お金はサルを進化させたか よき人生のための日常経済学

著者 :
  • 日経BP
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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822277581

作品紹介・あらすじ

あなたはお金を賢く使っていますか?

買い物をするときあなたの脳はどのように働くのか。
「お金の正しい使い方」「自分への投資」とは何か。
本書は、ファイナンス理論、金融工学、確率論、統計学、行動経済学などを使って、
「いかにお金を賢く使うか」を解説します。

「不動産の知識がなくても3分で自宅の価値がわかる」
「人はなぜ当らない宝くじを買うのか」
「銀座と渋谷の土地の値段はなぜ違うのか」
「なぜお金持ちはリスクを嫌うのか」
「なぜギャンブルにはまってしまうのか」
「なぜ人は生命保険に入るのか」


など、誰にでも起こる身の回りの出来事を取り上げながら、その裏に隠れているファイナンス理論や行動心理の
理論を分かりやすく紹介。

今までなんとなく漠然と行っていたお金について、その正しい使い方について深く考察していきます。

限りあるお金をいかに有効に使い、いかに適切なタイミングで自分自身に投資し、
自分を成長させ、人生を豊かにしていくか、そのための知恵を得たい方に最適な1冊です。

感想・レビュー・書評

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  • お金
    経済

  • 建築中のマンションの手付金支払いは、オプション取引のようなものである。慣習どおりの不動産価格の1割が手付金であれば、引渡しまでの期間が長ければ長いほど得。手付金とオプション取引の最大の違いは、不動産取得時には不動産価格から手付金を差し引いたものを払えばいいという点。オプション取引であれば、そのオプションプレミアムの支払い分は独立していて、株式取得時の取得価格から差し引かれることはない。取得する、しないにしろ、プレミアム分は支払う必要がある。ただし、売り手としては手付金制度に従い、手付金倍返しで購入権を解約する権利を持っている。

    保険はすべてオプション。ただし、CF安定化まで。それを超える保険は「不幸に賭ける投機」

    ストックオプションを「タダで」手に入れられるなら、その株を空売りしておくことで、利益を一定化する(リスクゼロ)にすることができる。

    CAMP理論
    →シャープレシオ

    リスクとは不確実性を指す。不確実性とは「予想していた事象が起こる不確からしさ」。けっして、「危険なことや好まざることが起こる可能性の高さ」ではない。不確実性=標準偏差

    火災保険も生命保険も、発生確率と保険料を比較すると、割高に設計されている。当然。厳密に言うと、保険に入ることは投資ではなく投機になる。発生確率が低い場合、理論的確率よりも主観的確率のが高くなる=自分に災難がある確率を過大評価し、心の安定という効用を得るため高い保険料を支払う。

    マンションの価値(都市部築10年以内と仮定)
    都市周辺部:毎月家賃×200
    都市中心部:毎月家賃×240

    マンションの価値
    =年間キャッシュフロー÷割引率
    =家賃×12÷割引率
    =毎月の家賃×240倍(割引率0.05の場合)

    不動産価格の計算は「収益還元法」で!

    ものや事業の価値はキャッシュフローをどれだけ生むかによってきまる。キャッシュフローの額、それを手に入れるために費やす時間、不確実性に応じた割引率(金利)がわかれば計算できる。

  • 買い物をするときあなたの脳はどのように働くのか。「お金の正しい使い方」「自分への投資」とは何か。ファイナンス理論、金融工学、確率論、統計学、行動経済学などを使い、「いかにお金を賢く使うか」を解説する。

    プロローグ あなたはお金を賢く使っているか
    第1章 世界一の投資家は普通の主婦と同じ判断をしている~価値と価格
    第2章 不動産の知識がなくても3分で自宅の価値がわかる~価値とキャッシュフロー
    第3章 年功序列はベテランではなく若手社員が望んでいる~時間の影響
    第4章 あなたの財布には歪んだコインが入っている ~確率の錯覚
    第5章 損するとわかっていても宝くじを買う理由 ~判断の癖
    第6章 ラーメン屋とフランス料理店、どちらの価値が高いか~リスクとリターン
    第7章 アリとキリギリス、どちらが良き人生だったのか

  • ・人間にとって確率が苦手なのは、現実には事実が一つしかないからでもある。確率論は様々な標本から一定の割合を導き出すものだが、現実には一度のトライで結果が出てしまうものが多く「もう一度」ができない。
    戦場の第一線で戦い、自分の部隊が全滅したにもかかわらず生き残った兵士の中で、今後の人生において「自分は特別で神に守られた人間」だと感じない人はいないだろう。人には偶然を運命として考え、何か特別な意味を見つけてしまう傾向がある。

    ・コインを5回投げたときすべて表であった。次に投げたとき、表と裏のどちらに賭けるか。そろそろ裏が出るだろうと思ってしまうのが人情だ。
    野球の試合を見ていて、打率3割の打者が3打席凡退の後、次の打席に入った。3割打者なのだから、この打席はヒットが出そうだと考えてしまう。
    だが、次に投げるコインで裏が出る確率はやはり50%であるし、打率3割の打者は次の打席も33%の確率でしかヒットを打てない。
    このように少数のサンプルだけをみて錯覚することはしばしばある。コイン投げの例でいえば、無数のコイン投げという母集団の中で、表と裏が半分ずつ出る。これを大数の法則と呼び、サンプルが多くなればなるほど理論値に近づいていく。
    しかし、5~6回のコイン投げの中で半分は表が出る、だから5回連続表の後は裏だと考えてしまうことを少数の法則と呼ぶ。後者は「ギャンブラーの誤謬」とも呼ばれる。

