世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255589

作品紹介・あらすじ

アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?
ネット&リアル融合の最前線で何が起きているのか?
「世界最先端のマーケティング企業」の戦い方を多角的に解説する待望の1冊。
3つのフレームワークと最新理論で、これからの戦い方を捉える。

本書が注目する「チャネルシフト戦略」とは、
1.オンラインを基点としてオフラインに進出し、
2.顧客とのつながりを作り出すことによって、
3.マーケティング要素自体を変革しようとする
戦い方である。

チャネルシフトのインパクトを捉え、
これから取るべき戦略を未来志向で考えるために、
本書では、3つのフレームワークを提示する。

KEY1 チャネルシフト・マトリクス
KEY2 顧客時間
KEY3 エンゲージメント4P

これらのフレームワークによって、
本書では以下の事例を分析し、チャネルシフトの核心に迫る。
Amazon Go、Amazon Books、Amazon Dash、Amazon Echo
Whole Foods、instacart、LE TOTE、BONOBOS、THE MELT、Warby Parker
ZOZOSUIT、DIFFERENCE、IKEA Place 、ニトリ手ぶらdeショッピング
MUJI passport、いきなり! ステーキ、Oisix、全国TAXI

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    タイトル通り、ちょっと「最先端」すぎて、今のところはあんまり自身の業界には応用できなさそうだなと思いながら読了しました(笑)
    オンライン店舗の重要性はよくわかるけど、こと医療機器に関しましては、やはりオフラインでの説明・PR体験や、製品の臨床使用などが必要不可欠なので・・・
    現状では、できても「選択オフ・購入オン」というところかな。

    ただ、これからロングテールで自社の製品を広く購買してもらうためにも、オンラインのバージョンアップを図らない事には、業界を生き残るのには厳しくなってくるのかも・・・
    マンパワーにも限界があるしね。
    製品PRにあたり、コンテンツの普及そして波及が見込めるようになったら、医療業界でもチャネルシフトが起こるかも!!
    ・・・ただ、なかなか先の話になりそうだ(笑)

    というわけで、とりあえずは現状維持のままでやろうと思います。


    【内容まとめ】
    1.チャネルシフト戦略
     ①オンラインを基点としてオフラインに進出し、
     ②顧客とのつながりを創り出すことによって、
     ③マーケティング要素自体を変革しようとする。

    2.チャネルシフトのマトリクス:「選択」と「購入」の2つの軸で、「オンライン」と「オフライン」の2項目。
     ①「選択オフ×購入オフ」
     ②「選択オン×購入オン」
     ③「選択オフ×購入オン」
     ④「選択オン×購入オフ」

    3.オフライン店舗で確かめて、ネット通販で買うことを「ショールーミング」と呼び、企業にとってはネガティブな意味で用いられる場合が多い。

    4.「チャネルシフト」は、オンラインに軸足を置く企業が新たな顧客を獲得すべくオフラインへと進出する現象であり、同時にオフラインに持ち込まれた新しい戦い方である。
    これを実践する企業は、「個客」を認証する技術を活用し、その行動データを収集し、それを元にマーケティング要素自体を変革し、一人一人に最適な提案を仕掛ける。


    【引用】
    世界最先端のマーケティング


    p1
    ・アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?
    オンラインからオフラインへの「販路の多様化」と捉えたら判断を誤る。アマゾンの狙いは販路ではない。
    ネットとリアルを融合させたチャネルを通して、顧客の行動データを掴み、販促・価格・商品の全てを「個客」ごとに最適化する戦いを仕掛けてくる。
    一連のマーケティングミックス、いわゆる4Pの革新だ。


    ・チャネルシフト戦略
    1.オンラインを基点としてオフラインに進出し、
    2.顧客とのつながりを創り出すことによって、
    3.マーケティング要素自体を変革しようとする


    p25
    ・チャネルシフトのマトリクス
    「選択」と「購入」の2つの軸で、「オンライン」と「オフライン」の2項目。

    1.「選択オフ×購入オフ」
    2.「選択オン×購入オン」
    3.「選択オフ×購入オン」
    4.「選択オン×購入オフ」

    この内、Amazonはあらゆるサービスを持って①以外の全マトリクスを占めている。


    p50
    ・ゾゾスーツ
    全身にぴったりフィットする伸縮性のある素材で、そこにセンサーを内蔵し、Bluetooth接続で着用すると採寸データを瞬時に計測できる。
    そのため、洋服のサイズ選びが自宅(オフライン)で可能なのだ。

