物語戦略

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822251437

作品紹介・あらすじ

逆転・進出・生き残り――。
物語を武器にする会社の戦い方とは?

顧客の選択に決定的なインパクトをもたらす
「シンボリック・ストーリー」を核にして、
マネのできないビジネスモデルを創り出す。
その事例とフレームワークを解説。

■「監修者序文」より
本書は、一般的な競争戦略の本では真正面から取り上げられることのない、
「おもしろさ」に着目します。
本書で取り上げる「おもしろさ」は企業の「物語」のおもしろさです。

物語は、競争戦略やビジネスモデルと結びついて、
顧客や従業員をはじめとするステークホルダーを強く引き付ける力なります。
それは多くの人に愛される、アイドルやアーティストの逸話のようなものです。
いつしか伝説となり、共感の源として、ファンの心に刻まれます。

本書ではこのような「企業が持つ強みを象徴する物語」を「シンボリック・ストーリー」と呼びます。
多くのステークホルダーの間で共有され、語り継がれることで、
ビジネスモデル自体の独自性を強くしてくれるものです。

その方法論を提示することが本書の目的です。
いろいろな会社の成功事例を紹介しながら、
シンボリック・ストーリーの効果を明らかにしたうえで、
物語を戦略的に活かすためのポイントを解説します。

感想・レビュー・書評

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  • ビジネススクールの教授である著者が物語を戦略として活用し成功している企業を紹介して、その成功の要員や活用法を書いた一冊。

    ルイヴィトンやアップルなどの誰もが話したくなる伝説のような逸話から確固たるブランドを構築した企業の事例とその成功要因を本書を読んで深く知ることができ勉強になりました。
    タニタや近畿大学といった現代の企業の具体的な戦略とそのタイプ別の解説も図解とともにされていて理解が深まりました。
    顧客価値、競争優位性、儲けの仕組みとシンボリックストーリーが親和性を持つことで唯一無二の戦略となり、業績が飛躍する構図であると感じました。
    また、人的、物的、組織というどこにでもあるものを視点を変えてみることでシンボリックストーリーとなり、それが戦略になっていく可能性があることも感じました。
    認知的不協和の解消やハロー効果など経済心理学の観点から戦略が解説されていることも面白いと感じました。

    本書で紹介されている物語戦略は差別化の難しい時代に有効な一手になると感じ、これからの経営において大事なことでもあると感じた一冊でした。

  • 面白い小ネタはあったが、基本的には、本読んだ結果をまとめただけ。とくに根幹に新しいことはない

  • 面白かった #高崎圭悟

  • 企業戦略を考える上で、正しいけれどおもしろくないビジネスモデルではなく、他社とは絶対的に違う物語=シンボリック・ストーリーを持つことの重要性を、簡潔にわかりやすくまとめた内容。
    紹介されている各社の物語にはうなずかされるばかりですが、その土台としてジョセフ・キャンベルの『神話の力』を引いているのが気になりました。

  • 本書で主張している「シンボリック・ストーリー」は実に説得力ある話でした。
    様々な企業事例も織り込まれており、かなり勉強になりました。
    少し驚いたのは、2時間程度で読了してしまったことです。
    もちろん著者の工夫が全てかと思いますが、もう少し深い部分で理解したかったという面も感じた次第です。

  • 企業が競争優位性を継続的に維持するための戦略論。
    経営資源としての、シンボリックストーリー。象徴的な物語。強みを象徴?戦略と合致?話したくなる?
    どう伝えるかではなくて、伝わるか?が大事。
    経済価値、希少性、模倣困難性、組織的活用。
    Why how what
    人的資源 認知不協和の解消。物的資源 ハロー効果。組織資源 ミッション効果。
    ルール化、ロールモデル、裁量権。

  • 物語の力とは「見慣れたものが他とは違う価値をもつ」ように思わせる、ものの見え方を変えるということにある。

    シンボリック・ストーリーとは、
    ・企業の強みを象徴している
    ・企業の戦略方針に合致している
    ・思わず人に話したくなる
    物語のことで、ビジネスモデルの要素である、「独自の価値」「競合優位性」「利益モデル」の独自性を高めるための物語。

    強みをつくってから伝えるのではなく、伝わる強みに起点をおくというマインドが重要。そのために必要な問いとして「戦略でもっとも重要な強みは何か?」「それを象徴するものは何か?」「それは伝わるのか?」に答える

    なぜシンボリックストーリーが必要か、というと競合優位性や価値は競合他社でも追いつける可能性が高いから。しかし、ストーリーは唯一無二なので、それが広まることで、「他社とは違う」というポジショニングを取ることができる。つまり、顧客の頭の中の認知を変えるためにある。

    【どのように物語をみつけるのか?】
    ・自社の培ってきた歴史から抽出
    ・会社のプロセスや機能から抽出
    ・社外の関係者から客観的に聞く

    【物語の検証】
    ○VRIO分析を活用(Value,Rarity,Inimitability,Organization)
    ・「どれだけの価値があるのか?」
    ・「その物語はどれだけ手に入りにくいのか?」
    ・「模倣するのにコストが十分にかかるか?」
    ・「それを活かす組織作りができているか?」

