けもの道を笑って歩け

著者 :
  • ぱる出版
3.94
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本棚登録 : 228
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784827208160

作品紹介・あらすじ

サンフランシスコの路上生活から、ヴェネチアの国際映画監督へ。現代最高の奇才が語る「生」のむきだし。家族、宗教、セックス、伝統、国家、笑い、そして映画…生と向き合うヒント。

感想・レビュー・書評

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  • 好きな作品の監督の言うことは、共感できる部分も多かったです。本書は監督作品と、監督が好きな作品と、自分のまわりのことを、うまい具合にmixしてつづられているので、監督作品に関しては、観ているものも多いので興味深く、好きな作品についても、観たことがないものでも、その、監督が好きな部分をピンポイントで取り混ぜているので、まったく退屈じゃない。

    家族のこととか、ちょっと意外だったのと、衝撃的だった作品に関しての背景を少しでも知ることができたので、特に、おもしろかった。あと、宗教に関して。マリア様の意味とかがね。そうなんだ、と。

    「名声を博したり金持ちになったりするのはいいことだけど、創作意欲のないところで名声や金銭が産み落とされても、ただの墓場です。そんなふうになるなら、多少貧乏しても、新鮮な気持ちでいられたほうがずっといい。」

    けもの道がたんなる墓場通りにならないように、無理しても新鮮に、孤独を恐れず、サバイバル人生を笑ってゆきたいなぁ。

    • ケンロロ軍曹さん
      園子温監督の作品なんですねー読んでみたくなりました。映画ですが「愛のむきだし」でいろいろと感じることがありました。やっぱり宗教が出てくるんで...
      園子温監督の作品なんですねー読んでみたくなりました。映画ですが「愛のむきだし」でいろいろと感じることがありました。やっぱり宗教が出てくるんですね。貧乏ですが新鮮な気持ちを持っていたいので励みになりますね!

      自由と孤独は隣り合わせ。自由でも不自由でも笑いたいですね!
      2013/12/14
    • ohmameさん
      ケンロロ軍曹さま>いつもコメントをありがとうございます。この本を読んで以来、自分の目の前の道が常にけもの道だと思って笑って歩いております。
      ケンロロ軍曹さま>いつもコメントをありがとうございます。この本を読んで以来、自分の目の前の道が常にけもの道だと思って笑って歩いております。
      2013/12/16
  • ―――真実を 常に 更新せよ―――

    いつのまにか、いちばん注目している監督になっていた。
    厳格にすぎる父親をみて育ち、家族を作るのが怖かった男が、結婚して家族をつくって、映画をつくっている。
    園家はアナーキーな祖父に反発して大変真面目な父親が育ち、大変真面目な父親に反発してアナーキーな園子温が生まれている。監督の子どもは真面目になるかもね。おもしろいね。

    本作では前作より映画のことを丹念に語っている。
    作品づくりは、質より量。
    質にこだわって一行も書けないよりは失敗しても駄作でもいいからたくさん書けと言う。
    ごもっとも。

    孤独死について、なにごとかと吠えている文章が魅力的だった。
    ひとは生まれる時も死ぬ時も、どれだけのひとに囲まれていたって孤独。だからこそ「自分という他人」と仲良くなれたら死ぬのは怖くないし、自殺だってしない。
    結婚もそう。
    駆け込み乗車のように「結婚」を急いで幸せになった気でいても、深刻な問題を抱えているままでは幸せになれない。
    だったらひとり、けもの道を歩け。
    そのくせ自分は結婚してるじゃん、むちゃくちゃじゃん、とも思うけど。
    有吉とか園監督とか下積み長くて下積み時代に苦汁をなめて貧乏にまとわりつかれたのち名前の知れた人っていうのは強いよなと思う。
    基礎体力的なところが。這い上がってきただけの実績が。

    余談だが、本書では、園作品の看板俳優になりつつある染谷くんにも軽く触れている。とにかく演じることが好きでたまらないひと。知識と情熱があるとも。
    とにかく褒めている。ほくそえむ。

    非道に生きるもだが、人生の局面で、背中を押されたいときに、読んだほうがいい。

  •  少し前に読んだ前著『非道に生きる』につづく、園子温の自伝的エッセイ第2弾。
     『非道に生きる』と内容が重複する部分も少しだけあるが、気にならない程度。園子温のファンなら2冊併読しても全然オーケイだ。

     各章の扉には、その章で言及される映画のタイトルが並べられている。そのリストの中には園子温の自作もあれば、彼が愛してやまない映画や、ダメな作品の見本として挙げられる映画もある。

