HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント

制作 : ベン・ホロウィッツ 
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255015

作品紹介・あらすじ

シリコンバレーのトップ経営者、マネジャーに読み継がれる不朽の名著、待望の復刊!!

インテル元CEOのアンディ・グローブが、後進の起業家、経営者、マネジャーに向けて、一字一句書き下した傑作。『HARD THINGS』著者のベン・ホロウィッツ、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグなど、シリコンバレーの経営者や幹部たちに読み継がれ、大きな影響を与えてきた。

アウトプットを最大化するための仕事の基本原理とは、マネジャーが最も注力すべき仕事はなにか、タイムマネジメントの方法、意思決定のときにしてはいけないこととは、ミーティングはどう進めるべきか、1対1の面談(ワン・オン・ワン)ではなにを話すのか、人事評価はどう判断すべきか――。マネジャーなら誰もが悩むことに答えてくれる、実践的で役に立つアンディ・グローブのアドバイスが満載の経営書である。

<シリコンバレーの起業家など著名人が絶賛!>
「世界最高の経営書だ」――ベン・ホロウィッツ(『HARD THINGS』著者)
「僕の経営スタイルの形成に、本書は大きな役割を果たした」――マーク・ザッカーバーグ(フェイスブックCEO)
「シリコンバレーのトップ企業は何ができるか、アンディは最高のモデルを築きあげた」――マーク・アンドリーセン(ブラウザ発明者、アンドリーセン・ホロウィッツ共同創業者)
「非常に大切なことをすばらしく教えてくれる重要な本」――ピーター・ドラッカー

<アンディ・グローブの教え>
・マネジャーは自分の部門のアウトプットを最高に上げる活動に、エネルギーと注意を注がなければならない。
・マネジャーの最も重要な責任は、部下から最高の業績を引き出すことである。
・マネジャーにできるのは、もともと動機づけのある人が活躍できる環境をつくるだけ。
・ミーティングを招集する前にマネジャーは、自分が達成しようとしているのは何なのか、と自問しなければならない。
・何かに「イエス」ということは、他のことに「ノー」と暗黙にいうことだ。「ノー」と頭を振る気迫、正直さ、規律を身につけなければならない。
・レポート作成は重要だが、読むことは重要でないことが多い。“自己規律訓練”の“手段”なのである。

感想・レビュー・書評

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  • 1983年に書かれたと言う点には驚き。色褪せていない本だと思う。ただ、自分の読解力が欠如しているのか、はたまた翻訳が下手なのか内容が頭にスッと入らない。
    「伝説の名著」とあるが正直つまらない。
    YouTubeの「ポケカルビジネスTV」の方がよっぽどためになる。自分がヒラサラリーマンだからかヒットしないのだろうか(泣)?
    幾人かの部下はいるけどね。

  • マネジメントの最高良書。ドラッカーのプロフェッショナルの条件とならぶ自分ランキング1位。原著が1984年に書かれたとは思えないくらい現代でも充分通用する。ミーティングやワンオンワン面談の重要性、面談のコツなど、マネージャーの要諦がインテルの事例を紹介しつつ、シンプルかつ、強力なメッセージとして伝わってくる。著者の頭が高度にロジカルで整理されていることが感じさせられる。アウトプットに最重視、という点ではドラッカーとにていると思ったら、彼も「非常に大切なことをすばらしく教えてくれる重要な本」と評したとのこと(AMAZONより) 納得。

  • よく研修の読むべき本に使われている(ことを知った)ため、
    (ちょっと難しいかなと思いつつ)勇気を出して読んでみました。

    インテルの伝説の経営者と言われたアンドリュー・S・グローブがマネージャー(管理職)のために書いた本。
    ですので、読者の対象者はマネージャーなのですが、
    部長職くらいでも十分に学ぶべき点はあると思います。
    (むしろ部長職くらいの方が、ご自身のこれまでのマネジメントを振り返ることができ、
    より理解が深まるような気がします。)

