【ビジネス書大賞2020 大賞受賞作】FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 日経BP (2019年1月11日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822289607
作品紹介・あらすじ
2019年7月、著者来日! 各媒体で紹介され、更に注目を集めています。
ファクトフルネスとは データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。
世界で100万部の大ベストセラー! 40カ国で発行予定の話題作、待望の日本上陸
ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛!
「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」 ビル・ゲイツ
「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」 バラク・オバマ元アメリカ大統領
特にビル・ゲイツは、2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたほど。
感想・レビュー・書評
-
事実に基づいた世界の見方を広め、人々の世界にまつわる圧倒的な知識不足をなくそうとした、「頭の良し悪し」ではなく「知識量」。
何も知らないというより、みんなが同じ勘違いをしている。
ほとんどの人が世界は実際より怖く、暴力的で残酷だと考えている。
世界のことを何も知らない人たちが世界のどの問題を心配すべきかに気づけるはずがない。
人はなぜ世界を悲観的にとらえ続けてしまうのか?
あなたは次のような先入観を持っていないだろうか。
「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。天然資源ももうすぐ尽きてしまう」
他の本と違い、この本にあるデータは、あなたを癒してくれる。心を穏やかにしてくれる。
世界はあなたが思うほどドラマティックではないからだ。
この本で紹介する「ファクト フルネス」という習慣を毎日の生活に取り入れてほしい。
(イントロダクションより)
今、世界中の人々の最も恐れていることは新型コロナウィルスの感染や経済的影響でしょう。
第四章に、恐怖本能という項目があります。
多くの人はよくわからないものを疑い、反射的に怖がってしまう。データを見せてもなかなか信じてもらえない。
ファクト フルネス…とは「恐ろしいものには、自然と目がいってしまう」ことに気づくこと。
恐怖本能を抑えるには、リスクを正しく計算すること。
●世界は恐ろしいと思う前に現実を見よう。
●リスクは「危険度」と「頻度」、言い換えると「質」と「量」の掛け算で決まる。
●行動する前に落ち着こう。
ちょうど、私が、この項目を読んでいる時、NHKの番組で台湾と、シンガポールの新型コロナの感染者の数の推移のものすごい違いを表した折れ線グラフを見ました。
自宅待機をかたくなに守った台湾は、ほぼ横ばい状態で感染者がほとんどなく、自宅待機を守らず、マスクもしていなかったシンガポールはグラフの中程から、ほぼ90度に近い右肩上がりの上昇率で感染者数が増えている恐ろしい結果のグラフでした。
大切なお仕事などで仕方ない方には大変申し訳なく思うのですが、どうか出かけなくてもすむ方は、不要不急の外出は控えて自宅にいましょう。
それだけで、結果は大きく変わると思います。
同じ日の別のニュースで千葉県の知事さんが、県外から千葉にサーフィンをしに来ないでくださいと訴えているものがありました。
子どもが外で遊びたがるのはわかりますが、なぜ大人がこのような時期にわざわざそういうこといをするのか、わからなくて私は泣きたくなりました。
そういう私も何か社会に迷惑をかけているかもわかりませんが、少なくとも通院と買い物以外、外出はしていません。
日本の今と将来の為、地球の為、もちろん御自身の健康と命の為、出来る方は自宅待機をしましょう。
国民の皆さんが、最悪の状況をなぜ引き起こしてしまうのか、この状況を理解して、行動すれば、日本も台湾のように、感染者を、最低限に抑えることも可能ではないかと思います。
そういう、データが存在することを知ることも「ファクト フルネス」の理論にかなったことではないかと思います。 -
