孫正義の焦燥 俺はまだ100分の1も成し遂げていない

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822277642

作品紹介・あらすじ

ソフトバンクの孫正義社長は現役最強の経営者だ。
しかし、このままでは歴史に名を残す経営者にはなれないのではないか。
本書では孫社長や関係者へのインタビューを基に、そんな問いを投げかける。

この3年ほどソフトバンクは、米国本格進出やアジア企業への投資、
ロボットやエネルギー事業への参入と業容が急拡大している。
孫社長は個別事業の説明はしてもメディアの個別取材を受ける機会が激減し、
経営の全体像が見えにくくなった。
その間に、ソフトバンクが大きな課題に直面している。
課題の1つは、2013年に買収した米携帯電話3位のスプリントの低迷だ。
市場からは「スプリントを売却するのではないか」との声が出始めている。
2つ目の課題は、急速に拡大した事業構造だ。ロボット事業やエネルギー事業、
海外ネット関連企業へ出資と拡大路線をひた走っている。
その半面で、国内事業が手薄になっている。
課題の3つ目は収益基盤である国内事業の成長鈍化だ。
世界ではM&A(買収・合併)など攻撃的な経営を貫いているものの、国内においては
現金を稼ぐための守りの姿勢が目立つ。挑戦者というイメージを持っていた顧客は、
変節と捉えかねない。保守的な戦略をとり続ければ消費者の味方ではなく、
既得権益者というイメージが付く。社員にも勝ち組としての意識が染み付き、
大企業病が蔓延し、中長期的にはソフトバンクの競争力を損ないかねない。

短期的に競争に勝つことだけを考えた経営者であればその戦略は正しい。
しかし、孫社長は「情報革命で人々を幸せに」という理念を掲げ、事業の求心力としている。
さらに300年間発展し続ける組織作りを目指している。
歴史に名を残す経営者になるために、これらの課題にどのように立ち向かっていくのか。
孫社長や関係者を徹底取材し、経営者「孫正義」の実像に迫った。

感想・レビュー・書評

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  • 織田信長、千利休、茶室のついての孫正義さんの解釈が初めて聞くのもので、確かにそういうこともあるかもな、と思えて面白かった!

  • 孫さんはけっこう好き嫌いの別れる人ですが、私は好きですね。携帯のキャリアもソフトバンクだし。
    この本では、ペッパーやアメリカ事業、エネルギー事業などを通じて、孫正義とはナニモノか?を探るものです。
    でも結局、この人はよくわかりません。いろいろ言われていますが、何を目指しているのかちょっとわかりづらい。ソフトバンクは「情報革命で人を幸せに」を掲げて事業を行っていますが、この目的からして抽象的でわかりづらい。
    まぁ天才の考えることは凡人にはわからないのかもしれません。笑
    この本は2015年6月に刊行されたものですが、1年経った今年、孫正義の後継者とされていたニケシュ・アローラが退任。やはりこの人は余人を持って代えがたいのかもしれませんね。

  • スピード感のある孫正義の経営の展開の「足跡」を
    よく見つめて、どこに依拠しようとしているのかが、
    わかる作品となっていて、おもしろい。
    孫正義のスケールの大きさが、伝わる。
    そして、更に大きくなろうとするどん欲さをも描ききっている。
    「志高き挑戦者」として ジョブスをこえ、
    信長、龍馬、チンギスハーンを越えるために、何をするのか?
    なにが 孫正義なのか ということを孫正義が問うている。
    「目標が低すぎないか?平凡な人生に満足していないのか?」

    ソフトバンク社外取締役の柳井正は、
    「なんでも欲しがる」「膨張ではなく、成長を」
    「虚業ではなく、実業を」と言っている。
    またに、正鵠をえた 指摘である。

    ロボット ペッパーの取り組み。
    スプリント買収による 世界一をめざす野望。
    福島原発事故からの自然エネルギーの取り組み。それは趣味と言う。
    柳井は 電力は 政治がからんでいるので手がけるべきではないという。
    現在の ソフトバンクの人材描写とこれから300年の継続の野望。

    コンパクトにまとまっていて、島聡の「孫正義の参謀」と
    あわせて読むと 孫正義の肉声が 聞こえてきそうだ。
     

  • 孫正義「自分はちっぽけだ」「たるんでいる」

  • 孫史観 たいへんたのしい。
    信長、竜馬、利休、家康...
    チンギスハンって、知らないので、
    へえって思ったりもした。

  • 請求記号 007.3/O 69

  • ★まとまりが良いだけに熱量が★最近のソフトバンクと孫正義の動向についてよくまとまっている。きらびやかな海外との交流以上に、国内のグループ関係者の紹介が一番興味深い。さらに孫が歴史をどのように読みなおすか(戦う人にとって茶は密談の場という)は人となりがよく分かる。

    ただ、構成がきれいなのと最近の出来事に絞ったことで、稀代のビジネスマン&投資家である孫のどろどろとした事業欲や超人的な仕事量の深みが感じにくい。経営に軸を置いた著者の狙いは分かるが、やはり孫の本には熱量が欲しい。

  • 1,ハンデイキャップは最高の贈り物で、乗り越えようとすると、必然的に普通の人以上の努力をする事になる。ハンデイキャップを前向きに捉えると、乗り越えた時の喜びはかけがえのないものとなる。
    2,ソフトバンクバリュー
     ①挑戦って楽しい
     ②大至急って楽しい
     ③いちばんって楽しい
     ④逆算って楽しい
     ⑤あきらめないって楽しい
    3,俺はまだ100分の1も成し遂げていない

  • 現状に満足せず、常に人々の生活の質を高めるために投資を行う
    日本国内ではなく世界のソフトバンクを目指して挑戦している

  • ソフトバンク、孫正義の今を書いている。だから今読まないといけない。
    もしくは、もう少しあとで答え合わせとして読むのも学びがあるかもしれない。

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著者プロフィール

「日経エコロジー」記者。1976年生まれ。上智大学法学部卒業後、2001年に日経BP社入社。環境・エネルギー専門誌「日経エコロジー」、ビジネス情報誌「日経ビジネス」を経て、2011年から日本経済新聞社に出向。2014年9月から現職

「2015年 『孫正義の焦燥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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