    少し(というより、だいぶ)古い本で、例えも製造業を元にしているので、
    やや現在のビジネスや現在のマネジメントにはややそぐわないと感じることもあるかもしれませんが、
    じっくり考えてみるといつの時代も変わらない原理・原則があるのもまた事実。
    そういった原理・原則がたくさん詰まった本です。
    そして、そんな原理・原則が何十年も前から明らかになっている事実が、
    この本の凄さを物語っています。

    帯にある「伝説の名著」通りの内容です。

  • インテルの創業者で元CEOのアンディ・グローブがマネジメントについて語った本。非常に実務的なことがことが書かれていて驚いた。中小企業診断士の運営管理や企業経営の科目で学んだ理論の一部が、実際にアンディ・グローブがインテルで実践してきたこととして書かれているように感じた。組織と人に関して、自身の経験した事例を踏まえて、管理職・経営者が実際に持つべき心得が書かれている。

    アンディは、まず朝食工場という朝食を作る仮想の工場を例に挙げて、そこで行われるべき判断や行動について解説する。もちろん、著者が関わってきた半導体工場とは具体的な要素は異なるが、形を変えて同じような判断が行われてきたということだ。仮想の事例を通して具体的で非常に腑に落ちることが書かれている。

    何よりまず、マネジャーのアウトプットは、「自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット」である、ということを明確化する。つまり、「いかに頭がよいか、いかにそのビジネスを熟知しているとは関係がない。マネジャーはチームのパフォーマンスとアウトプットのみによって評価される」というところが重要なのである。これがマネジャーと個々の社員との大きな違いであり、「マネジャーの能力や知識は、部下や関係者の能力を結集できる場合にのみ価値がある」ということなのである。

    そのためには人に仕事をしてもらう必要がある。「人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。単にそれができないのか、やろうとしていないのかのいずれかである。つまり、能力がないか、意欲がないかのいずれかである」ー したがって、「マネジャーのやるべきことは部下の教育とモチベーションの向上だ。他にマネジャーがなすべきことはない」という。この言葉は、ホロビッツが書いた序文でも言及されている。
    そのための実際的な方法として、上司と部下の間で一対一の話し合いの場を持つことを重要視している。それがマネジャーの究極的な役割である部下の教育とモチベーションの向上に直接つながるからである。一対一の話し合いの場を持つことは、インテル社の経営哲学上の根本綱領のひとつになっているという。

    「人を駆り立ててベストを尽くさせる内面的な力は2つある。”能力”に突き動かされるか、”達成意欲”に駆られるかである」
    そのための手段として目標管理システム(MBO: Management By Objectives)によって、目標を高いところに置くことでその能力を伸ばすのである。

    そして、その人を効果的に動かすには組織が重要である。企業の組織は、機能別と事業別のハイブリッド型の間で揺れて、どの形がベストであるということはいえないが、一般的に、大きな組織ではハイブリッド型になると示唆する。共通の事業目的を持つすべての大組織は、最後にはハイブリッド組織形態に落ち着くことになる - これはグローブの法則と呼ばれるらしい。 また、マネジメントの型としてはグループメンバーの熟練度によってマネージャが採るべき方針が異なるなど、いった組織論の実際が語られる。

    マネジャーの仕事についての分析も実際的な視点で描かれている。アンディによると、マネジャーの大きな活動は、「情報収集」「情報提供」「意思決定」「ナッジング」だという。実際にアンディ・グローブの一日の大部分は情報収集に使われるという。さらにそれは同時に相手に対して情報を提供するということでもある。もちろん、それに加えて意思決定とそれを組織に落としていくことはマネジャー本来の役割でもある。そこで絶対的に有限かつ自らコントロール可能な時間の管理の重要性が説かれる。
    また、アンディによると好業績を上げる特定のリーダーシップの型というものはないという。これは最近のGoogleの研究プロジェクトアリストテレスの結論にも近いのかもしれない。また、ピーターの法則が発生することは仕方がない。上げてみて、ダメならリサイクルしかないという。
    その上で、さらにCEOはオプティミストでなくてはならないという。トータルで考えればその方がいいのだという。もちろん、勝ち続けるためにはパラノイアでもある必要があるのだが。

