HARD THINGS

制作 : 小澤隆生  滑川海彦、高橋信夫 
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822250850

感想・レビュー・書評

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  • 著者であるベン・ホロウィッツさんが自らの経営者体験で得た知識を惜しげもなく伝えてくれた書籍です。起業、営業、人事、財務等、ホロウィッツさんがビジネスで得られた教訓はとても汎用的なものだと思います。

  • 自分で本を書くような成功者のサクセスストーリーには必ずおいしいいくつかの修羅場があります。

    こんな困難を切り抜けてきたと、その困難がきつければきついほど自慢できるという寸法です。

    そんな成功伝からも、もちろん得るものはあるのでしょうが、本書の趣はかなり異質です。

    もちろん、タイトル通りに大きな困難が待ち受けていますし、それをうまく克服もしています。

    大きな違いは、自身の経験を有意義な経験則に落とせる能力でありそれを過不足なく表現できる文章力です。

    文章力については翻訳者のうまさもあるのかもしれませんが、とにかく読みやすくて面白い。

    内容については以下に少し印象に残った言葉や話を列挙してみます。

    「ひと、製品、利益の順で大切」(P145)

    「大組織においては、どの職階においても社員の能力はその職階の最低社員の能力に収れんする、これをダメ社員の法則と呼ぶ」(P226)
    まあ、ボトルネックの人間版ですね。

    会社がつぶれそうになった時、投資家のハーブ・アレンが助け舟を出したが、テクノロジー企業には投資していなかったのになぜ我々を助けたのか?と後日彼にその理由をきいたところ、「多くのCEOは苦境になるとそこから逃げようとするが、君たちは私に会いに来て、決意をみせた。勇気と決意に投資するのが私の流儀だ(意訳あり)」(P277)などは、感動的な場面です。

    会計事務所アーンスト&ヤングの裏切りのエピソード(P336)は、本書が売れれば売れるだけ会社へのネガティブキャンペーンとなりますねえ、仕方ないけど。

    捨てる神あれば拾う神あり・・まさに会社経営には何があるかわかりません。

    2015年に発売されて数々の受賞をしている作品だけのことはあり、読み応えばっちり、そして読めば必ず得られるものがあるはずです。

    満点に近い星4つです。

  • シリコンバレー随一のVCアンドリーセン・ホロウィッツのベン・ホロウィッツ氏が自身のラウドクラウドとオプスウェア起業から売却までの波乱万丈の経験を元に学んだ教訓をふんだんに含んだ経営に関する本。著書の中で「平時のCEOと戦時のCEOは違う」と言っているが、普通の経営について書かれたビジネス書は平時のCEOについて書かれたものばかりの中、この本は徹底して戦時のCEOのどう経営していけばよいかという内容に一貫している。
    私自身は起業家でもなければ、経営者でもないけれども、人をManageする立場になった時にもう一度読みたいと強く思った。良書。

  • リーダーシップとは、経営とはなにか。ホロウィッツの経験を通して逆境のなかで耐えること諦めないことの大切さを学んだ。その経験によって学んだ経営哲学は私のような一般のビジネスパーソンにとっても有効と感じる箇所が多かった。将来の幹部候補として身に付ける素養を学ぶために有効な一冊。

  • 確かに皆さんいう通り面白い。でも、なんか、肝心なことはアンディグローブが全部書いてるよっていうんでアマゾンで調べるとあまりの中古価格の高騰ぶりにもうなんじゃこれ、そんならkindleで原書で読むよ。って思いました。それはまた簡単ではないけどね。やっぱ、献身ってことなんだよね。まあ当然だ。CEOってのは特異ノードになるってことだから、エネルギーがたいへん必要でしかもphaseがあってなきゃいけない。

  • 仕事と私とどっちが大事なの?

