さび 俊成より芭蕉への展開 (はなわ新書57)

著者 :
  • 塙書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784827340570

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  • サブタイトルになっている「俊成より芭蕉への展開」ということばが示しているように、「さび」という観念の歴史を解説している本です。

    俊成や正徹らの歌学における「さび」の概念からはじまって、近世初頭の禅僧である素隠によって書かれた仏典の注釈書(抄物)における「さび」の理解、あるいは利休を中心とする茶道における「さび」などについて説明し、芭蕉とその弟子たち、さらに蕪村や涼袋といった芭蕉以後の俳人たちにまで説きおよんでいます。

    著者は、前著『芭蕉における「さび」の構造』(1973年、塙書房)においても、著者自身の「さび」という価値観に対する理解をあらかじめ前提することなく、あくまでテクストにもとづいてその意味を解明することに努めていましたが、本書でもそうした抑制的なスタンスがつらぬかれています。あくまで「さび」の観念史であり、精神史ではないという点に、本書の意義があり、またその限界もあるように感じました。

  • 728夜

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著者プロフィール

1943年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。静岡大学人文学部教授、神奈川大学経営学部教授を経て、神奈川大学名誉教授。専門は、近世・近代俳論史。「鬼ヶ城」の俳号で実作も行い、俳句グループ「阿」の会の代表を務める。産経新聞「テーマ川柳」選者。

「2019年 『日本人なら知っておきたい美しい四季の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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