ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

制作 : 山岡洋一 
  • 日経BP社
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レビュー : 562
  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822740313

作品紹介・あらすじ

時代を超え際立った存在であり続ける企業18社を選び出し、設立以来現在に至る歴史全体を徹底的に調査、ライバル企業と比較検討し、永続の源泉を「基本理念」にあると解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • ・長い年月に渡って繁栄を続けるのはどのような会社なのか?
    ・「理念を持ってそれを貫く」「柔軟かつ変化に対応する組織を作る」「創業者だけでなく未来の経営陣や従業員の全てが熱狂的になる」「現状に一切の満足と妥協をしない」などの特徴があげられる。
    ・本書で取り上げられているが2000年代以降に凋落してした企業(ソニーなど)は、それまでと直近10年間の違いを考えるのも面白い。

  • 少し古い本なので現実とそぐわないところがあるかもしれません。

    今までのビジョナリーカンパニーというのは宗教のような側面がたぶんにある、ということがわかった。

    理念は大事だが、往々にして排他的になりがち。
    最近はやりのダイバーシティを考え方、行動、働き方にも当てはめて、個々人のぶれの範囲内で会社理念に沿った仕事ができるような企業が増えれば、そのような働き方を社会的、経済的に許容できるような社会になればと思う。

    ベーシックインカムには何となく期待している。

    払ってもいい金額:1300円(上梓から年月が経っているため)

  • 学者が書いたビジネス書は好きです。

    以下では若干ケチつけ気味のことを書いていますが、
    それだけ真剣に向き合って考えさせられた本だからこその感想です。

    ●ビジョナリーカンパニーとは●

    ビジョナリーカンパニーの定義は、
    短期的に爆発的な利益を上げて、業界一位になったことがある とかではなくて、
    ある業界において(あるいは業界を変えながらも) 不動の地位を保ち続けている企業 というようなイメージ。

    そういうビジョナリー・カンパニー(金メダル級の企業)と、
    完全な二流三流企業ではなく、短期的には利益を上げられるけど、業績が長続きしない会社(銀メダル級の企業)は何が違うのか?

    答えは、
    前者は短期的な利益よりも優先される、会社がが追求するべき永続的な価値をリーダーがきちんと定義していて、それが組織の末端まで浸透しているから。
    後者は短期的な利益を最優先するような戦略をリーダーが立てていて、組織もそういうふうに動いているから。

    ・・・って、なんだかトートロジカル(※)じゃないですか? という感じは最後まで拭い去れませんでしたが、
    目指すべきところをちゃんと目指す ってことは大切なことなんだなと思いました。

    ※トートロジーは、「AはAである」という論理のこと。
     論理的には常に真だけど、情報量はゼロです。

    ●BHAG●

    自己啓発系の本でよく引用されている「BHAG」(びーはぐ) の概念について。

    BHAGとは、

    Big 大きくて
    Hairy ぞっとするほど困難で
    Audacious 大胆な
    Goals 目標

    のこと。

    リーダーは、組織のメンバーがワクワクするような 「BHAG」 を発信し続け、
    その 「BHAG」 が達成されたら、また次の 「BHAG」 を提示して、
    常に組織が 「BHAG」 に向かって ワクワクして 一致団結している状態を作るべきだ!

    ビジョナリーカンパニーの共通点は、それができていることだ!

    …というのが本書の主張で、ここから先は私見です。

    「大きくて、ぞっとするほど困難で、大胆な目標」 を掲げることで 「ワクワク」 できるようなメンタリティーの人ばっかり集まった会社なら、

    そりゃ 「金メダル級」 になって 何の不思議もないのでは?と。

    金メダル級じゃない企業の社員のほとんどは、
    目標が高すぎると ワクワクするどころか それこそ ぞっとして 萎えてしまう人が多いと思う。

    そういう人たちをモチベートして、金メダル級じゃないところから金メダル級に持っていくのは、
    「BHAG」じゃなくて「SLIG」(←造語です)じゃないか? なんてことを考えました。

