社長はなぜ、あなたを幹部にしないのか?

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822264345

感想・レビュー・書評

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  • 「管理職」にスポットを当てた本書。会社や仕事に対して悩みを抱えていたころ著者の別の本を読み、当時は新しい価値観にさらされて衝撃を受けました。
    あれから数年を経ましたが、今回はうんうんと頷きながら読むことができました。

    本書はタイトルが刺激的ですが、内容も同様。捉え方によっては管理職は社長の奴隷なのかと思ってしまうかもしれません。

    ”(社長の)イエスマンこそが会社を救う”というサブタイトルが意味するのは、仕事をする上で、社長をはじめ全社員一丸となって仕事に取り組むことが必要、と言う意味だと思います。

    会社の中で社員が勝手バラバラに仕事をしていても会社は強くなれない、軸を据えて力を合わせて働くことが価値を生む。その軸は社長が担っているから社長の考えを理解する必要がある。

    イエスマンとは思考停止して社長に従う状態を指すのではなく、しっかりと理解し、共感した上で一緒に働けるように価値観を形成しようと言うことだと思うのです。

    実際の会社勤めから得た価値観と照らし合わせると、このような解釈は大きく間違ってはいない気がします。若気の至りで上司に逆らいまくっていた時期がありましたが(汗)、今思うと後悔と申し訳ない気持ちでいっぱいです。

    ただ、やはり世の中にはあまりよろしくない”社長”もいらっしゃると思いますが、そういった方は自然と淘汰されるというのが著者の主張です。
    何を持って良し悪しを判断するのかは難しいですが、そのような”社長”にあたってしまったら、実際それはキッついよなーとは思いました。

  • 会社は将棋のようなものです。(本文より)
    こういう考え方が出来る人が社長に向いてたり社会的な成功を収めたりするんだろうな、と思った。
    タイトルにパンチが効いてて良い。

  • 社長としての心得や視点が極めて端的に語られている。もっとも会社のことを考えて真剣勝負をしているのは社長であるし意思決定を素早く実行することこそ幹部社員に求められることだ(役員1日、部長1週間、課長1ヶ月、平は一生やらない、は言い得て妙)。社長にとっては非常に参考になるし社員にとっては社長の思考回路を理解する手助けになる。特に第2章【戦略編】は具体的で面白い。一方で社員として武蔵野の働き幹部社員になりたいかというと...、Big Questionだろう。盲従しろという意味ではないにしろDiversify時代に多様性を無視して社長が決定したことを早期実行するイエスマンを最重視するのはやや限定的(というか時代錯誤)な気はする。

  • 勤めている自社の社長がこの本を読んでいるのかどうかは分かりませんが、驚く程思考・行動に共通項があり、また本書に書かれているその理由にも非常に納得でき落とし込めました。雲泥の差がある社長の行動・発言が理解出来ないと悩んだ時はこの本の内容を思い出して、その時自分の立場ではどうすべきかを考え、実際に自分の職場で活かしていくようにしようと思えました。

  • ”刺激的なタイトルにドキッとさせられる小山昇さんの著書。文中で連呼される「あなた」という呼びかけに、実行を早くし、報告スタイルを変えていく必要性を痛感。
    あと、「なると決める!」にも背筋が伸びる思いがした。

    サブタイトルの「イエスマン」には軽蔑的なニュアンスが漂うが、小山さんの定義は社長の指示をとにかく早く「実行」する人の意味。


    <読書メモ>
    ★だとしたら即刻心を入れ替えてください。会社は変わり続けなければ生き残ることはできません。だからこそ社長は熱心に勉強しています。しかし社長ひとりがいくら勉強しても会社は決して変わりません。社長が学んだことを社内で実行に移してこそ、ようやく変わることができる。
     そして、その「実行」を担うのはあなたです。管理職であるあなたが率先して、あるいは、部下を積極的に采配して、社長の決定を実行しなくてはなりません。つまり、あなたも社長と同じように勉強し、少しでも多く社長と同じものを見たり聞いたりして、自分の価値観を社長の価値観に合わせていくことが大切なのです。(p.3:はじめに)

    ★次の一手を素早く打つには、最初の行動をスピーディーに起こさなければいけません。そのためには、とにかく「早く」決定をすることが重要です。「正しく」決めようとしてはいけません。間違いだったら直せばいい。常日ごろから「早さ」を第一にすることです。特に、実行に当たる管理職の対応の遅さは会社の命取りになりかねません。(p.47)
     #むぐぐ…。早さ、スピード、実行!!!