まず著者が強調したいことの一つは、世界は皆が思っているよりもよいものであり、さらにどんどんよくなっている、ということである。そして、本書の中でその事実をデータによって確認していく。世界がよくなっているということを世の中に知らしめるために強調することは正しい活動である。また、それを数値にして認識することは、何かの判断をそこから得るためにとても大切な姿勢である。
所得が増え、子どもの死亡率が下がることで、寿命が伸び、出生率が下がり、社会の年齢構成が大きく変わるというのは日本だけではなく、全世界でほぼ共通に進みつつある事実だ。その事実については、ある意味では共通理解でもあり、ベストセラーになったユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』でも、現代は、飢饉、疾病、戦争を克服して、かつてないほど寿命が伸びた、という事実が強調されている。身近な事例に照らしてみても、自分の母方の兄弟は7人いるが、今それだけの兄弟がいる家庭を探すことは困難だ。日本でもこの1~2世代の間において大きな変化があった。
そういった、この本で著者の言っていることは当然おおむね正しいと言える。しかし、ここで大切にするべきことは、著者が使っている質問や数字の意味を、読者であるわれわれ自身が懐疑的に見る姿勢を持つことである。例えば、おそらくは著者が何度も使ったであろう質問1「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう? A.20%、B.40%、C.60%」(答えはC)がある。
この問題の日本人の正答率は7%だということだが、選択肢が、A.40%、B.60%、C.80%だとしたら結果は大きく違うものになるだろう。さらに言うと典型的なナッジングの手法でもあるが、選択肢を A.20%、B.40%、C.60%、D.80%、としても(選択肢が増えたにも関わらず)正答率が上がることが期待できる。これは、揚げ足取りだろうか。著者の主張に従うのであれば、こういった印象操作があることについても逆に疑って、より真実に近い事実を知る姿勢を持つべきなのである。
さらに加えると、質問2「世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう? A.低所得国、B.中所得国、C.高所得国」(答えはB)という問題に至っては、高所得国/中所得国/低所得国の定義を明確にしないと質問として成立しないし、正解は中国とインドがどのレベルに当てはまるのかによって変わってくる。著者もこの後の議論においては低所得/中所得/高所得という分類ではなく、所得層を独自に1日当たりの所得によって4つのレベルに分けて論を進めている。レベル1は1日1ドルの所得、レベル2は1日4ドル、レベル3は1日16ドル、レベル4は1日32ドル。著者は、この所得レベルの差で大きく生活の質が変わってくるということを具体的な例を引いて説明している。ここでレベル2とレベル3を中所得国として30億人の人がこの層にいるというのだが、人によってはレベル2は低所得と言っても間違いではないだろう。また、実際にレベル2とレベル3は差があるからこそレベルを分けている。これもまた揚げ足取りなのだろうか。
しつこいが、質問4「世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?A.50歳、B.60歳、C.70歳」(答えはC)。これも選択肢をA.60歳、B.70歳、C.80歳にすると正解率が劇的に上がるだろう。また、選択肢を増やしてA.50歳、B.60歳、C.70歳、D.80歳、としても、単に知識の問題だとしたらおかしなことだが、正答率はおそらく上がる。
単純な「世界はどのように変化していると思いますか?」という質問についても、その質問をどういう文脈に置くのか、どういう質問と並べて訊くのかによって数字は大きく変わってくる。
ただ、そこに印象操作があったとしても、悪いニュースはすぐに広がるが、そうでないニュースはそれが事実であろうがなかろうが拡がらない、ということについては著者が指摘する通り十分に意識をしておく必要がある。
