世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略
- 日経BP (2018年2月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822255589
作品紹介・あらすじ
アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?
ネット&リアル融合の最前線で何が起きているのか?
「世界最先端のマーケティング企業」の戦い方を多角的に解説する待望の1冊。
3つのフレームワークと最新理論で、これからの戦い方を捉える。
本書が注目する「チャネルシフト戦略」とは、
1.オンラインを基点としてオフラインに進出し、
2.顧客とのつながりを作り出すことによって、
3.マーケティング要素自体を変革しようとする
戦い方である。
チャネルシフトのインパクトを捉え、
これから取るべき戦略を未来志向で考えるために、
本書では、3つのフレームワークを提示する。
KEY1 チャネルシフト・マトリクス
KEY2 顧客時間
KEY3 エンゲージメント4P
これらのフレームワークによって、
本書では以下の事例を分析し、チャネルシフトの核心に迫る。
Amazon Go、Amazon Books、Amazon Dash、Amazon Echo
Whole Foods、instacart、LE TOTE、BONOBOS、THE MELT、Warby Parker
ZOZOSUIT、DIFFERENCE、IKEA Place 、ニトリ手ぶらdeショッピング
MUJI passport、いきなり! ステーキ、Oisix、全国TAXI
感想・レビュー・書評
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【感想】
タイトル通り、ちょっと「最先端」すぎて、今のところはあんまり自身の業界には応用できなさそうだなと思いながら読了しました(笑)
オンライン店舗の重要性はよくわかるけど、こと医療機器に関しましては、やはりオフラインでの説明・PR体験や、製品の臨床使用などが必要不可欠なので・・・
現状では、できても「選択オフ・購入オン」というところかな。
ただ、これからロングテールで自社の製品を広く購買してもらうためにも、オンラインのバージョンアップを図らない事には、業界を生き残るのには厳しくなってくるのかも・・・
マンパワーにも限界があるしね。
製品PRにあたり、コンテンツの普及そして波及が見込めるようになったら、医療業界でもチャネルシフトが起こるかも!!
・・・ただ、なかなか先の話になりそうだ(笑)
というわけで、とりあえずは現状維持のままでやろうと思います。
【内容まとめ】
1.チャネルシフト戦略
①オンラインを基点としてオフラインに進出し、
②顧客とのつながりを創り出すことによって、
③マーケティング要素自体を変革しようとする。
2.チャネルシフトのマトリクス:「選択」と「購入」の2つの軸で、「オンライン」と「オフライン」の2項目。
①「選択オフ×購入オフ」
②「選択オン×購入オン」
③「選択オフ×購入オン」
④「選択オン×購入オフ」
3.オフライン店舗で確かめて、ネット通販で買うことを「ショールーミング」と呼び、企業にとってはネガティブな意味で用いられる場合が多い。
4.「チャネルシフト」は、オンラインに軸足を置く企業が新たな顧客を獲得すべくオフラインへと進出する現象であり、同時にオフラインに持ち込まれた新しい戦い方である。
これを実践する企業は、「個客」を認証する技術を活用し、その行動データを収集し、それを元にマーケティング要素自体を変革し、一人一人に最適な提案を仕掛ける。
【引用】
世界最先端のマーケティング
p1
・アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?
オンラインからオフラインへの「販路の多様化」と捉えたら判断を誤る。アマゾンの狙いは販路ではない。
ネットとリアルを融合させたチャネルを通して、顧客の行動データを掴み、販促・価格・商品の全てを「個客」ごとに最適化する戦いを仕掛けてくる。
一連のマーケティングミックス、いわゆる4Pの革新だ。
・チャネルシフト戦略
1.オンラインを基点としてオフラインに進出し、
2.顧客とのつながりを創り出すことによって、
3.マーケティング要素自体を変革しようとする
p25
・チャネルシフトのマトリクス
「選択」と「購入」の2つの軸で、「オンライン」と「オフライン」の2項目。
1.「選択オフ×購入オフ」
2.「選択オン×購入オン」
3.「選択オフ×購入オン」
4.「選択オン×購入オフ」
この内、Amazonはあらゆるサービスを持って①以外の全マトリクスを占めている。
p50
・ゾゾスーツ
全身にぴったりフィットする伸縮性のある素材で、そこにセンサーを内蔵し、Bluetooth接続で着用すると採寸データを瞬時に計測できる。
そのため、洋服のサイズ選びが自宅(オフライン)で可能なのだ。
オンライン店舗で衣類選択する際のハードルは、試着ができない事だった。だがゾゾタウンはゾゾスーツによってその不利な常識を大きく覆した。
また、オンライン上で培った顧客とのつながりをオフラインに展開する事もまた可能なのである。
p54
オフライン店舗で確かめて、ネット通販で買うことを「ショールーミング」と呼び、企業にとってはネガティブな意味で用いられる場合が多い。
しかし、顧客が自社のオフライン店舗で調べ、自社のオンライン店舗で買ってくれるなら悪い話ではない。
それを自然発生的に起きるのを待つのではなく、意図的に狙っているのがニトリの「手ぶらdeショッピング」である。
また、専用アプリの登録が必要となる為、顧客情報や嗜好などのデータ獲得も可能となり、顧客との間に強いつながりを創出できている。
p110
現状では、ネットでのECが発展したとはいえ、全体のEC化率は10%に満たないと言われている。変革を迫られるのは、遠い未来のような気さえする。
変革が遠くにあると思えば、呑気に懐古主義にひたる論調も出てくる。「古き良き時代の本屋には、そこにしかない味わい云々」と、このような懐古主義的な声は、流通変革時に必ず上がる。
昔を懐かしむ事は構わないが、顧客がより良い購買体験を求めて動く事は止められない。
顧客の変化についていけなければ、旧来の流通は駆逐されることとなる。
p240
「チャネルシフト」は、オンラインに軸足を置く企業が新たな顧客を獲得すべくオフラインへと進出する現象であり、同時にオフラインに持ち込まれた新しい戦い方である。
これを実践する企業は、「個客」を認証する技術を活用し、その行動データを収集し、それを元にマーケティング要素自体を変革し、一人一人に最適な提案を仕掛ける。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
副題の「チャネルシフト戦略」とは、①オンラインを基点としてオフラインに進出し、②顧客とのつながりを創り出すことによって、③マーケティング要素自体を変革しようとする戦い方のこと。アマゾンはじめ、この戦い方を実践する企業を紹介しつつ、3つのフレームワークを提示する。
イントロダクション アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?