    オンライン店舗で衣類選択する際のハードルは、試着ができない事だった。だがゾゾタウンはゾゾスーツによってその不利な常識を大きく覆した。
    また、オンライン上で培った顧客とのつながりをオフラインに展開する事もまた可能なのである。


    p54
    オフライン店舗で確かめて、ネット通販で買うことを「ショールーミング」と呼び、企業にとってはネガティブな意味で用いられる場合が多い。
    しかし、顧客が自社のオフライン店舗で調べ、自社のオンライン店舗で買ってくれるなら悪い話ではない。
    それを自然発生的に起きるのを待つのではなく、意図的に狙っているのがニトリの「手ぶらdeショッピング」である。

    また、専用アプリの登録が必要となる為、顧客情報や嗜好などのデータ獲得も可能となり、顧客との間に強いつながりを創出できている。


    p110
    現状では、ネットでのECが発展したとはいえ、全体のEC化率は10%に満たないと言われている。変革を迫られるのは、遠い未来のような気さえする。

    変革が遠くにあると思えば、呑気に懐古主義にひたる論調も出てくる。「古き良き時代の本屋には、そこにしかない味わい云々」と、このような懐古主義的な声は、流通変革時に必ず上がる。

    昔を懐かしむ事は構わないが、顧客がより良い購買体験を求めて動く事は止められない。
    顧客の変化についていけなければ、旧来の流通は駆逐されることとなる。


    p240
    「チャネルシフト」は、オンラインに軸足を置く企業が新たな顧客を獲得すべくオフラインへと進出する現象であり、同時にオフラインに持ち込まれた新しい戦い方である。
    これを実践する企業は、「個客」を認証する技術を活用し、その行動データを収集し、それを元にマーケティング要素自体を変革し、一人一人に最適な提案を仕掛ける。

  • 副題の「チャネルシフト戦略」とは、①オンラインを基点としてオフラインに進出し、②顧客とのつながりを創り出すことによって、③マーケティング要素自体を変革しようとする戦い方のこと。アマゾンはじめ、この戦い方を実践する企業を紹介しつつ、3つのフレームワークを提示する。

    イントロダクション アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?
    PART1 アマゾンの脅威
    PART2 チャネルシフトの最前線
    PART3 店舗至上主義の限界
    PART4 購買体験をデザインする
    PART5 無印良品のつながり
    PART6 つながりがマーケティングを変える
    エンディング チャネルシフト戦略を実行するために

  • いま顧客は買い物の際、オンラインとオフラインをいったりきたりしながら選択・購入を行う。顧客のニーズや動きに合わせて、企業側も選択・購入の接点を変えていく必要がある(チャネルシフト)。具体的な企業の紹介も豊富だが、やはりAmazonのケースは興味深い。

  • 顧客時間をどう操るのかのついて、様々な業界の事例を踏まえて簡潔に書かれている。オンラインとオフラインを4象限に分けての説明は大変分かりやすい。時代の最先端を肌で感じられたし、知らない事例も多々あり、自分は時代に取り残されているなと少々危機感を感じてしまった。(笑)

  • オムニチャネルとチャネルシフトの違い。
    OMOの必要性を深く考えさせられる書だった。

    顧客目線のチャネル→顧客時間→UX
    そのために必要なデータドリブンと、読み込むほどに関係性がわかる本だった。

    この様な本は、事例がGAFAに固まる傾向があるが、
    複数業界の事例が大小問わずあり、わかりやすいのも良い。

  • マーケティングについての知識を深めたく読んでみた。

    今までも多く語られてはいたが、改めてAmazonという会社の絶大なる影響力とそこからもたらされる変化について確認することができた。
    今のご時世この会社なくしてはマーケティングを語ることはできないとすら感じた。