    ★職責の高い社員には、求められることがもう1つあります。「報告」です。社長が決定を下すためには、情報が必要です。そこで社長は管理職に報告をさせるのです。
     (略)放って置くと誰も報告にこないので、社長はやむを得ずあなたをせっついているのです。社長に報告を求められているようでは、まだまだ未熟です。(p.56-57)
     #ふむ?、なるほど。→ ★もっと意味ある情報、有用情報を提供する行動を増やすべし。

    ★目標を達成できなかった最大の理由は、あなたが部下をきちんと「動かせなかった」からです。
     部下への指示は適切であったか、チェックは甘くなかったか。計画の見通しがまずかったのか。反省点は多々あるはずです。こうしたことを1つひとつ省みて、そして未来の目標達成に向けてすぐに動かなければなりません。(p.82-83)

    ★売り手の論理でお客様を変えることはできないからです。
     (略)
     林檎は計画通りには売れなかったのだから、それ以上無理に売ろうとしてはいけません。逆に梨は想定以上に売れたのですから、もっと売れるように力を入れる。「うまくいかないものをなんとかする」のではなく、「うまくいかないものは潔く切り捨てる」。これが正しい「対策」です。
     計画と結果の差を縮めるのではなく、むしろ広げていくほうが商売はうまくいくのです。(p.89)
     #これは目から鱗。問題はどのタイミングで見定めるか。→ それも計画にいれておく?

    ★あなたは、大きい相手に勝つには、自分も大きくならないといけないと思っていませんか。だとしたらそれは間違いです。勝敗を決するのは大きさではなく、お客様のニーズをとらえる力です。(p.102)

    ★優先順位を付ける場合は、細く考えてはいけません。ポイントは2つです。1つ目は(略)「新しく指示された仕事」からやること。そして2つ目は、「易しい仕事」を優先することです。
     (略)
     優先順位を付けたら、次に大切なのは「やらないこと」を決めることです。(p.112)

    ★私は時間の使い方には大変シビアです。「○○は○時まで」「??は?時で終わり」と何をするにも終わりの時刻を決めています。たとえやり終えていなくとも、時間が来たら何の未練もなくやめます。そして次の仕事に移ります。(p.123)

    ★クレームをいちはやく解決するためには、とにかく事態を大きくすることです。(p.137)

    ★あなたの下に配属されたばっかりに、そしてあなたが楽をしたばっかりに、部下の貴重な成長のチャンスが奪われるのです。(p.154)
     #異動させずに部下を固定させることについて。

    ★「でも1日の仕事が終わると、必ず内堀さんからのボイスメールが届くんです。それはいつも僕を励ましてくれるものだったので、聞いているうちに涙が出そうになりました」
     (略)
     やはり人は構われないと不安や不審に陥り、人間関係が壊れてしまう。これは恋人や夫婦の関係と同じです。あなたが管理職なら、やり過ぎるくらいに新人を気遣い、接してあげてください。(p.209)


    <きっかけ>
     タイトルが気になって手をとり、まえがきに書かれている内容でやられた!”

  • 著者の考えははっきりしてて良いです

  • 経営コンサルタント(経営指導者)による、社員、特に管理職の育成法を記したもの。部下を徹底して厳しく逞しく育てる一貫した方法が書かれており、部下を甘やかさない、見逃さないことを強調している。納得できる箇所が多い。
    「あなたたちも社長と同じように勉強し、少しでも多く社長と同じものを見たり聞いたりして、自分の価値観を社長の価値観に合わせていくことが大切です」p3
    「「優秀な管理職とは、社長の決定を即座に実行に移す人」です。社長の決定の欠点を見抜けるのがいい管理職ではありません。社長が決めた方針を、とにかく素早く実行する人こそが優秀な管理職なのです」p22
    「経営責任を取れるのは社内では社長一人だけ。そうである以上、殊に中小企業では社長がワンマンになるのは必然です」p25
    「私はいつも社員にこう言います「私のやることや決定の内容に納得がいかないのならば、すぐに辞めて他社に行きなさい」と」p26
    「伸びている会社では、例外なくダメ社員から辞めていくものです」p30
    「わが社にも、最初から社長の方針を無視して突き進む社員がいます。困ったことに当人は、自分の判断を加えることが独創的な仕事だと思い込んでいるので、しかられてもピンときません」p37
    「大切なのは「最後に指示されたことを最初にやる」ことです(重要度、困難・容易の判断は不要)」p53
    「会社においては、成果を上げた者だけが人格者です。一生懸命やることが褒められるのは、学生時代まで。会社に入ったらそのような精神論めいたものは意味を持ちません」p65
    「「お客様第一主義」とは、サービスの質を均一化することではありません。逆です。徹底的に区別を図り、ロイヤルカスタマーの満足度を絶対に落とさないことです」p99
    「たくさん喋る社員は、一見仕事熱心に見えますが、見当違いもいいところです。報告の内容の重要度を考えず、だらだらと話すのは職務怠慢の最たるものです」p124
    「あなたの部下は知恵をフルに使ってごまかしにかかってきます。あなたは感覚のすべてを研ぎ澄ませて、それを見抜かなければいけません」p142
    「部下はいくらあなたが口酸っぱく注意しても、あの手この手を使ってサボります。そういうことには知恵が回り、行動力を発揮するのが一般社員です。管理職はその一枚上手をいかなければなりません」p179
    「人気取りなのか知りませんが、部下に楽をさせたがる上司がいます。それで部下が成長するのであれば問題ありませんが、普通はあり得ません」p181
    「子供を見れば親がわかるといいますが、会社では「部下を見れば上司がわかる」。部下がダメだとぼやくのは、私がダメだと言っていることと同じなのです」p186

