八木重吉詩集 新装版 (青春の詩集 日本篇 18)

著者 :
制作 : 鈴木 亨 
  • 白凰社
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本棚登録 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784826219181

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  •  八木重吉は明治31年生まれ、昭和2年に30歳で没。その短い生涯の中で詩作をしていた6年の間に、2400編前後もの詩を残したとされている。敬虔なクリスチャンで詩を詠むことが信仰と結びついていたようで、素朴だが一途にキリストを信じる気持ちや妻子への思い、病の苦しみ、世の人々への慈しみが切々と綴られている。
     同世代の他の詩人と比べて知名度は低いが、2013年に出版された木皿泉の『昨夜のカレー、明日のパン』(2014年本屋大賞2位、NHKドラマ化)の中で「うつくしいもの」という詩が引用されたことで一躍脚光を浴びた。大正14年に発表された詩でありながら、殺伐とした現代を生きる私たちの心に深く突き刺さる。


            うつくしいもの

     わたしみずからのなかでもいい
     わたしの外の せかいでもいい 
     どこにか「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
     それが 敵であっても かまわない
     及びがたくても よい
     ただ 在るということが 分りさえすれば
     ああ ひさしくも これを追うに つかれたこころ
     

  • 冬の詩がお気に入り。

  • 単語です

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著者プロフィール

1898年生まれ。1927年、肺結核により29歳にて妻、二人の子供を残して永眠。その二人の子供も間もなくして父と同じ病で世を去った。東京都南多摩郡の農家に生まれ、師範学校を卒業して教員となる。鎌倉メソジスト教会に出席。小石川福音教会のバイブルクラスで信仰を深め、駒込基督会にて21歳の時に洗礼を受ける。しかし、徐々に内村鑑三の影響を受けて無教会的な信仰へと成長していった。生前に刊行されたのは第一詩集の「秋の瞳」のみ、死後、第二詩集「貧しき信徒」が友人の手によって刊行された。残された作品群は3000あまり。ちくま文庫の全詩集に掲載されている。

「2018年 『うつくしいもの 八木重吉 信仰詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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