あると思うけど。

    でもやっぱり諏訪貴子さん、美人!
    こんなにきれいで、家庭では妻であり母であり、外では経営者であり。素敵すぎる♪
    少しは見習わないとな・・・。

  • 父親の急死により、突然、主婦から社長になった女性経営者の奮闘記。ドラマを見てとても面白く感じ、原作を読んでみたくなった。

    ドラマでは主婦が「いきなり」社長になった点が強調されているが、実際には、跡取り息子がおらず(息子は6歳の時に白血病で亡くなっている)後継者となることを意識して父親に育てられてきたこと、工場や取引先には子供の頃から父親に連れられて出入りしてきたこと、大学は工学部を卒業し、2年という短い期間ではあるものの取引先の大手企業に技術者として勤務した経験があること、父親の死後、社長になる前にも2度、当社に入社し事業改革案を立案してきた実績があり、筆者が後継者となる土台は築かれてきたようだ。

    ただ、ドラマであったとおり父親が「余命4日」と宣告を受けた後、急死されており、後継者となる土台はあっても、直接の後継者教育や引き継ぎもなく、社長の座を継いだという点で、やはりバトンが「突然」渡されたと言えよう。

    ドラマでは、主婦としての経験や知恵を経営改革に活かしているように描かれていたが、実際には、たった2年の社会人経験で学んだことを、しっかりと経営に活かしているようであり、誰にでも簡単にできることではないと思う。

    以下、気になったポイント。

    ・経営学を体系的に学んだことはない。本すら読まない。名だたる経営学たちの教えを知れば、内容を消化しきれず、経営の軸がブレてしまいそうだからだ。
    私が実践してきたのは、「物事には原理に基づいた原則があり、そして基本がある。基本があるからこそ応用できる」という考え方だ。(p130)

    ・私はどんな時も「どういう決断をすべきか」と悩むことはなかった。...「やる」か「やらないか」を迫られた時の答えは、すべて「やる」と決めているからだ。(p210)

    ・大事なのは、どんな場においても、悔いのないよう「小さな勇気」を持って行動することだ。自分を変え、人生を変えるチャンスは至る所に転がっている。(p239)

  • 中小企業診断士も顔負けの経営スキルが満載。それでも著者は本を読まないというから驚き。本を読まなくても生来のセンスがあればこれだけの経営だできるということか!? 診断士は必読の本。

  • 今から15年前の2004年、30代前半で、女性で、中小企業のものづくり、2代目社長。さぞかし難しい状況であったと思う。人を大事に、原理原則を大事に、という今よく言われたり本で述べられたりすることを体現している。会社と社長に興味を抱きます。
    また、最後の方に出てくる自分に対しての、悩まず迷え、動け動け、のフレーズ良いな。

  • 急に父が倒れ、主婦から社長になる。もう、突き進んで行くしかなかったんだろうな。その中でも、やり遂げる、問題解決をして行く、と目の前にあるものを確実に捉えて行く姿勢、素晴らしいと思った。常に立ち止まらず動くこと、物事は考え方次第というのは見習いたいですね。

  • 自分の親が、なんの前触れもなく「余命4日」と宣告されたら、それだけでももの凄いショックを受けるでしょう。
    しかもその親は、中小企業の社長で、少なからず社員を抱え、一人で切り盛りしていて後継者については何も決まっていない、としたらパニックになってもおかしくないと思います。

    この本はそんなエピソードから始まります。

    <目次>
    第1章 突然、渡されたバトン
    第2章 手探りの会社再生
    第3章 私の仕事論

    著者の諏訪さんは、東京都大田区にある「ダイヤ精機」の社長です。急死された父親の跡を急遽継ぐことになり、試行錯誤しならが会社を立て直してこらたら方です。

    幼少期に亡くなった兄の代りとして「男」として育てられたので、「ひょっとして私が会社を継ぐのかな…」という予感はあったそうですが、大学卒業後は取引先に就職。結婚して専業主婦に。その間、父に請われダイヤ精機に入社するも、経営方針の違いから2度のクビになりました。先代が亡くなられたときは、専業主婦に戻り。旦那様の海外転勤についていく準備をしていました。

    つづきは⇒ http://amba.to/1zuq9t9

  • 暇つぶしで読んだのですが、なかなかどうして立派な経営者の本です。これを読んでつくづく思うのが、21世紀は女性経営者の時代だなぁということ。最初はお涙頂戴風ですが。経営者としては、理論的に戦略を立ててやっていらしゃる。息子経営者は浪花節的なしがらみが多くでなかなかできないんです。◯塚家具の親子はこれを読んだらどう思うのだろう、、

  • 若手の確保と育成、技術の承継と発展、会社の活性化。諏訪貴子社長率いるダイヤ精機がこれらの課題を解決できたのは、コミュニケーションの円滑化である。社内のコミュニケーションが円滑に行われることで、組織の風通しが良くなる。それが会社の直面するさまざまな課題解決の原動力となる。風通しの良さは、会社をしなやかにさせる。硬直化した組織は、脆く壊れやすい。しなやかな組織は、簡単には壊れない。
    コミュニケーションを円滑にする方法は組織の数だけ存在するはずで、正解は一つではない。本書で紹介されている取組も、そのまま再利用できるとは言い切れない。
    自らの組織ではどのような取組が効果的なのか、本書に刺激を受けつつ再考してみてはいかがか。

  • 父の急逝を契機に主婦から町工場の社長になった著者の話。リーマンショックを契機とした受注減・売上減を乗り切るための会社の運営の部分が非常に興味深かった。

  • 中小零細企業の事業承継者にはうってつけの本。
    事業承継期間4日で何も分からないところから「二代目」をスタートした筆者の体験談。

    経営の本はとかく難しい用語や、中堅企業向けの本が多い。
    その中で、本書は難しい用語も少なく、また実践しやすい内容である。
    また、自身をカリスマとはせず、あくまで「素人経営者」というスタンスで書かれているため、読み手に共感とチャレンジ意欲を喚起させると思う。


    具体的内容については以下の点がよかった。
    ①社内コミュニケーションの重要性や、取引先へのヒアリングなど、基本であり最も重要なことを、エピソードを交えしっかり書いている点。

    ③人材育成について。従業員に寄り添う、頼る、考えさせる、褒める。相手がどう感じるかを考え、尊重することが大事であり、カリスマを発揮する必要はない。また、近道や特効薬もない。

    ③経営者としての仕事論の記述。前向き思考と、とにかく実行に移すことをエピソードを交えて書いている。経営者として、そのひたむきさが最も重要なことだ。


    あえてマイナス点を挙げるとすれば、経営改善手法の記述がやや抽象的なこと。
    まあ、本書は概要をストーリーとして紹介する内容だし、同じ手法が他社に当てはまるとも限らないので割愛したのだと思うので、いちゃもんになってしまうかもしれないが。
    そういった点は、適宜専門書なりを参照して補完していけばよいのだろう。

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著者プロフィール

1971年東京都大田区生まれ。95年成蹊大学工学部卒業後、自動車部品メーカーのユニシアジェックス(現・日立オートモーティブシステムズ)入社。98年父に請われ、ダイヤ精機に入社するが、半年後にリストラに遭う。2000年再び父の会社に入社するが、経営方針を巡って対立し、退社。04年父の急逝に伴い、ダイヤ精機社長に就任、経営再建に着手。経産省・産業構造審議会委員。2013ウーマン・オブ・ザ・イヤー受賞。

「2014年 『町工場の娘-主婦から社長になった2代目の10年戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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