    顧客とのすべての接点にいかに関わり、店での関係でなく線でいかに機会を創造していくかが、これからの時代において必須の要素だと考えられる。
    「店舗」重視から「顧客」重視へ、というのは本書とは関係ないが、デザイン思考にも通ずる点であり、これからの社会においてはマーケティングにおいてもそういった思考を持った人材がより重宝されるようになっていくのだろう。

    また、いくつか記憶に残った言葉があるので記しておく。

    ・顧客との繋がりさえあれば、店舗ですべての買い物行動を完結させる必要はない

    ・顧客が求めてるのは、鉄道という手段ではない。輸送や移動という価値である。(マーケティング近視眼より)

    ・Fファクター(フレンド、ファミリー、Facebookファン、Twitterファン)

  • オムニチャネル化していく中で顧客との対話が重要になる。

  • オフライン⇔オンラインへのシフトを上手くすることがビジネス拡大に向けてキーワードになっていると感じた。

    特にAmazon。
    Amazonが展開するサービスはどれもこれも関心するものばかりだった。

    Amazonがリアル店舗を持つ目的を知ることで、本質を見ようとする考え方が身についたので、エンジニアにこの本を読んで欲しい。

    マーケティングの面白さに気づくことができる1冊。

  • 2018年2月に発行なので、1年半経過してから読んだが前半はOMOの時代へと言われる中でチャネルシフトの話は少し前に感じた。各企業はまだこの段階だと思うが考え方としては古く感じたので時代の流れの速さなのだろう。

    良品計画の話以降は面白かった。
    muji passportは顧客のつながりを可視化するために生まれたがその前には失敗もあり、カレンダーやノートなど競争力のないアプリで失敗したり、家のAR?アプリで一時的につながりがなく顧客の課題解決につながらないアプリで失敗してからのアプリだった。
    顧客の行動データをとっても対話がうまれなければ意味がないので、アプリ内での完結が必須だった。
    チャネルを顧客とのつながりをつくる場に変えるには顧客を知るだけではつながりは生まれない。メリットがなければ情報を提供してくれない。他者たは違う自分だけの提案を期待するからこそパーソナルな情報を提供してくれる。これは情報銀行の課題と一緒。
    選択、購入、使用それぞれのデータをどうとり活用するかが求められている。

    Muji passportをみると購入導線というよりかは、毎週の店舗発信情報などsns的な使い方がメインなので対話を重視しているのだと思った。

    メモ
    ・店舗を軸としたKPIはもはや適切ではない。店舗を軸とした統制を行っているのであれば、全店舗売上の総和が企業の業績になる。しかし、顧客を軸とするならば、企業の業績とは全顧客売上の総和になる。つまり極論すれば、店舗ではなく個客の売上を追求することがKPIになる。単なる平均顧客単価ではなく、個客に対する提案につなげることが大事。顧客1人ひとりのニーズをすべて把握し、優良顧客を把握してオファーをだし、その商品の使用状況や満足度までを把握することは容易ではない。だからこそ、顧客の行動データをいかにオンラインで把握し、業務をデジタル化するかという視点が重要になってくる。

  • #読書記録 #読了メモ #世界最先端のマーケティング 企業がO2O対策に取り組んだ時代は現在OMO(Online Marges With Offline)に入ったと言われているが具体的には何が変わるのか?従来は「売り場」という視点での話が主役だったが「個客」という視点で捉え直すという大きな違いがあると思う。同著書の中でも選択→購入→使用という各フェーズにおいて消費者はオンラインとオフラインを行き来することを前提にその考え方と取り組みが進む企業の事例が紹介されている。これまで通りの売り場としてのオンラインやオフラインかという物事の考え方は担当者というよりも、企業として考えていくべきことであり、そのタイミングはもう待った無しという状況にあることを認識させてくれた読みやすい逸品でした。#ツゲ読書 #柘レビュー ★★★★★ #ビジネス書好きな人と繋がりたい #読書好きな人と繋がりたい