著者も例に取る福島原発事故のその後の被爆被害についての事実分析は共有すべき事実だ(福島の原発事故による被曝でなくなった人は、ひとりも見つかっていない - 人々の命が失われた原因は被爆ではなく、被爆を恐れての避難だった)。福島原発事故の前にはチェルノブイリ原発事故という参照にすべき事象もあったにも関わらずだ(チェルノブイリでは事故直後においては多くの人が被爆で亡くなった)。もちろん、チェルノブイリの事故こそ、事実が何であったのかを正しく知ることの重要性と難しさを教えてくれるものである。また、原発事故の事例に続いて書かれる環境保護を主としたDDTの禁止の事例も、リスクとメリットのトレードオフの関係について十分に考えるために事実を共有することの重要性を認識することができる典型的な例である。ワクチンの事故、テロの危険、飛行機事故、そういった滅多に起きないことのリスクを過大視しすぎることのデメリットについても世の中に広く共有されるに越したことはない。
また著者の過去の経験として挙げられたモザンビーグの病院の事例では、目の前の患者を救うことに全精力を傾けるよりも、地域全体の公衆衛生プログラムを上げることに力を使ったことが正しく効果的だったというのは素晴らしい分析とそれに基づく行動として賞賛されるべきだと思う。
著者の言わんとすることは原則として正しく、著者が伝えようとすることもおそらくはその意図に沿って理解されると世の中はよくなるものだ。そして、自分がこのレビューの始めでいくつか指摘をした質問の仕掛けが、その認識を説得的にするために工夫されたものであることも間違いない。だからこそ、いったんは事実の解釈について、著者が書くことであってもさらに懐疑的に見る姿勢を持つことが逆説的に著者の意図に沿うものなのである。
この本を読んで、「著者のいうファクトは素晴らしい」、「皆が気が付いていなかった視点だ(自分はわかっていたけど、という態度を取る人も多いが)」、「目から鱗が落ちた」、と単純に言ってしまう人の多くは、おそらくはデータやメディアに騙される人だろう。本書の内容は多くのデータを元にしていて、多くのものよりも優れているのかもしれないが、この本に書かれていることは他のすべてのことと同じく事実に対するひとつの解釈であることは間違いない。「ファクトフルネス」の重要性を信じるのであれば、著者のいうことを事実として鵜呑みにするのではなく、より事実に近いものに当たって、そこからあなたの解釈を導き出す過程を踏むという姿勢やプロセスが大事だということだ。
ニーチェの、「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」という言葉を侮ってはいけない。
「事実に基づかない「真実」を鵜呑みにしないためには、情報だけでなく、自分自身を批判的に見る力が欠かせません。「この情報源を信頼していいのか?」と問う前に、「自分は自分を信頼していいのか?」と問うべきなのです。...「この情報は真実でない」と決めつける前に、「自分は事実を見る準備ができていない」と考えたいものです」
と、訳者あとがきにある通り、虚心坦懐になることがとても重要だ。常に自分自身に帰ってくる言葉だ。こうやって今書いた私自身の書評の言葉にも。
よい本だと思うが、データの重要性について考えるならば、この本自体を鵜呑みにしないことが必要だろう。この本の内容が間違っているということではない。この本が、内容自体ではなく姿勢を重視するものであるのだから、それに従うとするならば著者の言うことに対しても批判的に読み込む姿勢を身に付けることが著者の意図に適うことでもあるのだからだ。 -
著者のハンス・ロスリング氏は、スウェーデン生まれの医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者でもある
世界保健機関やユニセフのアドバイザーを務めた彼のTEDトークは、3500万回以上再生され、タイム誌が世界で最も影響力の大きな100人のひとりにも選ばれている人物だ
2017年2月に他界
ファクトフルネスとは――データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げている。いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介している。
「世界を正しく見られない10の思い込み思考」
①分断本能
・「金持ち」「貧乏」、「先進国」「途上国」など常に2つのグループに分け、2つのグループの間の溝は埋まらないという思い込み
実際はこの中間層に大半の人が該当
・この本では4つのレベルに分けて考えていく
〜確かに小学校の教科書やユニセフの広告など勝手なアフリカの貧困のイメージが根付いている…未だに先進国や途上国という認識も根強い
②ネガティブ本能
・人は物事のポジティブな面よりネガティブな面に注目しやすい よってネガティブなニュースが集まりやすい
・「小さな進歩」の繰り返しが世界を変えてきたが「小さな進歩」はニュースになりにくい(ジャーナリストらによる偏った報道など)
