ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略

著者 :
  • 日経BP
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本棚登録 : 606
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822289911

作品紹介・あらすじ

MicrosoftやGoogleで世界標準の製品開発に
携わってきた技術者が書き下ろす、
あらゆるビジネスが「ソフトウェア中心」に刷新される
今必要な次世代型サービス開発の要諦


AI活用、デジタル・トランスフォーメーション、SaaSをベースにしたサブスクリプションビジネスetc.今、世界中の企業がITを駆使したデジタルシフト(事業のサービス化)を急いでいる。


日本企業がこの世界的潮流に取り残されないためには、かつての成功モデルである「製造業的ものづくり」から脱却し、ソフトウェアを中心としたサービス志向の開発体制を構築することが重要だと著者は説く。


ソフトウェアがビジネスの中心を担い、インターネットがあらゆるビジネスの基盤となりつつある今、日本企業はどう変化すれば生き残れるのか?


世界的IT企業で働き、現在は製造業をはじめとする日本企業の変革にも携わる著者が書き下ろす、ソフトウェア・ファーストな開発論をぜひ読んでほしい。

感想・レビュー・書評

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  • ビジネスの中心をソフトウェアと考えて取り組むという内容の本。
    ページ数も多く、1ページに対する文字数も多かったので、結構な量の内容で、経営者にも一社員も、IT企業もそうでない企業も参考になる箇所があると思える本だった。
    ようは、ソフト開発は下請けに頼らず、内製化して自分のものにするのが大事ということなのだろうと思った(本書ではこれを「手の内化する」と表現していた)。話にはよく聞くけど、日本と欧米の国を比較すると、日本だけが情報通信系の人材というと7割がIT企業と呼ばれるところにいるのにたいし、他国はIT企業の割合は半分にも満たないらしい。それだけ、日本はIT企業以外にソフト開発が分かる人がいないということなんだろうなと思った。
    まあ、これは日本が解雇が難しい国ということもあるだろうけど、そもそもこの本に書いてあるように、SIerは工期が長くなれば収益があがるという、むしろ効率化せずに長引かせた方がいいんじゃないかと思えるようなビジネスという部分もあるので、そういう問題はうまく解決していかなきゃいけないのだろうなと思う。
    品質に関する指標の狩野モデルというのは初めて知った。ソフト開発でも参考になるらしいので、ちょっと覚えておきたいと思った。
    自分の「取扱説明書」を公開するという話はちょっと面白かった。ホリエモンでいうと、「電話してくるな」とかそういうことをいうのだろうな。西野カナの「トリセツ」はビジネスでも役に立つのか。
    ユーザーインタビューの話で、ユーザー自身は意外と本音を話さないということにたいして、「周りで困っている方はいらっしゃらないですか?」というようなことを聞くと、自分を含む人たちとして話してくれるという話は、なるほど、と思った。このへんは心理学を勉強したら分かるものなんだろうか。
    後、会社にCTOを置くことによるデメリットに「その人よりも優秀な技術者を採用できなくなる可能性がある」とあって、ちょっと驚いた。そりゃ、CTOが優秀であるにこしたことはないだろうけど、そんなもんなのかなと。上司が自分より技術力が劣っていると、転職したくなるという人もいるからということだけど、技術に寛容で認めてくれる人なら大丈夫じゃないかなと思った。
    後、個人的に、というより一エンジニアとして一番身近に感じたのは、5章のキャリアについての話。エンジニアにもいくつかキャリアパスがあって、スペシャリストになるものいいけど、エンジニアリングマネジャーやプロダクトマネジャーという道もあるということらしい。自分は、昔はスペシャリストのほうがいいと思った時期もあったのだけど、この本を読んだらマネジャーという道もいいのかなと思った。そもそも、最近気づいたけど、技術動向調べるのはそこそこ好きでも、実際にそれを試そうとまでは思わないし、誰かにその技術を試してもらえるぐらいの人になったほうがいいのかもと思えてきた。
    最後に全体をとおして思ったのが、本当にこの本のようになっていくとしたら、技術者はどんどん、ユーザー企業に転職していって、人がいなくなるんじゃないかと。そういうことがすぐに起こることは考えにくいけど、うちの会社含め、SIer企業は事業変革していったほうがいいのだろうなと思った。