    さらに、社員の考課についても非常に細かいことまで記載されている。採用や、退職の引き留め、教育などについても具体的だ。人事が会社が成果を出すためにそれだけ重要なタスクだということなのだと思う。人は表に出た結果に対して色々と評価をするが、それを生み出す人や組織についてこそまずは手をつけなくてはならないということなのかもしれない。この辺りの内容ひとつをとっても、いわゆる概念論だけのコンサルが書いたような経営書と一線を画するところである。

    なお本書では、ピーター・ドラッカーがたびたび言及される。日本では特に有名なドラッカーだが、米国の経営書で言及されるのは珍しい。ドラッカーによると、時間の25%以上を会議で過ごすようなら、それは組織不全の兆候だと言っているらしい。アンディはさらに、意思決定のためのミーティングは7人以上になってはいけない。「8人が絶対に打ち切るべき上限である」と言い切る。意思決定におけるグループシンクについても言及がある。多人数での意思決定会議の問題をよくよく知っているのである。また、打ち合わせへの遅刻についても他人の時間を奪う行為であるとして戒めている。この辺りは自らの行動を振り返り反省すること大である。またドラッカーが提唱したとも言われる目標管理システム(MBO)についても先に述べたようにポジティブである。
    ・わたしはどこへ行きたいのか
    ・そこへ到達するためのペースをどう決めるか(マイルストーンとキーリザルト)
    を意識することがMBOに関しては重要なのである。MBOは評価のためのシステムでは本来ない、という指摘はその通りであると思う。変わる環境に応じて変化をさせていってもよいし、変化をさせるべきなのである。この点については肝に銘じておきたいと考えている。

    本書の序文にて、マネジャーとして、本当の価値を付加しているか、情報収集を怠らないでいるか、新しいことを常に試みているか、ということを責任として問い続けなくてはならないという。いずれにせよ個人の優位性を保つために、常に自らを磨いておかないといけないのである。果たして自分はできているのか、常に自問をし続けなくてはならないことである。
    1983年初版刊行の本だが、古びていない、中身が濃い本。レビューも長くなったが、まだ書き足りないような気がする。自信を持ってのお奨め。

  • 10章以降のヒトのマネジメントに関する内容が明瞭で素晴らしい。ここだけで何回も読む価値あり。著者のアナロジーの力が大変高いので、記憶にも残ります。

  • インテル元(本書発刊時は「現」)CEOアンドルー・グローブ氏による経営指南書。会社のボリュームゾーンであるミドル・マネージャー層を意識して書かれているのが特徴だ。こういう経営の良書が30年遅れでしか読めないのは経済的損失である。インターネット前夜に日米間で大きく水をあけられた一因であるかもしれない。

    ベストセラー『ザ・ゴール』の原案ともいえる「朝食工場」はマネージャーとして何を重視しテコをどう効かせるかのエッセンスが詰まっている。中盤以降はマネジメント手法の詳述なためやや退屈感はあるものの、マネジメントの仕事はテコであり教育と考課で、ワン・オン・ワンなどの必要性の説明はなるほどと思わされる。

    本書内で特に印象的だったのは「時間」は例外なく24時間の有限資源でその他資源は調達可能なもので、何かに「イエス」ということは何かへの「ノー」と等価という件だ。故に資源配分のテコを意識せよ、と。シンプルながら意思決定の本質を突く内容である。

    発刊当時は新興企業の一角であったインテル社も今では米国を代表するエスタブリッシュ層になり、Google社やFacebook社など新たなマネジメントスタイルが登場してやや古臭さも否めないが、ミドル・マネジメントの基礎や素養の知識としてぜひ読んでいただきたい。