・本当は改善されていることも、悪いニュースに問題意識がないように思われ、改善している事実を言いにくい雰囲気がある
〜人間のネガティブ本能はDNAに組み込まれているので、あらゆる面でこれに打ち勝つことを模索し続ける必要性を感じる
日本人は同調しない意見言いづらいけど、正しい事を勇気を持って言うことって大切
③直線本能
・多くのデータは直線ではない
見えていない部分を間違った思い込みで憶測しない
・例)人口は増え続けるという思い込み
〜日本ではこの考え方は無さそうだが…
④恐怖本能
・恐ろしいものに自然に目がいってしまう本能 かつメディアなどのせいで世界は実際より恐ろしく見える
・正しくリスクを計算すること
リスク=危険度✖️頻度
恐ろしさはリスクと関係ない
〜ここではレイチェルカーソンの殺虫剤「DDT」を危険視した本が例に
こういった化学物質恐怖症は身近に感じることがある
ワクチンを異常に毛嫌いする母親や、化粧品のパラベンフリーなんかもそうだ
自分が化学系の職場のためよくわかる
化学薬品が全て悪質なわけではない
安定性や防腐の効果をみすみす手放したいのか?と思うことがよくある
正しい知識もなく、化学物質は全て人体に害をもたらすという考えはどうかと思っている
⑤過大視本能
・ただ一つの数字がとても重要であるかのように勘違いする本能 大きい数字はそのままだと大きく感じる 必ず何かと比較することが大切
・割合「一人当たり」にして比較
例)「二酸化炭素排出量」
「国全体の二酸化炭素排出量」では、中国とインドが、地球温暖化の犯人であるかのように扱われている
しかし「一人当たり」の二酸化炭素排出量を見るべきである
⑥パターン化本能
・1つの手段のパターンを根拠に物事が説明されていたらそれに気づくこと
例)生理ナプキンにおいてレベル4の中だけの需要→薄さの追求
それよりレベル2、3の需要の高さに気づくべし
・分類を疑うと良い
・「過半数」という言葉に気をつける
〜マーケティング的にも面白い
成熟したマーケットばかりを追い続ける必要はもうない
⑦宿命本能
・もって生まれた宿命によって、人や国や宗教や文化の行方は決まると言う思い込み
・西洋以外の変化のスピードは西洋よりはるかに速い
・ゆっくりとした変化でも変わっていることを意識する
・知識をアップデートする
・文化は変わる
⑧単純化本能
・1つの視点だけでは世界を理解できない
・自分の考えを検証しよう(自分が肩入れしている考え方が正しいことを示す例ばかり集めない むしろ意見の合わない人に考え方を検証してもらい自分の弱点を見つける)
・数字は大切だが数字だけに頼らない
・単純なものの見方と単純な答えには警戒しよう
例)単純な理想論で残虐な行為を正当化した独裁者
・政治思想
例)アメリカ 一人当たりの医療費は他のレベル4の資本主義国の倍以上、しかし平均寿命は他の国より3歳短い 公的健康保険制度がないから
⑨犯人探し本能
・犯人を探すのではなく複雑な原因やシステムを理解する
ジャーナリストに中立な報道を求めるのがそもそも間違いでは?
犯人を見つけたとたん考えるのをやめてしまうことが問題
・ heroではなく社会を機能させている仕組みに目を向けよう
〇〇のおかげ…?
〇〇が何もしなくてもうまくいった例はたくさんある
〜景況感、景気指数など、疑問を感じるときに、身近なことで認識を確認できることがある…数字以外の大事なことに気づけるようにしたい
⑩焦り本能
・「いつやるか?今でしょ」「本日限定!特別大セール」
このように人々を煽る言い方は、正しい分析ができなかったり、過激な手を打ちたくなる
・恐れを煽る、誇張する…ではなく正しいデータの分析を
例)地球温暖化…最悪なシナリオを作って人々の恐れを煽るのではなく二酸化炭素排出量データの発表の頻度を増すことが大切(2年2回→四半期毎)
例)間違ったウィルス感染者数…他の病気の患者が後回しになり死者が増えることも
必要なところへの支援が行かなくなることも
〜林先生のセリフにケチつけたみたいになってしまった…(笑)
確かに焦ったときにした対策は失敗する
仕事の時も深呼吸して原因と対策を検証したい
【5つのグローバルなリスク】
・感染症の世界的な流行
・金融危機
・世界対戦
・地球温暖化
・極度の貧困
『ファクトフルネス』の実践
大切なのは謙虚さと好奇心
本能を抑えて事実を正しく見ることの難しさに気づく
新しい情報を積極的に探し受け入れる
知識を常にアップデートする
ファクトフルネスは自分自身へも行うべきである
〜難しいが心がけたい!