  • 「手の内化とはトヨタグループで使われている言葉です。 … 自社プロダクトの進化にかかわる重要な技術を自分たちが主導権を持って企画・開発し、事業上の武器にしていくこと … 仮に外部パートナーを活用するとしても、ITの企画、設計、実装、運用というすべてのフェーズを自らコントロール可能な状態にすること、つまり手の内化していくことが大事なのです。それこそが本書で提唱しているソフトウェア・ファーストです。」(3章 ソフトウェア・ファーストの実践に必要な改革)

    「どんなアプローチでプロダクトを開発する場合も、基本的な精神として最も重要なのは使われるものを作ることです。 … パッケージソフトの売り切りモデルだった時代やモノ消費の時代とは違い、今は使われ続けるプロダクトを開発するのが成長の鍵を握ります。そのためには、ユーザーが利用を開始した後も使われているかどうか、どのように使われているかをモニターし続けていく必要があります。」(3章 ソフトウェア・ファーストの実践に必要な改革)

    「…一般ユーザーレベルのITリテラシーの人がソフトウェア・ファーストな人材になるための第一歩 … まず、ITやアズ・ア・サービスに関して感度を高める努力をしてみましょう。皆さんが普段使っているスマートフォンのアプリケーションは何個くらいあるでしょうか? ここ1カ月で新しいアプリケーションを試してみたことはありますか? 今、どんなアプリケーションが流行しているかご存知ですか? 感度を高めるためには、まず使ってみることが大事です。 … それらを使ってみて、人気の秘訣を考えてみましょう。レビューを見たり、実際に使っている人に聞いてみるのもいいでしょう。その価値が全く分からなかったら、自分の感性がずれていないか疑う必要があります。 … 人気の秘訣を考えることは、自分のプロダクトやサービスを考える際の引き出しを増やすことになります。」(5章 ソフトウェア・ファーストなキャリアを築くには)

  • 筆者のマイクロソフトでの実体験を元に、IT社会でどう生きていくべきかが述べられた本だった。

    ■個人とて取り組むべきこと
    ・常に最新の知識を習得する
    ・プログラムの基礎は、学ぶべき
    ・キャリアプランを考え、進化する

    ■企業として取り組むべきこと
    ・出来るだけシステム開発をベンダに委託しない
    ※時代の流れは早く、業務もすぐに変化するため
    ※開発に時間やお金かかるため
    ・DXは段階的に行うべき
    ・インナーソースを取り入れる
    ※開発技術を他部署でも共有するべき
    ・ソフトウェアは、パッケージ→SaaSが主流になる

    1度では理解しきれていないところもあるので、読み返したい。

  • ソフト開発は他社にお任せな身としては耳の痛い内容でしたが、ソフトウェアがどう作られるべきなのか?という疑問に応えてくれる内容だった。
    開発手法はもとより組織論についても論じられており非常に参考になった。実際に行動を起こさないと変わりません。まずは新しい技術を試してみます。

  • ITを駆使して、イノベーションやデジタル・トランスフォーメーションを達成したい事業者向けに書かれた本です。
    製造業や、その他、日本の経済を長く支えてきたような産業にむけてのメッセージが詰まってるので、私からするとわかりやすくてテンポもよく読めました。
    この本が描く現在地から進んだ環境(例えばIT産業どまんなか)に身を置いてる人も、「なんとなく」受け入れてた流行のフレームワークや、キャリアについての考え方を一旦棚卸して整理するきかいになるのでは。
    (もしくは、このぐらいの言語レベルやリテラシーで語れるようになることが、IT業界の中にいる人が、自身の産業以外の人たちとのコラボレーションを生む架け橋になる上では必要なのかも)
    変化を前向きに捉えて、さまざまな産業に身を置いた及川さんだからこそ書けた本のような気がしてます。