     そのことが示すとおり、園子温の映画観や、映画監督としての仕事術にウエイトを置いた内容になっている。人間・園子温にズームインした内容であった『非道に生きる』とは、そこが大きな違いだ。

     とはいえ、たんなる映画論・演出論ではない。本書の映画への言及はすべて、園子温の生きざまそのものと密接に結びついている。映画を語ることを通して、自らを語っているのだ。
     
     『非道に生きる』を読んだときにも思ったことだが、園子温の本は岡本太郎の本に似ている。表現者としていかに周囲の無理解や常識の壁と闘ってきたか――つまり、どうやって道を切り開いてきたを語る「熱さ」がすがすがしく、読むと励まされる点が共通しているのだ。

     また、本音全開で日本映画の現状を語ったくだりも多く、それらはすこぶる痛快である。たとえば――。

    《若い頃に冒険しないで、いつ冒険するのかということ。『舟を編む』(2013)とか、どう考えても落ち着きすぎです。監督が20代で撮った作品なのに、随分老け込むのが早い。あと40年どうするんだろうと心配になります。
     若いうちは冒険したほうがいい。それからでも成熟は遅くない。小津安二郎だって若い頃、『エロ神の怨霊』(1930)という作品を撮っています。》

    《「いい映画を作りたい」という監督にはロクな奴はいません。いい映画を作るというのは、十把一絡げの映画を作ることです。その年のベスト10で1位や2位になる映画は、20年後には残らないものが多い。多数決で選ばれる映画や小説にロクなものはなく、同時代から嫌われる映画にかぎって、後世に名を残す可能性を秘めている。
     嫌われようと目指すのは禁物ですが、嫌われるのを恐れてはなりません。》

  • あっそうだなーと気が楽になり頑張ろうという気持ちになる。悩める創作者には有意義な本。園子温の姿勢を感じられる。

  • 監督の映画より面白いエッセイ

  • 「非道に生きる」に続く園子温第2弾。
    相変わらずぶっ飛んでて面白いです。

  • 岡本夏生なつき スクランブル交差点 近年ブームの絆 孤独死 エレファントマン 統一教会 ホワイトアルバム 神秘体験 吹石一恵 吉高由里子 幕の内弁当 松林少女 マジェスティックのジムキャリー うつくしみ 質より量を信じてる 量産していくから磨かれる 身近にある過激な作品 嘆きのピエタ ヘイトスピーチ バッドフィルム 26世紀青年 ゼアウィルビーブラッド レイジングブル ソーシャルネットワーク フェイスブックにザはいらない ナップスター 染谷将太そめたにしょうた 知識と情熱 ユーモア スキルを上げるには沢山喋る必要がある 明石家さんま レーザーディスク 映像化 韓国光州 サニー永遠の仲間たち やるせない青春を過ごした豊橋 英会話ではなく性会話 茂木健一郎 こち亀 意思が何を成し得るのか チャップリン サンフランシスコ ミレニアムの打ち上げ花火 世間が思う人生像を破壊する映画

  • 著者の経験を交えながら、人生哲学を語っている。
    結論を言うと、兎に角動け!ということだろうか。
    実行あるのみ。その行動力に脱帽した。
    駄作であれ、ひとまず完成させてみる。
    質より量の価値観は、なるほどそうかと奮起させられる。
    言い回しは乱暴だったりするけれど、正論で全うな彼の人生哲学は、清々しく潔さを感じさせる。

  • 778.2

  • 哲学でも美学でもないけど園子温のことが少し分かります。映画のことも少し分かります。

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著者プロフィール

映画監督・詩人・アーティスト。1961年愛知県豊川市生まれ。17歳で詩人デビューし、「ジーパンをはいた朔太郎」と呼ばれ注目される。1987年、『男の花道』でPFFグランプリを受賞。スカラシップ作品として1990年に制作した『自転車吐息』がベルリン映画祭に正式招待される。1993年には、無意味・無目的・無宗教の運動体「東京ガガガ」を組織し、東京の路上を詩でもってゲリラ的に占拠。東日本大震災の翌年には『ヒミズ』(第68回ヴェネチア国際映画祭で主演二人がマルチェロ・マストロヤンニ賞受賞)、『希望の国』(第37回トロント国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞)を世に問い、世界でも高い評価を得る。2015年には『新宿スワン』『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』『映画みんな!エスパーだよ!』と年間で4作品を発表。同年7月にはChim↑Pomキュレーションによる初個展「ひそひそ星」を高円寺 Garter@キタコレビルにて開催し、9月にもChim↑Pom発案の「Don't Follow the Wind」展(ワタリウム美術館)にて像インスタレーションを発表。2016年5月に『ひそひそ星』を公開。

「2016年 『園子温作品集 ひそひそ星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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