星野リゾートの事件簿

著者 :
制作 : 日経トップリーダー 
  • 日経BP
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感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822265434

作品紹介・あらすじ

破綻したホテルが再生した。クレームが笑顔に変わった。顧客満足度を高めるために、超名門旅館の総支配人は踊り、新人はブチ切れメールを送った。本書の主役は、星野リゾートが運営する全国のホテルや旅館のスタッフである。顧客満足度を高めるために、何ができるか。その謎を解くために、スタッフが自分で考え、悩み、行動し、周囲のスタッフを巻き込む-。そんなストーリーを取り上げた。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった。事件=お客様からのクレーム等
    について、それぞれの担当者の対応が、実感をもって伝わってきます。

    ご本人の写真や、旅館の何気ない写真があって、現場の臨場感が伝わってきて、痛い感覚を覚える場面もありました。

    しめくくりは、星野氏の人をやめさせない多様な働き方への様々な取り組みが語られていています。

    理論で押していく、ハーバードのような表現の仕方もあれば、このように、淡々と現場の状況を細かに伝えて行く表現もあって、わかりやすく共感を覚えました。

  • 実際に星野リゾートの旅館やホテルで起きた、スタッフ同士の衝突やお客様からのクレームなど、様々なエピソードをまとめたものである。

    どのエピソードも決して派手な出来事ではないように感じた。問題や困難を解決するために突飛で天才的なひらめきやアイデアが思いつくわけではなく、ただ地道に悩み、ひたすら考え抜いた答えを、勇気をもって実行していった結果、紙一重で成功したのだと思う。

    どんな状況でも、常識や従来の仕組みにとらわれずに「考える」姿勢を大切にしたいと思った。

    • irodorimidoriさん
      途中までしか読んでないからめっちゃ参考になる☺️
      途中までしか読んでないからめっちゃ参考になる☺️
      2020/04/05
    • yuuuiさん
      コメントありがとう!
      コメントありがとう!
      2020/04/19
  • 読みやすい。

  • タイトルの通り、星野リゾートで起きた事件や接客トラブルがテーマ。
    事件が起これば、現場は考えて、とことん話し合う。誰でも自由に意見が言える環境。
    「顧客満足度を上げよう」に感化されて動くスタッフ達の意識が変わっていく様が一番の見所。
    いい会社だ。
    現場に任せ、静観する社長の器がでかい。
    あとがきに意見が言える環境ができたきっかけがあってなるほどとなる。

  • まるでプロジェクトXを見ているような気持ちになる本です。
    社長の熱い思いに肩を押され、現場のメンバーが奮闘する、そんなビジネスドキュメンタリーです。

    言いたいことを言いたい人にいつでも言える会社ってなかなか無いですよね。良い会社です。

    さくっと読めて、面白い本でした。

  • 1.社長の星野さんが社員とどのように向き合って、どう育てていったのか興味が出てきたので購入しました。

    2.この本は、星野リゾートが直面したクレームや問題、悩みを短編小説集のように読みやすく書かれています。トップダウンに慣れてしまった組織体系からボトムアップ型へどのように変化していったのかというところが一番の見どころです。社員の意見に社長が折れるという波乱もありますが、社員の成長が会社の成長につながることがこの本で示されています。

    3.一番印象に残っているのは、リゾナーレ(山梨県北杜市)の章です。社員が顧客のために必死になって考えて、社長に意見をし、その意思を貫き通して、収益を上げたところです。ボトムアップ型からの転換は難しいのは今の会社がそうなので、よくわかります。そのような中、社員が一丸となって顧客の満足にひたむきに向き合ってる姿は凄いと思いました。
    ただ、私が一番凄いと思うのは星野社長です。自分の意見を曲げて社員の意見を通すことは、なかなかできることではありません。社員を信頼してるからこそできた判断だと思います。自分の意見が全て正しいとはおもわず、時には現場の意見を尊重できる広い心を持てるようになりたいと思います。

  • リゾート再生で有名な、星野リゾートのリゾート再生のドキュメント。読みやすい長さでうまくまとめてあり、非常におもしろい読み物に仕上がっている。
    星野氏の熱意、従業員のがんばりが滲み出ている。

    <blockquote>それまで、売り上げを伸ばせ、コストカットしろと言われ続けていたのに、突然『お客様の満足が最大の目的』だと言う。</blockquote>
    星野リゾートの最大の特徴がこの言葉に表れている。

    <blockquote>トマムのスタッフは、それまで「会社として都合の悪いことは基本的にお断りする」ことにしていた。
    </blockquote>
    なるほど、リゾートとして潰れてしまう訳だ。。
    <blockquote>社長の星野は社員の反対意見に対して、怒るどころか、平然と議論していた。
    </blockquote>ここまで丸くなるのは、大変だったろうと思う。

    <blockquote>とにかく聞いた、親身になって、話を聞き続けた。
    </blockquote>これができるから、星野リゾートは成長するのだろう。

    <blockquote>「仕事に慣れない人が下準備」したあとで、ようやく仕事のできるベテランが動く
    </blockquote>なんて効率が悪い組織だったのだろう!!!