好奇心が満たされて、知識が増えたときに、謙虚さをしっかり持たなくては…
あと知識のアップデートとともに自分も常にアップデートしていきたいなぁ
年をとるごとに柔軟さが減り、嫌な意見を避ける(笑)
気をつけたい
最後に
恐らく誰しもなんとなく想像できる内容なのだが、あらゆるデータをあらゆる角度から検証し、人の思い込みを取り除く作業を緻密にしてあるので納得の答えがたくさんあった
読み物として一般の読者にもわかりやすく、楽しく読める工夫がなされている
わかりづらい数式もなければ、聞きなれない言葉もない!本当に誰でもわかる内容なのだ
そして作者の実体験を元にした内容が多い
前半は冷静に読み進め、なるほど!という納得が続くのだが途中からなんだかもうハンス・ロスリング氏の自伝書のように感じられ、感動する場面がたくさん出てきて、時には泣きそうになってきた
自身の医者として
・エボラ出血熱の感染者数は倍々に増加
この規模と危険性に気づくのが遅れたこと
・当時の世界で最も貧しい国モザンビークでの医師としての決断(目の前の子供命と地球全体規模で亡くなる子供の命に対する葛藤と責任)
・モザンビークで感染症発生の際、道路封鎖を決断したことによる二次災害により死者を出してしまった辛い経験
自身の辛い経験や失敗を生かし、なんという壮大なテーマを元に、これほどまでの緻密なデータ収集と思考とを重ね、誠実に向き合ってきたのか…
その目的は正しい真実を一人でも多くが知り、先程のグローバルなリスクを回避する事を目標に尽力したのだ
そしてハンス氏は執筆途中で癌が発覚し、あらゆる仕事をキャンセルして執筆に残りの人生を捧げた(完成を見届けることはできなかった)
実はガッカリさせそうだが、ファクトフルネスの理論よりもハンス氏の熱い想いの方に心が動かされてしまった(笑)
しかしながら、このファクトフルネスを一人でも多くの人が読むことを熱望
そんな世の中になれば……… -
大変感銘を受けた。
そして、勇気づけられた。
いま、このタイミングでこの本に出会えたことに、大きな感謝の気持ちでいっぱいになる。
「ファクトフルネス」とは著者の造語で、「データを基に世界を正しく見る習慣」のこと。
分断本能、ネガティブ本能、直線本能、恐怖本能、過大視本能、パターン化本能、宿命本能、単純化本能、犯人捜し本能、焦り本能といった、10の思い込みを乗り越えるためのものの見方、態度について書かれている。
イントロダクションの「世界の事実」に関するクイズ。13問中僕は2問しか正解しなかった。
チンパンジーですら平均4問正解するのに…
いかに偏見に満ちた頭で世界を捉えているのか、古いデータで物事を考えているのか、我ながら呆れてしまった。
この本はそんな凝り固まった頭に優しく語りかけてくる。そして、すとーんと肚に落ちる。
例えば、
ー そもそも、「世界はどんどん悪くなっている」という人は、どういう考え方をしているのであろう。わたしが思うに、そういう人たちは実はあまり深く考えておらず、なんとなく感じているだけだ。(ネガティブ本能、87ページ)
ー 「自由市場」と言えばシンプルで美しい概念に思えるけど、それだけを信じ込めば、世界をひとつの切り口でしか見られなくなってしまう。すべての問題の元凶は政府の介入にある、と考えてしまう…それと同じように、「平等」というシンプルで美しい概念もまた、「格差」があらゆる問題の元凶だという単純すぎる考え方につながる。(単純化本能、241ページ)
ー (梅毒は)国によって呼び名が違っていた。ロシアではポーランド病と呼ばれ、ポーランドではドイツ病と呼ばれた。ドイツではフランス病と呼ばれ、フランスではイタリア病。イタリアはやり返したかったのか、フランス病と呼んでいた。(犯人捜し本能、275ページ)
ー 危機が差し迫っていると感じたら、最初にやるべきなのはオオカミが来たと叫ぶことではなく、データを整理することだ。(焦り本能、299ページ)
著者のハンス・ロスリング氏は医師で公衆衛生学者。コンゾという疾患のアウトブレイクの調査研究などの功績がある。
残念ながら2017年に68歳で亡くなっているが、もし今もご存命なら、新型コロナウイルス感染症について、どのように語っていただろう。
ロスリング氏は、
ー 「悪い」と「良くなっている」は両立する。
という。
今はそんな状態なんだと、僕は信じたい。そう信じて行動したい。
未読の人はぜひぜひ読んでほしい。-
こんにちは
私ももしハンス氏だったら、今のコロナウィルスの蔓延でどのような発言、行動をしただろうか?…と考えます。
この本が現状を変えられる...こんにちは
私ももしハンス氏だったら、今のコロナウィルスの蔓延でどのような発言、行動をしただろうか?…と考えます。
この本が現状を変えられる何かの役に立つと信じたいですね。2020/04/04 -
ハイジさん。
コメントありがとうございます!
