- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822250850
感想・レビュー・書評
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シリコンバレーのベンチャーキャピタリストが書いた、CEOやマネージャー、部長職がどう困難に立ち向かうべきか、その参考になる一冊です。
著者のベン・ホロウィッツは現在はベンチャーキャピタリストですが、以前は上場会社のCEOとして厳しい環境の中でビジネスの舵を握った、事業側も経験している方。
ベン・ホロウィッツに降りかかったタイトルにある「HARD THINGS(困難)」がこの1冊にてんこ盛りに収録されいて、そのときどう立ち向かったが書かれています。
表紙にあるコピー「答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか」とありますが、この本には答えはないです、基本的に。
しかし、先人がどう立ち向かったかを知ることでとても参考になり、自分の頭で考えて行動するきっかけになると考えています。 -
僕は起業家でもなんでもないヒラ社員であるが、それでも自分の会社経験と想像力をフルに働かせて読み続け、共感に次ぐ共感から冷や汗握り締めながらエキサイティングに読破。
おそらく生ぬるい嘘なんてない、筆者の経験から学んだ経営の本質が明解な理由と共に綴られている。
会社が存続する以上、CEOは感情を捨て吐き気や悪寒と共にドライに判断や意思決定をし、問題解決のため的確に行動し続けるという連続が永遠に続く中で、逆に大切なものとは結局、感情をもつ人間なのだという感も感じた。
文章には急に音楽カルチャーなどのキーワードもでてきて、CEOや起業家たる人も我々と同じレイヤーの世界にいる人間なんだと妙に安心もするし、なかなかどおして読みやすい文体で面白かった。 -
ネットベンチャーのCEOの楽しさと苦しみを書いた本。CEO以外にも管理職として生かせる部分が多く、自分の行動の指針になり得る情報も多い。
個人的にも、組織のトップを経験したことがあるので共感するところも多かった。
また、自分がいざ起業しようかという段になった時、この苦悩を味わってまで起業したいものが自分の中にあるのか?と問いかけることにしようと思った。 -
ネットスケープの創業者マーク・アンドリーセンとの出会いから、ラウドクラウドの創業、オプスウェアの経営を経て、アンドリーセン&ホロウィッツというベンチャーキャピタルを立ち上げた著者の、苦難に満ちた企業経営史とそこから得た教訓から成り立っている。私は欧米の経営者に対して「人を簡単に解雇する」「合理的で感情に左右されずに経営判断をする」と思い込んでいたので、いい意味で裏切られた。これは、かつて日本的経営と言われていたものではないのかと思える部分も多かった。
それから、「友達の会社から採用してもよいか」という部分では、以前DeNAの南場さんが書いていたエピソードを思い出した。確か、出資してくれた企業から応援に来てくれていた社員を、その人のたっての希望でDeNAで雇い入れてしまったといった失敗談のことだ。そのように、起業し会社を大きくするうえで起こりがちなことが網羅されているようなので、ベンチャー起業家には、きっと役立つ内容だと思う。 -
著者がシリコンバレーのスタートアップでCEOとして困難にどう立ち向かったか。その戦いの記録のような本。通常の「こうやって成功しました」というビジネス書とは違う。会社を経営するならぜひ再読したい。「人生は苦闘」という言葉が印象に残った。
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1読む目的
2この本への問い
3サマリ
4感想
1視座を高めること
2スタートアップのCEOはどんなことを考えるのか
3※全部は読んでおらずかいつまんでいる
①何かを生み出す人に必要な力は2つ。一つは現状を正しく把握する力。すぐ止む雨か嵐になるか。もう一つは、嵐が起きたときに次々と手を打つ力
②スタートアップのCEOは確率を考えてはいけない。決めるのは自分である。
③成功するCEOは、良い手がない時に集中して最善の手を打ち続けられること。
④戦うべき時に逃げていると感じたら、こう自分に問いかけるべきだ。「我々の会社が勝つ実力がないのなら、そもそもこの会社が存在する必要などあるのだろうか?」
⑤何を壊してもいいから全速力で動け、リスクなしに大きなイノベーションは生まれない。
⑥企業が大きくなるとコミュニケーションの問題が発生する。優先しなかったコミュニケーション経路を認識し、その損失を最小化することが必要
⑦側壁ではなくコースに集中する。
⑧勇気は他の様々な性格と同様、努力によって発達させられる。
⑨困難だが正しい決断をするたびに、人は少しずつ勇気を得る。逆に安易な間違った決断をする度に、人は少しずつ臆病になっていく。それがCEOの決断なら、企業を勇気のあるものにも臆病にも変化させる。
4まず、スタートアップは山あり谷ありで大変だけど魅力的という印象だったが、本当に絶望的であることを認識できた。いくつかあるスタートアップを啓蒙する書籍は、何はともあれサクセスストーリーだが、本書はそうではない。困難から得た教訓、苦しいものを教えてくれる。
この本を読んで、逃げないこと・打ち手を次々と打ち続けることを仕事のこだわりにしようと決意した。
それらは自分が身につけることが困難だと思っていたが、努力によって、鍛錬によって得られる力なのでできないのは怠慢だと気付いた。常に最善を尽くしたい。それが相手への敬意であり、自己成長の唯一の手段だから、 -
この本は非常に面白く、そして参考になりました。 IT業界でいくつも大きな企業を立ちあげ、様々な苦労をしたその時時の状況をつぶさに書き上げ、更にどうそれを解決したのか? 非常にわかりやすく説明されています。今は著者はベンチャーキャピタリストとしても大成功しているわけですが、自らが様々な苦労を経験しているからこそ理解できる点もたくさんあるのでしょう。 この本は良い本ですよ。。是非読んでみてください。
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会社に置いてあったので何となく読んだ一冊。
結論として今まさに読むべき一冊だった、自分がCEOになる時には改めてもう一度読みたい一冊。
本書の序文やあとがきでも触れられているが、本書は経営書によくある「ヤバかったけど私はこうして成功した」という方向ではなく「常にヤバくて、失敗しまくったし、生き残るのに必死だった」という方向から経営を語った稀有な一冊である。
実際にスタートアップの事業に触れていると大体の場合でヤバい状況であり、ぶっちゃけどうすれば良いか分からないという事が殆どだと想います。たまに良い事が起きてもせいぜい3日しか持たず、あとはヒーヒー言いながらギリギリで意思決定して実行して検証して「うわぁやっちまった!」となっている事が殆どだと思います。
著者のベン・ホロウィッツは赤裸々にそれらを語り、心の底からアンチパターンを捻り出して紹介しているのが分かります。そしてCこの本から得られる重要なポイントは、CEOはこういう場面でどのような感情になっていて、部下や会社に対してどのような想いを持つのかを、CEOでは無い人が知れる事はスタートアップの成否を分ける上で大きな意味があると感じます。
そしてポール・グレアムも良く言っている「反直観的」という言葉。この意味が生々しいアンチパターンを通して知れるのがこの本を重要な存在にしています。