ウラからのぞけばオモテが見える (佐藤オオキ/nendo・10の思考法と行動術)
- 日経BP (2013年10月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822264857
作品紹介・あらすじ
質の高いプロダクト、インテリア、グラフィックを提案し常時250を超えるプロジェクトに挑む佐藤オオキ/nendoの思考と行動のすべてを1冊に凝縮!
感想・レビュー・書評
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デザイナー佐藤オオキさんの、デザインする上での思考法と行動術をまとめた本。彼の本は4冊目なので、他の本で既に読んだ内容も多かった。
・nendoが考えるデザインとは日常の中の小さな気付きであり、小さな違和感を掬い上げ共有すること。
→頑張ればがんばるほどアイデアは逃げていく。全体や周囲をボヤッと見ることで魅力的なアイデアを探し出していく。
・見せたいものは「隠す」
→全部を見せてしまうと人々の興味を引きにくい。過剰とも言える情報に囲まれた現代では、多くの人に希求されている感覚。
・ゆるめに作る
→変化が激しい現代においては物や状況を固定化してしまうことはリスク。「ゆるく」まとめられたデザインは、変化を受け入れその都度鮮度の高い楽しみ方を提供できる。
・ものを使っていない状態のシーンを考える
・アイデアを実現するための状況を「耕す」+クライアントとアイデアを「育てる」+実現のために「収穫する」、の3ステップが確実に行われなければ折角生み出したアイデアをフル活用することができない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界で250以上もの案件を手がけるデザイナー。35歳。
約40名のデザイナーを率いるnendo代表。
「専門分野は無い。敢えて言えばデザインの専門家。」とのこと。
毎週4~5回はクラインアントと接する。
そんな、日本を代表するデザイナーのデザインとは?
デザインとは・・・
問題解決のための新しい道を見つける作業である。
そもそも、問題とは何なのか?
クライアントとコミュニケーションを通して「期待」を確認し「問題」を浮き彫りにする。時にはその場で出した複数の解決アイデアまで共有してしまう。
そこからのスピードがすごい。
クライアントとの接触から4日から2週間で解決策を準備してプレゼンする。
3Dプリンターや切削機などを駆使して立体物を提示し共有していく。
プロとして70点の解決アイデアをたくさん見つける。スピード重視! -
左脳派でここまで極めて右脳を刺激されるアイデアを出せる佐藤オオキはやっぱりすごい。努力の天才
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オオキさんのセンスが好きです。
まずnendo って社名が最高の作品ですよね。ガムとかも、オオキさんデザインのものを選んでしまうよ。生み出されるまでのストーリーを知っているからってのもあるだろうけど。
ウラからのぞいて、オモテが見えるような思考能力を育てたいです。
【本文より】
・「新しい道」を見つけることによって、クライアントに価値を提供するのがデザイナーの役割。P2
・短期的な利益以上に重要なのは、企業や商品の価値を高めたり、同じ企業の別の商品の売り上げが伸びたり、社内の意識改革や業界全体の活性化がなされることです。P9
・それがどういった意図や思いで作られたのか、そしてそれがどのような価値を将来にもたらすのかを伝える努力をしないといけません。『現在』だけでなく、『過去』と『未来』も含めた時間軸の『面』です。P13
・自分たちで120%納得できないものはあ、クライアントを100%満足させることは絶対できない。P152
・今まで守るべきものと信じて固執してきたことが、実は守らなくていいものだったりすることがけっこうあるP176
・当たり前のプロセスを当たり前とせず、「通常の逆」を老舗の企業が歓迎している状況からもうかがえるように、思考のブレークスルーが求められる時代なのである。P177
-アイデアをフル活用する3ステップ-
1. アイデアを実現するための環境や状況を「耕す」業務
2. アイデアをクライアントとともに「育てる」業務
3. アイデアを実現するために「収穫する」業務 -
以前読んだ佐藤オオキさんの「問題解決ラボ」が面白かったので、妻に共有したらなんと別の本を持っていたので読んでみた。
読めば読むほどデザイナーに興味がわいていく。
【なるほど!そうだよな!と思ったフレーズ】
自由に視点を移動できるようになれば、凝り固まったものの見方から解放される。 -
ビジネス
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佐藤オオキさんは、深澤直人さん、吉岡徳仁さん、佐藤可士和さんと並んで大好きなデザイナーです。
最近では一番気になる方かも。デザインした製品の数々の写真もふんだんに載っていて、楽しくなる一冊でした(^ ^) -
「デザイナーの教育」に関する話が興味深い。