  • 40年以上も前の内容だが、現代でも通じるという点に驚きを隠せない。
    工場生産を中心として話を整理しているためアウトプットという点に絞ってまとめられているためスコープがわかりやすい。しかしその分人の特性などに関しては記述が少ないのでインディケーターなど、マネージャーからの命令によって取得するのではなくチームとして積極的に取得するためにはどのように広めていくのかが鍵になっていくのかもしれない。
    言葉としては出てきていないものの、現在よく話題になる心理的安全性に関しても指摘されている。
    また、グローブの法則として提示されている「共通の事業目的「持つすべての大組織は、最後にはハイブリッド組織形態に落ち着くことになる」というのは今自分が所属している組織のことを指摘しているかのようで恐ろしくもある。
    最後の第4部ではこれまた最近よく耳にするコーチングの重要性を述べている。
    総じて令和の今にも通じるマネジメントの教科書だなと思った。

  • ミドル・マネジャーのための名著だと思う。マネジメントの基本に立ち返る際に何度も読み返したいと思った。

  • マネージャーのアウトプットは、自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット。
    そのために何をすべきか。
    訓練と、動機付けに力を注ぐことで、アウトプットが向上する。
    このような軸を持って、個別にアプローチすべき点が書かれていて参考になる。
    翻訳した日本語だからか、少し表現がスッと落ちてこないところで読むのに若干時間を要したが、どれも納得できるお話。

  • 20190920
    当時のインテルCEOが書いた機能する経営、仕事の方法論。イデオロギーにならずにプラグマティックな割りきりをもっている。
    ・起業家は楽天的なものだから恐慌は防げない
    ・ピーターの法則が起こってもいまの業績で昇進させる以外の方法はない
    ■生産プロセス
    ・加工、組み立て、検証の3種類からなる☆技術がなくとも組み立て、検証で付加価値は作れる
    ・プロセスはブラックボックスになってしまうからこそインディケータが必要。それでQCDが管理できるようになる
    ■管理
    ・管理とはチーム全体のアウトプットをあげるための活動
    ・計画、実行と監視は不可分で重要なてこのひとつ。計画とは環境の観察→現状の把握→ギャップを埋める方法のことである
    ・ミーティングはのがれられない必要悪ととらえられがちだが重要なてこのひとつ。いかにうまく使うかが重要。情報交換、知識の共有、意思決定のどの目的なのかを明確にする
    ・正しい意思決定も重要なてこ。何を、誰が、いつ、何をもって、誰の承認が必要か、誰に知らせる必要があるかの6つを明確にする。
    ■組織
    ・使命型と機能型のハイブリッドにならざるをえない。バランスが重要。(指揮命令系統、知見情報の伝達)
    ■人事
    ・部下の業績を決めるのは動機付けと訓練。両方に上司が責任を持つべき。

  • マネジメントとは何かに答える一冊。
    生産性アップのための組織論。
    アウトプットにおけるチームメイキングマネージャーとしてどうあるべきかが簡単な説明だが本質に迫っている。
    組織は定期的なテストを実行するべきと感じた。

    2023年に読み直し。
    インジゲーターの重要さに気付けた。
    また、マネージャーのアウトプットの最大価値はチームのアウトプットである点に再注目したい。
    やはり注目すべきはフローであり検査テスト。
    改めて1on1の重要性も見えてくる。やはり古典になりそうな名著な原則が書かれている。

  • 組織構造の話から人事考課、そして面接や退職希望者の引き止めまでカバーされたマネジメントのバイブル。
    ・組織はどうしてもハイブリッドになっていく
    ・考課は、伝えることで部下のパフォーマンスが上がるよう具体的に行動できるものであるべき
    などはとても共感できる。
    少し古い本なので、2017年現在のマネジメント慣行に合致しない部分はあるが本質的な部分は色褪せない。

  • 20年以上勤めた日本非上場企業を辞めて、アメリカ上場企業のシンガポール子会社の支店に入る、という働き方大転換の真っ只中の僕ですが、新しい環境のエッセンスはまさにこの本の中にあった、という驚愕の読書体験。ワン・オン・ワン、という会議(というか面談)のやり方や、社内会議のあまりの多さに最初は違和感あったのだけど、なるほど合理的だなあ、と思い始めた矢先にグローブさんの80年代前半の著書でその哲学に触れるというオチ。僕自身、自ら体験しないと学ばないタイプなので今後も自分に無茶ぶりをして、マズローの欲求階層を昇ったり降りたりしようと思います。以下引用。
      
