パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのか

制作 : 小澤 隆生  佐々木 かをり 
  • 日経BP
3.90
  • (14)
  • (19)
  • (13)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 233
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255343

作品紹介・あらすじ

予測不可能な今こそ、読んでおくべきシリコンバレーの名著、待望の復刊!

「この本のスーパー重要なコンセプト『戦略転換点』をみな学ぶべきだ。遅かれ早かれ、それはやってくるのだから」   ――スティーブ・ジョブズ

「このすばらしい本はデンジャラスだ。人を考え込ませる」
――ピーター・ドラッカー

パラノイア(病的なまでの心配性)だけが生き残る――。これはインテルを世界的な企業に育て、現在もシリコンバレーの経営者たちに尊敬されているアンドリュー・グローブ氏のモットーだ。

成功すればするほど、そのうま味を味わおうとする人びとが群がり、食い散らかし、そして最後には何も残らない。

そして、テクノロジーが発展し、顧客の好みが変わり、規制が変わることなどから、「戦略転換点」が襲いかかる。これを見逃したら、企業にとっても、個人のキャリアにとっても命とりだ。

チップのバグで4億7500万ドルの巨額損失を計上したり、日本メーカーの攻勢で主力メモリー事業からの撤退をしたり、修羅場を乗り越えた「パラノイア」(超心配性)である著者が、「戦略転換点」を見極め、予測不可能な世界でしぶとく生き残るための方法を教える。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 大企業の経営者として戦略的転換に立ち向かった筆者の、率直で生々しい声を聴くことができ、非常に有益な本だった。

    戦略的転換点は理論やデータで予測したり対処することができるものではなく、そうであるからこそ、筆者の言うとおりパラノイアだけが生き残ることができる状況なのだろう。

    「一度ドアの外に出て、戻ってこよう。そして、それをわれわれの手でやろうじゃないか」とか、「『業界のまわりで起きていることを把握しなさい』と言うのと、『業界で起きていることを把握しなさい』と言うのでは、まったく意味が異なる。」といった言葉は、筆者の実体験から出てきただけに、とても印象に残った。

    また、中間管理職がトップマネジメントよりもはるかに早く戦略的転換点の到来を実感し、組織の戦略を下から作り変えているということに言及していることも、筆者のマネジメントスタイルが感じられ、印象深かった。

    原著は20年以上前のインターネット黎明期に書かれており、現在のモバイルコンピューティングにつながる新たな展開に対して筆者がまだ明確な方向性を読みあぐねているような記述も、逆に戦略的転換点に立ち向かうことの難しさを感じさせてくれた。

    経営者の本を読む醍醐味は、このようなリアルな状況を筆者の文章を通じて感じられるところにあるのだろうと思う。

  • アンディ・グローブはインテルの会長を長く務めた方で、インテルは日本でもよく知られているため、彼の名前もラリー・ボシディよりも広く知られているように思う。そのアンディ・グローブが自分のインテルでの経験から学んだことを語った本がこの「パライノアだけが生き残る」だ。確か学生の時に、体裁が変わる前の版を手に取りすっかりファンになってしまったのだが、今回体裁も新たに再度出版されたので、久しぶりに紙の本で購入をした。

    本書の考え方で有名となったのは何と言っても「戦略転換点」という考え方で、簡単に言ってしまえば自社の戦略を大きく変更せざるを得ない瞬間(といっても相当に長い期間ではある)のことだ。そしてこの戦略転換点を引き起こすのが「10X」の力である。企業や組織というのは、常に外的環境の変化に対して対応をし続ける必要があるが、通常の変化と比較にならない大きな変化が引き起こす外的要因の変化を「10X」であるとしている。筆者が作り上げたインテルにとって最も大きな10Xな変化は、猛烈な勢いでマーケットを席巻した日系企業であり、その競争によって追い込まれたインテルは主力のメモリー事業から撤退することになる。
    本書はその10Xの変化を見分けるためにはどのような観点に注目すれば良いのか、そして戦略転換点における企業はどのようにその危機を乗り越えればよいのかということについて、ほぼ全てのページを割いている。