    Stretching 少し背伸びしたくらいのレベルで
    Likely 現実味があって
    Interesting 興味をかきたてるような
    Goals 目標

    でも、こんな生ぬるいことを言っているようじゃ、いつまでたっても金メダル級にはなれないのか・・・ うーん・・・

    金メダル級じゃない会社に勤める私が、私の会社を金メダル級に返り咲かせるには、どうしたら良いのか・・・
    ・・・探求は続く・・・

  • 仕組化の話とかすごく共感できた。ただ、参考例として挙げられている企業は大企業ばかりなので(もちろん、スタートアップの企業でも参考に出来る部分は多いと思うが)中小企業とかベンチャー企業にはちょっとリアルじゃないかも??

  • ビジョナリーカンパニーとは何か?
    サンプリングの条件設定として、単に成功しているとか、長続きしているといっただけではなく、その業界で長期にわたって超一流といわれる地位を確立している会社としている。
    著者は18社を選んで、同業種のナンバー2の会社と比較し、その違いを分析して、超一流企業の条件を洗い出している。最終的に、言っているのは次の4点。

    1.時を告げる予言者になるな。時計を作る設計者になれ。
    2.「ANDの才能」を重視しよう。
    3.基本理念を維持し、進歩を促す。
    4.一貫性を追求しよう。

    噛み砕いていえば、1.はカリスマ指導者に頼るな、ということ。特別な才能を持った経営者が在任中に業績を伸ばしても、その人がいなくなったら組織がガタガタになるのではビジョナリーカンパニーとはなり得ない。特別な才能で時を言い当てるのではなく、だれもが使える時計(組織・仕組み)を作ることに専念すべきということ。

    2.は、ビジョナリーカンパニーでは、「利益を超えた目的」と「現実的な利益」といった、一見相反する目標を同時に追及しているということ。要は、目的か利益かといった「OR」ではなく、目的も利益もという「AND」を追求している。ビジョナリーカンパニーでは、二兎を追って二兎を得ているということ。

    3.は、あくまでも基本理念にこだわることの重要性。時代や社会の環境が変化して、組織がそれに合わせて進化していっても、まるで遺伝子のように、その基本理念自体は変わらないということ。

    4.は、ことばの通りだが、いくら美しい基本理念を持っていても、実際の経営の場面で、それの精神が一貫して実現されていなければビジョナリーカンパニーとはなり得ないということ。

    この他にも、BHAG(Big Hairy Audacious Goals)を設定すること、すなわち、安定志向ではなく、社運を賭けた大胆な目標を掲げること。カルトのような文化をもち、基本理念に則った企業文化を形成すること。環境の変化に対応するために、ある程度の失敗は認め、数多くの試みから適者生存するものを作り出すこと。経営トップには生え抜きを据えること。以上のようなことが、例に挙げた18社に共通する傾向だったという。

    この中で一番困難なことが、一貫して理念を尊重しながら、環境の変化に合わせて事業を適応させていくことだと思う。そういった能力をもった組織を作るのに、多くのビジョナリーカンパニーが、トップの育成制度を設けているという指摘があった。それは、当然ながら経営を引き継ぐはるか以前から計画化されており、その中で、基本理念が継承され、次の世代、またその次の世代に受け継がれるように仕組化しているという点が、自社の弱点と照らし合わせて非常に興味深かった。

  • ・「ビジョナリー・カンパニー」とは、ビジョンを持ち、同業他社から尊敬される、卓越した企業のこと。

    ・ビジョナリー・カンパニーの創業者は、概して商品アイデアで大ヒットを飛ばしたりすることに重きを置かない。最も大切なのは、ビジョナリー・カンパニーになる“組織”を築くこと。
    ・ビジョナリー・カンパニーの経営者の多くは、カリスマとは程遠い、控えめで、思慮深い人物である。

