ウォール街のアルゴリズム戦争

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感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822251079

作品紹介・あらすじ

著者スコット・パタースンの日本語版への序文から(抜粋)

二〇一二年に本書が米国とヨーロッパで出版されたとき、この話を信じる者は少なかった。何百年もの間、営業を続けてきた権威あるニューヨーク証券取引所のような公開市場に対して、ちっぽけな企業が影響力を行使できるものだろうか? 批評家たちは、混雑する立会場上で大振りな手信号で合図する慌ただしいトレーダーがいた古い取引所が既に存在しないことに気づいていなかった。新しい市場は、ニューヨークの忙しい大通りから遠く離れたニュージャージー州郊外にある巨大なサーバー・ファームからなっていた。

 別の展開が懐疑的な人々を沈黙させた。二〇一二年と二〇一三年に米国の取引所と高速取引会社に起きた一連の不具合は、新しい市場が以前にも増して危険であることを証明した。その頃から、米国の規制当局が厳しい取り締まりを始めた。二〇一五年、米国証券取引委員会は、選ばれた優待客(別名:高速トレーダー)に複数の取引所の仕組みを漏洩した罪で本書で取り上げた取引所のダイレクト・エッジに罰金を科した。一四〇〇万ドルという金額は取引所への罰金としては当時の史上最高額だった。

 コンピュータが主導する市場は、こうした理由から全く新たなレベルの開示基準を求められる。規制当局は、素早く追いつかなければならず、取引所と高速トレーダーの仕組みを理解しなくてはならない。さもないと、このゲームは続き、定年後のために働く一般投資家が損をすることになる。
 一つ明らかなのは世界が前進するということであり、取引所は電子化され、コンピュータ主導になるということだ。ロマンチックなイメージではあっても立会場で手を振るトレーダーの日々に回帰することはない。この変化には優れた面もある。以前より安く取引ができ、全般的により効率的だ。
 だが、恐ろしく賢いプログラマーによって設計された非常に複雑なコンピュータ・アルゴリズムに制御され、取引所は遥かに不透明でもある。

感想・レビュー・書評

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  • ウォール街でアルゴリズムを操る人間なんてみんな博士号を持った数学者やロケット工学者みたいなイメージだったけれど、ここで登場する面々は高校中退の天才だったり、ウォール街じゃなくて実はシカゴからやってますみたいのだったり、無粋で押しの強いぺてんまがいの連中だったりと、個性の強い面々。1/1000秒でマーケットを撹乱する注文を出したり、システムの裏を書いたりと、まあ戦国時代です。大変革をもたらした天才ハッカーのレイバンとビックデータを駆使するグリーンバーグには夢と好感を感じました。とても面白かった。

  • 株式市場のオンライン化、高速取引、高頻度取引、AIトレーディングと、株式市場の革命の歴史。
    今年1月に読んだ『アルゴリズム取引の正体』は技術的側面から書かれた本だったが、こちらは歴史と人物とビジネスに比重が置かれている。
    ページ数の多い本だけど、面白すぎる。

  • ☆いわゆる、コンピュータによる高速取引の話。

  • まあ普通かな

  • 東2法経図・6F指定 338.15A/P27w/Yoshida

  • 7p
    東京証券取引所でのコンピュータ主導の取引は2010年は10パーセントだったのが、2015年には75パーセントになっている。

    高頻度取引の話。
    498pの解説にもあるが、フラッシュボーイズの本のエピソード1みたいな話らしい。フラッシュボーイズは高頻度取引が最強って話で、これはそれが生まれた背景を掘り下げてる。

    小説っぽい書き方だった。ほとんど読み飛ばした。
    個人的にはもっと具体的なアルゴリズムの話が読みたいので。

  • 「フラッシュボーイズ」とは何だったのか…

  • アメリカ証券市場のIT化の裏で起きていたアルゴリズム戦争、と言っても「電子せどり」的なかすめ取り系の取引だった訳ですが、そんな取引形態が誕生し、市場を席巻し、証券取引所のありようまで変えていってしまう、その経緯や背景を描いた本。
    金儲けをたくらむ悪い金融屋さんが仕掛けたのかと思いきや、従来のトレーダーがズルして儲けていることに憤りを感じたプログラマーがIT化を仕掛け、取引手数料を安くして、流動性を高めて…という中でこんな流れになってしまった、というのが何とも皮肉です。
    「電子せどり」的な取引は、いいとこ数分でポジションを手放して、その日毎に手仕舞いをするのですが、本の終盤にはそこから一歩進んでファンダメンタルズを踏まえたアルゴリズム取引の姿が示されたり、市場の是正に向けた動きがあったり、というのが希望として示されています。

    「フラッシュ・ボーイズ」を読んだ後だったので、まだしもとっつき易く感じたのですが、素で読むにはちょっと辛いかも。少し難しく、読みやすくもなく、また誤植が結構あって、特に第4部はそれが目に付きました。残念。

    末尾に解説を書かれている東証の方が「うちはアメリカとは違うんです!」とおっしゃっておられました。

  • 20年に渡って繰り広げられてきたアメリカ証券市場の舞台裏で起こっていたことが描かれている。
    ジョシュ・レヴィンというプログラマの存在を初めて知ったが、彼が業界を去ってから語った「無用な問題に取り組んでいる賢い人々を全員配置転換したらたぶん一年でがんの治療法を探せるに違いない」という言葉が印象的だ。
    今も動き続けているというレヴィンが創った「アイランド」はHFTに台頭される負の面を生んでしまったが、市場構造を良い方向にも変えてきたことは間違いない。
    今後は本来あるべき姿に向け改善が進むことを期待する。

  • 株がいかにアルゴリズムで支配されてるか分かった。人工知能の時代が確実にきてる。アルゴの発達で、スキャルピングが超高速で行われてる。つまり、デイトレは参加が難しいかも。
    市場がアルゴリズムに支配されている。

    しかし、米国と日本では市場構造が違うらしい。

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