右手に「論語」左手に「韓非子」: 現代をバランスよく生き抜くための方法 (角川SSC新書 25)

著者 :
  • 角川マガジンズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784827550252

作品紹介・あらすじ

「人間を信頼してやっていこう」という『論語』。これに対し「人を動かしているのは、ただ一つ利益である」と見なした『韓非子』。これまで日本の社会は、『論語』が説く「性善説」の側に立って運営されてきた。『韓非子』が唱える「性悪説」は、馴染みが薄くあまりの厳しさに目をむく人もいるかもしれない。しかし社会が激変しているいま、「日本人も韓非子流を取り入れることが必要だ」と、著者は一石を投じる。この対照的なふたつの中国古典から実践的な生き方を学ぶ。ふたりの思想家の名言それぞれ40を厳選。

感想・レビュー・書評

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  • 性善説の論語、性悪説の韓非子、この2つをバランスよく取り入れることが組織運営やコミュニケーションを取るうえで大事。どちらかに偏っても良くない。しかし自分はどちらかというと韓非子寄りである。

  • 性善説と性悪説の違いが分かりやすい本。性悪説の韓非子、もっと悪い奴なのかと思ったけど意外にそうでもなかった。それは当然!と同調できるレベルに思う。どちらかに偏るって言うより、その状況に応じてバランスよく振る舞うべきところ。グローバルビジネスでの性悪説ってどんな感じなのか是非体験してみたいとも思わされた一冊です。

  • 「論語」と「韓非子」、どちらも大事な気がするものの、その土台のそもそもの人間観が違うので、それぞれをどう位置づけるかは難しいところ。

    そんなことを思いながら、読んでみた。

    が、残念ながら、あまり役にたたなかった。

    著者は、「論語」のほうにより共感していそうだが、「韓非子」についても、「そういう面もあることは認めざるをえない」「こんなのも大事だ」みたいな感じで、「論語」の理想論を「韓非子」の現実論で補うような感じかな?

    いや、それはそうなんだけど、2つの人間観の違うものをどっちも大事、どちらを何割取り入れるかというバランス論で捉えるようなものではないと思うのですけど。。。

    論語や韓非子の言葉を紹介しながら、それを日本の社会や会社に当てはめつつ、そこから教訓を引き出して、なんか一言感想を書くみたいな感じなのだが、あまり深みのない通り一遍の紋切りコメントが多い。

    なんか、サラリーマンの処世術と昔の日本は良かった的な懐古主義ですね。

    でも、最後まで読んだのは、こうしたディスコースを最近は自ら読むことがなくなってきたので、たまにはいいかと思って。。。。

  • 現代は、性善説の良さを確認しながら、欠けた部分を性悪説で補うことが大事

  • 著書の意見がいちいちオヤジの説教感あってかなりうざったい。
    名言▶解説▶エビデンスゼロの「最近の世の中はダメ。今こそこの名言の精神が大事なのでは?」的なことをかなりの頻度で言ってくる。「男とはこの名言のようにありたいものだ」とかは1番昭和感あってうざかった。

    これらのコメントで作者の浅さが伝わってきて、論語と韓非子の名言の選別意図や、解説も合ってるのか不安になってしまう。

    しかしその部分をサッと読み飛ばせばまぁまぁの良書だと思う。著者を信じて読み続けられるかどうかが裏テーマ感ある。

  • 対照的に見える二つの考えがよく整理されている。

  • 人間の本性は善であるとする「性善説」と悪であるとする「性悪説」。誰も性悪説の社会など期待していないが、性善説では脇が甘くなるというジレンマがこの世の中には存在する。一言で言い表すならば、「修己の性善説」と「統治の性悪説」。自分の内面を見つめる「性善説」と外の世界に目を向ける「性悪説」のどちらも、もう一度学び直しておこうというのが本書の主旨である。性善説の立場で書かれた「論語」は孔子の言説を弟子達が編纂したものであり、孔子の弟子では孟子が性善説の思想を受継いだ。一方の性悪説は孔子の弟子の荀子が提唱し、その弟子の「韓非子」がそれを受継いだ。