    ・「基本理念を維持しながら、進歩を促す」こそが、ビジョナリー・カンパニーの真髄。
    ・基本理念を維持しつつ進歩するため、ビジョナリー・カンパニーは、次の5つのことを行っている。
    ①社運を賭けた大胆な目標を持つ
    ②カルトのような文化を持つ
    ③大量のものを試して、うまくいったものを残す
    ④生え抜きの経営陣を持つ
    ⑤決して満足しない

  • ・長い年月に渡って繁栄を続けるのはどのような会社なのか?
    ・「理念を持ってそれを貫く」「柔軟かつ変化に対応する組織を作る」「創業者だけでなく未来の経営陣や従業員の全てが熱狂的になる」「現状に一切の満足と妥協をしない」などの特徴があげられる。
    ・本書で取り上げられているが2000年代以降に凋落してした企業(ソニーなど)は、それまでと直近10年間の違いを考えるのも面白い。

    内容の素晴らしさは実際に読んでもらうとして、方法論とプレゼンテーションの素晴らしさだけをコメントしたい。
    この本は、納得性のあるケースセレクション、インタビューや定量分析を組み合わせた調査設計の厳密性と言った点で、極めて高い学術的な基準をクリアーしていると同時に、本の全体の構成の分かりやすさ、そしてあまり学術的な書き方ではなく、生の経営者の言葉などを引用した生き生きとした文章になっている。きわめて、アメリカ的な実証科学と説得技術が高度に融合した本だと思う。名著です。

  • 企業人である以上、自分の会社をすばらしい会社にして、倒産の憂き目などに遭わないでほしいという想いは持っているはずである。市場の原則がここにあると知り、購入した。
    カリスマとか利益追求といったレベルではなく、確固たる企業理念、それを維持し続けながらも組織は常に激しく変化し続ける、到底達成できない目標を持ち、カルトのような文化を持っているのが原則であることが理解できた。
    上に行くに連れて必要になる考え方だと思うので、中間管理職としてこの考え方をしっかり踏襲して前進あるのみである。

  • 分厚い本ですが、わかりやすくてスラスラと読めます。

    1.この本を一言で表すと?
    ・いい組織の作り方

    2.よかった点を3〜5つ
    ・究極の作品は会社(p48)
      →会社を「雇用し、税金を納め、よい製品・サービスで社会に貢献する」という社会一部のものという考えにつながると感じた。また、技術・アイデアだけでは長続きしないものだとも感じた。
    ・糸状虫症治療薬「メクチザン」の無料提供(p77)
      →アメリカにこんな美談があったとは知らなかった。相当な強い意志と覚悟がないとできないと思う。その点に恐れ入りました。
    ・BHAGは組織のどのレベルでも使える(p184)
      →全体的に経営者向けの話が多いが、経営者じゃなくても使えることが書かれている。特に自分自身に大胆な目標がないことを痛感した。
    ・基本理念こそが基軸(p280)
      →それほど基本理念が大事ということ。自分自身の基本理念が必要と強く感じた。
    ・黒帯の寓話(p338)
      →決して満足しない、満足してしまったらおしまい、いつまでも修行というのか日本的に感じた。

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・21世紀になっても調査結果が時代遅れになることはないと断言しているが、本当にそうなのか?
    特に、カルトの部分はすんなりと受け入れられなかった。

    3.実践してみようとおもうこと
    ・個人のBHAGを考えてみる。
    ・家族の基本理念を考える。

  • これはやっぱり名著としか、言えないな。まずは読んでほしい。

    内容の素晴らしさは実際に読んでもらうとして、方法論とプレゼンテーションの素晴らしさについてだけコメントしたい。この本は、納得性のあるケースセレクション、インタビューや定量分析を組み合わせた調査設計の厳密性と言った点で、極めて高い学術的な基準をクリアーしていると同時に、本の全体の構成の分かりやすさ、そしてあまり学術的な書き方ではなく、生の経営者の言葉などを引用した生き生きとした文章になっている。きわめて、アメリカ的な実証科学と説得技術が高度に融合した本だと思う。

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