- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784828412467
感想・レビュー・書評
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知らない世界の話が繰り広げられています。なぜだか湿気っているという感覚が…。
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著者は皇居の賢所で長く勤めた方。
我々が訪れることができない、皇居の「最奥地」の生活を語る。
言葉遣いのせいか、やや冗長な印象もあるが、古来からの伝統を繋ぎ続けている人々の生活を垣間見ることができる。 -
【図書館】皇居の賢所に57年間内掌典としておつとめになられた方に教えていただくお話。日々の御用や行事。所作ひとつひとつに決まりごとがあり、それが古より口伝で受け継がれてきたというのがすごいことだわ。残念ながら現代では4年の交替制となっているんですって。このような形でないと後に残らないんだろうな…実際に高谷さんがいらした間にもやめてしまったことがいくつかあるとのこと。本当に清(清浄)と次(清浄でない)をしっかり守っておられるんだなぁ。御神饌のためだけのお菓子とか、とらやすごい。おまな(魚)を扱う板だから、まな板か。御所言葉、興味深い。
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宮中賢所に五十七年仕えた方の手記。
宮中祭祀を実際が具体的に記してある。この方以降、四年間の交代制となったようだが、伝統が続いて行くことを願う。
しかし、Γ次清」の考え方といい清いこと、の重視がある種特徴かと思う。 -
皇居で三種の神器を守る賢所に使える方の本。
割と謎の多い皇居でのお勤めがわかり、とても興味深かったです。
作者が仕えていたのは、皇居の仕事のなかでもとりわけ昔からのしきたりにのっとり、伝統を重んじたお勤めをするところ。寝起きから、装束や髪の結い方、体の清め方などなどなど、いろいろ私生活にまでそのしきたりは及びます。
なんだか窮屈かなぁとも思うけれど、もはや彼女らの存在やその生活自体が無形文化財になりそうなくらい、日本古来の美しさや優雅さを感じさせます。
今では皇室でも着物をきたり髪を結い上げることも少ないだろうな。
そういう意味で、貴重な記録になると思う。 -
宮中三殿にて奉仕する内掌典を戦中から50年間に及んで務めあげた高谷朝子による一書。小林よしのりの天皇論から通読したが、期待以上の内容だった。
高谷さんによって一つ一つの綴った言葉が実に洗練され美しい。正に現代が喪失した日本人としての美しさ、心構え、教養、深い歴史と文化が凝縮している。
一般の人間が知る機会もない宮中の生活の様子や祭祀の様子をこれだけ深く知るだけでも大変貴重な内容だが、高谷朝子さんを通じて失われた日本人の姿をリアルタイムで再発見できたことが内容と匹敵するほどの収穫だった。 -
あまりにも異世界の人のお話で驚きました。宮中の天照大神を祀る賢所に、昭和18年からつい最近まで務めてらした女官の語り下ろし。宮中での神様の存在や皇室の方々との関わり、女官としての日常生活への関心で読み始めたのですが、とにかく日々のしきたりの多いこと! 基本は、穢れと清め、で基本的には人間的なものは全て穢れなんですよね。自分の着物に触れても、それは手が穢れたことになって清める。ただただ身を清らかにして神様と皇室の方々に仕えるという57年間で、修道女のような、と思えば、それを選んだ人の気持ち次第なのだから、と納得がいきますが、やっぱり驚きのほうが大きいです。ご自身は、毎日、ただ穏やかにお務めをして幸せな人生と言われているので、それはもう、よろしゅうございました、と私のような庶民でも申し上げたい気持ちになります。独特の女官言葉でずっと聞き書きされていますので、読み終わったばかりの今、別の世界から飛んで帰ってきたような気分です。正直、日常の「おしきたり」が多すぎて、流して読んでしまった部分もあるのですが、これまで口伝のみで伝えられてきた決まりごとということですので、貴重な資料となるのでしょう。
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日本で一番特別な場所、皇居の中のさらに特別な場所の話。
夢物語のようにもとらえがちだが、平安時代から続く内掌典の日常。 -
57年間の皇居生活を綴ったもの。賢所特有の言葉使いやしきたり。