    ○ビジネスモデル要素との整合性
    ・「○○(物語)に象徴されるとおり、○○(戦略要素)である」
    UVP、圧倒的な強み、利益モデルが入る

    【物語の基盤】
    ○ヒーローズジャーニー
    日常(日常のどこかに不満を感じている
    →分離(ある出来事によって日常から引き離される
    →敗北(欠点によって一度敗北する
    →試練(欠点を乗り越えて成長して敵に挑む
    →勝利(試練をこえて勝利する
    →帰還(成長を遂げて日常にもどっていく

    【物語が機能する仕組みづくり】
    ・文化をルールに落とし込むのも手。例えば、上司は部下の挑戦を妨げない、など
    ・社員表彰制度は、社内に物語の体現者としてイメージしやすくなるために現場から日々の活動に落とし込みやすく成る

  • 書き出しが「君の言ってることは正しいけれど、面白くない」から始まる本。ワクワクしたものの中身はさほどでもなかった。残念。図書館で借りた。

    以下メモ
    ●タイタニック沈没でルイヴィトンのトランクは沈まず水が入らなかった。
    ●近畿大学の強みを象徴するのは養殖マグロ。マグロを通して、実学教育の様々な側面が紹介。養殖研究に注目した「先見性」「世界的な研究力」。店舗を学生が運営するような「実践的な教育方法」。
    ●戦略に合致するかの軸で「シンボリックストーリー」「トリビア」。人に話したくなるかの軸で「シンボリックストーリー」「自慢話」。どちらもない場合は「むだ話」。自慢話は、送り手の熱が入るものの、受け手にとっては迷惑な話。
    ●企業の経営資源を4つのフィルターでVRIO分析①VALUE経済価値②RARITY希少性③INIMITABILITY模倣困難性④ORGANIZATION組織的活用
    ●①VALUEどれだけの価値があるのか②RARITYその物語はどれだけ手に入りにくいのか③INIMITABILITY模倣するのにかかる時間や費用は膨大か④ORGANIZATIONそれを活かす組織作りが出来ているか。①のみ「競争均衡」①②「一時的競争優位」①②③持続的競争優位①〜④永続的競争優位
    ●ヒーローズジャーニー。日常→分離→敗北→試練→勝利→帰還
    ●偉大な創業者がいまして、ではなく、創業者がなぜそれをしたのか、想い、信念、大義などが重要。まず、なんのために、の大義を打ち出すことが、共感を生み出し行動させる。キング牧師「Ihaveadream」アップル「Thinkdifferent」。whatとhowにwhyをどう加えるか。
    ●whyなぜこの事業をしているのか。想い信念大義。howそのために行っている独自の方法。what結果として生まれる製品やサービス。
    ●シンボリックストーリーは①人的資源を活用し認知不協和の解消。②物的資源でハロー効果。③組織資源でミッション効果。
    ●スーパーホテルは個人事業主と雇用委託契約を結ぶ。ホテル内に住居スペース付きで住み込みで夫婦で働き、開業資金を貯めてもらう。初年度950万。

  • シンボリックストーリー
    ルイビトンの沈まないトランク
    ボルボのシートベルトの特許を放棄した話
    ノードストロームの売っていないタイヤを返品したサービスが伝説になる時

  • 物語は企業、事業を強くする
    ヴィトン ノードストローム パタゴニア アップル ボルボ
    ストーリーは企業の見え方を変えることができる。企業の目指す方向性とあっていればテコとして活用できる
    シンボリックストーリーにより企業の独自性を高めることができる。ビジネスモデルが同質化しやすい中、有効。
    戦略があってどう伝えるかではなく、ストーリという資源があって、どう活かして進めていくかという発想
    受けて話して両方にとってウインウインであること

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著者プロフィール

株式会社顧客時間共同CEO代表取締役。1993年博報堂DYグループに入社。2012年コーポレート・コミュニケーション・センターのセンター長。Chief Project Managerとして、製造業・流通サービス業界を中心とした部署横断型の事業変革プロジェクト、企業ブランド構築プロジェクトの設計・推進を数多く手がける。2018年9月株式会社顧客時間を設立。共同CEO代表取締役に就任。Head of Managementとして、顧客時間に参画する多様なスペシャリストと共に、数多くの業界・企業におけるDXプロジェクト・事業開発プロジェクトのサポートを行っている。早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了(MBA)。日本マーケティング学会理事。著書に『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(共著、日経BP)、『オムニチャネルと顧客戦略の現在』(共著、千倉書房)、『物語戦略』(共著、日経BP)、『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』(共著、日本経済新聞出版)がある。

「2022年 『マーケティングの新しい基本 顧客とつながる時代の4P×エンゲージメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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