クレイジーで行こう! グーグルとスタンフォードが認めた男、「水道管」に挑む
- 日経BP (2019年1月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822289584
作品紹介・あらすじ
朽ちゆく全米の水道管は、僕たちが守る!
単身渡米したサムライ起業家、情熱の「1000日戦記」
ロボットベンチャーをグーグルに売り、世界の注目を集めた男、加藤崇。彼は今、アメリカで新たな勝負に挑んでいる。戦場は「水道管」。老朽化が深刻なインフラ保全は急務で、市場規模は100兆円。単身渡米した熱き日本人経営者は、何を目指し、何に悩み、何を試み、走り続けたのか。本書はその3年間の記録である。
■世界と戦うには、クレイジーくらいがちょうどいい。
――「生活に必要なものは全て揃ってしまった」「イノベーションを起こすことは難しい」。そういう声をたくさん聞くが、嘘っぱちだ。
――もともと情熱のない人たちに火を点けてまわってもダメだ。どこかに存在する、変わった人たち、情熱のある人たちを探すんだ。
――僕たちの会社には何のルールもない。世界最大の問題の一つを解く。解けたら新しい問題を解く。それが楽しいから会社に来る。エンジニアもマーケティング担当も、朝9時頃に来るのは強制だからじゃない。多くの同志と会うことができて、便利だからだ。
――僕たちは大企業がやらないこと、絶対にやれないことをやる。スピードと柔軟性を併せ持ち、曖昧さと複雑さの中を走り抜ける。形式ではなく本質を見つめ、出世や建前ではなく、仲間と信用を大切にする。僕たちの挑戦は、宣戦布告だ。
感想・レビュー・書評
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タイトルから、ひたすら武勇伝を書き連ねた物語を想像していた(実際、序盤はそんな感じだった)が、節目ごとにきっちり悩んで経営判断していった経緯が残されていて、著者に好感が持てた。
Oculus、Vlingo といったベンチャー発でメジャーになった技術を引き合いに出し、巨人たちの足元を一気にすくうとしながらも、直接的に雇用を奪わずにお金の無駄遣いを抑制するといった表現があり、関係各所への配慮が垣間見えた。
日本企業の悪しき慣習に言及しているものの、故郷で活躍したい想いが感じられた。規模は違うけれど、東京にいないと大きな仕事はできないが地方で地域経済を発展させたいという感情と似ている気がした。
水道業界の情報は少なく、アメリカでは水道管の交換周期が400年(日本ではだいたい100年)ということくらい。中小規模の公共水道事業者と、大規模な民間水道会社の関係性、そこで働く人達の属性にまで踏み込めれば、日本でもフラクタの活躍が見られるかなと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者も書いている
まるで部活だ
楽しくてやっている
だから人が集まってくる
9時に出社するのはみんな集まって
話がしやすいから
人間ドックの待ち時間で一気読み
しょぼい起業とはまた違った世界の起業
こんな仕事がしてみたかった -
作者と同じアメリカで事業を起こそうとした人から猛烈に薦められた本。読むと、熱量がシンクロしたのだろう、薦められた理由が分かった気がした。
本著はノウハウ本とも、啓発本とも言えるかも知れないが、歴然とした起業と事業売却までのサクセスストーリーの「記録」である。啓発に見えるのは、起業やベンチャーにおける黎明期に最も大切なのが情熱であり、それこそがガソリンとなって、次々と打ち手やアイデア、判断、行動を打ち出す原動力になるのだが、企業の持久力も、結局、この情熱の持続力に左右される。この情熱をクレイジーと表現し、筋論、哲学という自らの信念に当てはめて、突っ走る。情熱を語れば精神論ながら、しかし、それこそが最強のノウハウと言える。
びびるな、動け、会話しろ、目立て、前向きに、良い仲間と密に…この連続。暑苦しい?学ぶものがない。いや、それくらいじゃないと、アントレプレナーは務まらないという事かなと。 -
社内で新規事業にチャレンジしたいと思いながら何もチャンスが無く悶々する日々。アメリカで様々な国の人たちと一緒に新しい事業にチャレンジする話を読んで、羨ましい、自分も早く何かにチャレンジしたいと刺激を受けた。一方でシャフトを売却した資金もあるから大胆にチャレンジできるのだろうなと思い、自分にはここまで思い切ったことはできないと思った。ここまで思い切ったものでなくても、社内で出来ることもあるので色々とチャレンジしてみようと思う。
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「グーグルとスタンフォードが認めた男」「朽ちゆく全米の水道管は僕たちが救う」と大それたキャッチコピーが踊っているが、内容はベンチャーでの苦労話。栗田工業とFractalが2021年現在も成功していることは存じているが、本著に記されているのは精神論ばかりで参考にはならなかった。
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ブログとほぼ内容は同じ。
先輩のために購入しただけなのでこの評価。
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凄い人がいたもんだ。
異才のベンチャー起業家
ベンチャービジネスとはルービックキューブ
出来るか出来ないかのその前の高揚感が大切
情熱とコミュニケーションの人。スピード感が凄いんだけどそれ以上に人間の感情の機敏が読める人。
肩書きやスキルはいらない。大事なのはその人がどういう人なのかという事。 -
情熱のない人を情熱ある人に変えるのは難しい。
情報を発信する、話をする。その人に情熱があれば向こうからやってくる。
フラクタ
水道管の交換スケジュールAI最適化。
今後35年で100兆円の産業。20兆以上のコストダウン。
テクニカルな問題は良いチームに恵まれれば乗り越えられる。
栗田工業との提携に。
クレイジー=人と違う -
言っていることは「根性論」だ。
こんなことは大昔から言われていて、それで根性を植え付けるために部下を指導すれば、今はパワハラと言われてしまう。
結局、どっちなの?ということなのだけど。
世界は益々根性論。
日本は益々パワハラNG論。
つまり強制したらパワハラになるのだけど、自分の好きなことであれば、人に強制されなくていい。
好きなことを一生懸命に、ものすごい努力をしてヤレってことなんだ。
これを読むと、これからの時代の生き方を指南していることが読み取れる。
もう20世紀型の生き方では絶対に生き残れない。
ほんの数年後でも当然そうだし、すでに今でもそういう状況に入っていると思う。
だからこそ「クレイジーになれ!」なのだ。
今からでもクレイジーになって邁進しないと、未来は絶対に開けない!
これからは、言われたことをお行儀よくやっても評価されても、そんなことに意味はないのだ。
未来を考えると、そんな生き方に価値はないのだ。
だからハートに火を点けて努力と根性で前に進むんだ。
その時に大事なことは、仲間を大切にすること。
創業者はその仕事が好きだから、放っておいても前に進めるかもしれない。
だけど、メンバーはどうなのだろうか?
これからの時代は益々「誰と組むか」が非常に重要になる。
マッチングコストは非常に安価になり、日本ですら人材の流動性は高まって行くだろう。
だからこそ優秀な人、ガッツのある人をつなぎとめておくためには、ものすごい情熱が必要なのだ。
自分の中の人間的な魅力をどうやって育てていくか。
誰と組むか?
どうやって情熱の火を絶やさずに燃やし続けられるのか?
クレイジーで行こう!本当にそう思う。
(2020/3/14)