ジョナサン・アイブ

制作 : 林信行 
  • 日経BP
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822250706

作品紹介・あらすじ

スティーブ・ジョブズが絶対的な信頼を寄せたカリスマデザイナー、ジョナサン・アイブ。

そのアイブのイギリスでの生い立ち、学生時代、アップル入社後のiMac、iPhone、iPad、MacBook Airなど数々の革新的な製品づくりでの試行錯誤、社内での争いまで――。初めて、ジョナサン・アイブの生き方、大胆にリスクを取る思考、デザインへのひたむきな姿勢、ものづくり哲学が明かされる!

長年「Cult of Mac」を運営してきたジャーナリスト、リーアンダー・ケイニ―が、ジョナサン・アイブを徹底的に紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • ソフトの時代だからこそデザインが重要になる

    イギリスにはT字型デザイナーという概念がある。ひとつの専門領域を深く極めながら、同時に他の幅広い領域にも造形を持つ人材のことだ

    大学で賞を総なめ

    世界を驚かせたipad革命

    替えのきかない男

    ジョニーはあるべきものを正しくつくること、それが目的にかなっていることをいつも気にかけていた。テクノロジーに人間味を持たせることにこだわっていた

    イギリス屈指のデザイン事務所に入社

    アップルのデザイン責任者ブルーなーの訪問

    退屈な仕切り机の中ではデザインなんてできない。そんなところじゃだれも働きたがらない。天井が高くて気持ちの高揚するようなオープンスタジオが絶対に必要だ。それがものすごく大切なんだ。それが仕事の質を左右する。やる気を生むんだ。

    製品名を巡るバトル

    4分野の製品群に集中する

    アップルはハードウェアとソフトウェアが共存する芸術作品を生み出した

    仕事も遊びもとことんやる

    プラスチックからガラスへの思いきった転換

  • スティーブ・ジョブズの伝記が良かったので、
    彼の周りの重要人物の伝記も読んでみました。
    (正確に言うと、この本は伝記ではないかも。)
    アップルのデザインを統括していたジョナサン・アイブのストーリー。

    オフィシャルに情報を集めれたスティーブ・ジョブズの伝記と異なり、
    この本は著者がアイブでもなく、多くの元ネタがスティーブ・ジョブズの伝記からなため、
    ストーリーの重複感があったり、
    デザイン初心者や過去のアップル製品に疎いと
    何のことを言ってるのかが分からない時もありますが、
    随所で天才デザイナーの哲学を垣間見ることができます。
    きっと、デザインに興味のある人にとっては、マユツバものの本でしょう。

    スティーブのデザインの重要性に助けられ、
    あらゆる制限を解放して働ける環境は、
    プレッシャーはあるものの、デザイナーにとっては理想的な労働環境でしょう。
    同時に革新的なデザインを形にしてきたエンジニアたちの努力の結晶でもあります。

    アップルのメンバーがまさに世界を変えようとしていたその時に、
    ジョニー(ジョナサン)側の視点では何を考えていたのかが、
    分からない時もありますが(それが一番残念)、
    アップル信仰者にとってはバイブル的な本になることでしょう。

    次は、スティーブ・ウォズアニックやティム・クック、ピクサー側の視点からスティーブの起こした革命の真実を見てみたいです。

  • ジョブズの次にAPPLEで権限を持つ(つまり現在は最も力を持つ)人物は、英国生まれのデザイナーである。そんな事実がなぜ出来上がったのか。アイブとは何者で、そのデザイン哲学はどう形成され、発揮されたのか。その全貌を明らかにすることで、時価総額一位のブランドを作るための情熱とアイデアと仕組みを盗み見ることができる一冊。

    また、スティーブ・ジョブズという経営者がクリエイターとどのようなディレクションを行なってきたのかを知るための貴重な資料でもある。

  •  デザインのお勉強。

     …デザイナーは必要なものだけをデザインすべきだというミニマリスト的な哲学は、ドイツの伝統教育の流れをくむものです。ジョニー・アイブのデザイン哲学もまた、そのことを強く意識しているようです。このドイツの伝統は、アイブにも、電気器具のブラウンにも、またドイツのキッチンメーカーや家電メーカーにも受け継がれています。ドイツの家電デザインでは、この哲学が確立しているのです。高品質、高機能、ミニマリズムの伝統がそこに脈々と息づいています。おそらく教育を通して、アイブにこの哲学が染み込んだのでしょう