    ・職場の同僚などとは数においてはるかに上回る1000倍もの、1万倍もの、100万倍もの人々が、みなさんの会社と競合している組織で働いているのだ。だから、仕事をしたいならば、あるいは働きつづけたいならば、「個人としての競争優位性」を保つために、絶えず熱心に自分を磨かなければならないのである。
    ・私の1日が終わるのは、疲れて帰宅するときであり、仕事が終わったときではない。私の仕事は決して終わらない。家庭の主婦と同じように、マネジャーの仕事は決して終わらない。もっとなすべき仕事が、もっとなさねばならない仕事が、そしてなしうる以上の仕事がいつも控えている
    ・レポートは情報を伝える手段というよりは「自己規律訓練」の「手段」なのである。レポートを「書くこと」は重要だが、読むことは重要でないことが多い。
    ・マネジャーが毎日毎日配分する唯一無二の重要な資源は、本人の時間
    ・ミーティングはマネジャーが仕事を遂行する「手段」そのもの(中略)。われわれはミーティングの存在の当否と戦うのではなく、むしろその時間をできるだけ能率良く使わなければならない
    ・より良いモチベーションというのはとりもなおさず業績が良くなることであって態度や気持ちの変化ではないのであり、部下が「自分はやる気が起きた」などということにはなんの意味もない

  • 1984年に書かれた本として現代マネジメントにも通じる原則を書き表されてるのは素直にスゴいとは思う。ただ、いま2022年に手にとって時間をかけて読むのは、さすがに古い箇所とかをさっぴいて読まなきゃだし、非効率的かなぁ。
    ポイント掴みづらいところもあるので、わかりやすく同じような主張をしてる本を探した方が早いかも。

  • 『感想』
    〇製造業を基本とし、上の管理職を対象にした部分が多かったため、自分の現状と関心とはずれていたが、著者の考えに触れられたことは大きい。

    〇役立つ情報はちょっとした会話の中にこそある、だけどもそれは情報の入り口なだけであって、自分の中に落とし込むにはレポートなど書くことがよいということはよくわかる。レポートは外部へ報告することと同時に自分を高めることなのである。本を読んだら感想書くことと一緒だね。

    〇マネージャーが部下にできることなんてたかが知れている。知識や模範となる行動を与えたりもするけれど、自分のコピーをつくることはできない。結局は部下が伸びていける環境をつくるだけなのだ。環境の一つとして知識や模範となる行動を教えることもあるだけ。そしてその環境は部下に合うかはわからないし、環境をつくってもらっていることに感謝してもらえるかもわからない。それでもいいんだ。やれることをやるだけ。

    『フレーズ』
    ・私にとって最も役立つ情報は、たまたま交わす、ちょっとした会話の中にこそある。この種の情報は文字に書かれたものよりも、はるかに速くマネジャーの耳に届く。しかも一般に、情報はタイムリーであればあるほど、その価値はより高くなる。(p.94)

    ・レポートが公式化されて記録されるときに、それを書く人は口頭でいうときよりも、厳密にならざるをえない。レポートの作成者はその説明の中で、トラブル箇所を確認し処理せざるをえない。つまり、そういう規律と思考を自らに課さざるをえないところから、レポートの価値が生じてくるのである。レポートは情報を伝える方法というよりは、”自己規律訓練”の”手段”なのである。レポートを”書くこと”は重要だが、読むことは重要でないことが多い。(略)公的な手続きを経て許可することは、それがこういうプロセスを確実に通ることを、いわば自己規律として強いるからこそ役立つのである。(p.95)

    ・マネジャーはどうやって部下にやる気を起こさせるか。一般的に、このことばには、何かを他人にさせるというような含みがある。だが、私にはそういうことができるとは思えない。モチベーションなるものは人間の内部から発するものだからである。したがって、マネジャーにできることは、もともと動機づけのある人が活躍できる環境をつくることだけとなる。(p.234)