  • 2019.08.23 とっても面白かった。流通の本ではなく、プレイスを起点に関係を構築しマーケティングをシフトするという、どちらかといえばマーケティング論である。タイトル通り、新しく面白い考えが満載。

  • オムニチャネルについて単なるマルチチャネル、クロスチャネルとどう異なるか実例豊富に解説されておりわかりやすかった。「顧客とのつながりは『顧客からのデータ提供』と『企業からの提案』という対話によって強くなる」に納得。自社の取り組みにも活かしたい。

  • マーケティング初級者だけれど、マーケティングを真剣に考えている人は読んでいい良書。久しぶりに買った。

  • オンラインでの購入が広がる中、オフラインチャネル展開をしている既存企業はオンラインを一チャネルとして捉えることに危惧する筆者。オムニチャネルという言葉を具体的な行動に移すためのフレームワークが大きく3つ紹介されている。
    ・チャネルシフト
    購入、選択をオンライン、オフラインで分けたマトリックスで分析。例 ニトリの店舗をショールーム化(オンラインで商品を選んで、実店舗で確認し購入する)
    ・カスタマータイム
    選択→購入→使用をオンライン、オフライン両方の空間から攻める。このフレームワークにより、部署間を横断したカスタマージャーニーを設計できる。
    ・エンゲージメント4p
    場所→エンゲージメント→(広告、値段、製品)
    プラットフォームで得た可視化された情報によって広告方法や値段などを決める。プラットフォームを作る上では競争力、顧客の課題解決、対話が生まれること、顧客の管理コストを下げるなどが必要。

  • 購入/意思決定とオフライン/オンラインの2軸でマーケティング戦略を説く。適度なボリュームで読みやすい。社内での説得用には使いやすそうだが、いざ結果を求める段階に入れば、さらなる知見を要する気がする。

  • ちょっとゾゾびいきによってたが、オンラインとオフラインの融合へのシフトというのは自分の中になかったのでしっくりきた

  • マーケティングへの考え方を改めて考えるきっかけになる。
    ステレオタイプな考え方の企業は淘汰されていくと感じる。
    オンライン×オフラインの1番のミソは、購買に至るまでの行動が可視化できることと再認識した。

  • 顧客体験の質(顧客満足)を上げる方向へ改善するために、店舗、EC、アプリといった多様な接点を駆使(連動)させて顧客の行動データの収集に務める具体的な仮説と実行の軌跡として、無印良品やオイシックスの当事者が自分語りで綴るのに説得力があった。

  • オンラインとオフラインの融合、オムニチャネル化など新しい視点で解説されていて、
    海外の事例などを用いており、非常にわかりやすく理解出来た。

    Amazonという企業の着眼点や狙い、目的など1つのインサイトを得られた

  • amazonやzozotown、無印良品などの例を取り上げながら、オムニチャネルとしてオンラインとオフラインをセットで考えながら、顧客単位のバリューの最大化を目指す新しいマーケティング戦略について解説した本。参考になる。

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著者プロフィール

株式会社顧客時間共同CEO取締役。オイシックス・ラ・大地株式会社専門役員COCO(Chief Omni-Channel Officer)。株式会社イー・ロジット社外取締役。株式会社Engagement Commerce Lab.代表取締役。1997年良品計画入社。衣服雑貨のカテゴリーマネージャーとして定番商品の「足なり直角靴下」の開発し、WEB事業部長として「MUJI passport」のプロデュースなどを担当。2015年10月オイシックス株式会社(当時)入社。2018年9月株式会社顧客時間を設立。共同CEO取締役に就任。Head of Marketingとして、顧客時間に参画する多様なスペシャリストと共に、数多くの業界・企業におけるDXプロジェクト・事業開発プロジェクトのサポートを行っている。2021年3月一橋大学大学院経営管理科博士後期課程単位取得満期退学。著書に『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(共著、日経BP)、『オムニチャネルと顧客戦略の現在』(共著、千倉書房)がある。

「2022年 『マーケティングの新しい基本 顧客とつながる時代の4P×エンゲージメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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