  • *管理職の仕事とは何でしょうか。それは「実行」です。社長の決定を速やかに部下に伝え、部門一丸となって実行に移す、それこそが管理職の仕事です。この点を理解していない社長や管理職、一般社員が実に多い。優秀な管理職とは、社長の決定を即座に実行に移す人だということです。社長の欠点を見抜けるのがいい管理職ではありません。社長が決めた方針を、とにかく素早く実行する人こそが優秀な管理職なのです。社長の方針を実行するにあたっては、職責が高い社員ほど迅速に、しかも確実に行わなくてはなりません。一般社員よりは課長が早く、課長よりは部長が確実に、という具合にです。ところが困ったことに、数ある会社の中には役員クラスの幹部社員であるにもかかわらず動きが悪い人がいます。そういう人材ならぬ「人罪」を抱えている会社は当然業績も悪く、やがては倒産の憂き目にあいます。私はこれまで、そういうケースを何度となく目にしてきました。
    *職責が下位の社員ほど「どうして俺は出世できないんだ」と不満を持ち、その原因を上司や会社に転嫁します。勘違いも甚だしいと言わざるを得ません。彼が出世できない原因はただ一つ、本人が「出世するぞ」「課長になるぞ」という「決定」をしないからです。人間は決めないことは実行できません。それにしても「課長になる」と決めると、本当に課長になれるのでしょうか。心配ありません。間違いなくなれます。不思議と必ずそうなる。
    *そもそも会議は何のために行うのでしょうか?問題の解決、新施策の提案、方針の確認など内容はさまざまでしょうが、究極の目的は一つです。売り上げを伸ばすためです。会議は自社の都合です。お客様には関係ありません。
    *「人」ではなく仕事と時間を管理する。「人」を管理するから反発招く。マネジメントというと、とかく「人」を管理することだと思われがちです。しかしこれは大きな誤解です。社長の方針を実行するということは、「仕事」を速やかに完了させることです。誰がそれを担当したのかは問題ではありません。つまり管理職が管理するのはあくまでも「仕事」であって、「人間」そのものではないのです。ここを間違えると、部下との間に無用な感情の摩擦が生まれてしまいます。
    *部下のやる気を高めるには「明るく楽しく」が基本です。状況が厳しいとつい「いやだな」「まずいな」とネガティブな言葉が出がちです。一般社員のときは単なる個人的な「愚痴」で済んでいた、そんなあなたの何気ない一言が、管理職となった今では部門全体の雰囲気を悪くしてしまいます。一般社員と管理職との違いはここにあります。自分だけでなく部下をも巻き込んでネガティブな気分にしてしまう。管理職の言葉には、それだけの影響力があるということを自覚してください。職責が上がるほど言葉遣いには注意を払い、愚痴ひとつ、ため息ひとつも慎まなければならないのです。

  • 上の指示は直ちに実行、
    指示が間違えているかどうかなど、下っ端管理職の考慮すべきことではない、というのに納得。指示が間違えていたときに責任を取るの上だから、一刻も早く間違えているかどうかがわかるような結果を出すべし。

  • 小山さんの本はわかりやすいです。武蔵野がなぜ町長期間成長を続けられるのか? 普通の会社が大きく成長できるポイントはここで学べます。

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著者プロフィール

小山昇(こやま・のぼる)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒業後、1976年に日本サービスマーチャンダイザー(現・武蔵野)に入社。一時期、独立して自身の会社を経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰し、1989年より社長に就任。赤字続きだった武蔵野を増収増益、売上75 億円(社長就任時の10 倍)を超える優良企業に育てる。2001年から同社の経営の仕組みを紹介する「経営サポート事業」を展開。現在、750社超の会員企業を指導し、450社が過去最高益、倒産企業ゼロとなっているほか、全国の経営者向けに年間240回以上の講演・セミナーを開催している。

「2023年 『「儲かる会社」の心理的安全性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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