    人によっては簡単に答えが出る問題なのかもしれないが、
    比較することはできない問題だと思う人はたくさんいるだろう。
    そしてこの答えは出せるわけがないと思う人もたくさんいるだろう。

    だが世の中は理不尽にできており、姿を変えながらこの問題を突きつけてくる。
    無理だと思ったそこから、決断という一歩を踏み込むためには、
    大事なものは何か、ということを整理しておくことかもしれない。

    (以下抜粋)
    ○母がこの上なく辛抱強い人間でなかったら、私は学校教育を受け損なっていたに違いない。
     この子供には心理療法が必要だという声が周囲では強かったそうだが、
     母は私の気持ちが落ち着くまで、無限に長い時間を待ってくれた。(P.15)
    ○自分がしたいことではなく、何がたいせつなのかという優先順位で、
     世界を見ることをこのときに初めて学んだ。(P.25)
    ○もし私が家へ帰れば、会社は間違いなく倒産する。
     もし、ここに残れば・・・・・・(P.53)
    ●それは約20万ドルと安くはなかった。
     その上、われわれはジョンをほとんど知らなかったし、義務も負っていなかった。
     しかし、ジョンはまもなく命を失おうとしている。
     私は彼の医療費を払う決断を下し、費用を工面することにした。
     そうした理由はおそらく、絶望がどんなものか知っていたからだろう。(P.81)
    ○完全に間違っているアドバイスは、必要以上に「ビック」な人物を雇えというものだ。(P.114)
    ○ベン、きみとマイクが探そうとしている特効薬は悪くないが、
     われわれのウェブサーバーは5倍遅いんだ。 それを直せる特効薬は存在しない。
     だから、われわれは何にでも効く魔法の銀の弾丸ではなく、
     鉛の弾丸を大量に使うしかない。(P.130)
    ○良い組織では、人々が自分の仕事に集中し、
     その仕事をやり遂げれば会社にも自分自身にも良いことが起こると確信している。
     こういう組織で働けることは真の喜びだ。(P.148-149)
    ○大きな会社と小さな会社でもっとも大きく違うのは、
     経営している時間と、創造している時間の長さだ。(P.176)
    ○純粋に数字だけによるマネジメントは、数字通りに色を塗るぬり絵キットのようなもので、
     あれはアマチュア専用だ。(P.189)
    ○HPでは、会社が現在と将来の両方で高い売上を求めていた。
     完全に数字だけに集中している今のHPは、将来を犠牲にして成り立っている。(P.189)
    ●この職場で働く上で一番不愉快な点は?
     この会社で一番頑張って貢献しているのは誰だと思う?
     われわれがチャンスを逃しているとしたら、それはどんな点だろう?
     この会社で働くのは楽しい?(P.248)
    ○勇気と決意に投資するのは私にとって簡単な決断だった(P.277)
    ●心を静めるテクニック(P.286)
     友達をつくる。
     問題点を書き出す。
     側壁ではなくコースに意識を集中する。
    ○凡庸な製品と魔術的に素晴らしい製品との差は、往々にして、
     社員にあまり厳しく責任を求める会社運営と、
     社員が創創造性を発揮するためなら必要なリスクを取ることを許す経営との差にある。
     社員の約束に責任を持たせることは重要だが、重要なことはほかにもたくさんある。(P.345)

  • 著書のベン・ホロウィッツ氏が自身が起業した時の体験談をベースに書いた本。
    成功した会社を後になって分析した本が多いが
    本書は、自身がCEOとしての困難への対処法と指南に溢れているので
    他の似たような本よりもリアリティが高く、参考になる部分は多い。
    また、本書の中でも言及されているが、激務しながら沢山の困難にぶち当たる経験をしていないと、深みが出ない。自身にも還元したい。


  • 敏腕経営者のベン・ホロヴィッツが、自身の体験をふんだんに盛り込んで書かれたCEOと組織の在り方の本
    CEOの辛さや波乱万丈さが、体験談付きで描かれているので、大変リアリティがあった。

    (以下 ポイント抜粋)
    <CEOの3つの資質>
    リーダーシップ
    ビジョン
    遂行能力

    - 戦時と平時のCEO
    - 褒め方は人それぞれ(サンドイッチ法などの小手先は逆効果も)
    - 0->1のCEOと、1->10のCEOがいる。
    - CEOが晒される不安は、並大抵ではない
    - (不十分な情報で、決断する必要あり。)
    - ピンチでも、最善を尽くす
    - 意外なところに落とし穴が、逆に意外な助け船もある。

