池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇

著者 :
  • 日経BP
4.03
  • (94)
  • (114)
  • (57)
  • (9)
  • (4)
本棚登録 : 1167
レビュー : 116
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822274375

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 教養という言葉にひかれて購入。
    前に下鴨アンティークを読んだ時、近代、古典の作者や詩の内容にほとんどピンと来なかったことで、教養が足りないな、と反省したので思わず。

    教養、と題しているが、リベラルアーツに関する記述が多い。
    東工大に設置されたリベラルアーツセンターに教授として招かれた池上さんが、センター長を始め他のメンバーと対談し、教養とは何か、その日本教育の現状、学生に必要なことは何かを語る。
    (アメリカの一流大学に留学、赴任した経験のある教授自身の体験談も多い)

    教養とは
    与えられた前提を疑う能力。
    新しいルールを創造できる能力。
    すぐに役に立たないから、一生役に立つ。
    専門分野以外の勉強をする。
    つまるところ、人を知ること。
    四の五の言わずに本をたくさん読む、
    人間を学ぶには歴史を学べ。

    様々な分野の知の体系を学ぶことで世界を、自然を、人を知る。すると、世の理が見えてくる。
    そうなって初めてこれまでにない新しい何かを生み出すことが可能となる。

    教養とはまた別の話題だけど、
    合理主義者の勝者が一番負けている。
    システムの奴隷、という言葉にすごく納得してしまった。
    バブルがはじけた今の日本には地獄の満員電車で通勤し続けても「いつかクラウン」はやってこない。
    でも働き方、働かせ方、教育のシステムは変わっていない。
    仕事一筋のお父さんは仕事を失った瞬間、社会からも家庭からも無価値の烙印を押される。
    会社というシステムのみに依存することがどれだけ危ういことか。
    他の複線を持つことが大事か考えさせられた。
    なるべく早く家庭を持つという言葉はちょっと耳が痛いけど(笑)
    超高齢化社会で、日本人は介護とか、病気とか暗いけど、強制的に複線を持たされることに遠からずなってくる。

    自分以外の人のために人生を使うことの価値を問い直すことも必要かもしれない。

  • 本書は、「教養」に対する考えを持った池上さんをはじめとする教授方による、「教養」に関する話を、生物学や、文化人類学と異なる側面から対話形式により書かれたものである。文系と理系で垣根を作らず、理解しようと努めること、合理主義に陥らず、無駄だと思われることも、興味があれば、進んで学ぶ姿勢を持つこと、何をするにも目的は「幸せ」のためであることなど、多くのことを学べる。
    本書を読破して感じたことは、一点目に、私はイメージ重視で生きていること。もっと論理的思考を身につけ、世界を単純化させて理解することに努めたいという欲が生まれた。
    二点目に、私にとっての「幸せ」はなんであるか。と、自身に説いて真っ先に浮かぶのは、信頼し合える人がいることだ。そのために私はどう進むべきか、じっくり考えていきたい。
    三点目に、やはり、世界の情勢を知りたい、と思ってしまった。先日某ラジオ放送で、イスラム国の紛争に関する議論が交わされていたのだが、恥ずかしながら根本のない私には異国語の会話のように思え、全く耳に入って来なかった。歴史の歩みや、実際に異国の生活はどのようなものであるか肌で感じたいと思える一冊となった。
    四点目として、一見して、特定の学問を毛嫌いしてはならないと、強く感じた。
    これからは興味のある学問に関する書籍に挑戦していきたい。そして、海外の暮らしぶりに触れてみたい。

  • 日経新聞の購読を、社会人7年目の今になって始めまして。その際に特典としてこの本が付いてきました。

    普段なら読まないと思いますが、嫁に「あなたって教養が意外とないよね」と言われたのをきっかけに日経新聞を取り始めたこともあって、一応読んでみました。

    池上彰さんに好感は持っていたものの、いまいち魅力を掴めずにいたのですが、なるほどね、と。

    噛み砕くのが上手いんですね。知らない話、あまり私にとって興味のない話のイメージを持たせて解説してくれる。その作業が極めて上手い。まあこの作品の中は対談形式なので、その構成のおかげということもあると思いますが。

    それでも、なんとなく教養っていつどう身に付ければいいのか、必要性も感じずにダラダラと来てしまった自分は、「ここからでも良いや」と、「ここから始めよう」と、なんとなくやる気のような好奇心のような、そんな気持ちを持つことができました。