  • インテルの伝説的CEOが自ら書いたマネージャー論。
    珠玉の言葉が多く綴られている。どれも自らの経験に裏打ちされた文章であることがにじみ出ている。


    ・人が仕事しないのは、できないか(能力)、やろうとしないか(意欲)のいずれか。マネージャはそれを解消する
    ・今日の欠陥を埋めるための最善手を考えようとする人間が多すぎる。過去の計画の誤りの結果に過ぎない。
    ・部下と友人になるべきか、は厳しい考課を付ける想像をして胃がなんともないかで判断。
    ・CEOというのはオプティミストでなければならない。だから先行き悪くなるというニュースに従っては行動しない。
    ・この本は3つのアイデア
     1:成果(アウトプット)志向性
     2:組織体のアウトプット
     3:マネージャはメンバーの最高を引き出して業績を高める
    ・ワンオンワンは部下の人数が増えたとしても絶対に必要
    ・レポートは書くことが重要で、読むことはそれほどでも。年間計画は作成が目的でレポートは目当てではない。
    ・意見を述べて軽くつつく=ナッジング(突っつき、一押し)
    ・ミーティングは2種。プロセス中心(定期的)、使命中心(目的のために随時)
    ・使命中心MTGは、8人が絶対に打ち切るべき上限。見物人はやることの邪魔になる
     ・25%以上、これに時間を費やすようなら組織不全の兆候
    ・マトリクスマネジメントは複雑
    ・考課こそ、マネージャが提供できる最重要なフィードバック
    ・部下のタスク習熟度とマネジメントスタイル
     ・低:明確にタスク指示。何をいつどうして
     ・中:双方向コミュ。お互いの判断力を重視
     ・高:目標設定とモニタのみ
    ・面接で重要な質問は4種
     ・技術・スキル
     ・知識を使って何をしたか
     ・差異:失敗から何を学んだ。今の問題。
     ・仕事での価値感
    ・「私辞めます」マネージャが一番耳にしたくない言葉

  • ビジネスの基本を再認識。
    どうすれば知識志向型をアウトプット志向型に切り替えられるか、難しい…。

  • 組織におけるマネージャー・リーダーの役割を述べた本。

    特に「マネージャーの役割とは、アウトプットを最高に上げる活動に、エネルギーと注意を注がなければならない。」と、朝食工場を用いての事例が、とても解り易く納得感がある。

    部下に、製造部門の工程を任せている者がいるが、朝食工場の事例を用いて、説明して好評でした。

  • そこかしこに読み直した方がいいポイントが書いてある
    定期的に読み直したい本

  • ベン・ホロウィッツの序文から考えさせられる。
    マネージャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット。
    マネージャーが部下の生産性を向上できる方法は2つしかない。モチベーションと訓練と述べている。
    CEOはオプティミスト(楽天家)でなければならない。
    ピーターの法則は組織論における経験則。管理職は必ず無能となる地位まで昇進する。つまり、昇進は現在の地位に対する能力によって判断されるため。

    朝食工場の例。
    よいインディケーター(指標)、つまり状況を測定するものがカギ。
    指標の使い方。目標が何か明確になる。能力を測る際、客観性の度合いがはっきりする。比較可能になる。
    インプット、アウトプット、労働力がそれぞれ何かを考える。

    生産性を上げる方法
    1.速くやる。
    2.仕事の性質を変えること。

    レポートは書くことが重要。読むことは重要でないことが多い。

    処理能力以上の仕事に対しては、初めからはっきりNOを言う。
    スケジュールにら多少のゆとりを持たせる。
    また、プロジェクトに関する素材の在庫を持つ。
    1on1ミーティングは職場だけでなく、家庭内でも使える。

    意思決定の際に以下6つを自問自答する。
    1.どのような意思決定をする必要があるか?
    2.いつ決めなければならないか?
    3.誰が決めるか?
    4.意思決定をする前に相談する必要があるのは誰か?
    5.その意思決定を承認/否認する人は誰か?
    6.その意思決定を知らせる必要ある人は誰か?
    グループの意思決定は容易ではないが、致し方ない面もある。
    もし、自分が自由に意思決定できれば、他人も自由に意思決定できるのである。

