チャイナ・イノベーションーーデータを制する者は世界を制する

著者 :
  • 日経BP
3.67
  • (7)
  • (24)
  • (16)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 177
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255879

作品紹介・あらすじ

中国フィンテック研究の第一人者である中国人研究者が、コピー大国からイノベーション大国に突き進む「チャイナ・イノベーション」の実像を日本語で書き下ろした。

世界経済の波乱要因となっているトランプ政権が仕掛けた米中貿易戦争でクローズアップされたのが、「中国製造2025」。中国が建国100周年を迎える2049年までに世界の製造大国になることを目標に掲げた国家プロジェクトだが、人工知能(AI)などハイテク分野も含めたこのイノベーション大国路線が米国を刺激した。

なぜ米国がそこまで警戒するのかといえば、「チャイナ・イノベーション」が予想以上に進展しているからだ。近年、中国では支付宝(アリペイ)と微信支付(ウィーチャットペイ)が牽引してモバイル決済サービスが急速に発展した。このモバイル決済サービスがデータ蓄積の起点となって、さらなる生活のデジタル化を押し進めている。そのスピードは、米シリコンバレーを上回るほどだ。
人工知能、ブロックチェーン等の新技術が融合し、スマホによるAI活用の与信・貸付、無人スーパー、シェアリングエコノミーなど新サービスが次から次に誕生している。顔認証技術などで世界レベルのスタートアップ企業も続々生まれている。まさにイノベーションの連鎖である。

2018年7月末現在、世界の株価時価総額ランキングは、アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)がトップ3を占める。GAFAの一角、フェイスブックは5位と順位を落とし、4位マイクロソフト、6位バークシャー・ハサウェイ。台頭著しい中国のプラットフォーマーのアリババ、騰訊控股(テンセント)が7、8位に食い込んでいる。

本書は、アリババ、テンセントを中心に、最新の中国イノベーション事情を紹介する一方で、中国でアリババなどを活用して業績を伸ばしているユニクロ、中国イノベーションを研究・消化しているメルカリの事例も紹介している。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アリババ、テンセントを中心に、中国で今起きているイノベーションを紹介した1冊。この20年くらいの動きが背景を含めてよくわかります。2社以外の新しい会社の紹介は情報が少なく、ややとってつけたような印象。
    シリコンバレーの会社もそうだけど、こういう会社のスピード感、チャレンジ精神をみると、本当に今の日本の企業はマズいのではないかと思います。なんだか老成化しているのでは。国民も会社も含めて、国全体が老成化するスピードが高まっているような感じもします。それはそれで、成熟した国の一つのありかたであり、人々の生き方ではあると思うのですが、日本が世界から遅れていっていることが、まだまだ共通の認識となっていない。いまだに過去の成功体験とプライドにすがり、チャレンジしないならば、いかにも残念。

  • 仕事柄、インド関連の市場研究をしているのだが、現地のサービスプロバイダーと話すと、たいてい彼らが見ているのは欧米ではなく中国である。昨年、アフターデジタルを読んで中国の発展に衝撃を受けたが、より詳しく知りたいと思い手に取った本。
     
    こちらは、中国のアリババ、テンセントを中心に、なぜデジタル革命がこれだけ急激にこの15年ほどで起きたかをわかりやすくまとめている。

    まず国策として予算も出して推進していること、その上で法律も変えていき、イノベーションの発展を止めないようにしていること、インフラが発展していなかった故に、顧客中心主義でサービスを磨くと顧客がついてくることが挙げられる。まさにデジタルを通じて負を解消して、そこに大規模なマーケティング還元キャンペーンで顧客獲得が功を奏している。

    一方で各国で活躍していた優秀な中国人エンジニアたちがこれらの会社には集まっており、実際に人材の宝庫であるといえる。またオープン化戦略により、彼らのデータや機能を他社が活用することで、さらなるイノベーションが起きている点も見逃せないポイントである。

    では、両社の違いはなにか?アリババ、テンセントとも決済は押さえてるが、アリババは小売とそのトランザクションデータをメインに、テンセントはソーシャルプラットフォームとしての強さを武器に滴滴行行などシェアサービスなどをメインにした戦略となっている。

    2018年時点ではGAFAに続くような時価総額となっている二社だが、この本を読むと中国にはさらにユニコーンが出てくるイメージしかない。
    日本も中国から学ぶ必要があるな、と感じた。

  • テンセントvsアリババに止まらない中国テック企業の事例が沢山載ってて面白かった。この本を読むまでDiDiが元々はテンセント系の会社だって知らなかった…。
    日本はITに対する法規制が多いけど、テクノロジー起点で法律が変わるキッカケが生まれればいいなと思いました。

  • ・テンセントの躍進。
    ・JDファイナンスの不正検知システム"The Magic Cube"
    ・不正組織の羊毛党
    に関する記述など、ここで初めて知った情報もあった。

    メルカリの話もちらっと紹介があるが、それまでの中国の規模感と比較すると、日本の小ささが歴然。働き方の猛烈さもテンションもスピードも負けてる。色々と難は加味しつつも中国から真剣に学ぶ価値は十分ある。

  • ●近年中国が国際特許の上位に。日本は三菱電機とソニーが。単純に特許件数だけで中国企業のイノベーションの実力は測れないが、以前のコピー大国と言われた中国が、知的大国・イノベーション大国へと劇的に変貌を遂げつつあることを各種データが裏付けている。 
    ●人材は海外からの帰国組。金融危機以降、留学生は起業を選択、毎日1万社以上!
    ●実は中国における銀行口座保有率は78.9%で、日本と比較してもそれほどの差は無い。しかし、人口あたりの利用可能な銀行支店数は少なく日本の4分の1にも満たない。不便なのだ。

  • モバイル決済をはじめとする、デジタル経済の発展度の日中の差を、あらためて確認できる。
    日本の企業は、こういった分野で、普通に負けているし、追いつくことは、既に難しい。

  • 1日の日記帳がビッグデータとして利用されているのが画期的だった

  • alibabaと騰訊のすごさが書かれている

  • 中国の二大プラットフォームの来歴と動向を中心に、国をあげての未来社会への変革を活写する。そのスピード感や失敗を恐れないチャレンジ精神は、米国をも凌ぐ勢いがあり、日本などは既に競争相手と見なされていない...という見方は木を見て森を見ずな面があるかもしれないが、時代の節目が変わっているのは間違いない。本書の情報も書籍やニュースなどでわりと知られた内容が多く、目新しさはなかったが、それくらい中国における変化は認知されてきていると言えそう。かつてはアメリカの最先端がタイムラグで日本に伝わるのが常だったが、今は中国の最先端がそれに加わっている。中国の脅威を叫ぶ前に、隣人が模範という環境は物怪の幸いだろう。

  • めっちゃ面白かった。アリババとテンセントを中心に、近年のイノベーションが簡単にまとまっている。

    正直BATとかもよく分かってないし笑、この本振り返りながら、この先も中国の状況ウォッチしたい。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

中国福建省出身、上海市華東師範大学卒業。商社勤務の後、日本へ留学。神戸大学大学院経済学研究科国際経済専攻博士前期課程修了。大手通信会社を経て、2002年に野村総合研究所に入社。現在、金融ITコンサルティング部(兼)未来創発センターグローバル産業・経営研究室上級コンサルタント。中国のフィンテック・ウォッチャーの第一人者。論文多数。

「2018年 『チャイナ・イノベーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

李智慧の作品

チャイナ・イノベーションーーデータを制する者は世界を制するを本棚に登録しているひと

ツイートする
×