アジャイルと規律 ~ソフトウエア開発を成功させる2つの鍵のバランス~

  • 日経BP
3.13
  • (1)
  • (5)
  • (22)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 149
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822281922

作品紹介・あらすじ

従来型か?アジャイル開発か?方法論戦争に一石を投じ、迷えるエンジニアに両手法の長所をとりいれた現実解を提示。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 3部作の2
    現実的な解としては難しいのかも知れないが,どうバランスをとるかは課題.

  • 今流行りのアジャイル手法だけど、向かないプロジェクトもある
    (一番典型的なのは規模)。
    でまあ、従来型の手法とアジャイル手法をどう組み合わせればよいか、
    ってな話なのだけど、正直まともなアジャイル手法も実践してない身としては
    ピンとこなかったな。巻末の手法一覧はよかった。

  • アジリティと規律のバランスをどうするかというこがこの本の趣旨だと思うが、そもそもアジャイルプロセスは、すでに規律を持っており、それを守るだけで必要十分。それ以上の規律は官僚主義への第一歩である。

  • システム開発において、計画駆動型手法とアジャイル手法をどう使い分ければ良いか指針を示した本。とてもよく書けている。アジャイル手法は普及してきている。とりあえずアジャイルでやらねばならないのではないか、時代遅れではないかと考える向きもある。そんなことは無くて、計画駆動型手法、つまり「工学分野の主流から取り入れたコンセプトをベースに、明確に定義された標準プロセスを用いて、要求/設計/構築というパラダイムで開発を行う」(p.21)やり方が有効な場合ももちろん多く残っている。重要なのはその間のバランスを取ることだ。本書はどういう開発において計画駆動型手法が有効で、どういう場合にアジャイル手法が有効なのか、具体的に示す。

    「計画駆動/アジャイルどちらのアプローチも、筆者たちが「ホームグラウンド」と名づけた場所においてこそ、最も快適に機能する。計画駆動型手法の場合、一般にそのホームグラウンドは、安全性が最優先であるような高い信頼性が要求されることが多い、大規模かつ複雑なシステムである。そこでは、要求はきわめて安定したものでなければならず、環境は多少でも予測がつかねばならない。一方、アジャイル手法の場合は、システムや開発チームの規模が小さく、顧客やユーザとすぐに会うことができ、要求や環境が変わりやすい状況のほうがずっと向いている。」(p.37)

    計画駆動型手法とアジャイル手法の違いは、次の四つの特徴から比較される。開発するアプリケーション(目的、規模、環境など)、マネジメント(顧客との関係、管理の必要性、コミュニケーションなど)、技術(要求定義・開発・テストのアプローチなど)、人(顧客、開発者、組織文化など)。これらの特徴から計画駆動型、アジャイルの様々なアプローチが紹介・整理されており、とても理解しやすい。最終的には、人、変化の度合い、文化、規模、重要度の5要素からなるレーダーチャート(p.187)を使って、そのプロジェクトが計画駆動型手法とアジャイル手法のどちらに馴染むかを分析する方法が述べられる。これはプロジェクトのもつリスクの特性から、それに対処するための手法を選ぶやり方となる(p.126)。

    個別の話題では、顧客のプロジェクトにとって適任かどうかを表すCRACKという基準が印象に残った。アジャイルで顧客の全面的で専任の関与を求めると、「顧客の組織からたとえ不在でも組織が最も困らない人が送り込まれてくる」(p.64)リスクがある。そこで顧客の適任性を判断するのがCRACKだ。「顧客の代表者が協力的(Collaborative)で、顧客の意思をきちんと代表しており(Representative)、権限を持ち(Authorized)、献身的で(Committed)、知識のある(Knowledgeable)人」(p.64)が適任とされる。

    本書には、アジャイル手法ではリスクに正しく対処できないプロジェクトでアジャイル手法を適用して失敗した例や、プロセスを作り直して上手く行った例など、実際のプロジェクトの例が多く、参考になる。また著者も指摘するようにこうした俊敏性と規律のバランスは、組織における自己規律性と起業家精神のバランスを取ることに他ならない(p.194-196)。一般的な組織論からも学ぶことは多いだろう。

  • 体系的知識と実例。目指すべき場所がよくわかった。

  • CMMIとアジャイルの共存ってできるのか?

  • 数年後、「ピープルウェア」や「人月の神話」と並び称されているであろうことは間違いのない、Boehm の「現代の古典」。以前に途中まで読んで投げ出してあったのだが、今回のアジャイル本漁り読みシリーズの一環で読了。

    規律が求められる大規模エンタープライズソフトウェア開発と、迅速さが求められるビジネス環境の狭間で、答は中庸にあると説く。Boehm の深い思索と抱負な経験は、アジャイルの勢いのある、しかし少なからずナイーブな主張に与することもなければ、規律主義者の厳格な、しかし硬直化した意見に惑わされることもない。ソフトウェア工学者、かくあるべし。

  • アジャイル手法を成功させるには個人間の暗黙知がとても重要。
    ソフトウェア工学は人民の人民による人民のためのもの。
    人は自らチームを結成し互いに満足のいくソフトウェアを開発する。
    人は自分にはどのようなソフトウェアの機能が必要かを明らかにし他人にそれを開発してもらう。
    プロセスやツールよりも個人と相互作用に。

全9件中 1 - 9件を表示

ウルシステムズ株式会社の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×