おっしゃるとおりです。
ベストセラーなので、多くの方がこの本を読んで勇気づけられているのだと思...ハイジさん。
コメントありがとうございます!
おっしゃるとおりです。
ベストセラーなので、多くの方がこの本を読んで勇気づけられているのだと思います。
きっと現状は変えられるのだと信じています。2020/04/05
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コロナウィルスの脅威に怯えているまさに今、この本の考え方が役に立つ。メディアは必要以上に不安を煽ったり、人々は政府の対応が悪いなどと犯人捜し。こういう時こそ私達にはネガテイブ本能や恐怖本能がある事を理解し、正しく客観的にデータを見る事やリスクがどの程度なのかを正確に判断して対処する事が大事だと認識させられた。良いタイミングでこの本に出会えて良かった。
-
話題になっている本ということは知っていたけれど、
「あんまり自分の興味の範疇ではないかな…」と少し敬遠していた本。
そんな中、(良い意味で)強制的に読まないといけないことになり、
手に取って読んでみました。
最初はそれほど期待していなかったのですが、
いい感じでその期待は裏切られました。
まず、ボリュームの割にとても読みやすく、分かりやすい。
原著の良さというのもあるのでしょうが、
訳者も読みやすく分かりやすい日本語を意識されていることが伺えます。
そして、インパクト大のチンパンジーテスト。
(自分も含めて)多くの人がチンパンジー以下の成績なはずです。
(正確に言うと、「チンパンジー以下」という表現は正しくないのですが、
著者や訳者もそれを分かった上であえて使用しているようです。)
さらに、忘れてはいけないのが、
私たちの世界に対する見方がどれほど間違っているのかを
知らしめてくれる重要な書籍となっている点。
想像以上に、世の中は(多くの人の努力により)改善しているようです。
世の中を正しく認識することが、ビジネスにおいても重要ということについても同意。
言われてみれば、確かに小中高で習った社会の授業で、
自分の世の中に対する理解は止まっていたような気がします。
(しかも、小中高で習ったことの多くは、唯一絶対解がある事象だっただけに、
そこで習ったことを疑うことはほとんどなかったような気が…。
しかし、当たり前ですが、世界は常に変化している。。)
最後に、人間というものは、どういったことに対して、
物事を正しくとらえることができないのかについて、各章でまとめてくれています。
この点については、非常にわかりやすいものの、
他の書籍を見た方がより学びがあるような気がするので、
オマケ的な要素ととらえた方が良いかもしれません。
(例えば、「ファスト&スロー」なんかがとてもお勧めです。)
本の大きさとページ数に圧倒されますが、
読んでみたら世界の見え方が変わる(かもしれない)本。
他のFACT(世の中に関する事実)も思わず調べてみたくなると思います。 -
世界四大聖人は自ら書くことはなく、
弟子たちがその言葉をまとめています。
ですから多くの疑問がのこります。
また、作家や芸術家ののこした作品には、亡くなってしまったために途中で終わっているものがたくさんあります。
絶筆作品を見ると虚しいです。
この本の著者ハンス・ロスリング氏は、
すい臓がんを宣告され、一年後に亡くなりました。
スウェーデン人の寿命より10年以上も若くして。
こんなにたくさん世の中のために活躍してきた人が。
でも、期限があったからこそ、
満足いくまで書き残すことができたのではないでしょうか
とても残念で悲しいことではあるけれど。
全ての人に読んでほしい本です。 -
これは一早く読むべき本のひとつである。
ビル・ゲイツが卒業生全員に本書を配布したのは,以上の言葉を体現してると言える。
我々ヒトは,10の本能的な思い込みを有していると筆者は述べている。
結果として,現代に生きるヒトの殆どは,如何に高い教養を有していても,世界的な影響力や権力を有していても,世界の事についてはチンパンジーより答えることが出来なかった。