    …「ジョニーも僕らも、デザインの目的を優先させた」とグリナ―は説明する。「ジョニーは、あるべきものを正しく作ること、それが目的にかなっていることをいつも気にかけていた。彼の関心は、テクノロジーに人間味を持たせることだった。『それがどうあるべきか』が常に彼のデザインの出発点だったんだ。どんな既存製品があるかや、エンジニアがなにを望んでいるかを排除する能力、あるいは無視する能力が、ジョニーにはあった。彼はプロダクトデザインやユーザーインターフェースデザインの根本に立ち戻ることができたんだ。」


     それよりもおそらく重要なのは、ブルーナーがこのスタジオを設立し、偉大な才能を採用して文化を創ったことだ。「ボブ(ブルーナー)はジョニーのデザインチームの基礎を創っただけではない。城を建てたんだ。企業内のデザインチームがクールと言われるようになったのは、ボブの功績だ」と言うのはクライブ・グリナ―だ。

    「革新を宿命とする企業では、革新しないことがリスクなんだ」とジョニーは言う。「本当のリスクは、安全策を安全だと思い込んでしまうことだ。スティーブにはアップルのルーツに立ち戻るにはなにが必要か、アップルの魂を表現するにはどうすればいいか、新しいものをデザインし、作り出すにはどんな組織構造にしなければならないかが、はっきりと見えていた」

  • アップルの軌跡をデザイナー、ジョナサンアイブの視点からみた物語。

    デザインとは、ただ電子基盤に皮を被らせて化粧を施すことではない。
    消費者にどんな商品を提供して、どう彼らの生活を変えたいかに思いを巡らせることである。
    そのためにどんな機能を用意し、どんな形状にし、その機能や使い心地を実現する製品には、どういう開発の手順を踏んだらいいかをしっかりと考え、さらにはそれを市場でどう流通させ、どう宣伝するかにも配慮することだ。
    製品の企画から開発、販売、さらには販売後のアフターケアに至るまで、全てデザインすべき要素がある。

    この一節にどおり、著書の中には様々な工夫があった。
    また、この一節だけでもこの本を買う価値があると思う。

  • 数ページしか読めず
    伝記物はやっぱり本人が書いたやつが読みたいのよね

  • Appleの天才デザイナー、Jonathan Ive氏の伝記。……のつもりで読んでみたが、ウォルター・アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』とは全然毛色の違う本だった。
    生い立ちからアップル入社の辺りまではアイブ氏の人生が中心に描かれている(英国のデザイン教育制度の紹介と賛美も多分に含まれているが)。後半はアップルの製品開発のストーリーを群像劇で展開しているように感じた。
    アイブ氏の才能、人柄の良さなどは垣間見ることができたけれど、本人の言葉が少なすぎて本質に迫れたとは思えない。

  • ★3.88

  • 1997年にジョブズがアップルに復帰した際、「アップルの何が悪いのか教えてくれないか」スピーチで 「プロダクツがサイテーなんだよ!全然セクシーじゃい!」の喝破を、じかに聞いた愛撫兄さんの物語。

    ジョニーはゼブラやソニーといった日本企業とも仕 事してたんですねー。ジョブズを軸にしたアップル 分析は、どうしてもカリスマの主観に巻き取られが ちですが、ジョブズに対して月(あるいは陰極)であり続けたジョニーを軸にした本書は、同社を理解 するための寧ろベターなテキストといえます。

  • Apple製品が好きになったきっかけは限りなく自然に、考えずに使える点だが、今回その秘密を知ることができた。同時に、デザインについての多くの知識、経験を得ることができた。本当に読んでよかった。

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著者プロフィール

WiredやMac Weekの元シニアリポーターで、Cult of Macの運営者。20年以上にわたって、コンピューターやテクノロジーに関する記事の執筆を行っており、4冊の書籍を出版しているベストセラー作家。邦訳書にアップルの最高デザイン責任者を紹介する『ジョナサン・アイブ』(日経BP社、2015年)がある。

「2019年 『ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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