PART1 アマゾンの脅威
PART2 チャネルシフトの最前線
PART3 店舗至上主義の限界
PART4 購買体験をデザインする
PART5 無印良品のつながり
PART6 つながりがマーケティングを変える
エンディング チャネルシフト戦略を実行するために -
いま顧客は買い物の際、オンラインとオフラインをいったりきたりしながら選択・購入を行う。顧客のニーズや動きに合わせて、企業側も選択・購入の接点を変えていく必要がある(チャネルシフト)。具体的な企業の紹介も豊富だが、やはりAmazonのケースは興味深い。
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顧客時間をどう操るのかのついて、様々な業界の事例を踏まえて簡潔に書かれている。オンラインとオフラインを4象限に分けての説明は大変分かりやすい。時代の最先端を肌で感じられたし、知らない事例も多々あり、自分は時代に取り残されているなと少々危機感を感じてしまった。(笑)
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オムニチャネル化していく中で顧客との対話が重要になる。
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オフライン⇔オンラインへのシフトを上手くすることがビジネス拡大に向けてキーワードになっていると感じた。
特にAmazon。
Amazonが展開するサービスはどれもこれも関心するものばかりだった。
Amazonがリアル店舗を持つ目的を知ることで、本質を見ようとする考え方が身についたので、エンジニアにこの本を読んで欲しい。
マーケティングの面白さに気づくことができる1冊。 -
2018年2月に発行なので、1年半経過してから読んだが前半はOMOの時代へと言われる中でチャネルシフトの話は少し前に感じた。各企業はまだこの段階だと思うが考え方としては古く感じたので時代の流れの速さなのだろう。
良品計画の話以降は面白かった。
muji passportは顧客のつながりを可視化するために生まれたがその前には失敗もあり、カレンダーやノートなど競争力のないアプリで失敗したり、家のAR?アプリで一時的につながりがなく顧客の課題解決につながらないアプリで失敗してからのアプリだった。
顧客の行動データをとっても対話がうまれなければ意味がないので、アプリ内での完結が必須だった。
チャネルを顧客とのつながりをつくる場に変えるには顧客を知るだけではつながりは生まれない。メリットがなければ情報を提供してくれない。他者たは違う自分だけの提案を期待するからこそパーソナルな情報を提供してくれる。これは情報銀行の課題と一緒。
選択、購入、使用それぞれのデータをどうとり活用するかが求められている。
Muji passportをみると購入導線というよりかは、毎週の店舗発信情報などsns的な使い方がメインなので対話を重視しているのだと思った。
メモ
・店舗を軸としたKPIはもはや適切ではない。店舗を軸とした統制を行っているのであれば、全店舗売上の総和が企業の業績になる。しかし、顧客を軸とするならば、企業の業績とは全顧客売上の総和になる。つまり極論すれば、店舗ではなく個客の売上を追求することがKPIになる。単なる平均顧客単価ではなく、個客に対する提案につなげることが大事。顧客1人ひとりのニーズをすべて把握し、優良顧客を把握してオファーをだし、その商品の使用状況や満足度までを把握することは容易ではない。だからこそ、顧客の行動データをいかにオンラインで把握し、業務をデジタル化するかという視点が重要になってくる。 -
#読書記録 #読了メモ #世界最先端のマーケティング 企業がO2O対策に取り組んだ時代は現在OMO(Online Marges With Offline)に入ったと言われているが具体的には何が変わるのか?従来は「売り場」という視点での話が主役だったが「個客」という視点で捉え直すという大きな違いがあると思う。同著書の中でも選択→購入→使用という各フェーズにおいて消費者はオンラインとオフラインを行き来することを前提にその考え方と取り組みが進む企業の事例が紹介されている。これまで通りの売り場としてのオンラインやオフラインかという物事の考え方は担当者というよりも、企業として考えていくべきことであり、そのタイミングはもう待った無しという状況にあることを認識させてくれた読みやすい逸品でした。#ツゲ読書 #柘レビュー ★★★★★ #ビジネス書好きな人と繋がりたい #読書好きな人と繋がりたい