- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822259754
作品紹介・あらすじ
スタートアップが必ず直面する課題と
その解決策を、時系列に整理。
失敗を潰せる「科学的な起業」の教科書。
あなたの失敗は99%潰せる!
日米で複数の起業経験を持つ
アントレプレナーにしてベンチャー投資家である
著者が、自分自身の起業経験、投資経験を踏まえて
「科学的な起業」の考え方を時系列でまとめました。
どうすれば起業の失敗を避けられるのか。
著者は、5年前から研究に着手しました。
そのために集めた情報は膨大です。
◎1000人以上の起業家、投資家を取材
◎起業に関する理論書と、起業家の自伝300冊を熟読
◎起業家のブログ500本、講演動画1000本を解析
その研究成果をまとめた1750枚のスライド、
「スタートアップサイエンス」は、
全世界で5万回シェアの大きな反響を呼びました。
このスライドの内容を基に大幅加筆したのが本書です。
従来は、スタートアップが成長する過程で、
いつ、何を達成すれば目標に向かって前進できているのかを
確認できるものさしとなる情報がほとんどありませんでした。
もし、スタートアップの成功に有用な情報があったとしても、
様々な書籍やブログ、動画などそれぞれのパッケージの中に
散らばっていました。情報を探すにも、読み込むにも膨大な時間が掛かり、
忙しい起業家にはなかなか活用しにくいものでした。
そこで、本書では、起業家がカスタマーから熱烈に愛されるプロダクトを生み出し、
スケール(事業拡大)できるようになるまでの考え方を20ステップで整理しました。
アマゾンやフェイスブックのような『大成功するスタートアップ』を作ることは
アート(芸術)かもしれません。でも、この本で示した基本的な型を身につければ
『失敗しないスタートアップ』は高い確率で実現できるのです。
≪主な内容≫
第1章 IDEA VERIFICATION(アイデアの検証)
第2章 CUSTOMER PROBLEM FIT(課題の質を上げる)
第3章 PROBLEM SOLUTION FIT(ソリューションの検証)
第4章 PRODUCT MARKET FIT(人が欲しがるものを作る)
第5章 TRANSITION TO SCALE(スケールするための変革)
感想・レビュー・書評
-
前々から読んでみたいと思っていた本。
予想通り、起業や新規事業開発に興味のある人にとっては、相当いい本でした。
本の中でも述べられていますが、「リーン・スタートアップ」の影響を多大に受けています。
が、「リーン・スタートアップ」よりも個人的には断然良い。
必要なことがコンパクトにまとめれれていて、起業家がないをすればよいのかが明確に書かれています。
(わかるとできるは違うのがこれまた難しいポイントなんですが…。
ま、それは著者の責任ではない、笑。)
※リーン・スタートアップ
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4822248976#comment
残念なのは、本のサイズ。
大きくて持ち運びに不適。
電車の中で読みづらい。。
逆に言うと、ネガティブポイントはそれくらい、という素晴らしい本。
冒頭で著者が述べている
「起業が成功するかどうかは、アート。でも、失敗する理由はサイエンス。」
これ名言だわ。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相当おもしろい。
起業における成功の再現性を担保すべく気をつけるべき点は何かをフェーズごとに追っていく構成。
Chapter1に割かれているページが一番多いことからも分かるように一番重要なのは人々が感じている痛みを解決するようなアイデア(課題ドリブン)→この痛みが破壊的イノベーションの元!
この技術があるから起業したいというように技術ドリブンだと失敗するのはかなり大きなトラップでは?