    ・日本のごく普通の主婦がFX投資家として市場を動かすほどの影響力を持ち始めていることは事実である。彼女たちの存在は海外でも知られており、イギリスの経済紙エコノミストは彼女たちを「ミセスワタナベ」と命名して報じた。ワタナベは日本人を代表する姓として採用されたという。
    彼女たちの中にはカリスマFXトレーダーと称され、負け知らずで年間数億円の利益を上げ続けている人もいる。市場に精通した金融のプロフェッショナルでも勝ち続けることが難しいFXの世界で、なぜ無敗神話を築けたのだろうか。
    10年前の外国為替(FX)の市場は、インターバンク為替トレーダーと呼ばれる一部のプロフェッショナルが参加していた。それ以外の参加者は生命保険会社や事業会社、商社などのトレーダーでやはりプロフェショナルである。
    彼らは、各国のファンダメンタルズの分析や金利の動向、また経済指標を分析しながら売買を仕掛け、利益を上げようとしていた。だが筆者が知る限り、全戦全勝の伝説のトレーダーはいなかった。
    ある年に相場の波にのって大きく稼ぎ、「○○銀行に△△あり」と呼ばれるトレーダーが出現したことはある。中には法外なインセンティブ(移籍金)を得て、他の外資系銀行に引き抜かれたものもいた。
    ところが彼らの多くは新しい職場で鳴かず飛ばずになったり、それどころか大きな損失を出したりして、気が付けば解雇されていた。それほどFX市場で勝ち続けることは至難の業だった。
    にもかかわらずミセスワタナベの中からなぜカリスマFXトレーダーが出てきたのだろうか。それは10年前と異なり、FXに参加する人が飛躍的に増えたことに起因している。
    FXの口座数は400万件を超えたと言われている。毎月の収支がプラスになった人とマイナスになった人が50%ずつに分かれると仮定しよう。
    12カ月連続で勝ち続ける人の数は、500万×1/2の12乗で計算でき、ざっと1200人になる。プロフェッショナルの世界で出てこなかった全戦全勝のトレーダーがミセスワタナベの中から出た理由がこれでおわかりいただけるだろう。
    彼女たちは運よく勝ち残った人たちであり、その陰には499万9000人近くの敗者がいるのである。10年前のプロフェッショナルの市場だったときは、参加人数が限られていた。絶対数が少なければカリスマトレーダーは生まれない。

    ・まずは各日の偏差をそれぞれ求め、すべてを足してみよう、偏差の合計はゼロになる。プラス3万円の偏差もマイナス3万円の偏差も平均値からばらついている度合いは同じだが、足してしまうとゼロになってしまう。
    そこでプラスマイナスのばらつきを全てプラスにして計算できるように、各偏差を二乗にして足してみる。
    …そのあと単位を円に戻すために平方根を取ってみる。
    (標準偏差の作り方)

  • ファイナンスについての本。
    キャッシュフローの大切さを説いており、現実に使えるような例が多く出されており、初心者には分かりやすく読める。
    ヒト、モノ、カネの順番がキャッシュフローを生む。

  • タイトルの通り、日常生活とお金の話。

    確率の話とか確かにその通りなんだけど、なぜだか最後まで入って来なかった。

  • お金のことを学ぶ上で、良書はたくさんあるが歯応えがあり過ぎるが、一般層に知られる為に平易に書かれている本はあるが、経済学の深みを伝えられていない本が多い。
    だからその中間に当たる様な本を書く為に作られたのがこれなのだけど、確かにそんな位置付けの本だった様に感じる。
    数字の部分をしっかり読み込めば納得出来るところはあるけど、その数字を読み込む必要性が自分にとってあるのかと言うのが天秤になっていた。

    為になるといったらなった気がするし、ならなかったと言ったらそうとも言える。
    そんな感じの中間でもあった。

  • もう一度みたい。全体的には日常起きている物事の(不確実性)リスクを見える化してリスクを最大限回避していこうというもの。かな?
    分かりやすそうで分かりにくい、そんな感想です。
    確かにあらゆる事について直感では無く数値化した上での判断が必要かと思うがいかんせん偏差値など数学アレルギーの私にはきつい一冊でした。
    時期をあけてもう一度読み返したい。

  • 確率論も加えた本。

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著者プロフィール

プルータス・コンサルティング代表取締役1984年京都大学経済学部を卒業、富士銀行(現・みずほ銀行)に入行。1989年JPモルガン・チェース銀行入行。ユーロマネー誌によるアンケートにて3度、最優秀デリバティブセールスに選ばれた。ゴールドマンサックス証券を経て、2004年に企業価値や株式価値の評価を手がけるプルータス・コンサルティングを設立、代表取締役に就任。毎年300件以上の企業価値評価を実施する。旧カネボウ株式買取価格決定請求における株式価値鑑定、ソフトバンクによるイー・アクセスの完全子会社化の際の株式交換比率の算定など、世間の注目を集めたMBOやM&Aのアドバイザリーも務めている。2005年よりグロービス経営大学院にてファイナンスの講師を勤めるほか、ソフトバンクアカデミア等でファイナンスの講義を担当している。

「2014年 『お金はサルを進化させたか 良き人生のための日常経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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