    ソフトウェアファースト、という言葉からは少しだけイメージしにくかったのですが、ソフトウェアそのものの特徴や、それを作るための過程を十分に理解して、その特徴を活かして事業を成長させましょうという意味でした。

    そして、そのために課題ドリブンで取り組もうという姿勢、そしてその課題はユーザーの声を聞くことでは見つからず、潜在的なニーズを「考え抜く」ことで導くというポイントが強調されています。
    UXリサーチに関わる物としては、「そうそう」とうなづく内容なのですが、いろんな手法に翻弄されることも多いので、そとそもリサーチの本質ってなんだ?を少し冷静に振り返る時間にもなりました。

    組織を変革する、そのためのジョブの型、キャリアの考え方についての説明にかなりのページを割いています。が、まさに、製造業以前の産業界が抱える問題ってここですよね、と。
    プロダクトが持つ力や、チャネル、品質の問題ではなくて、それを作る人や組織側にこそ変革が必要で、そこが変わってくれば自ずといいプロダクトやサービスが日本から生まれてきてくれるのでは。この本がその追い風となってくれたらいいな。

  • ITに関わる人材としてどういうキャリアを歩んでいきたいか
    組織はどうあるべきかが書かれている

  • 企業のDX化を応援する内容。
    インターネット企業であれば、どれも当たり前に感じる内容。
    いや、なっていないと今後乗り切れないという要素が
    これからソフトウェアファーストを目指す企業に求められている時代。
    この感覚が掴めているかどうかで、日本の企業の方向性も変わる。
    国が進める方向性も首相が変わってハッキリしたので、2025年あたりまで、
    この書籍のような波が続くと、日本の生産性に大きく変化が起きそうできそうと
    やや楽観的に思える。

    が、実際にチャレンジをゼロからするには経験者がいないと厳しい範囲の話と見る。

  • 私が勤める会社のことを正に言っていると思われる部分が多々あり、非常に興味深く、また、明日から何に取り組めばいいか糸口が掴めた気がした。

    別書籍のwhy digital matters?を読んだ後に読んだので、余計に理解しやすかった。

    イノベーションが起こせずに苦戦してる実担当から、管理職、経営者まで、読んで損しない1冊。

  • 読み物としては面白く、参考になる言葉もあったが、ソフトウェア開発の人間から見ると当たり前なところが多かった。ソフトウェア開発が主ではない、ユーザー企業の人や、一人情シスのような人が読むと参考になると思う。

  • 刺激的。1秒の遅れも許さない勤怠管理を撤廃すべきという意見には賛成。本書では触れられていなかったけれど、エンジニアなのにスーツで出社しなくてはいけない職場もナンセンス。エンジニアの力を発揮させるために、慣例で行っていることは見直したほうがよい。リモートワークもだけれど、ウィズコロナ、アフターコロナの世界では状況が劇的に変わるだろうか(もう変わり始めている?)。ネットフリックスとブロックバスターの対比が書かれていたが、その当時来店しなければいけないサービスを推し進めた失敗例は、変化を恐れる企業が陥りやすい状況として容易に想像できてしまってほんと怖い。エンジニアを極める道を選んだときに、100人の部下を束ねるマネージャーと同等の評価を得るためにはどうしたらよいのか、また、同じくらい会社に貢献できているか?という言葉は身にしみた。

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著者プロフィール

大学卒業後、DEC(ディジタル・イクイップメント・コーポレーション)に就職してソフトウエアの研究開発に従事する。その後、MicrosoftやGoogleにてプロダクトマネジャーやエンジニアリングマネジャーとして勤務の後、プログラマーの情報共有サービスを運営するIncrementsを経て独立。2019年1月、テクノロジーにより企業や社会の変革を支援するTably株式会社を設立。

「2019年 『ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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