ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学

著者 :
  • 日経BP
3.98
  • (78)
  • (105)
  • (56)
  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 1056
レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822279325

作品紹介・あらすじ

ドラッカー、ポーターしか知らないあなたへ。
「ビジネススクールで学べる経営学は、最先端からかけ離れている!」
米国で10年にわたり経営学研究に携わってきた気鋭の日本人学者が、
世界最先端の経営学から得られるビジネスの見方を、
日本企業の事例も豊富にまじえながら圧倒的に分かりやすく紹介。
世界の最先端の「知」こそが、現代のビジネス課題を鮮やかに解き明かす!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 経営学者の教える経営学を大学院で学んだばかりだったので、それらのコンセプトを実際のビジネスにどう役立てるか、という視点で書かれた本書は大変興味深かったです。

    「知の深化」と「知の探索」とを同時にバランスをとる「両利きの経営」が大切、と書かれた章が印象的でした。
    自分はどちらかというと「知の深化」に重点を置きすぎていたと思います。

    「知の探索」とは、自分から離れた遠い知を幅広く探し、既知の知と結びつけることだそうです。弱いつながりを多く持つ「チャラ男」的発想が良いとのこと。私はこのような感覚を持っていなかったので、改心しようと思いました。仕事の上では、弱くても広い人間関係を持ち、創造性や発想力を高める事が必要だ、と学びました。

  • 国際標準化する最先端の経営学について知る機会は少なく、ポーターの5forcesやBCGのPPMといったツール化されたコンセプトが以前として使用されている現状に対する問題意識から本書は書かれています。

    私自身経営学といえば遠い昔に学んだことから、本書により少なくとも主要なコンセプトを概観することができ、とてもためになりました。

    特に参考になったのは、以下の点でしょうか。

    a- 企業のポジショニング(SCP)を重視する考え方に対するリソース重視の考え方(RBV)、この二つの戦略に加えてリアルオプション戦略が、競争の3つの型 IO、チェンバレン、シュンペーターに対応する、ということ。

    b-リアルオプションによるフレキシビリティーの高い投資戦略が、不確実性の高い事業や新興国での投資戦略として有効なこと。

    c- Exploitation(知の深化)とExploration(知の探索)をバランスよく行うことが、中長期的イノベーションを実現するために必要なこと。これは、成功するとサーチ行動をしなくなり、パフォーマンスを下げることにつながる、という点とも関連する。

    d- 組織のナレッジマネージメントで重要なのは、トランザクティブメモリー。「組織のメンバーが、「他のメンバーの誰が何を知っているのか」を知っていること」

    e- 組織に重要なダイバーシティーとは「タスク型の人材多様性」であり、デモグラフィーの多様性は組織的グループ間の軋轢を生じることとなり、パフォーマンスを停滞させる(!)しかし、デモグラフィーのダイバーシティーが多元化すれば軋轢は回避可能。

    f- トランザクティブリーダーシップとトランスフォーメーショナルリーダーシップ。そして、リーダーが必要とする言葉の使い方(イメージ言語)

    他にもCSR、エージェンシー問題、アントレプレナーに必要な資質、パフォーマンスと企業効果対産業効果などが取り上げられています。

    筆者はある意味、リスクをとって米国に渡り、"内発的動機”により本書をしたためる、という極めて能動的な人物です。その人となりにも感銘するところがありました。

  • 4F開架 335.1:イ ■シラバス掲載参考図書一覧は、図書館HPから確認できます→https://www.iwate-pu.ac.jp/information/mediacenter/Curriculum.html

  • 新旧経営学の違いと奥深さを垣間見える一冊。
    ビジネススクールで学ぶことと、現場で起きている経営課題への取り組み、研究面での考え方など幅広く知れる内容。
    社会人になったあと渡米して博士号(PhD)を取得して日本の大学院で教えてるだけあり、
    内容の充実度がある印象。
    著者が言うように学問は奥が深い

  • タイトルとおり ビジネススクールでは通常教えていない、比較的新しい経営学の知識を紹介
    110ページまで読んだ。続き読みたい。

    9/24 最後まで読んだ。大変面白い。いくつか抜粋
    市場の状況に応じて取るべき競争戦略は異なる。
    プレーヤの数が少ない安定した市場:ポーター型のポジショニング戦略により、差別化またはコスト戦略
    プレーヤの数がある程度多い競争市場:バーニーのRBV自分の強みを磨くことにより競争する
    不安定な市場:先の見通しが立たず長期戦略が使えない。リアルオプションによりリスクを抑えつつ新規投資。

