構想力の方法論

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822256722

作品紹介・あらすじ

これからは、想像力を超えた「構想力」へ

不正相次ぐ大企業、掛け声だけの働き方改革、かみ合わないデジタル化…
日本の問題は、想像力の欠如に起因する構想力の欠乏にある。

これからの時代、目先の課題より、世界的な視野で社会全体の在り方を見据え、
どのような方向性で臨むべきかを考えるべきだ――
野中郁次郎氏、紺野登氏が贈る新世代へのメッセージ。

この本は知識創造理論を基礎にして、いかに構想力を「次代の知力」として
身に付けられるか。その方法論がテーマです。
構想力を高めるヒントやメソッド、儲け方などについて書かれた
ノウハウ本ではありません。構想事例(ケース)集でもありません。
それらを期待する読者をがっかりさせるかもしれません。
経営の世界だけでなく、社会的活動や研究活動など何らかの構想や
構想力を求められる読者も想定しています。本書が構想力について
関心を持ち、実践していくための「知的資源」となれば幸いです。(「はじめに」より)

【主な内容】

はじめに 思考のイノベーションの時代へ 

第1章 構想力の危機
現場主義への過剰な信仰心招く悪循環
構想とは ビッグピクチャー/ビッグ・クエスチョン/新たなビューポイント

第2章 構想力とは何か
存在しないものを存在させる力
物語り的(ナラティブ)に行為を語る
イノベーションを駆動するポジティブな力

第3章 知識創造と目的工学
構想は共感から始まる=本質直感と相互主義性の形成(共同化)
人間や社会にとっての意味・価値の発見(表出化)
構想を実践の場で考える=構想の核を生み出す(連結化)
試行錯誤=エコシステムの形成(内面化)

第4章 エコシステムのデザイン
エコシステムが事業や政策の要を形成する
オープン・イノベーションエコシステムとしての都市
ルーマンの社会システム論とナラティブなエコシステム形成

第5章 歴史的構想力
構想力の時空間を広げよう
未来をつくる歴史の智慧
イノベーションは歴史的事件として起きる

第6章 日本の構想力
構想力で負けた日本/日本的構想力の可能性
構想という言葉のあり方/日本の構想力の可能性 ほか

感想・レビュー・書評

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  • 1.好きなデザインだったので何も管変えずに購入しました。

    2.構想力を社会の中で自分がどのような生き方をしていくのか、それに向けて得た発想をどのように筋道立てていくのかを言語化する能力だと言えます。本書では、構想力を定義したうえで、日本人に欠けている部分や、過去の偉人がどのように社会を改善してきたのかを述べています。難しいですが、知識創造と目的工学の視点からアプローチしています。
    単語や文章が難しいですが、定義や偉人の偉業の部分だけでも読むことで十分元が取れる一冊です。

    3.書き方が難しいので読むのに大変苦労しました。ただ、内容は発想力というだけではなく、その先を見通して筋道立てることが構想力なのだと思いました。
    私が一番印象的だったのは、「若いころから組織運営を任され、リーダーとしてのあるべき姿とは何なのかを自問自答し続けて、自分なりの経営哲学を体得した人がどれだけいるだろうか?」の部分です。今は個人が目だ徹時代です。しかし、人と関わり合うことは生きている限り離すことができません。そのため、構想力は常に考えていかなければならないと思いました。

  • 構想力に関する本

    メモ
    ・構想は過去現在未来にまたがる歴史的想像力によって生み出されるナラティブな智慧。大きな時間軸での社会の再生や革新のための仕組み、関係性の創出を担う。

    ・構想とは①ビッグピクチャー②ビッグクエスチョン③新たなビューポイント

    ・未来を予測する最善の方法は未来を発明すること

    ・構想力はゼロを生み出す力

    ・構想力は想像力、主観力、実践力の融合、人間の根源的能力から生じてくる力

  • 構想力が大事だということと歴史は繰り返される
    ということは理解出来たのだが、結局何をすれば
    構想力が身についていくのかは全く分からない。

    構想力が欠如しているのは分かっていることなので、
    構想力の概念と事例が中心というのは微妙だなと思った。

    【勉強になったこと】
    ・構想力とは、個人、組織が発揮するケイパビリティで、
     想像力、主観力、実践力を合わせた「存在しないもの
     を存在させる力」のこと。

    ・暗黙知は言語化されにくい勘や直感などとされるが、
     その本質は人間の身体知である。

    ・構想は本質直観が起点となる。
     とにかく本質を知ることが大事。

  • 紺野さんの本は読みやすいです

  • 理想を描く思考と概念

    ■評価/感想
    読み始めは知的好奇心をそそる内容かなとも思ったが、横文字が多すぎる。概念的、抽象的なのは構わないが、初見の横文字が多すぎて定義が理解しきれない。ビックピクチャー、ナラティブくらいならいいが、ポイントビューは視点と表現していいだろう。
    過去の識者の考えを引用、それこそ「綜合」して複雑な概念を広げているが、so whatは残る。
    読解力を鍛えるには良いし、思考のベースとしては役に立つのでないか。理解力のある人に限る、私には分からない。

    構想、綜合、リフレーミング

  • 構想力がこれからの時代に求められる
    計画を立てるだけではなく実践すべし


    知行合一
    知は行の始なり、行は知の成るなり
    行動を伴わない知識は未完成である

    構想力の哲学の系譜なども解説してくれているので内容がとても重い

  • 「目的工学」について調べるため通読。かなり広範囲な領域を扱っている。やや難解な箇所はあるが、欧米の直輸入ではない独自の視点があるように感じた。

  • 2020.03.02 紺野先生のこれまでのまとめ的な内容でもある。さらに哲学や歴史など、知識の豊富さがよくわかる。私たちは構想しなければならない。

  • 久々の難読意味不明本

  • いわゆる世界観の発想。
    構想力としているがないものあるように世界を形作るように絵を描き示すことができる力と見ていい。
    今の日本人が一番苦手としている感覚なので、先人を例に丁寧に日本的におとしこんでいる。

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著者プロフィール

紺野 登(コンノ ノボル)
多摩大学大学院教授
1954年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。博報堂などを経て、現在、多摩大学大学院教授、慶應義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授、エコシスラボ株式会社代表。博士(経営情報学)。イノベーション経営を加速支援する一般社団法人Japan Innovation NetworkのChairperson理事、Future Center Alliance Japan代表理事、日建設計顧問などを兼務。約30年前からデザインと経営の融合を研究、知識生態学の視点からリーダー教育、組織変革、知識創造の場のデザインにかかわる。主な著書に、『イノベーション全書』『ビジネスのためのデザイン思考』(ともに東洋経済新報社)、『幸せな小国オランダの智慧』(PHP新書)、野中郁次郎氏との共著に、『知力経営』(日本経済新聞社、FT最優秀マネジメント・ブック賞)、『知識創造の方法論』『知識創造経営のプリンシプル』(ともに東洋経済新報社)、『構想力の方法論』(日経BP社)などがある。

「2021年 『失敗の殿堂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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