    マネージャーの最も重要な仕事は部下から最高の業績を引き出すこと。
    その取り組みは訓練と動機づけである。
    ただ、動機付けは人間内部から発するものなので、マネージャーができることは活躍できる環境を作ることだけである。
    何が人に仕事をさせるか。というのはマズローの理論を著者はよりどころにしている。
    これは、下層から生理的、安全・安定、親和・帰属、尊敬・承認、自己実現という欲求の階層構造の理論。

    一読では自分の中にきちんと取り込めない。
    実践した上で、何度も読み返すことが重要だろう。

  • ここ数年うちの会社でも取り組み始めた内容が多くある。そら勝てんわ。ミーティングや人事考課はとても参考になった。インテルならとうにクビやな。

  • 聞いたことあるけど実際何してるのかさっぱりなもの「マネジメント」
    ドラッカーの言うマネジメントの定義から始まらない本書で、やっと何をすればいいかわかった。

  • インテル元CEOであり創業者アンディ・グローブのマネージャー向けの本。

    〇マネージャーはアウトプット命
    ・マネージャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット。
    ・アウトプットを最高に上げる活動に、エネルギーと注意を注がなければならない。
    ・いかに頭が良いか、ビジネスを熟知しているとは関係がない。マネージャーはチームのパフォーマンスとアウトプットのみによって評価される。
    →マネージャーの能力や知識は、部下や関係者の能力を結集できる場合にのみ価値がある。
    ・マネージャーの最も重要な責任は、部下から最高の業績を引き出すことである。

    〇人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない
    ・単にそれができないのか、やろうとしていないのかのいずれか。
    ・マネージャーのやるべきことは部下の教育と動機付けだ。他にマネージャーがなすべきことはない。
    ・実際的な方法として、上司と部下の間で一対一の話し合いの場を持つことを重要視している。
    →それがマネージャーの究極的な役割である部下の教育と動機付けの向上に直接つながるからである。一対一の話し合いの場を持つことは、インテル社の経営哲学上の根本綱領。
    ・人を駆り立ててベストを尽くさせる内面的な力は2つある。「能力」に突き動かされるか、「達成意欲」に駆られるかである。
    →そのための手段が目標管理システム(MBO: Management By Objectives)。目標を高いところに置くことでその能力を伸ばすのである。

    〇マネージャーの大きな活動と向き不向き
    ・情報収集、情報提供、意思決定、ナッジング(一押し)。
    ・アンディ・グローブの一日の大部分は情報収集に使われる。それは同時に相手に対して情報を提供するということでもある。
    ・好業績を上げる特定のリーダーシップの型というものはないという。
    ・ピーターの法則が発生することは仕方がない。上げてみて、ダメならリサイクルしかない。
    ※ピーターの法則:能力主義の階層組織の中において、人は自らの能力の極限まで出世する。しかし、能力を有する人材は、昇進することで能力を無能化していくのでダメな管理者がでるのは当たり前であるという法則。
    ・CEOはオプティミスト(楽天家)でなくてはならない。
    ・マネージャーとして本当の価値を付加しているか、情報収集を怠らないでいるか、新しいことを常に試みているか、ということを責任として問い続けなくてはならないという。

    〇会議について
    ・ドラッカーによると、時間の25%以上を会議で過ごすようなら、それは組織不全の兆候だと言っている。
    ・アンディはさらに、意思決定のためのミーティングは7人以上になってはいけないと言い、「8人が絶対に打ち切るべき上限である」と言い切る。
    ・ミーティングを招集する前にマネージャーは、自分が達成しようとしているのは何なのか、と自問しなければならない。
    ・ミーティングというと無駄の塊のような、少なければ少ないほどいいような語られ方をするがそれは間違い。無駄な会議が世の中に溢れているだけ。
    ・マネージャーは意思決定もするし、人の意思決定の援助もする。この基本的なマネージャーの仕事はミーティングを通じてのみ遂行できる事が多い。つまりちゃんと行えば無駄なわけがない

