SE職場の真実 どんづまりから見上げた空

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822259990

作品紹介・あらすじ

IT業界「多重下請け」の実話
この過酷な労働環境は過去の話なのか!?

 本書には2つのことが書いている。

 1つは、IT業界の末端で働く人から見た世界だ。
昨今は「働き方改革」が叫ばれるが、現場を無視した働き方改革など全く意味がない。改革を進める人たちはどれほど現場を知っているのだろうか。
間違った改革をしないためには現実から目を背けてはいけない。単純に労働時間の短縮を進めても、そのしわ寄せは立場の弱い人のところにいくだけである。

 もう1つは、システム開発に関わる立場によって見えている世界の違いだ。
システム開発には、発注企業の業務部門、システム部門、受託したITベンダー、その下請けとなるソフトハウスなど、様々な立場がある。
立場が違えば見える世界が違うのは当然。だが、得てして人はそれを忘れてしまう。優れたシステムはよい環境からしか生まれない。「あの現場は最低だった」と言われる環境で優れたシステムができるわけがない。
良いシステムを開発・運用するには、システムに関わるすべての人を理解することが欠かせない。
本書には、下請けソフトハウスのプログラマのほか、設計担当者、システム部門の責任者、業務部門の社員など。それぞれの視点で見えた世界を書いている。

 ITに関わるすべての人に本書を読んでほしい。優れたシステムはよい環境からしか生まれないからだ。
IT業界の働き方改革を進める人にとっては、本書は本当の現場を知ることができる貴重な存在になるだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 実はこの書籍の著者の方とは、とあるIT系のコミュニティで面識があります。(とはいってもお会いしたのが一度だけですが・・・)
    いわゆる「IT土方」からキャリアをスタートし、事業会社の情報システム部門・営業・工場責任者を経て、現在では自社のIT戦略を担当されているそうです。
    興味深いのは、それまでのご自身の経験を血肉にして、業務システムに関して独自の哲学を持たれているという点です。

    テクノロジーや方法論には流行り廃りがつきものですが、こうしたブレない「哲学」を貫く姿には一種の憧れのようなものを感じますし、是非自分もそうありたいと思った次第です。

  • 著者のSE人生(3章以降はSEじゃないけど)とこれからのSEについての提言本。
    なんというか本当にSEってブラックなんだなと思った。こういうことがあるから、自分は少なくとも社外で働きたくない(社内だからいいってものでもないし、上には外にはでたくないといっても出ざるをえない時はやってくるとは思う)。
    自分のプログラムミスが原因のバグにたいして、顧客側から「確認漏れでした」と謝られるのは確かにちょっと辛いかも。まあ、自分もテストいいかげんなところがあるので、気をつけたい。
    後、自分が経験もないのに経験のあるふりをして働かなきゃいけないというのもきつい。自分も、一度外に出た時に、Azureの経験まったくないのに、経験あるということで行って欲しいといわれたときはちょっとつらかった。元請けの社員とうまくコミュニケーションとれなかったのはそのせいでもあると思う(自分の場合そんなことに関係なく、コミュ力はないし、そもそも「Azureの経験はあるんですか?」と聞かれて思わず「いや、初めてです」と答えてしまったのだけれども)。
    ちょっと面白かったのが、男性ばかりの現場に可愛い女性が配属されると、今までいたメンバーが異常なほど高い生産性を発揮し始めたという話。そういうの昔、聞いたことあるけど、いまいちよく分からなかったりする。可愛い子がいると逆に気になって仕事にならない気もするのだけど。でもまあ、たしかに可愛い子がいてくれたほうがいいのは分かる。

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著者プロフィール

1964年生まれ。SI会社のプログラマー、SEを経て、
ユーザー企業(劇場)の情報システム部門に着任。
全社のシステム化を推進した後、業務現場にて営業・飲食事業・
座席予約管理業務のマネージメント、BtoCビジネス等を担当。
現在は全社のIT戦略とともに、業務改革、データ経営の推進、
データモデリング/プロセスモデリング等、業務管理全般に従事。
併行して「ポップカルチャー×伝統芸能×パフォーマンス×IT」
を融合した全く新しいショーを作り上げ、プロデューサーを務める。
いつも心に留めているのは「鳥の目を持って地べたを這う」
(造語です)姿勢を忘れないこと。
著書に『システム設計のセオリー』(リックテレコム)、
『SE職場の真実』(日経BP)がある。
週末の楽しみは末っ子のましゅーとの散歩。

「2018年 『だまし絵を描かないための-- 要件定義のセオリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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