  •  教頭とは自分を知ること、自分の社会での立ち位置を知ること。

     徹底的な建前議論、単線社会、論理とイメージの両面からの理解、双方向コミュニケーションの大切さを学んだ。

    ○実行すべきこと
    ・複線化する。
    ・徹底的に論理を詰めるのは、自己満足。伝わる・伝えることに主眼を置く場合、平易な分で論理とイメージを組み合わせるのが正しいことは自明。そこに目をつぶってきた自分がまだまだ自己優位性を保つことに囚われていると気づかされた。
    ・人間は非合理的なことを踏まえたうえで、僕の理想を突き付けすぎない。

  • 池上彰さんが東工大リベラルアーツセンターの教授に着任したのが2012年のこと。この本はそれ以後のシンポジウムでの討論や、東工大の名物教授たちとの対談などが収められている。なぜ理工系の大学なのに「教養」が必要なのか。東工大生の素晴らしい点と弱点は何なのか? ハーバード、MITなどの教養教育も紹介されている。「最先端のことだけを学んでも5年も経てば古びて使い物にならなくなってしまいます。その時にさらに前に進むためには、文学や哲学、宗教といった何百年も古びない学問こそ大学の時に学んでおくべきなのです」というMITの教授の発言にはインパクトがある。対談形式で書かれているので、とても読みやすい本だ。
    (選定年度:2016~)

  • ビビッと来たメモ、こんなにある本は珍しい
    ・こんなに豊かな社会なのにわれわれ日本人の発想も行動も置かれている立場も全然自由でないことが大きな問題だと思うのです(ページ78-79)
    ・教養は、枠にはまったりカリキュラムを作り、誰が教えてもいいようにマニュアル化したとたんに死んでしまいます(ページ81)
    ・テストで計れるのは過去の知識の量にすぎない。未来への創造や工夫は計ることができないんです(ページ305)
    ・私たちが学生に教えるべきは、知識そのものではなく、学び続ける姿勢です(ページ324)
    ・アメリカの大学では書く力とプレゼン力も鍛える(ページ334)

  • FBで知って、図書館で予約。ずいぶん待ちました。
     もっと硬くて退屈な本だと思ってましたが、大きく裏切って、ものすごく面白かった。1冊を通して対談形式になっているのも、私には新鮮!。

     気になった所、引用しようと付箋貼りましたが、付箋だらけ。どうしたものかと・・・

    自分の小ささを改めて実感する。
    そして、何か始めようと思う。

     この本を読んだ全員に、大小の差はあれど、変化が起こると思います。

    図書館で借りたけど、コレ買う。

  • 合意形成とは 意見の調整でなく インタレストの対立構造を露わにして 第3の答えを導き出す
    心のよりどころを複数持つ 複線社会で生きる
    自然科学はhowの答えであって whyの答えではない 唯一「価値を問う」生物学を除いて
    理系こそ論理だけでなく イメージを大切に アウトプットを おしゃべりになれ
    ハーバード大学 MITに行きたいいいいいいいい!強い憧れを抱く 将来はあんな刺激的な環境に身を置きたい

  • 一言面白かった。いい本だと思います。
    著者の東工大での講義関連の本を2・3冊読みましたが
    一番面白いと思います。
    リベラルアーツの奥深い世界や海外でのMIT・
    ハーバード・ウェルズリーの事例。
    教養の大切さ。大学生へ与えるべき新しい価値と
    いろいろな面で為になる内容だと思います。

  • 2020.51

    ・なぜリベラルアーツが大事なのか、そして日本では弱いのか?
    ・すぐ役立つ知識はすぐに役立たなくなる。
    ・価値の単線社会から複線社会にする必要性

全116件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

池上彰(いけがみあきら)
1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、NHKに記者として入局。さまざまな事件、災害、教育問題、消費者問題などを担当する。科学・文化部記者を経て、NHK報道局記者主幹に。2005年3月にNHKを退職し、フリーのジャーナリストに。
主な著書に、『経済のことよくわからないまま社会人になった人へ(第4版)』(海竜社)他、多数。

「2020年 『池上彰の今さら聞けない日本のこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池上彰の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ブラッド・ストー...
佐々木 圭一
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印

池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇を本棚に登録しているひと

ツイートする
×