図解リーン・スタートアップ成長戦略

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255459

作品紹介・あらすじ

リーン・スタートアップの次の段階である「成長」に向けての6つのステップを詳述した経営戦略の解説書です。ベストセラー『リーン・スタートアップ』の著者エリック・リースがシリーズ・エディターをつとめたオライリーの「The Lean Series」第1弾『Running LEAN』の著者による続編です。エリック・リースは本書の推薦に当たり、「関心ある企業に組み込むための実践的なアプローチ」と評しています。120点近い2色刷の図によって、理解しやすい図解の構成になっています。
 本書の6ステップを、著者はGO-LEAN(Goal→Observe and Orient→Learn, Leverage, or Lift→Experiment→Analyze→Next Actions)[目標→観察と方向付け→学習・利用・強化→実験→分析→次のアクション]と名づけています。
 本書では、うまく成長できないのは「局所最適化の罠」であると位置づけ、ゴールドラットの制約理論を引用しながら、全体最適化の方向へと読者を導きます。また、本書では拡大の規模の目安となる「10倍ルール」を設定し、ステージごとの目標値を定めています。これがもう1つの新しいツールとなる「トラクションモデル」です。これらのツールなどを使い、リーンの「継続的改善」を用いながら、「目の前のニーズに完璧に応えつつ、グローバルな拡大を実現する」ことを目指すのが、本書です。

感想・レビュー・書評

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  • とんでもない本に出会ってしまった、それがこの本を読んだ率直な感想だった。

    本書は「リーンキャンバス」を提唱したAsh Maurya氏によるRunning Leanに続く2冊目の本で、どうやってビジネスをスケールさせていくかについて具体的な手法を述べたものである。
    Running Leanを読んだことはなかったが、リーンの考え方は以前から気になっており、端々で聞きかじっていた。この本を読むまでのリーンに対する印象は、新しいビジネスアイディアを端的に明瞭に表現し整理する手法であり、そのアイディアを反復的なアプローチで検証していくものというくらいで、普段アジャイルの考え方に触れている身としては「ふんふん、なるほどね」程度のものであった。
    それは、例えばドメインビジョン声明文のようなイメージを持っていた。

    ビジネスの場面では様々な不確実性に対処しながら収益を拡大させる必要がある。
    特にスタートアップについては低空飛行の期間が長く、何をすれば最善であるのか暗中模索の毎日である。描いたビジョンを目指して進むことと、ビジネスをスケールさせることは、関連はしているが使う脳みそは違うと感じる。はじめはニーズを捉えていたと思っていたものが、次第に低調していくことはよく聞く話である。
    本書はこの「スケールさせる」ために何をすれば良いか、以下の2つを導入することで説明する。

    ・トラクションモデル
    ・顧客ファクトリー

    トラクションモデルは、いつ、どれくらいの規模になっていることを目指すかを定義するものである。前述のように低空飛行の期間を考慮しつつ、ステージ(課題/解決フィット→製品/市場フィット→拡大)ごとに10倍ルールを用いて説明する。
    顧客ファクトリーは、着目すべきKey Metricsを提示したうえで、シンプルなモデルを提供する。これは、ビジネスモデルをシステムと捉え(システム思考)、制約理論を引き合いに出しながら収益をどう導くかを図示するものである。
    兎にも角にも、この成長エンジンを確立させることが最初のステージで行うことであり、あとは入力を増やせば出力(つまり収益)を増加(スケール)させることができる、とするものである。

    ビジネスモデルの目標の見積もり方、立て方から、モデルの図示の仕方、制約の見つけ方、検証計画、分析の仕方まで、ありとあらゆる場面で活用できる情報が満載であった。
    個人的には、邦題の「図解リーン・スタートアップ成長戦略」より原題の「Scaling Lean」の方がよりしっくりくる。副題の「Mastering the Key Metrics for Startup Growth」にあるようにKey Metricsの習得こそが、本書の醍醐味であるように思う。
    確かに図は豊富でサラサラと読めてしまうのだが、著者の経験に裏打ちされた非常に濃縮された情報がすごいスピードで入ってくる。
    何度も読み直したくなる一冊であった。

  • 起業する際の、思考法フレームワークの勉強本。

    とあるイベントでリーンスタートアップ起業なるものを触れていたので勉強がてら読了。

    起業を始めるにあたって、様々な観点からメスを入れて「なぜ」を見つける方法を示してくれている。
    データは「どこ」に原因があるかを示してくれるが、「なぜ」かまでは教えてくれない。
    まさにその通りだと思った。

    会社の自チームのリーダーは、開発力は(失礼だが)あまりない。当初は「自分と何が違うんだろう?」「そのリーダーにあって自分には無いものはなんだろう?」と疑問に思っていた。端的な言葉であげると、「経験」「人脈」「視野」等があると思ったが、具体的なものまでは分かっていなかった。

    この本では(スタートアップにフォーカスしているが)実際に、ビジネスのサイクルの回し方、ビジネスの見方を説明してくれている。先の端的な言葉で言う「視野」に当てはまると思う。
    「視野」1つとってもここまで奥深いのかと驚愕した。

    あぁ、収集したデータの見方から、知らず知らずのうちにかかっている様々なバイアスなど、考慮すべき重要な要因はここまで多次元に存在していたのか。

    顧客ファクトリーのうちの1人だった自分が、その全貌を知ることが出来た。
    いい本だ。また読み直した時に、どのくらい印象が変わったのか楽しみだ。
    この感想をバカにしてくれるくらいになってるといいな

  • スタートアップの考え方がよくわかった

  • 日本橋図書館

  • わかりやすくリーンスタートアップを簡単な事例、アドバイスの形式で紹介している
    起業したい人向けかな

  • 新規事業をどのように立ち上げるか、「リーンスタートアップ」は知っていたが、ちゃんと本で読むのは初めて。書きやすく考えやすく、比較しやすいフレームで、考えるべきポイントがまとめてある。新規事業を検討する社内プロジェクトで使用。

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