    「子、四を絶つ。意なく、必なく、固なく、我なし」(論語)
    「下君は己の能を尽くし、中君は人の力を尽くし、上君は人の智を尽くす」(韓非子)

  • 性善説の「論語」と性悪説の「韓非子」、両者をバランスよく取り入れる、というのが筆者の論である。

    特に「韓非子」は日本人になじみが薄い。しかし、歴史の覇者を見ると、韓非子が指摘しているとおりである。

    「韓非子」の主張は主に「法」と「術」である。「術」とは信賞必罰である。また、マキャベリの君主論に通じるものがある。

    目次
    第一章 性善説か性悪説か
     性善説は脇が甘くなる
     「論語」の人間学
     「韓非子」の統治学
    第二章 「論語」の名言
    (略)
    第三章 「韓非子」の名言
    1 権限を手放すな
    2 組織内部にも戦いがある
    3 小さな忠義立てが仇になる
    4 機密を漏らすな
    5 情報をどう使うのか  知の難きに非ず、知に処するは則ち難し
    6 逆鱗に触れるな
    7 「姦臣」に用心せよ
    8 安全で利益のあるほうに付く  安利はこれに就き、危害はこれを去る。これ人の情なり。
    9 厳罰をためらうな
    10 思いやりの政治は成り立たない
    11 臣下を信用するな     人主の患いは人を信ずるに在り
    12 「愛する者」に用心せよ  禍は愛する所に在り
    13 人は利益で動く
    14 君臣の関係はそろばん勘定だ
    15 不幸はどこから繰るのか
    16 なぜ失敗するのか
    17 些細なことから崩れていく
    18 自分のことはわかりにくい
    19 取ろうとするなら、まず与えよ
    20 頼りにならない
    21 愚直でありたい  巧詐は拙誠に如かず
    22 洞察力を磨け
    23 他人の秘密を知ると
    24 能力をひけらかすな
    25 内部の結束を固めよ
    26 嘘も真実になる
    27 殺されるとわかっていれば
    28 忠誠を当てにするな    その我に叛かざるを恃まず、吾が叛くべからざるを恃む
    29 「術」をもって治めよ
    30 他人を頼むな       人を恃むは自ら恃むに如かず
    31 汚い手も使わざるをえない
    32 凡庸な君主でもつとまる
    33 楽しみが仇になる
    34 危険から身を避ける
    35 バランス思考で対処せよ
    36 君主にも三つの等級がある 下君は己の能を尽し、中君は人の力を尽し、上君は人の智を尽す
    37 恵まれた者は強い
    38 働かざる者食うべからず
    39 厳しさも必要である
    40 人の善意をあてにするな  人の吾が為に善なるを恃まず

    メモ
    第一章 性善説か性悪説か
    14 修己治人、徳治主義
    19 刑名参同ーやり遂げた実績と本人の申告をつき合わせて評価するということ

    第二章 「論語」の名言
    40 学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば即ち殆し
    41 不易流行:不易=時代が変わっても変わらないもの、流行=時代とともに変わっていくもの

    第三章 「韓非子」の名言
    136 孟子「君臣義あり」、韓非子「君臣の交わりは計なり」
    141 「道理」は、ある程度人生を生きてくると、自分の体験に基づいて、一応、身につく。しかし、自分の体験だけでは、範囲が狭く底も浅い。古典をひもといて先人の知恵に学ぶことにより、自分の体験を補強するこができる。
    149 せっぱ詰まった時に、一縷の望みをかけて、頼りにならない相手に助けを求めていないか?
    161 近隣の国々は、日本を貶めるための政治的発言を繰り返す。日本は事実確認もしないで、ひたすら謝罪を繰り返してきた。その結果、ありもしないことがさもあったかのように世界に広まってしまった。日本の名誉と国益を損なってきた。
    165 君主の臣下の操縦術
     ごかましを許さない厳格な勤務評定(刑名参同)
     賞罰の権限をみずから行使する

  • 韓非子:人は利益で動く

  • 8.20.2014

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著者プロフィール

著述業、中国文学者

「2022年 『世界のビジネスエリートが身につける教養 論語と孫子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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