    出版当時もその考え方は非常に参考になるということで本書は多くの著名経営者に賞賛されたのだが、20年たって新たに読み返して見ると、むしろその未来を見通す先見の明に驚かされる。例えば、「インターネットによりエンターテイメントの形が変わり、デジタル配信が行われるようになる」というのは、2018年まさしくNetflixやAmazon videoが実現をしていることだし、「デジタル情報は新聞や雑誌の地位を変えているか」ということも、4マス広告の一貫した下落でまさしく実現している。インターネットバンキングは日本ではまだまだ米国ほど普及してはいないものの、ネット専業の銀行や証券会社は複数社存在している。

    一方で、ウォルマートに対してカテゴリーキラーとして生き残る戦略をとった小売、あるいは店舗体験を提供して価値を提供するといった戦略をとって再生したと本書で言われているバーンズ&ノーブルは、本書の段階では「驚異を生み出す存在」として描かれているウォルマートとあわせて根こそぎAmazonの驚異に晒されている。本書が執筆された段階ではウォルマートという「巨大ロジスティクス網」を生み出した小売が新たな存在として描写されていたわけだが、それから20年の間に小売の世界でも、10Xの変化である「インターネット」が巨大な影響を与えるようになったということだ。

  • 時代の転換点でいかに考え、行動するか考えたい経営幹部の方に。

  • 働いていく中でとても役に立つヒントが散りばめられた内容。タイトルにある「転換点」つまり「潮目が変わった」ことをいかに見逃さないようにするか、そのためには「パラノイア」的素養が重要だよ。転換点を乗り越えるために「死の谷を超える」という話が印象に残った。

  • インテルの元CEO アンドリュー・グローブ氏の著作
    競争を根底から覆す転換点をどう乗り越えるか?
    20年以上前に書かれたとは思えない臨場感。
    素晴らしい出会いに感謝です。

  • 横割業界の新ルールはためになった

    • siinumaさん
      横割業界の新ルールはタメになった
      横割業界の新ルールはタメになった
      2019/06/01
  • 戦略転換点をどう見極め,どう乗り換えたのかについて著者の体験を元にまとめられている.
    本質をまとめているので身の回りの人と認識を合わせる際に紹介したい.実際に行うには難しく悩ましいが.

  • 20年前のビジネス書

  • 2017.09.20 品川読書会で紹介を受ける。
    2017.10.26 sawady51さんのブログより

  • 20年前の書だが、全然色あせることない。20年前、この本が書かれた頃は、Appleの社長はスカリー。Windowsは95、『イノベーションのジレンマ』はまだ書かれていないかなあ。"Intel inside"より前。ポーターの5フォースにひとつ項目を加えて見たりしているが、メモリー企業だったインテルがマイクロプロセッサ〜企業になる決断が「戦略変換点」であったと説く。ハードからソフトまで一企業が支配する縦型から、ハードはハード企業、ソフトはソフト企業と横型になるという考え方は、他の業界でもあることかと。この本にはこれから数年後におこるiTuneやiPhoneの原型も提示されていたりする。ジョブスもこの本を読んで着想したのではないかと思う。いま読んでも良書。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1936年9月2日 - 2016年3月21日
ハンガリーのユダヤ系アメリカ人実業家。1936年ハンガリーのブタペスト生まれ。1956年にハンガリーからアメリカに移住。ニューヨーク州立大学を主席で卒業し、カリフォルニア大学で博士号(化学工学)取得。インテル社の創設に参画し、第1号の社員となる。79年社長に就任。97年にはタイム誌の今年の人に選ばれた。98年にはインテルのCEOを辞任し、2004年には会長から退いた。スタンフォード大学経営大学院で24年にわたって指導した。
『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』(日経BP社)で「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」マネジメント部門賞受賞。

パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのかのその他の作品

パラノイアだけが生き残る Kindle版 パラノイアだけが生き残る アンドリュー・S・グローブ

アンドリュー・S・グローブの作品

パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのかを本棚に登録しているひと

ツイートする