  • マネジャーとはどうあるべきか、日々の活動において何に注力すべきか丁寧に、具体的に書かれている。どのような組織に所属していても参考になるだろう。組織論や経営についても多くのエッセンスが詰まっており、何度も読み返して理解を深めたい。

  • 流石、伝説の名著だけあり、参考になるところ多し。何度も読んで自問する

  • 表紙デザインから最近のマネジメントの本かと思ったら、初版は1984年という恐ろしいほどの古典だった
    ミドルマネージメントについて 1-10 までしっかりと丁寧に説明してあって、マネージャ層になったもしくはなる人には全員支給で読ませた方がいいんじゃないか、、、という内容

  • 200229.翻訳が良く、ビジネス書ながら読みやすい。
    がっつりしたマネージャー本は初めてだったが、そうだよなーって点やなるほどがてんこ盛り。
    普段の仕事でもこの本を一つお手本に比較をしながら思考している。
    もう一度折を見て読み返したい。
    スタッガーチャートはとても有用。
    テコの原理もまさにそうだよなといった内容。1on1ミーティングの価値が分かる。
    コストをかける前に進路修正、人を辞めさせてしまうのが1番のマイナス。
    ブラックボックスの話や多数箇所への配属などはまだ理解が進まなかった。
    全体を通じて当たりだなという本。

  • ミドルマネージャー向けの本。
    時代的には昔であるものの、原理原則は学びが多かった。
    個人的に一番良かったところは「マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット + 自分の影響が及ぶ隣接諸組織のアウトプット」というところ。

  • 経営者の必読書。1984年に書かれたがまったく古くならない内容。「朝食量産工場」などの事例で経営の本質的な考え方を示している。

    「本質的」は表層の問題の奥にある領域にある。だから内容は噛みごたえのある内容だ。どこにどんな内容が記されているか覚えるくらい読み返して

    ”こういう時、アンディならどう考える?”

    という問いかけと共にこの本と付き合っていきたい。

  • 間違いなく名著である。インテルの元CEOアンドリュー氏の教えをわずか数千円で購入できるなんて、本というものは誠に素晴らしい。

    以下、本書より抜粋。
    「ミーティングに出席している時間も給与を払われていることを忘れてはならない。ミーティングに出席する際には、そのままそれが仕事であることを忘れてはならない」

    「司会者はミーティングの目標-何をする必要があるのか、どういう意思決定をしなければならないのか-をはっきりと理解していなければならない。このミーティングは果たして必要なのか、望ましいのか、理由づけできるのか、と考えてみる。すべての答えがイエスでなければ、ミーティングを召集してはならない」

    「職場を競技場のように考えてみれば、部下を能力の限界に挑戦するスポーツ選手のように考えることができ、それが、チームを不断の勝利者に導くカギとなる」

    「部下に物事を教える責任は必ず上司が負わなければならないし、組織の内外を問わず、顧客が支払うべきものではない」

    「考課における最大の問題は、管理者が通常部下に何を期待しているかをはっきり決めていないことである」

    「ある人の業績が素晴らしい水準にあっても、なおかつ改善の余地はいたもあることを心に留めておくべきである」

    面接時の質問4つの分類
    技能、技術、知識を使って何をしたか、差異、仕事上の価値観

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著者プロフィール

1936年9月2日 - 2016年3月21日
ハンガリーのユダヤ系アメリカ人実業家。1936年ハンガリーのブタペスト生まれ。1956年にハンガリーからアメリカに移住。ニューヨーク州立大学を主席で卒業し、カリフォルニア大学で博士号(化学工学)取得。インテル社の創設に参画し、第1号の社員となる。79年社長に就任。97年にはタイム誌の今年の人に選ばれた。98年にはインテルのCEOを辞任し、2004年には会長から退いた。スタンフォード大学経営大学院で24年にわたって指導した。
『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』(日経BP社)で「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」マネジメント部門賞受賞。

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