「既存の市場における課題」は何か普段から頭を回していたい。
起業家もその痛みを共有していることが望ましく、解決のためのビジョンを描くことで仲間を集めていく
→ユーグレナの出雲社長にお話を伺う機会が過去にあったが、本書にある通り自らが感じている痛みとそれを解決すべく思い描いているビジョンの解像度が圧倒的だった
望ましいスタートアップメンバー構成
3H+ボケツッコミ(p.175)
→自分や自分の周りの人がどれに当てはまるのかという視点を持っていると面白いかも
(テーマのせいかいつも書いてる文章とちょっと雰囲気が違う気がする。読んでて分かったら何が原因か教えて欲しい) -
界隈ではみんな読んでいて、常識になりつつある本だと思うから議論のベースに立つ上でも必要だと思って読んだ。
過去の事例からスタートアップの無駄な失敗を減らすというコンセプト。5段階で整理されていてわかりやすい。
「イシューからはじめよ」でもある通り、スタートアップにおいても課題(イシュー)が大事で、課題とそれを持つ顧客の解像度が高くないといくら優れた解決策を持っていてもそこにバリューはない。どんなビジネスでも、クライアントファースト。多くの失敗例が課題にしっかり向き合わないで誰にも求められないプロダクトを作ってしまうパターンという話は胸に刻みたい。
シード期のプロダクトマーケットフィットを達成する段階までで頓挫する企業が多いから、そこまでのスタートアアップの初期段階に絞って書いてあるのも良い。
あまり良くなかった点は、多くの事例を集めて体系的に整理されている一方で、その分平均的な知に回帰してしまって尖った内容がないところ。起業家教育の授業とかを受けた経験があるから新規性のある内容はそこまで多くなかった。
多くの注意点とかが書いてあるけど、実際に成功したスタートアップがこれらを全部意識したり、抑えていたかを考えると怪しい。そこまで神経質になりすぎず、思い切りとか気持ちの強さとか、シンプルに才能とか、そういう要素の重要性ももっとあるのではないかなーと感じた。(成功はアート、失敗の理由はサイエンス、失敗をなくすことにフォーカスしているから仕方がないか。)
顧客とその課題に向き合う姿勢を忘れないように。何を言おうと、結果を出すしかない。 -
# 書評☆4 起業の科学 スタートアップサイエンス | 科学に基づいた成功するスタートアップのコツ
## 概要
- 書名: 起業の科学 スタートアップサイエンス
- 副題:
- 著者: 田所 雅之
- 出版日: 2017-11-06
- 読了日: 2019-10-15 Tue
- 評価: ☆4
- URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/02/
## 評価
スタートアップの成功に必要な知識をまとめようと著者が作成した「スタートアップサイエンス2017」をベースにした成功するスタートアップの解説本となっている。
この本のすごいところは以下の2点だろう。
1. 文献
2. レイアウト
過去の成功したスタートアップと失敗したスタートアップの事例をふんだんに散りばめられており,出典元の情報も記載されている。情報の出所が記載されており,信頼性が高いと感じた。
また,元がスライドベースだということでイラストや図解が大量に掲載されており,かなり読みやすかった。
実際にスタートアップを考える際に,手元においておきたい資料になるだろうと感じた。
## 引用
> ### p. 18-29 1-1スタートアップにとっての「良いアイデア」とは
スタートアップはいかに課題にフォーカスするか,解決する課題の質を高めることを説明していた。解決する問題の影響度が高ければ高いほど,ビジネスとしても大きな成果が上がる。ただし,グーグルグラスやアップルウォッチのように,大企業でも課題を軽視すると失敗するとというのを事例を出して説明していたのがよかった。
その他,同じ観点で自分ごととして捉えられる課題を解決することが課題の質の向上につながるとのことだった。
また,スタートアップは誰が聞いても良いアイデアを選ぶべきでないとして,大企業の意思決定の流れを用いていたのは面白かった。たしかに,大企業のように重役を何人も説得しようとすると,長持ちするモバイルバッテリーのように,ありきたりな誰が聞いても良いと思うような既存の製品の改善くらいしかできない。
スタートアップは,電池不要のスマホのような既存市場を破壊するくらいのことをしないと,一見悪いようなアイデアを打ち出すことが重要だ。
> ### p. 60: PEST分析で「兆し」を見つける
このセクションでは,スタートアップのための課題を見つけ出すための4種類の領域について分析していた。
1. Politics
2. Economy
3. Society
4. Technology
例えば,規制産業ほど規制緩和時にスタートアップにとっては大きなチャンスとなり得る。規制に守られてきた企業はエンドユーザーのUXなどを考えていないからだ。
## 結論
実際に自分で起業するなんてことは,ほとんどないだろう。そういう意味で大多数の人にとっては無意味な本だろう。
ただし,起業する際には参考になりそうな情報が,文献を元にわかりやすくまとまっていた。実際に起業する際には入手してもう一度読み直したいと思った。 -
評判の書。スタートアップの科学、というタイトルになっているが新規事業立上げなどの際にも参考になる内容。
・ビジネスアイデアは課題ドリブンでないといけない。課題の質を上げてから、ソリューションの質を上げるのが筋道 → いま検討しているアイデアは、顧客にとって本当に痛みのある課題なのか
・課題の質を決める、ファウンダーの3つの要素(高い専門性、業界・現場の知識、市場環境の変化(PEST)に対する理解度)
・誰がその製品を心の底から欲しがっているか?