  • 難しい内容だが、それを実践しているからこその作者なのだと分かる本。

    成功するCEOのスキルは、良い手がないときに集中して最善の手を打つ能力。常に死を意識し、毎日が最後であるかのように生きれば、自分のあらゆる行動を正しく実行できる。
    97pからの「苦闘とは」が秀逸
    苦闘は偉大さが生まれる場所である。

    人、製品、利益をこの順番で大切にする。
    働きやすい場所→仕事に集中して、やり遂げれば会社にも自分にも良いことが起きると確信できている。自分のする事は効率的で効果的で、組織にも個人にも変化をもたらすと分かっている。意欲が高く、満足度も高い。

    教育の第1段階は、新入社員に何を期待しているかを教える〜会社の歴史的なアーキテクチャの意味合いを叩き込むまである。これを採用の条件にする。
    マネジメント教育。ベテラン社員には教える側になってもらう。

    個人面談の質問例
    ・我々のやり方を改善するとしたらどんな点をすれば良いと思う?
    ・我々の組織で最大の問題は何だと思う?またその理由は?
    ・この会社で働く上で1番不愉快な点は?
    ・この会社で1番頑張って貢献しているのは誰だと思う?誰が1番尊敬する?
    ・君が私だとしたらどんな改革をしたい?
    ・我々の製品が1番気に入らない店は?
    ・我々がチャンスを逃しているとしたらそれはどんな点だろう?
    ・我々が本来やっていなければならないのにやっていないのはどんなことだろう?
    ・この会社で働くのは楽しい?
    ★上司は聞き役。社員に90%話させるつもりで
    ★恐怖と勇気は紙一重。英雄は自身をしっかり制御し、恐怖を跳ね除けてしなければならぬ事をする。英雄も臆病者も、感じる恐怖は同じ。臆病者は直面すべき事に直面しようとしない。

    ★上に立つ者として
    ・原因を持って
    ・正しい時からフィードバックを与えよ
    ・ぽち個人攻撃をするな
    ・部下を同僚の前で笑いものにしてはならない
    ・フィードバックがワンパターンではいけない
    ・単刀直入であれ
    ・悪いニュースであっても部下が自由に話せる空気を持て

  • ・幹部社員をみんなの総意で決めようとすると、議論はほぼ間違いなく、長所ではなく短所のなさへとぶれていく。孤独な作業ではあるが、誰かがやらなくてはならない
    ・定量的な目標についてばかり報告して、定性的な目標を無視していれば、定性的な目標は達成できない
    ・組織改革はひとたび決断したら、即刻実行されねばならない。時間が経てば必ず情報が漏れ、政治的な運動を引き起こすからだ
    ・慎重にデザインされ、厳密に運営される肩書と昇進のシステムがなければ、必ず社員の間の不公平感が蔓延する。職組織と昇進手続きがきちんと整備されていれば、多くの社員が無用な不満を抱かずに済む
    ・企業文化は初めから意図してシステムの中につくり込めるものではない。創業者や初期の社員たちの行動の積み重ねがやがて企業文化と呼ばれるようになっていくのだ
    ・平時のCEOは「市場で1位ないし2位が獲得できないならその市場からは撤退する」というようなルールを設けることができる。戦時のCEOにはそもそも市場で1位や2位になっているような事業がないので、そんな贅沢なルールに従う余裕はない
    ・フィードバックを与えるのは相手の成功を助けるためである。相手の成功を願っているなら、それを相手に感じさせよ。感情を伝える努力をせよ。相手があなたは味方だと感じられれば、あなたの言葉に真剣に耳を傾ける
    ・ビジネスでは「何もかも順調」と思った瞬間、天地が崩れるようなことが起こることがある。そんなときは「理不尽だ」と言っても始まらない。とにかく全力で対処し、しばらくはこっけいに見えても、気にしないことだ

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