    <blockquote>現場を知るスタッフが『お客様に喜んでいただきたい』と思うようになったとき、大きな力が生まれる。
    </blockquote>これこそ、星野リゾートの力なのであろう。

    <blockquote>「言いたいことは、言いたい人が、言いたいときに言う」という文化</blockquote>できていそうで、なかなかできていないことだと思った。

    <blockquote>オープンの日までにすべてを間に合わせるより、長い目で見て、本当にお客様が満足するサービスができるかどうかが大事。</blockquote>なるほど。焦りは禁物なのだな。

    <blockquote>思いつくままにまとまりのない人→優先順位をつけてみてはどうか?</blockquote>この辺いただき。
    <blockquote>
    「終身雇用はあくまで大企業の話に過ぎない。中小企業には終身雇用は定着していなかった」</blockquote>まさに、錯覚というやつだろう。ほとんどの企業は中小企業だというのに、終身雇用神話か?

    <blockquote>「社員が働き続けられる仕組みを考えよう。会社を変えよう」</blockquote>この辺の星野社長のバイタリティがすごいと思う。

    <blockquote>日本の観光を一流にする。→日本の観光をやばくする。
    </blockquote>やばいミッションだ!

    <blockquote>叱るっても学ばない。考えさせることを重視する。
    </blockquote>なるほど。叱るだけは、簡単だなぁ〜

    過去の社内事件を共有化→類似の事件に対応できる。また、事件化を防ぐことができる。

  • *調査会社を使って詳細なデータを集める→データに沿って「コンセプト作り」→メインターゲットの客層の決定→どうアプローチするか
    *スタッフが数人単位でサービスチームを組み、様々な仕事を兼務する
    *「ニッパチの法則」二割のリピーターが八割の利益を生み出す
    *クレームを後ろ向きに捉えてはいけない。<span style="color:#ff0000;">クレーム情報を出した社員をしからないこと</span>。苦しむだけだし、「しかられるなら言わない方がいい」とクレーム情報が伝わらなくなる
    *世界で一流のサービスを実現する
    *10年の回収期間を9年にしたところで、本質的に何かを変えたことにならない。5年で回収する方法を考えてみよう
    *<span style="color:#ff0000;">Whatを決めたらHow toは現場に任せる</span>
    *親と子が離れ離れになてもいい(常識を捨てる)
    *お客様の要望や期待と向き合うのは、社長や幹部ではない。あくまでも現場のスタッフ

    【コメント・感想】
    スタッフに全てを任せることでサービスの質を上げる。一流のサービスとはマニュアルではなく、スタッフが作り出すものである。

  • 就活中に読みました。星野リゾートはホテル(サービス)業界のみならず、他業界でも経営体制などが有名だったこともあり、実態を知りたいと思ったことが読むきっかけとなりました。個々の社員の意見を(ある程度の助言・制限も加えながら)拾い上げる星野さんの経営体制は素晴らしいと感じます。同じような企業が増えてくれたら、と思いますが現状の日本ではやはり難しいでしょう…。

  • 星野リゾートシリーズ3冊目に読んだ本。エピソード集なのでサクサク読める。

    従業員自身が主導となって、お客様の満足度を高める。非常に理想的だけども、実際どうなんだろうか?自著の本にも書いてあったけれども、中小企業だからこそ小回りやスピードがあると思う。

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著者プロフィール

日経ビジネス副編集長。1966年新潟市生まれ。慶応義塾大学卒業後、毎日新聞記者を経て日経BPに入社。日経ビジネス編集部、日経トップリーダー編集部、日本経済新聞社企業報道部などを経て2018年4月から現職。著書に『あの同族企業はなぜすごい』(日本経済新聞出版)、『星野リゾートの教科書」「星野リゾートの事件簿』(ともに日経BP)など。

「2021年 『星野リゾートの事件簿2 なぜお客様は感動するのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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