    組織のトランズアクティブ・メモリー(誰が知っていそうかという知識を共有する)が重要。そのためには、対面のコミュニケーションのっかいが必要。ブレストは新しいアイデアを出すためには、意外と効率が悪いが、組織のトランズアクティブ・メモリーを向上するには役に立つ。

    成功体験は成功の確率を上げる。失敗体験は、サーチ行動の昂進により成功の確率を上げる。失敗経験が一度もないのは危険。

    市場はグローバル化していない。ごく少数の例外を除き、ほとんどの企業は母体地域での売り上げが50%を超える。世界はフラットではなく、距離は情報の流通を妨げる。しかし、特にある地域と別の国のある地域が強い結びつきを持つことがある。これは、留学などによる。

    タスク型(能力による)ダイバーシティはプラスだが、デモグラフィー(性別、国籍、年齢など)によるダイバーシティーは中立またはネガティブ。後者は、分派の対立が生じることによるので、細かくダイバーシティを進めると解決するかも。

    トランズアクティブ・リーダーシップ(1対1の対応)とトランスフォーメーショナル・リーダーシップ(メッセージとモティベーション):日本では後者が不足している

    同族経営は、プラスとマイナスがある。マイナスを避けるためには、同族外から優秀な人材を同族に取り込む婿養子制度が有効。

  • 前半は、堅苦しくなく、現代用語を駆使して経営をメタファーしていて、興味深い。難しいことをシンプルに表現するのが、上手。両利きの経営、トランザクション、チャラ男と根回しオヤジ。

  • 全体的に学んだ感はないが、今後のキャリア形成含め、行動につながる一冊にはなる。
    ・メタ論文を読んで、自分なりの経営学への理解を深めたくなるきっかけになる一冊。
    ・ポーターとバーニーは有名で、その主張内容は知っていたが、その背景について理解したくなった。
    ・IT業界にはリアルオプション戦略がフィットするそうだ。
    ・イノベーションには、知の探索、知の進化を両輪で回す事が必要
    ・グローバル企業の定義は何か、分析を深める必要あり
    ・副業、ハイブリッド起業のすすめ

  • もう一つの方がまとまっていた

  • なぜ、経営学の分野で脱マイケル・ポーターと脱クレイトン・クリステンセンができないのか、ビジネススクールで利用する基本的な教科書の内容が4半世紀変わらないのか・・この設問自体は秀逸です。

    当然、それに代わるべく新たな学説や潮流などが開示されるのかと思いきや、その期待は見事に裏切られる。

    なぜなら、経営学者の興味は、実際の経営上役立つかどうかよりもあくまでも科学的な新奇性を重視するため、新たな実際的な学説が生まれづらいからだと結論づけています。

    本当にそうなのでしょうか?

    例えば、先に出てきた2名の著名な経営学者は印税だけでもとてつもなく稼いでおり、しかも同時に名声も手にしていますので、この後に続けとばかり発奮する学者が4半世紀の間一人もいないのが逆に不思議です。

    それは、学際上ビジネスツールとして使えそうな理論がすでに出尽くしたからではないでしょうか。

    自然界には万有引力の法則があるように、経営上もある種の限られた法則に縛られていると考えた方が、見果てぬ夢を追いかけるよりも精神衛生上も楽です。

    つまり、経営学の分野はすでに4半世紀前に完成され成熟期を迎え、そのあとの理論は補強理論なのではないでしょうか。

    まあ、こんな夢も希望もない本を書けば、経営学者はおまんまの食い上げになってしまいますが・・

  • イノベーションには知の探索と知の深化の両輪が必要で特に知の探索が大事。
    知の探索には遠くの知との掛け合わせが必要で、そのためには緩いネットワークが良い。

    組織の情報共有で大切なのはトランザクティブメモリーでknowwhoが大事。
    3年前の本とは思えないほど、今の話題に沿っていると思う。内容が幅広くカバーされているので、読みやすい。

全109件中 1 - 10件を表示

ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学のその他の作品

入山章栄の作品

ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学を本棚に登録しているひと

ツイートする