本書を読む前の段階で,私自身も本書の内容に関して心当たりのある場面が幾つかあった。
それは,私の友人の多くが,「飛行機に乗る事が怖い」と言ってくることである。
その理由は,飛行機が墜落したら高確率で生存できないということである。
はたして,この理由を以て,飛行機を怖がる必要があるのであろうか。
電車にしても,自動車にしても,事故の起きる確率は一定数存在する。
それは自分自身の不注意から,外的要因の回避が難しいところまで,幅広い要因がある。
以上の考え方は飛行機に関しても,当然当てはまる。むしろ,飛行機に関しては自身の不注意等の内的要因から事故が生まれる事はほぼ無いし,外的要因と言っても,車の様に対向車がビュンビュン通っているわけでもない。空路は至って快適だ。
本書によると,2016年には約4000万の飛行機が一人の死者も出さずに目的地に到着し,死亡事故が起きたのは10機であった。事故確率はおよそ0.000025%である。
これは,雷が落ちて死ぬ確率と同じくらいである。
そのような低確率にストレスを起こす必要は全くないという事だ。
メディアはドラマチックな事象のみ取り扱う習性がある事から,その数字ひとつで考え込んでしまう。
その裏に隠れている,それを包含した数字をしっかりと理解し,割合として比較するべきであると本書は述べている。
そして,最も大切な訴えは,
”世界は以前より良くなっている”
ということである。
しかし,それを鵜呑みにするのではなく,「良くなっている」事実と,「悪い」事実を両方理解しなければならない。
筆者が造った,「可能主義者」の目線を良しくするべきである。
可能主義者・・・根拠のない希望を持たず,根拠のない不安を持たず,いかなる時も「ドラマチックすぎる世界の見方」を持たない人の事。
また本書を読んで刺激を受けたことは,もはや「途上国」「先進国」の括りでは世界を表すことが出来ない,不適切であるという事である。
もはや途上国と先進国の間のギャップは無くなりつつある,という事実を知らなければならない。
世界はこんなにも前進しているのに,世界に関して我々は何もアップデートできていない。
これからビジネスマンとして生きていく上で,世界を良く知る事は急務である事,そして世界に関してもっと関心を持たなければならないという事を教えてくれた本書に感謝したい。 -
悲観的な世界観が大きく揺さぶられた。
世界がこんなにも良くなっていたとは。
この思い込みはどこから来るのか。
その謎に迫る。
まさか人類がチンパンジー以下の認識で世界を見てるなんて、思いもしなかった。
著者は、余命幾ばくもない残された時間を本書に注ぎ込んだ。だけど本書には、鬼気迫るものより、著者の好奇心と伝えたいことがとてもわかりやすく、シンプルに書かれている。
そこが最後まで読み切って、押し付けがましくなく、謙虚で信頼できる本だなぁ。と妙に安心させられた。
ファクトフルネスの考え方を実践してみよう。
著者プロフィール
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暗いニュースばかりでなく、いいニュースもあるのですね!
でも、こ...
再訪ありがとうございます。
暗いニュースばかりでなく、いいニュースもあるのですね!
でも、この状態、9月にワクチンが開発されるという情報があったり、2年くらいは変わらないという推測があったり、よくわからなく、一人で考えていると不安になります。
自粛で、リアルに友人には会えないけれど、SNSならいくらでも、話せるので、ブクログに登録していて本当によかったと思っています。また、遊びにいらしてください。お待ちしています(*^^*)
コメントありがとうございます(*^^*)
確かに、そうですね!
ビル・ゲイツやオバマ元大統領も推薦して...
コメントありがとうございます(*^^*)
確かに、そうですね!
ビル・ゲイツやオバマ元大統領も推薦しているらしいです。
2019年度ベストセラー第一位だそうです。
よかったら、えりりんさんも、是非!