・誰が聞いても良いと思えるアイデアは、スタートアップにとって選んではならないアイデア。言語化して人に伝えられるような課題をターゲットにした場合は、既に課題が認識され、妥当な代替案があることが多い
・ファウンダーしか知らない秘密が差別化要素になる
・限定市場を独占してから周辺市場に攻め込むのがスタートアップの王道
・PEST分析の重要性。未来はどうなるか。規制産業ほどチャンスは大きい -
1.IDEA VERIFICATION
リーンキャンバスを使って、顧客の課題やソリューションを洗い出す。
サイドビジネスでOK。
2.CUSTOMER PROBLEM FIT
顧客と課題が見つかったら、課題を磨き込む。
検証可能な仮説を立てる。
顧客自身、課題を正確に捉えていないので、徹底的にヒアリングする。課題の磨き込みが甘いスタートアップが多い(ソリューション優先)
3.PROBLEM SOLUTION FIT
課題を磨きこんだら、ペーパープロトなどでソリューションが効果的か検証する。時間やコストをかけすぎないこと。ソリューションが効果的かどうかわからない中でプロダクト作りを先走らない。
4.PRODUCT MARKET FIT
プロダクト作り。リーンやアジャイルな開発でMVPを構築し、継続的なUXの改善を行う中で、仮説検証していく。
最初は人力であったり、商品分野を絞ったりして小さい市場を独占する。
5.TRANSITION TO SCALE
LTVの最大化
CPAの最小化
【印象に残った言葉】
・起業家がやることはマーケット分析ではなく、顧客の声を聞きに行くこと
・誰も欲しがらないプロダクトを作ってしまう
・工程が進むにつれ、創業メンバーも洗練されていく
・工程が進むにつれ、ピボット(方向転換)によるコストは増大する -
ウェブコンテンツの焼き直しかと油断してたらスタートアップ成功の秘訣を体系立てて驚くほど科学していた。著者の研究と経験の知見がふんだんに盛り込まれている。海外には『リーン・スタートアップ』などスタートアップ科学の良著が数あれど洋書の独特の「ノリ」がある。対して本書は日本語ネイティブの日本人が書いた有難い本である。
MVPやAAARR、アジャイル開発については類書で良く語られることだが、書籍の3分の1程度割いて課題設定・検証を説いているのは好感が持てる。それほど重要な論点ということである。ほか各ステージで大切なことや犯しやすいミスが丁寧に解説されておすすめである。
1つ不満としては大判サイズで重くて扱いずらいので、単行本サイズにして手元で都度参照できるようして欲しかった。 -
PMFに至るまでの道のりとその後。
MVPとなる前に顧客の声となる前にペルソナ(人間中心設計と定性)となる前にPlanAをまずは目指してからとの案内。
カスタマージャーニーマップリーンキャンバスのタイミングを丁寧に説く。
そもそも存在するかどうかわからない不の解決。
課題の質を上げる話をissueから始めよをもちいているのがよい。
スモールスタートじゃなくてスタートしたらJカーブでアップすることを目指す。
熱狂でありインパクト。